沖縄に対して、ここまで露骨な意思表示をした政権がかつてあっただろうか。

Posted by 金平 茂紀 on 2015年10月6日


【Blog「みずき」再説:
島尻安伊子参院議員の「下品さ」について
昨日の5日、翁長雄志沖縄県知事が昨年12月に就任後初めての菅義偉官房長官との会談が那覇市内のホテルで開かれました。菅房長官側からの要請による会談ですが、これまで翁長知事との会談を一貫して拒否してきた官邸の強硬姿勢に「自民党内からも丁寧な対応を求める批判が出始め、統一地方選を前に政権のイメージ悪化を食い止めたいという思惑」や「安倍首相の訪米を控え、沖縄側の意見は聞いたというアリバイにしよう」(朝日新聞4月6日社説)とする思惑からのものと見て間違いないでしょう。

そうした官邸側の打算と思惑は沖縄のメディアも先刻承知で、今回の会談の成立についてもまったく期待を抱いていません。沖縄タイムスの昨日5日付けの社説も「移設反対の民意が示されたという見方を否定し、『普天間の危険性除去をなんとかしてほしいというのが沖縄県民の声』だと、臆面もなく問題をすり替える菅氏の発言は、沖縄の人々に寄り添うという姿勢からはほど遠い。こんな認識で5日の翁長雄志知事との会談に臨むようでは、実のある話は期待できない」というものでした。当然の認識であろうと私も思います。

官邸側も翁長知事側もこの会談を今後も続行させていく旨の宣言をしていますが、両者の会談を会談として実のあるものにするためには前提として「まず、辺野古で進める作業を中止すること。それが話し合いに臨む最低限のルール」(同前朝日社説)というべきものです。そうしない限り、沖縄の政府への不信と反発はますます高まっていかざるをえないでしょう。いまは「話し合い」よりも政府の口先ではない「実行」が求められているのです。
 
と書いてきましたが、実はここまで書いてきたことは主題ではありません。ここでの主題は、前出の沖縄タイムスの昨日5日付けの社説でも批判されているこの4日に自民党県連の会長に就任した島尻安伊子参院議員の「(沖縄の)市民の反対運動について『責任のない市民運動だと思っている。私たちは政治として対峙する』と言い放った」「驚くべき発言」についてです。この島尻参院議員の「驚くべき発言」の記事を目にしたとき、私の安倍暴政政権を支える自民党議員、自民党という悪辣な政党に加わる者どもへの怒りは沸点に達しました。
 
島尻安伊子参院議員は2010年の参議院選挙で普天間基地の県外移設を公約に掲げて当選した人です。その人が普天間基地の県外移設、また、同基地の即時廃止を求める沖縄の市民の反対運動について「責任のない市民運動だと思っている。私たちは政治として対峙する」とまでうそぶいているのです。参院選当選時の公約とはなんだったのか、とこの人を説諭しようとしても無駄というものでしょう。この人が生きている世界では道理や倫理などの言葉は存在しないのです。あるのはおそらく強者迎合と富者迎合の論理、弱肉強食の世界観だけです。こういう人を愚劣の人というのです。
 
島尻安伊子という人を弾劾するために証言として沖縄在住の作家の目取真俊さんの2本の文章を採録しておきます。
 
5日付琉球新報が、参議院予算委員会での島尻安伊子議員の発言を報じている。1月19日に行われた名護市長選挙で、稲嶺進氏は「市長権限を使って埋め立て工事に反対する」という公約を掲げて再選を果たした。前回の票差の2倍以上となる4000票余の大差で勝利したことは、稲嶺市長への市民の信頼と公約への強い支持を示すものだ。それに対し、日本政府はさまざまな圧力をかけて稲嶺市長を追いつめ、名護市民の民意を踏みにじろうとしている。島尻議員は政府の手先として、そのお先棒を担ごうとしている。2010年の参議院選挙で島尻議員は、普天間基地の県外移設を公約に掲げて当選した。にも関わらずその後、自らの公約を破棄しただけでなく、ほかの県選出自民党議員の公約破棄を促す役目を果たした。あまつさえ今度は、名護市長の公約まで突き崩そうと謀っている。いったいどこまで愚劣なのだろうか。(略)

島尻議員はまた「反対派」への警察権力の弾圧も呼び込もうとしている。県警に予防措置の強化を促すその発想は治安維持法に通じるものであり、辺野古新基地建設に反対する名護市民、沖縄県民の行動を、国家の暴力装置を使って抑え込もうとするものだ。それこそ現場での大きな混乱と流血の事態を引き起こしかねない危険な発言である。島尻議員は、これまで17年余にわたって反対してきた辺野古のお年寄りや、「市民投票」以来、分断と対立に苦しんできた名護市民のことを考えたことがあるのだろうか。自らの選挙公約を破ったばかりか、政府に県民への弾圧を促す島尻議員に、県選出の国会議員たる資格はない。即刻辞任すべきだ。「台所から嘘をつく」が売り物のこの腐りナイチャー議員を、1日も早く沖縄から叩き出さなければならない。(海鳴りの島から 2014-02-07
 
7月7日付の琉球新報には共同通信と合同で行った県内有権者対象の電話世論調査の結果が載っている。(略)琉球新報と共同通信の調査では、普天間飛行場の返還・移設についての対応も問うている。(略)県外・国外移設、無条件撤去を合わせて79.1%が普天間基地の「県内移設」に反対している。5月28日の日米合意直後の県民世論調査では、84.1%の県民が辺野古「移設」に反対だったが、現在も8割近い県民が反対の意思を示している。普天間基地の辺野古「移設」を県民の頭越しに日米合意したことへの怒りは収まっていないし、菅政権が普天間基地問題を選挙の争点から消したとしても、それは一時しのぎにしかならない。参議院選挙がどのような結果になろうと、「県内移設」反対の県民世論が8割を占める状況を菅政権がひっくり返すことはできない。

今回の参議院選挙沖縄選挙区では、自民党公認の島尻氏も普天間基地の「県外移設」を主張している。しかし、それでは島尻氏は、政権交代以前に「県内移設」=辺野古新基地建設を推進してきたことは誤りだったと認めて、反省や謝罪の意を示したのだろうか。本音で「県外移設」を主張し、自民党国防部会副部会長という立場にあっても党の方針に逆らい、辺野古「移設」反対のたたかいを取り組むつもりだろうか。私にはそうは見えない。県民世論に逆らえば選挙に勝てないという政治的判断と、民主党連立政権に対抗するという政局がらみの打算から「県外移設」を主張しているとしか思えない。(海鳴りの島から 2010-07-08
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