「日本人人質」問題に関して人質「救出」に関わる緊急性のある問題提起についてはすでに本ブログ上に記事としてアップしています。以下は、2015年1月20日から25日にかけての「日本人人質」問題に関連する「今日の言葉」の記録です。

雪を割るスイセン 
 
・左端の
写真と、中央の写真は、いずれも安倍首相のイスラエルでの同じ演説を伝えるNHKニュースですが、どこか違いがあります。(略)左は「ホロコースト記念館視察」と説明がありますが、それが右では「ユダヤ人追悼施設視察」になっています。下のテロップも、「ホロコーストを二度と繰り返してはならない」が「このような悲劇を二度と繰り返さないとの決意」に変わっています。左の映像は19日夜7時からの「ニュース7」、右は20日朝7時からの「おはよう日本」です。(略)同じNHKのニュースで、一晩(12時間)にして、「ホロコースト」が消えたのです。映像だけではありません。夜の「 ニュース7」では次のように読み上げられました。「イスラエルを訪れている安倍総理大臣は日本時間の19日夕方、エルサレムにあるホロコースト記念館、『ヤド・ヴァシェムを訪れました。記念館には、第2次世界大戦中600万人ものユダヤ人がナチス・ドイツによって虐殺された歴史を人々の記憶にとどめ犠牲者を追悼しようと、強制収容所に送られた人たちの体験談や写真などが展示されています」しかし「おはよう日本」では、「安倍総理大臣は大量虐殺されたユダヤ人を追悼する施設を訪れ・・・」と言うだけで、「ホロコースト」の言葉も、記念館の説明もありませんでした。これは明らかな意図をもって「ホロコースト」をアナウンスと画面から消したと考えざるをえません。籾井勝人会長の指示なのか、それとも政府・自民党からの圧力なのか。NHKがニュース用語を政治的にチェック・統制していることは間違いありません。(略)「ザ・タイムズ」紙は「これらの規制は、日本の保守国家主義的首相である安倍晋三氏の政権の立場を反映しているように見える」と指摘しています。NHKについては最近も、バラエティ番組に出演するお笑いコンビの爆笑問題が、事前の打ち合わせでNHKスタッフから、「政治家のネタは全部だめ」と言われたことが明らかになりました(略)。籾井会長は安倍首相の意向でNHK会長に据えられた人物。戦時性奴隷の使用を擁護する一方、政権の意向に沿った報道を公言してはばかりません。安倍―籾井ラインで NHKの右傾化はますます進行しています。今回の「ホロコースト」削除は、その1つの表れと言えるでしょう。(「私の沖縄日記―広島編」2015年1月20日
 
・昨日、東京外国特派員協会での
中田考氏の記者会見をネットワークからみた。立派な学者が必要な行動をしていることに感動する。今朝の東京新聞にはニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏が「二人が解放されるには、二億ドルの支援を中止するか、イスラム国にも公平に支援するかだろうが日本の威信にかかわる問題、難しいだろう」と表情をくもらせたとある。中田氏の提案は「イスラム国にも公平に支援するか」というよりもさらに限定的・具体的なもので、「イスラム国」行政下の難民への食料・寝具などの物の形式での援助をトルコ新月社(赤十字社)を通じて送るという提案である。そして「七十二時間で人質に何かするのはまってほしい」というメッセージである。記者会見の最後に、それをふくむメッセージを日本語で読み上げた後に、アラビア語で読み上げた。具体的な反応があるとよいと思う。騒然とした状況のなかで学術が何をすべきかということを考えさせられる。騒然とした状況であるからこそ、学術文化の筋の通った主張をしなければならず、それに直面して行動し主張せざるをえない学者の姿勢については、アカデミー全体で支えるべきことであると思う。(略)中田考氏の提案がなんらかの形でいきることを願う。その提案の意味を学術の分野をこえて考えていきたいと思う。ともあれ、ニューヨーク・タイムズの東京支局長が「二人が解放されるには、イスラム国にも公平に支援する」と述べていることは中田氏の意見が十分に考慮するべき選択肢のなかにあることを明瞭に示している。(「保立道久の研究雑記」2015年1月23日
 
・日本のメディアも、トルコとシリアの国境の町、
ガジアンテプからキリスに入っていると思う。人質に関する報道をするにしても、筆舌に尽くしがたい苦難の中にあるシリア難民を無視した取材をしないでいただきたい。日本人のことは案ずるが、難民の生活に思いを寄せないのであれば、誰も日本のメディアに共感しない。目と鼻の先のどこかで捕らえられている人を救うには、国境を行き来する人たちに、彼らを生かさねば と思わせなければならない。マスメディアの人たちが、コーナーなり、明日の原稿なりに気を取られ、自分のすぐ横に、まさしく当事者たる難民がいることに思い至らないことはあまりに多い。自分もマスメディアとともに仕事をするから、そのことはよくわかる。だが、キリスにいる記者やディレクターの皆さん。その町の、雨露もしのげない軒先にも、難民の人びとが肩を寄せ合うように暮らしていることをどうか忘れないでください。日本人は、自国の人質に関心をもつが、自分たちには何の関心も示さないと見られたら、一縷の望みも絶たれることをどうか自覚して行動していただきたい。ハサン中田先生、私、グローバル・スタディーズ研究科、理工学研究科、神学研究科、社会学研究科の先生方、同志社大学のリーディング大学院の履修生、事務職員、皆でキリスを訪問しました。現地NGOの協力で、病院にさえ収容できない人々が暮らす施設を訪れました。いわゆる難民キャンプ以外の市内の家々にも、シリアからの難民の人たちは暮らしているのです。どうか、そのことを見ずに、人質関連のニュースだけ報道したらそれで終わりという感覚で、キリスを訪れないでください。今回のことでキリスに入っているジャーナリストの皆さん、キリスには、すでに何年も前からアサド政権の攻撃から逃れた人々が、市民の家や倉庫や軒先を借りて住んでいることを知っていてください。実は今でも、大勢の人がシリアとトルコを往来しているのです。(内藤正典Twitter 2015年1月23日

