ツバキ3

【首相安倍の米国議会演説の従属性】
安倍首相の訪米、日本のマスコミ報道では、おおむね大成功との評価です。
議会演説のパフォーマンスは、スピーチライターの腕で、ハリウッド風のエピソードを散りばめた45分間の英語演説に仕立て上げられました。しかし内実は、深刻な問題を孕んでいます。米国人・ワシントン向けには、パール・ハーバー、バターン行進、硫黄島まで入れて、「日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます」と神妙に「深い悔悟」を表明しました。しかし、アジアについては、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません」と述べたのみで、中国韓国が注目していた「従軍慰安婦」「侵略」「植民地支配」の「謝罪」はありませんでした。第二次世界大戦とは日米戦争だけで、満州国も日中戦争もなかったかの如くです。

米下院の
マイク・ホンダ議員は、抗議声明を出しました。オバマ大統領・米議会の歓迎は、「かつての敵、今日の友」が、TPP交渉妥結を明言し、「日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう」と集団的自衛権による日米防衛協力ガイドラインの実行を確約した点にあります。首脳会談では普天間基地の辺野古移転強行も公約しました。沖縄県知事をはじめ沖縄県民の「希望」は無視し、閣議決定も国会審議もない段階での「希望の同盟」への飛躍で、米国以外の国には、「忠犬ポチの自己陶酔」のように映っても仕方がないものです。

しかも、戦後70年の年の安倍首相の「国際公約」は、日本の国家体制そのものの重大な改変を含んでいます。日本国憲法と日米安保条約双方の、事実上の改変です。かつての国会討論の焦点であった「極東の範囲」は、あっさり乗り越えられました。日本国憲法と安保条約の双方を改訂することで、世界中で活動する強力な軍隊を持ち、米軍と共に戦争ができる国になりました
サンフランシスコ講和条約60年安保改定に匹敵する重大な進路変更で、自国の立法府で議論することなしに、米国の世界戦略に従属したかたちです。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2015.5.1

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