シュウカイドウ
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【南北朝鮮の8月危機の「成果」】
朝鮮が激しく非難し、警戒する米韓合同軍事演習「
ウルチ・フリーダム」が強行されているさなかに、韓国軍兵士2人が地雷によって大けがをした事件が引き金となって起こった南北間の一触即発の危機(以下「8月危機」)は、南北のトップ・クラスによるマラソン交渉の結果、8月24日に「共同報道文」が発表され、武力衝突は辛うじて回避されました。(略)私は、この合意を生みだした最大かつ最重要な原因は、軍事的に圧倒的に劣勢にある朝鮮が戦争を極力回避したかったことはもちろんですが、米韓同盟を後ろ盾とする韓国も、本格的軍事衝突に突入した場合には、朝鮮の捨て鉢の反撃によって到底受け入れ不可能な損害を蒙ることを覚悟しなければならないことを確認せざるを得なかったことにあると思います。つまり、朝鮮の軍事力(核+通常)は韓国に対するデタランスとして有効に機能していることを韓国が受け入れるほかなかったということです。もっとも、韓国メディアの報道として中国メディアが紹介している内容を見ると、韓国国内では、朴槿恵大統領が取った朝鮮に対する超強硬姿勢が朝鮮の地雷爆発事件に対する謝罪を引き出したという受けとめ方が強いようです。即ち、共同報道文は「北側は…地雷の爆発で南側軍人たちが負傷したことについて遺憾を表明した」という表現ですが、交渉に当たった青瓦台国家安保室の金寛鎮室長は「北側は謝罪した」と強調しました。そして韓国世論は、「遺憾」という表現は謝罪としては不十分であり、不満が残るけれども、朝鮮の「遺憾表明」を引き出し、合意成立を実現したのは朴槿恵大統領の超強硬姿勢によるものだったと、全体として積極的に評価しているようです(それを裏づけるのは、直後の世論調査で朴槿恵大統領に対する支持率が49%に跳ね上がった事実です)。こういう受けとめ方が支配的とすると、「積極デタランス」戦略は有効だという結論にもなるわけです。しかし、積極デタランスの有効性の確認ということと、朝鮮の軍事力が韓国に対してデタランスとして有効に機能していることの承認とは必ずしも矛盾するものではありません。むしろ、かつての米ソ間の均衡的・対称的な相互デタランスではありませんが、朝韓間にも、非均衡的・非対称的ではあるにせよ、一種の相互デタランスが機能していることを双方が承認した結果が今回の南北合意を生みだしたと思われます。(略)朝鮮にとっての8月危機における最大の成果は、自らの軍事的デタランスが韓国によって承認されたことによってこれまでの警戒感から解放され、今後の南北交渉に自信を持って臨めることになったことにあると思います。(浅井基文のページ 2015.08.30

【全文】(下記をご参照ください)
朝鮮半島8月危機(浅井基文のページ 2015.08.30) 
1.8月危機の根本原因
2.南北合意にかかわる注目点
  <相互デタランスの受け入れ>
  <南北の直接交渉>
  <対決から対話へ?>
  <6者協議の行方>

【山中人間話】
 

明日、8月30日(日)NHKEテレ 午前5時00分~午前6時00分こころの時代 「そこなわれし人々のなかに―沖縄でコルヴィッツと出会う」現在開催中の展覧会で、この番組で取り上げられているコルヴィッツ作品を展示しています。番組と合わ...

Posted by 永原 純 on 2015年8月29日



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Blog「みずき」 2015.07.19
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