膠着状態内藤正典さんは「膠着ではない。沈黙である」と言っています。「意図的な」ということなのでしょう)が続く「日本人人質」問題でフリージャーナリストの後藤健二さんの解放とその生死のゆくえが気がかりです。多分に気分的なものですが、一日中、後藤さんの生死のゆくえを追っていてそれで疲労困憊して一日を終えてしまうということをここ数日繰り返しています。書くべきことは外にもあるのでしょうが、また、実際にあるのですが、いわゆる筆が動きません。いま、外のことで筆を動かすことは不誠実のように思えるのです。むろん、人さまのことを言っているのではありません。もっぱら、私の気分の問題です。

それでもひとつのことは書いておこうと思います。というよりも、引用しておきたいと思います。いまから援用しようとしている「私の沖縄・広島日記」ブログの筆者も「大変重要なニュースです」と言っていますが、私も「大変重要な」ことだと思います。
 
前回、私は、「共産党はもはや『井の中の蛙』となって『鴻鵠』の志を忘れてしまったのか?」という記事を書きましたが、その続きとして元新聞記者の「私の沖縄・広島日記」ブログ主宰者の「しんぶん赤旗」批判と「街の弁護士日記」ブログ主宰者の岩月浩二さんの「しんぶん赤旗」批判の記事を引用させていただこうと思います(改行と黒字強調は引用者)。その続きの続きは今度は私の言葉でもう少し詳しく書く、ということになると思います。
 
はじめの引用。

 
前回のこのブログで、沖縄の翁長雄志知事に、「公約」に基づいて直ちに「辺野古埋め立て承認」を撤回するよう求めました。その際、海外の識者らが連名で翁長氏に書簡を送ったことに注目し、その一部を紹介しました。大変重要なニュースですが、本土の新聞には載っていないようです。「しんぶん赤旗」(日本共産党機関紙)はどうだろうかと、昨日図書館で見てみました。そして、目を疑うような驚きと怒りを禁じえませんでした。「書簡」の趣旨がまったく反対に歪曲されていたからです。「赤旗」(1月28日付)は2面3段の囲み記事(写真右)で、「翁長知事に海外の連帯 識者15人 沖縄新基地反対」の見出でこう書いています(以下、全文)。
 
[ワシントン=洞口昇幸]沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の同県名護市辺野古への「移設」(新基地建設)に反対し、普天間基地の即時無条件撤去を求める昨年1月の声明に賛同した海外の識者・文化人のうち15人が23日、翁長雄志・県知事に連帯の意思を示す手紙を送りました。/送ったのは、ニューヨーク州立大のハーバート・ビックス名誉教授、シカゴ大のノーマ・フィールド名誉教授、アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソン氏(政治学博士)、ジャン・ユンカーマン早稲田大教授・映画監督、米アメリカン大のピーター・カズニック教授、オーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授など。/手紙では、昨年11月の県知事選で翁長氏が勝利したことで新基地反対の民意が再確認され、辺野古を守るために長年取り組んできた人たちにとって、「大きな励ましとなった」と述べています。
 
この記事(見出し含め)がいかに「書簡」の趣旨を捻じ曲げているか。「書簡」を報じた沖縄県の2紙と比べれば明らかです。琉球新報(1月25日付、写真左)は、1面で、「辺野古阻止へ『行動を』 海外識者15人、知事に手紙」の見出しで、「(海外の識者・文化人が)翁長雄志知事に手紙を送り、辺野古の新基地建設に向けた日本政府の作業を止めさせるために積極的な行動を取ることを求めた」と報じました。沖縄タイムス(同日付、写真中)は、2面トップで、「知事に迅速行動要求 外国識者 辺野古に危機感」の見出しで、記事と解説を掲載しています。この中で沖縄タイムスの平安名純代・米国特派記者は、「識者らは・・・『本格的埋め立て工事は間近に迫っており、残された時間は非常に限られている。遅すぎるという感を否めない』と危機感を表明。・・・『県民は法的検証よりも、翁長知事の政治的決断力に民意を委ねたのであり、その思いに応えてほしい』と訴える」と「書簡」の内容を紹介。「解説」でこう指摘しています。「今回の要請の背景にあるのは、埋め立て承認の取り消し・撤回を掲げて当選した翁長知事の対応の遅さだ
 
「書簡」はどういうものだったのしょうか。ここに全文を転記します。本土のみなさん、ぜひ読んでください。
 
2015年1月23日/沖縄県知事 翁長雄志様/私たちは主に、昨年1月に発表した「世界の識者、文化人、平和運動家による辺野古新基地建設反対と普天間基地返還を求める声明」の賛同人となった、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州の市民グループです。私たちは 、沖縄の社会、政治、歴史の研究などを通じ沖縄に関わってきており、これまで十数年にわたり沖縄についての記事を英語で世界に発信してきた『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』(japanfocus.org)の執筆者でもあります。/昨年の声明で私たちは、仲井眞前知事による民意に背いた辺野古埋め立て承認を批判し、沖縄の過重な基地負担の不当性を訴え、辺野古新基地建設反対を訴えました。そして11月、辺野古新基地を「造らせない」と公約した翁長知事が当選したことで新基地反対の民意が再確認されました。知事が現地に赴き基地建設反対を訴えたことは、大浦湾と辺野古を守るために長年たゆまぬ努力をしてきた人たちにとって、どんなに大きな励ましとなったことでしょう。
 