・ニッポン国の安倍総理はフランスの週刊紙が襲撃された直後にも関わらず、ノコノコと中東4か国歴訪に出かけ、2900億円をばら撒き、反イスラム国援助のために2億ドル供出すると、滞在先のカイロで演説した直後に日本人二人の殺害予告がネットで流された(略)。安倍総理は、二億ドルは避難民への支援だと発言を修正したが、イスラム国のビデオの声明を見れば、カイロでの安倍総理の演説が今回の事件の引き金になったことは明らかだ。(略)イスラム国はこれまで米国や英国とは区別して見ていた日本に対しても敵対関係にある事を通告したも同然である。安倍総理は記者会見もイスラエルで行った。ここにも配慮不足が露骨に見られた。この事件に関しては殺害予告の期限は過ぎたわけだが、その後の情報はもたらされていない。(略)日本政府は交渉の糸口すら掴んでいないのではないかとの憶測も流れている。最悪の事態は、イスラム国がインターネット上で、日本人二人の殺害シーンを公開することだろう。湯川、後藤両氏のシリア入国後の足取り情報すら掴めていないということは、外務省や日本大使館の現地情報の収集体制も機能していないという事だろう。この分では、中東に限らず、今後とも在外日本人の誘拐・拉致事件は頻発する可能性も大きい。安倍外交が国益を損なう事態になれば、盤石な安倍政権に亀裂が入ることにもなりかねない。(略)昨年12月の解散総選挙で絶対的な安定多数を確保した安倍政権だが、今回の日本人二人が殺害されるような事態になれば、安倍政権は大きなダメージを受けることだけは間違いないだろう。(岡留安則の「東京-沖縄-アジア」幻視行日記 2015.01.23

・中東情勢や日本の対中東外交に詳しい
高橋和夫放送大学教授は、今回の 中東訪問における 親イスラエル路線の表明は アメリカと足並みを揃えることと同時に、安倍政権がイスラエルに接近するメリットがあると判断していることを反映しているとの見方を示す。武器輸出カジノ解禁など安倍政権が推進したい政策にはイスラエルや世界のその分野を牛耳るユダヤ資本との連携が不可欠なものが多いことを高橋氏は指摘する。高橋氏は日本の中東外交は、単に「イスラム国」との対決を明確に表明するだけにとどまらず、イスラエル対イスラム諸国の対立関係において、よりイスラエル寄りの姿勢にシフトしていると説明する。安倍首相は「イスラム国」の人質ビデオが公開された直後の記者会見を、訪問中だったイスラエルのエルサレムで行い、テロに屈しない意思を明確に表明しているが、それはイスラエル国旗と日の丸が並び立つ前で宣言されている。映像的には日本がイスラエルと手を携えて、イスラエルと敵対するイスラムのテロと対峙していく姿勢を明確に打ち出したと受け取られて当然だった。これについてはもう少し配慮のある対応が必要だったと高橋氏は言う。「イスラム国」がイスラムを代表しているわけではないにしても、「日本が十字軍に参加した」ことを理由に起こされた事件のただ中で、「六芒星旗」(イスラエル国旗・六芒星はダビデの星の意味)を前に決意表明をするというのは、もしこれが意図的でなかったのであれば、あまりにも外交センスに欠けるし、意図的だったとすれば、人質問題への悪影響を無視していると言わざるを得ない。高橋氏はあの映像には「イスラム穏健派でも違和感を感じただろう」と言う。(略)イスラム世界は日本の対応を注視している。日本は十字軍に参加したのか。その結果、手にするものと失うものは何なのか。日本が政策変更によって、今回の人質事件のようにイスラムのテロリストの標的となる確率を高めてまで得られるものとは何なのか。(ビデオニュース・ドットコム 2015年1月24日

・安倍首相は「イスラム国」の周辺諸国へ、
2億ドルの対テロ支援を行うと表明した。なぜ最初から明確に平和的な「人道援助」といわなかったのか。思惑があったのは間違いない。だから鋭く「イスラム国」は、この支援を「イスラム国」制圧に使う軍事支援とみなし、邦人2人の身代金要求へと行動をエスカレートしたと思われる。この背景には、2日前の安倍首相のイスラエル訪問がある。総選挙を2か月後に控える同国で、安倍<経済ミッション>は、苦戦が予想されるネタニヤフ首相との会談の中心に、イスラエルの電子機器など、軍事転用ができる製品の共同開発や投資協定を据えた。しかも安倍首相は、意図したかのように中東歴訪中の米国・共和党ジョン・マケイン米上院軍事委員長と、わざわざ面会している。マケインは米国でもタカ派、反イスラム原理主義派 で知られ、同時に軍需産業の代理人でもある。日本・イスラエル・米国の軍需連携強化と、「イスラム国」が見るのも無理はない。まさに日本は「イスラム国」との軍事戦に協力する、欧米諸国と同列の 十字軍」の一員とみなされたのだ。いくら「積極的平和主義」と謳おうとも、衣の下に戦争する国へと武器を取る姿が透けて見えるのだ。日本社会をテロの標的にさらす危険 へいざなった安倍首相の責任は重大である。(Daily JCJ【今週の風考計】2015年01月25日
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