翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」の「賛同人署名」のありかたについて疑問視されている問題点について同「声明」署名の発案者のおひとりの今井一氏が反論を書いています。
 
「想田和弘Twitter」(2015年2月12日)
声明文への賛同者を募る際に「なぜ職業的な言論人、報道人、表現者とそれ以外の一般の人とを分けるのか」という抗議、疑問について、今井一さんからの詳しい説明と反論です。疑問に感じておられた方々、ぜひお読みください。http://ref-info.com/2q/
 
しかし、一読して、彼の反論は、「暴論」と「詭弁」に満ちた反論とはいえない反論でしかありませんでした。彼を「言論人」と呼ぶのもおこがましい。私はそう思いました。想田和弘さんも「暴論」と「詭弁」のみと言ってよいこのようなしろものを想田さんの名誉のためにも「詳しい説明と反論」、「ぜひお読みください」などと言うべきではないでしょう。自身の人を見る目のなさと読解力のなさを示すだけのことにしかならない、と私は思います。
 
さて、今井氏の反論の全文は最下段に附記しておきますが、その前に私の今井氏の反論に対する反論の反論を示しておきます。
 
第1に言っておかなければならないことは、今井氏のものの言い方の高飛車な態度の問題です。まず反論の冒頭で今井氏は「少数ではありますが、抗議や疑問が寄せられているので、お答えします」と述べます。ハナから今井氏は「賛同の求め方」に抗議や疑問を提起する者を「少数者」のクレーマーとして片づけようとしています。そのことは「少数ではありますが」という彼の冒頭のもの言いからも明らかです。が、問題提起者をクレーマー視するところに民主主義はありません。言い古されている言葉ですが有名なヴォルテールの言葉。「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」というのが民主主義者としてのあるべき姿勢というべきだからです。今井氏のもの言いの高飛車な態度は民主主義者のそれとは決定的に異なります。そういう人が「翼賛体制の構築に抗する」などと言っても説得力はまったくありません。また、問題提起者や疑問提起者を「少数者」と決めつけてかかるのも問題です。今井氏の目にふれたものが単に「少数」だったということにすぎないかもしれません。同じように考えている人は案外大勢かもしれないのです。ここでは実数の問題を言っているのではありません(それはわからないことです)。「決めつけてかかる」のはよくない、ということを言っています。
 
第2。今井氏は、「職業的な言論人、報道人、表現者とそれ以外の一般の人」を分ける理由として、「主婦、医師、魚屋といった職に就いている人」と「非正規雇用で働いている報道関係者や正社員の報道関係者」とをくらべて後者は「直接関係ない理由で解職されたり左遷されたりする」確率が高いことをあげていますが、今井氏が例としてあげている「主婦、医師、魚屋といった職に就いている人」は主婦を除いていわゆる自営業の人たちで「解職」されるということはもともとありえません。しかし、これが一般の会社員ということであれば、「解職」の危険度は報道関係者よりも高いかもしれないということはいえても低いということはいえないでしょう。統計を示すまでもなく、一般の会社員よりも報道関係者の方が自由度が高い(もちろん、「言論の自由」も含めて)というのが世間の評価の通り相場です。今井氏の論は「詭弁」というほかありません。
 
第3。今井氏は、「もう一つの理由」として、「信頼性を高めることでした。表現活動と呼べることをまったくしていない人の名前を「数を稼ぐために」載せたりしていない」などとも述べています。ここでも今井氏は、「他者の品定め」はおのれがするという不遜な態度をあらわにしています。この「賛同人署名」の呼びかけは、自身を「言論人、報道人、表現者」と考える人に対して、「みなさん「賛同人」という位置付け」で、かつ、「表現者と考えるかどうかは自己申告制」の形で呼びかけられたものです。そうであれば、この呼びかけに応えて署名を寄せた人たちは、自身を「言論人、報道人、表現者」のいずれかであると判断したからこそ呼びかけに応えたはずで、「表現者と考えるかどうかは自己申告制」である以上、その「申告」をそのまま受け入れるというのが筋です。改めて「信頼性を高める」ために「肩書き」を追加して「再送するようお願いする」必要などないはずです。それを今井氏は「信頼性を高める」ためなどと強弁する。私が今井氏を「不遜」というのはそういうことです。ましてや自身を「表現者」と認識して「賛同人署名」の呼びかけに応えようとした人たちを「表現活動と呼べることをまったくしていない人」、などと見下した物言いもする(なかにはそういう人もいるかもしれませんが)。何をかいわんやといわなければならないでしょう。
 
第4。今井氏は自身が上記のような態度をとっているにもかかわらず、「「自己申告、自身が表現者だと考えればそれでいい」という想田さんの書き込みは反故になっていません。守られています」などとここでも強弁します。挙句の果ては「追伸」として「使命感と正義感によって、不眠不休で転記作業をしてくれている若いジャーナリスト」なる人を引っ張り出して、「彼は、とてもつらい思いをしています」などとも言います。しかし、今井さん。私が指摘したあなたの上記のような対応を見る限り、「若いジャーナリスト」なる人はともかくとして、あなたが「使命感と正義感」のある人などとはとても思えません。
 