あれから2か月が過ぎました。現在、基地建設に向けての作業が強行されています。連日抵抗する市民と機動隊が衝突し、毎日のように怪我人が出ている様子は見るに堪えません。私たちの理解では、出動しているのは沖縄県警であり、県警は知事が任命する県公安委員会の管理下にあります。知事はその権限をもって、辺野古で抵抗する市民たちに暴力的な警備は行わないように、また機動隊は交通警察に交代させるよう県警に指示できるはずです。海上保安庁にも暴力的な警備を即刻やめるよう申し入れてください。/知事は、前知事による埋め立て承認の検証のための委員会を1月下旬には決定し、月に二度ほど会合し、早ければ4月に検証結果をまとめるよう作業を進めるとの報道があります。その結果埋め立て承認に法的瑕疵があれば取消、そうでなければ撤回を考えているとのこと。また、4月以降、訪米団を組んで米国政府に直接基地建設中止を訴えるという計画も聞いております。
 
しかし本格的埋め立て工事は間近に迫っており、残された時間は非常に限られています。遅すぎるという感を否めません。今埋め立て作業を止める権限を持つのは日米政府と、埋め立て承認の取消か撤回という方法で作業を止めることができる翁長知事だけです。知事が、埋め立ての取消か撤回という権限を行使しないままに訪米しても、説得力を持たないのではないかと思います。逆に訪米前に少なくとも取消か撤回への明確なコミットメントをすれば、訪米行動は意味あるものとなります。その際は私たちも全力でバックアップします。/また、沖縄県民は、沖縄をこれ以上差別させず、自然環境を破壊する基地は造らせないという価値観のもとに知事を選んだのです。法的検証は確かに大事なことですが、法的側面にあまり重点を置くことは、埋め立て承認を「法的基準に適合している」と正当化した仲井眞氏と同じ土俵に立ってしまうのではないでしょうか。県民は法的検証よりも、翁長知事の政治的決断力に民意を委ねたのであり、その思いに応えてほしいと思います。
 
知事が取消か撤回を行うまでは、日米政府は前知事の承認に従って着々と作業を進めてしまいます。一度大浦湾が土砂やコンクリートで破壊されてからでは遅すぎます。検証委員会の判断が出るまで作業中止を求めることはもちろんですが、委員会は一刻も早く答申を出し、知事は取消か撤回の決定を下すことを期待します。/埋め立て承認の取消か撤回をせずこの基地が造られてしまったら、初めて沖縄県の合意に基づく新基地が造られたということが歴史に刻まれ、将来への重大な禍根が残ります。/外部からの口出しと批判されかねないことを申しましたが、私たちの目標は知事と、知事を選んだ沖縄県民の多数派と共通しており、それは辺野古の基地建設阻止です。そして私たち自身も日米政府を動かし基地建設を断念させる努力を続けていきます。/沖縄新基地建設反対!世界の声(No New Bases in Okinawa! Global Voices)/<以下、15人の氏名、肩書は省略。太字は引用者>
 
読めば歴然です。「書簡」を送った識者らは、辺野古新基地建設阻止を本当に願い、たたかっている県民と連帯するために、翁長氏に「迅速行動」を強く、厳しく要求しているのです。「赤旗」の記事は前置きの一部を引用しただけで、肝心な本文の内容はまったく伝えていません。そして「識者」らがただ素朴に「翁長知事に連帯」を表明しているかのように描いています。これは完全な「欠陥記事」であるだけでなく、なにがなんでも翁長知事を擁護したいというきわめて政治的な意図による事実の隠ぺい・改ざんと言わねばなりません。事態は動いています。いまや、翁長氏への不満は海外識者らだけではありません。「翁長氏は知事選で『あらゆる手段で新基地建設を阻止する』と表明していた。ある与党議員は『もう就任1カ月半だ。「あらゆる手段」が見えないことが県民に不安を与え、不安は怒りに変わりつつある』と不満を隠さない」(琉球新報1月28日付)
 
日本共産党が「翁長支持」を続けるのは、政治選択ですが、それは正確な情勢判断によってなされるべきであることはいうまでもありません。そうであるなら、沖縄の正確な情勢を「赤旗」読者や党員・支持者に伝えることのは、政党として最低限の責務ではないでしょうか。政治的思惑から、事実を隠ぺい・歪曲することは、絶対に許されることではありません。
 
次の引用。「街の弁護士日記」の主宰者の岩月浩二弁護士の記事から。
 
岩月弁護士はまず、

「しばらくネット情報をとるのをやめていた。Blog『みずき』のサイトを見て、とんでもないことになっていることを知った。政府が人質解放に向けて全力で(?)取り組んでいるさなかに、人質事件を招いた責任を問う政府批判をするのは不適切だというのが、どうも日本共産党の公式見解のようだというから、恐れ入る」2015年1月29日
「ジブチ基地強化について触れた朝日新聞記事は知られていると思われるが、続報はほとんど出てこない。むろん赤旗も。/わずかに北海道新聞が「ジブチ「基地」化 なし崩し整備許されぬ 」(01/25)との社説を掲げているのは地方紙の気骨を示すもので、立派だ。日本共産党本部の無抵抗路線、赤旗の「しかと路線」は、こうした気骨すら見殺しにしかねない。」

