キョウ とろんと
米山リサさんの在職するトロント大学

Blog「みずき」:下記の論攷で米山リサさんは「旧植民地支配の仕組みを引き継ぎ、その米国に日本は付き従うという冷戦レジーム(体制)」の問題にまで遡ってより根本的に今回の「日韓合意」を批判しています。すなわち、今回の「日韓合意」は「むしろ戦後の冷戦体制を完結させつつある」一環としての日米韓政府の「他者を抹殺する攻撃的なナショナリズムに直結する」行為である、と。ここでも日韓合意を「一定の前進」と見る「志位談話」との認識の乖離は明らかです。

なお、当時、女性国際戦犯法廷に関する番組を担当した元HNHKディレクターの
永田浩三さんによれば、上記の米山リサさんの文章の末尾に出てくる「勘ぐれ、おまえ」という文句は、「2001年1月、ETV2001の放送前日に、安倍晋三内閣官房副長官がNHK松尾武放送総局長に言ったとされる有名なセリフ」だということです。
【「日韓合意」は冷戦レジーム(体制)の温存の現れにほかならない】
安倍晋三首相が昨年四月に
米議会で演説 し「先の大戦」への反省を表明した。しかし、アジアでの侵略や植民地支配には触れなかった。これは米国重視、アジア軽視という七十年前の歴史認識と変わらない。「慰安婦」問題をめぐる年末の「日韓合意」も、当事者不在の国家間処理という点で、日韓政府が請求権問題は「完全かつ最終的に解決した」とする協定を結んだ五十年前の躓きの亡霊を見るかのようだ。米国が中国・ソ連と覇権を争う中で旧植民地支配の仕組みを引き継ぎ、その米国に日本は付き従うという冷戦レジーム(体制)が温存されている。米国は中ソに対抗するために日本の再軍備化を急いだ。日本は核の傘への批判を控え、沖縄には基地という負担を課してきた。米軍と自衛隊の一体化を進める特定秘密保護法や安全保障関連法も、その延長線上にある

首相は「
戦後レジームからの脱却」というが、むしろ戦後の冷戦体制を完結させつつある。今回の日韓合意を米国は高く評価した。米国が日本に和解を勧めるのも、自衛隊に米軍の肩代わりをしてもらうには、アジアの同盟国の理解が必要と考えているからだ。歴史認識の問題で日本は謝罪の姿勢さえ示せば、和解できるとしてきた。だが、謝罪は一方的に押しつけるものではない女性国際戦犯法廷(二〇〇〇年)で中国の元慰安婦の女性が「日本に赦しを請うてほしい」と訴えた。日本政府は「赦してくれ」と言ったことはあるのか。当時、主要メディアは委縮し、この法廷をほとんど伝えなかった。戦前・戦中の検閲も「勘ぐれ、おまえ」という自己検閲だった。侵略の過去を振り返らない民主主義は、他者を抹殺する攻撃的なナショナリズムに直結する。ジャーナリズムはそこを見定めてほしい。(米山リサ「東京新聞」2016年1月14日

【この国は民主主義の国なのか】
この国は民主主義の国なのか。
あぜんとする発言が飛び出した。安倍晋三首相が衆院予算委員会で、宜野湾市長選や今夏の参院選、県議選が辺野古新基地建設に影響するか問われたのに対し、「安全保障に関わることは国全体で決めることだ。一地域の選挙で決定するものではない」と述べた。政府が決めるから地方は黙って従え、という意味にほかならない。地方自治を完全に否定する発言だ。選挙で示す民意に従わないと明言したわけだから、民主主義を適用しないと断言したことにもなる。首相は戦後70年談話で「民主主義、人権といった基本的価値を堅持し、その価値を共有する国々と手を携え」ると述べた。民主主義の無視を公言しておいて、どんな手を他国に差し出すのだろう。今夏の参院選から選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられる。若者に投票の意義を説くべきところを、投票が無意味だと示したのである。投票に行かない若者の多くは「どうせ投票しても何も変わらない」と語るが、そうした諦めと無力感を、政府トップ自ら植え付けてどうするのか。

しかもこの民意の露骨な無視は、他府県では行っておらず、沖縄でのみ行っていることである。2014年、政府は米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練移転を佐賀県に提案した。地元から反発の声が上がると、翌年、政府はあっさり断念した。その際、菅義偉官房長官は「知事など地元からの了解を得るのは当然だ」と述べた。だが沖縄での辺野古新基地建設では、知事も地元市長も反対なのに、同じ菅氏が先月、工事の実施を「当然」と述べていた。沖縄では41全市町村の首長も知事も反対の署名をし、全市町村議会も県議会も反対決議をしたのにオスプレイ配備は強行された。配備どころか単なる訓練移転でも佐賀では地元の了解が「当然」の前提なのに、沖縄では常駐配備という最悪の選択が何一つ了解なしに強行されるのである。首相は今回、安全保障を沖縄の民意無視の理由にしたが、佐賀では同じ基地絡みなのに民意を受け撤回した。この露骨な二重基準が差別でなくて何であろう。首相は衆院代表質問で「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら」と述べていた。民意を無視して、どう「寄り添う」つもりだろうか。(
琉球新報社説 2016年1月14日

【山中人間話】

【「勘ぐれ、お前」は安倍晋三内閣官房副長官がNHK松尾武放送総局長に言ったとされる有名なセリフ】(
永田浩三) 

今朝の東京新聞1面。トロント大学教授の米山リサさんの寄稿。オンタリオ湖のほとり、いま寒いだろうなあ。文章の最後のあたり、「勘ぐれ、お前」は、2001年1月、ETV2001の放送前日に、安倍晋三内閣官房副長官がNHK松尾武放送総局長に言ったとされる有名なセリフだ。

Posted by 永田 浩三 on 2016年1月13日



【被害者の名誉を傷つけるという一審判決が出た「帝国の慰安婦」の出版を、朝日新聞は直ちに中断すべきだ】(
姜 聖律

 朴裕河氏は、「慰安婦には多様性がある」と主張しながら、結局は、自分が描き出した慰安婦像を「本質」だと言う。そして、国家が戦争目的の遂行のために、女性に対して性的サービスを強要するシステムを開発、管理、運営したという「慰安婦」制度の核心をぼ...

Posted by 姜 聖律 on 2016年1月14日
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