ススキ

【中東難民問題は「対岸の火事」ではない】
中東諸国からの大量の難民をどのように処遇するかという問題は、欧米諸国にとってもっとも深刻な課題となっています。(略)
しかし、シリア、リビア、アフガニスタン、イラクなどにおける内戦、政情不安が続く限り、今後も更に多くの人々が難民化を余儀なくされることは目に見えています。そして、これらの国々が内戦、政情不安に陥った原因は、アメリカを先頭とする米欧諸国が、対テロ作戦(略)、あるいは「アラブの春」をきっかけとした「民主化」への動きを助長するとして起こした軍事干渉(略)や反政府勢力に対するテコ入れ(略)にあることは明らかです。中東難民問題の発生は、米欧諸国による「民主化」の押し付けがまったく成果を挙げないのみならず、逆に中東諸国の政情不安を生みだす結果に終わっていることを示しています。(略)したがって、中東難民問題を根本的に解決するためには、アメリカ主導の米欧諸国特にNATOの軍事介入政策の誤りを米欧諸国に徹底的に認識させ、この政策を清算させることが不可欠です。ところが、この明々白々な点が米欧諸国においては、一部のメディアを除き、ことさらに回避されている状況があります。この事態が続く限り、中東難民問題の根本的解決はあり得ないと言わなければなりません。

そして、この問題は、私たち日本人にとっても決して「対岸の火事」ではないのです。(略)日本国内における戦争法反対の運動の高まりに、私は力づけられています。しかし、この反対運動がともすれば、「日本が戦争に巻き込まれる」ことに反対するという次元に認識レベルが留まっていることに対しては、正直言って不満があります。私たちはより深く問題の所在を見つめることが必要だと思うのです。その問題とは、アメリカの軍事力行使に偏る対外政策は世界の平和と安定をもたらさないどころか、正に世界を更に不安定化する元凶となっているということです。そして、安倍政治が強行しようとしているのは、日本をアメリカの片割れ、もっと言えば傭兵化し、世界のさらなる不安定化に加担させることだということなのです。そこに戦争法の問題の国際的な本質があるのです。私は、中東難民問題が客観的に提起している問題の所在を認識するまでに、現在の国内の反対運動における認識のレベルが高まらないと、結局、運動は「戦争法反対」だけの一過性のものに終わってしまう危険があると感じています。戦争法反対の意識から出発して、更に日本政治及び国際政治の本質的問題にまで認識を高める時、はじめて「安倍政治を許さない」から「アメリカベッタリの日本政治を許さない」へと歩を進めることが可能になると思うのです。(
浅井基文のページ 2015.09.13

【リテラの池上彰評価は「ファッショを助ける」】
元朝日新聞記者である本多勝一氏はマスコミの中立病を以下のように批判している。(略)「殺す側と殺される側を「公平」に扱い、強姦者と強姦される側、加害者と被害者を「公平」に扱う。良いこと(プラス)と悪いこと(マイナス)をたして二で割り、ゼロにする。(略)こんなことなら、せめて何も書かない方がいい。となれば、まさにこのような新聞こそが「これはファッショを助けるものだ」と結論せざるを得なくなる」。(略)(池上彰氏の論説を持ち上げるリテラの記事をあげた上で)いい加減にしろと言わざるを得ない。まず、問題の池上氏の評論を読むと、まさに本多氏が非難するプラスとマイナスをたして二で割りゼロにする論法を絶賛している。「朝日の論調に真っ向から反対する人にも話を聞くようになりましたね。安保法制論議でも賛成・反対両方の意見を載せている。朝日の報道に物申すというような、有識者による検討会議もできました。朝日自身でだいぶ自浄作用を働かせたんじゃないかと思いますね。」安保法案が日米同盟を強化し、アメリカの戦争に参戦するためのものであることは幾万の抗議者によって何度も何度も繰り返し繰り返し主張されていることだ。(略)池上によれば、国会議事堂前のデモを一瞬しか映さない一方で、政府側の見解を重点的に知らせるNHKの報道は偏向報道ではないらしい。しかし、一般人の感覚からすれば、これほど偏った報道はない。(略)冒頭の本多勝一氏は、朝日新聞社に勤めているちょうどその時に、同紙のコラム「天声人語」を批判する記事を載せた。翻って池上はNHKを退社してもなお、古巣をかばっている。これがメディアが「真の愛国者」「100%リベラリズム」と評価する人間なのである。(前者は佐藤優、後者はリテラによるもの)リテラがなぜこのような人物を崇拝するのかは知らないが(Blog「みずき」:リテラ編集部に「見る目がない」からです)、結果的にそれは、集団的自衛権にもメリットがあるという神話を権威化することに他ならない。池上は政府の見解を無批判にそのままファミリーに向けてゴールデンタイムの時間帯に反対論と同価値の意見であるかのように報じる男だ。こういう人間の言葉が正しいように演出することは自分の首を絞めることに他ならないだろう。(
時事解説「ディストピア」2015-09-14

Blog「みずき」:最近、「リベラル」界隈のできごととして、元NHKキャスターの池上彰氏をリテラが持ち上げ、そのリテラを市民運動家がさらに持ち上げるという構図ができあがっているように私には見えます。その構図に異議を唱えているのが時事解説「ディストピア」の論説です。比喩が上等ではないので引用をためらいましたが、時事解説「ディストピア」氏の池上批判とリテラ批判は正論(というのが私の評価)です。上等とはいえない比喩の部分は省いて要約しました。
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://mizukith.blog91.fc2.com/tb.php/1528-0c68ab62