以下は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の2015年4月19日付けの「今週の風考計」の言葉。
 
これほど国民の命と人権が、粗末に扱われていいのか。イスラム過激派組織「IS」は、後藤健二さんの妻に再三メールを発信していた。だが政府は直接関与せず、妻の対応に任せっぱなしだったという。彼女は外国の危機管理コンサルタントに意見を仰ぎ、夫の解放に向け犯行グループとの交渉に必死だった。その間、首相はじめ政府要人は「テロ集団とは交渉しない」の一点張り、座視していたという。後藤さんを見殺しにしたのだ。人質となった家族にすら、寄り添わない政府の対応には、言葉もない。さらに辺野古新基地を作る工事が進む大浦湾沖で、カヌーを漕いで抗議する市民に対し、特殊警備艇のブリッジから海上保安官が「出て行け、犯罪者」と暴言を吐く。沖縄県民の人権を踏みにじる妄動は許されない。政権トップ・官庁職員の感覚たるや、国民に仕える公僕としての自覚もなし、その「堕落」ぶりには目を覆う。16日、両陛下は、パラオの戦没者慰霊に引き続き、八王子市の「高尾みころも霊堂」に祀られる、約25万の労働災害による死者を慰霊された。生者のみならず、死者の命にも想いを寄せる両陛下の心情を、とりわけ皇室を尊崇してやまない安倍首相、とくと汲みあげよ。自衛隊員の命を粗末に扱う「戦争法案」に躍起となるなかれ。(Daily JCJ【今週の風考計】2015年04月19日

そして、以下は、そのJCJの「今週の風考計」(2015年04月19日)の言葉を憂う本ブログ筆者(引用者)の悲嘆。この国の左派・リベラルの「右傾化」をこれ以上進行させないために記録しておきます。

JCJ(日本ジャーナリスト会議)の記者は「国民に仕える公僕」の「堕落」ぶりを痛罵するその口の端で天皇の発言については最上級に美化して描いて疑問を持たない。その能天気は現在の左派・リベラルの「右傾化」の能天気なさまを象徴している。そして、本人の自覚なしにこの国の「右傾化」の共犯者になりおおせている(そうしてこの国の「右傾化」を批判しているのは茶番だ)。

炭鉱のカナリア」の役割を果たしえない現在のジャーナリズムのありかたに疑問を呈し、「ウォッチ・ドッグ」(権力の監視者)としてのジャーナリストの本来のありかたを追求するために設立されたのがJCJであるというのが私のJCJ認識ですが、上記の天皇美化発言は、JCJにおいても一般ジャーナリズムと同じような「ウォッチ・ドッグ」精神の形骸化(辺見庸インタビュー前編(3)参照)が激しく進行しているさまを意図せずにパラドキシカルな「不条理な笑い」として描くことになっています。目的を喪失したデラシネの墓を見るほど悲嘆を感じることはありません。

弁護士の
澤藤統一郎さんは天皇の発言の美化について以下のように述べています。付記しておきます。

戦後社会の支配の仕組みにおける、象徴天皇の利用価値を侮ってはならない。現天皇の意思を忖度して君側の奸を攻撃する類の言説をやめよう。親しみある天皇像、リベラルな天皇像、平和を祈る天皇像は、『天賦民権・民賦国権』の思想を徹底する観点からは危険といわざるを得ない」。(「澤藤統一郎の憲法日記」2015年4月13日
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