「人質事件はこうした構造の中で起きている。追及しなきゃウソでしょ。共産党本部さま

と共産党批判、あるいは「しんぶん赤旗」批判をします。

岩月弁護士の「赤旗」批判は実は長い長い続きものです。以下はその一部の一部です。 
 
二重基準と言えば、安倍晋三秘密保護法体制国家は、思想の内容によって表現の自由を仕分ける明らかな二重基準を採用していることを「発見」しました。朝日とか、毎日とか、東京・中日とか、琉球新報・沖縄タイムスなど、集団的自衛権に反対するスタンスの新聞が、1月22日朝刊でオバマ大統領の一般教書演説の「イスラム国破壊」宣言を報道するのはダメよダメダメ。集団的自衛権に賛成している読売新聞、産経新聞の、イケイケドンドン、フレフレオバマの『イスラム国』戦争翼賛はどんどんヤルべし。まさに意見如何によって、報道の自由を差別する、二重基準。公益による表現の自由の制限の典型例。フランスのヘイトスピーチ規制同様、恣意的なものなのです。(略)今日も、赤旗さんの脳天気は続きます。ジブチの基地も強化されることだし、有志国連合の動向次第では、日本が急に参戦することになるかもしれないのだけれど、「テロとの戦争」という絶対の正義に反対する度胸があるのか、だんだん心配になってくる今日この頃であります。こんな状態が続くと、後世の歴史家は、残された証拠史料からする限り、2015年当時の日本には、『イスラム国』との戦争に反対する意見は、存在しなかったと判断することになるでしょう。(2015年1月23日
 
昨日の夕刊(引用者注:「イスラム国打倒 強調 米大統領 一般教書演説」の大きな見出しのある記事の切り抜きの写真)。/今朝の朝刊(引用者注:の写真)。/どの社もそうだったと思われるが、昨日の夕刊は、『イスラム国打倒』とか『イスラム国破壊』とか『イスラム国壊滅』とかおどろおどろしい言葉が一面に踊っていたはずだ。ところが、今日の朝刊からは、イスラム国関連部分は、ほぼ消え去っている。米国政府が戦争をしたがっている(合衆国憲法上、戦争宣言の権限は議会にある)、そのためにオバマが議会に戦争宣言を求めると表明したことは、見事になかったことになっている。おそらく各紙の社説からも、イスラム国「破壊」「壊滅」「打倒」は消え去っているはずだ。そもそもイスラム国問題について一般教書演説で触れられたことすら社説から消し去っているかもしれない。(略)決して「特定秘密」ではあり得ない、宗主国大統領の議会での施政方針演説すら検閲するのだ。正直、これには参る。赤旗さんも相変わらず脳天気である。(2015年1月22日
 
バッシングを受けて靴の裏をなめるようになった、御用マスコミは、安倍晋三による中東支援を「非軍事の手段で地域の安定を目指す支援は当を得たものだ」と持ち上げている。フランス原子力空母シャルル・ド・ゴールのペルシャ湾派遣によるイラクへの大規模な空爆が計画されているために大規模な周辺国「支援」が必要になったことを百も承知で、訓戒を垂れているのだから、たちが悪い。勝手にイスラム国への空爆を始めた米国のケリー国務長官が、昨年の9月に「日本は大きな支援を与えるだろう」と語った筋書き通りに、「大きな支援」をを与えることになったことには口をぬぐっている。外交的な手がかりに乏しいとも抜かすが、外務省がそれまでは頼りにしていたイスラム法学者である中田考氏を私戦予備陰謀罪のでっち上げがらみで捜索・聴取して、切って捨てたことにも触れない。主な読者層が、リベラルでありたいと思っている人たちだろうから、安倍晋三礼賛の刷り込みには多大な意義がある。頭垂れ、靴の裏なめて、勲一等に値する活躍ぶりである。
 
それにしても腑に落ちないのは、赤旗の報道だ。マスコミが右傾化すれば、それ相応に赤旗も自粛右傾化するということなのだろうか。未だに、フランス空母派遣による大規模空爆が予定されていることについて、全く触れていない。このため、ほとんどの国民(おそらく99%の国民)が、イスラム国との戦争の本格化が既定路線になっていることを知らない。先日の、集団的自衛権反対の集会とデモに参加した人たちですら、知らない人が大半のようだった。弁護士会の次の企画を何にしようか、何気に話す機会があったので、酒井啓子氏などを招く、イスラム関係の企画を提案したが、僕が信頼している弁護士たちも怪訝な顔をするばかりだった。せめて赤旗が、フランス空母派遣による大規模空爆にきちんと反対し、40カ国首脳のデモがねつ造だったことをきちんと報道していただきたい2015年1月21日 
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