「声明」賛同についての二つの疑問に答えます(今井 一 2015年2月12日)
 
「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」への賛同の求め方に関して、少数ではありますが、抗議や疑問が寄せられているので、お答えします。
 
[1]なぜ職業的な言論人、報道人、表現者とそれ以外の一般の人とを分けるのか。という抗議、疑問について
 
憲法で認められている言論、表現の自由は、作家、俳優であろうが無職、主婦、学生であろうが保障されている。だから職業的な言論人、報道人、表現者とそれ以外の一般の人とを分けるな、差別するな、馬鹿にするな…
そんな抗議や疑問がSNS上に流れていたり、想田和弘さん古賀茂明さんに寄せられたりしています。お二人は元々「分けない方がいい」と主張されていました。それを否定したのは私です。
 
理由は二つ。例えば、主婦、医師、魚屋といった職に就いている人が、ツイッターで政権批判をしても、仕事を奪われたり左遷されるということは、ほとんどありません。けれども、同じことを、例えば、非正規雇用で働いている報道関係者や正社員の報道関係者がやれば、直接関係ない理由で解職されたり左遷されたりするのです。つまり、前者は政権批判をしても暮らしに困ることはないが、後者はたちまち窮乏するという点でまるで違うのです。
 
今回、私宛に知人・友人の報道関係者が、前述のことを理由として明記し、名を連ねるのは「数日考えさせてほしい」とか「諸般の事情で難しい」とか「スタッフに給料を払えなくなるから無理」とメールしてきました。これが現実なのです。だから、覚悟を決めて「声明・宣言」に名を連ねる職業的な言論人、報道人、表現者と、こうした職業的表現者の抵抗の動きを支持し応援する人に「賛同」署名は分けるべきだと考えたのです。
 
今回、大手放送局の現職のプロデューサー、ディレクターが名を連ねました。新聞社、出版社の記者、デスクも名を連ねました。彼らが負うリスクと、何を書いても、言っても、職を生活を急には奪われない人が負うリスクはまるで違います。なので、両者を同列に扱うのはおかしいと私は考えました。
 
もう一つの理由は、信頼性を高めることでした。表現活動と呼べることをまったくしていない人の名前を「数を稼ぐために」載せたりしていない。連名者として掲載されている人はみな、ちゃんとした「言論人、報道人、表現者」であるということを確保したかったからです。
 
[2]表現者としての名前の掲示は「自己申告制で審査なしです」という言葉を反故にしているという抗議、疑問について
 
今回、想田和弘さんがFBで「自己申告、自身が表現者だと考えればそれでいい」という旨のことを書かれました。それを根拠に「話が違う」とか「審査されて拒まれた」と言ってる人がいますが、想田さんの書き込みは反故になっていません。守られています。
 
名前を掲載する作業を担った私と大芝健太郎さんは、みなさんからいただいたメールを一人ひとり、端から端まで読んで対応しました。職業欄に、俳優、小説家、カメラマンなど明らかに職業的な表現者だとわかる人については、そのまま名前を転記しましたが、空欄、無職、学生、公務員、主婦、家事手伝い、看護師等々、一般的な職種を記している人で、メッセージ欄に「詩を書いている」とか「ブログで発信している」といった具体的な活動について何も付記していない方については、それを付して再送するようお願いする返信を送りました。(メッセージ欄に表現活動を記している方は転記)
 
自己申告制で審査なしです。「詩を書いている」という人に対して、作品を見せろなんて言わないし詩人と呼ぶにふさわしいかどうか審査するなんてこともない。つまり、想田和弘さんの言ったことは基本的に守られているのです。
 
職業欄空白でメッセージ欄にも何も記していない人の名前を、機械的に、前述のディレクターや記者の横に並べるようなことはしたくない、しなかった。
 
賛同の登録については新しいシステムが導入されましたが、旧システムで登録してくださった方のお名前の転記作業が、あと1千人ほど滞っています。それをまた、私と大芝さんが担うわけですが、私たちはブレません。ここに書いてあることが理解できないというなら、それでけっこう。どうぞまた抗議してきてください。ただし、想田和弘さんや古賀茂明さんに絡んだり責めたりするのはやめてもらいたい。
 
言いたいことがあるなら、この作業の責任者である私に直接どうぞ。hanyokusan@gmail.com
宛てに電話番号を添えた実名メールをもらえば、私の携帯からお電話を差し上げます。私たちは、膨大な 転記作業に追われていて、メールのやりとりに時間を割く余裕はありませんので。電話でやり取りさせてください。よろしくお願いします。
 
追伸、使命感と正義感によって、不眠不休で転記作業をしてくれている若いジャーナリストをがっかりさせないでほしい。メールを読んでいないとか主婦を馬鹿にしているとか差別しているとか、もううんざりです。彼は、とてもつらい思いをしています。
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