キョウ 晩秋の早朝

【行政の想像力の貧困と母子心中事件】
千葉県銚子市の県営住宅に住む母子が賃料滞納のために民事裁判を千葉県から起された。裁判所に出頭しなかったため即刻立ち退けとの判決が出された。進退きわまった母親は、自らが自殺することで、中学2年の娘を公的な保護に委ねようと考えた。2014年9月24日の強制執行当日に自殺する計画をひそかに立て、それまでを娘と一緒に過ごす時間とした。
立ち退きが断行される当日、朝たまたま母親の体調を心配した娘が学校を休むという思わざる事態があって、その計画に狂いが生じた。心理的な葛藤もその間あっただろうが、母親は「母子心中」を思いついた。そして娘を運動会で着用した鉢巻きを使って絞殺した。執行官が自宅に訪れたとき、母親は遺体の傍らで運動会のビデオを無言で見ていた。ビデオが終わったら自分も娘のあとを追って死ぬ、と執行官に答えたという。ひとりで自殺する積もりが、計画が暗転し、娘を殺し自分が残ったのである。そして殺人容疑者として刑事裁判に問われる身になった。離婚して年頃の中学生の娘を抱えた母親が公営住宅に住みながら、生活苦から家賃を滞納して、県から住居を追われるという窮状に直面し、遂に愛する娘を手にかけてしまった、この銚子市母子心中事件は社会に強い関心と衝撃を与えた。(略)

この報告書を締めくくるにあたり、これらの施策を検討する際に、前提とすべきことを今一度振り返ってみる。第1は、母子家庭が住居を喪失することの意味を考えるにあたりもっと想像力をもつことである。年頃の少女を抱えて家をなくした母親は路頭に迷う訳にいかないし、どこかでホームレスになるわけにもいかない。母子が安全で安心できる宿泊先を探し出すことは現状では容易なことではない。県が公営住宅からの追い出しに成功したとしても、ただちに母子が直面する宿泊、居住の問題を次に考慮しなんらかの措置を講じるべきではないか。行きどころに困った母親が年頃の娘を抱えて死ぬことを択んだという顛末に本人たちの身にそって想像力を働かせる必要がある。第2は、母親が県営住宅での居住を最終的に失うことを覚悟したときに自殺念慮を生じたという点である。

居住の喪失と自ら死のうとする決意とが直結していることの文脈とそのことの意味は重い。少なくない貧困家庭において住居を失うと言うことは、この世で満足に暮らしていけないということである。有償の宿泊先の当座の確保すらできにない者にとって、居住を失うことは生活と生存の危機にただちに結びつくことである。その認識は社会にひろく共有されるべきであろう。(
自由法曹団 2015年9月19日
 
【「貧乏なのに進学した罰」だと思った】
大阪市の一等地にあるマンションの一室が、その風俗店の待機部屋だ。20歳前後の女性たちが試験勉強したり、お菓子を食べたり。予約が入ると従業員に客の特徴を聞いて、バッグを手に部屋を出る。短大2年の女性(20)もその一人。高卒より上の学歴があれば、大きな企業に就職して貧困から抜け出せるのではないかと期待して短大へ進んだが、資金的にも精神的にも行き詰まり、週2、3回、働いている。嫌だったが、お金が欲しかった。

「貧乏なのに進学した罰」だと思った。幼い頃、小さい会社を経営する両親と裕福に暮らした。小学生のとき両親が離婚。母親と2人暮らしになり、生活保護を受けた。母は代わる代わる男性を家に連れ込んだ。親をあてにできず、高校の学費は食品会社の箱詰めなどのアルバイトで賄った。学費の心配に目をつむって進学した。短大の学費は年間約120万円。入学前に必要な費用は親戚や知人に借りた。学費の大部分は有利子の奨学金をあて、交通費や教科書代、生活費と借金の返済は、居酒屋のアルバイト代だけが頼りだった。(
朝日新聞 2015年10月15日

【山中人間話】

いたるところで、忖度・自粛・配慮の競争。

Posted by 永田 浩三 on 2015年10月21日

官邸スタッフです。18日の観艦式における総理の訓示とともに、観艦式当日の様子や、日頃の訓練、世界各国でのPKO活動など、これまでの自衛隊の活動を写真や動画で紹介しています。ぜひご覧ください。

Posted by 首相官邸 on 2015年10月22日
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