トウキョウ

以下の今日の深更に見た記事。もちろん、一例にすぎません。が、無性に腹が立ちました。あまりにも悪意と愚劣が充満しすぎている。どこもかしこも権力の提灯持ちだらけ、と私は思います。私はほぼ「戦後」とともに生きてきました。いわゆる団塊の世代。その私の知るかぎり「戦後」最悪、最低の風景。宮台真司はいまの日本のこうした劣化した風景をネトウヨに絞って「感情の劣化」と表現しました。しかし、私は、こうした「感情の劣化」は、ネトウヨにかぎらずいまのニッポンという社会全体に蔓延している「死に至る病」(キェルケゴールはそれを「絶望」とも呼びました)とでもいうべき事態だと思っています。
 
1例目。内藤正典さんの指摘する以下の事態。
 
ハサン中田先生の記者会見「本当に交渉する気なら記者会見なんかしたらダメだろ。そんな人を僕なら信頼しないね」とTVの生番組で他のゲストから言われた。速攻で反論した。中田先生は政府の交渉人になろうとして言ったんじゃない。一ムスリムとして、一イスラム法学者として可能なメッセージを発した。「交渉するなら黙ってやらなきゃ」みたいなことを言った人は政権の意向に沿った発言だろうが、誰がハサン中田先生の行動を制約してるのだ?警視庁公安部だろうが複数の番組で違う人から言われたところを見ると、ハサン先生の努力を否定的に捉えようとする人の傾向が見えてくる。大抵、何らかの筋の意向に沿っている。情報戦だから。もう私は呼ばれないだろう。」(内藤正典Twitter 2015年1月24日

:去年のうちに二人は人質になってたわけですが、まさにその時期に中田先生は公安によって行動を規制され、それまでのように自由に中東へ行くことができなくなりました。なぜ人質解放のキーパーソンを、彼らの協力が最も必要とされる時期に古い刑法をとりだしてまで拘束したのか。中田先生らの仲介で人質が解放されるようなことが「あっては困る」と思う人が政府部内にいたと考える他ありません。(内田樹Twitter 2015年1月25日

2例目。死刑執行に関する辺見庸の感想。
 
「内閣府の世論調査で「死刑はやむをえない」と容認するひとのわりあいが80.3%だったことが公表される。このタイミングで。だから、ちかく執行するということか。」(辺見庸「日録1―4」2015/01/24

「このタイミングで」の内閣府の世論調査の公表。私も辺見とともに意図的な悪意を感じます。
 
3、4例目。
 
・<イスラム国拘束>「日本は十字軍に参加した」根強い敵対(毎日新聞-Yahoo!ニュース 2015年1月24日
・72時間の真意は? 「イスラム国」、力の誇示に主眼か(朝日新聞-Yahoo!ニュース 2015年1月24日
 
「このタイミングで」の上記の記事はどういう意味でしょう? いまもなお救出の可能性のある「日本人人質」をさらに危険に晒すような記事を書いてどうしようというのか? メディアは何でも記事にできる、と思い上がっていないか? 明らかなメディアの劣化。「Yahoo!ニュース」というツールがメディアの劣化をさらに拡散している。その意図的な(そうでない場合もあるでしょうが)悪意が透けて見える。
 
対して、内藤正典さんのメディアへの提言。メディアに働く人たちに考えてほしいことです。
 
「政府高官が、米、英、仏と人質問題で連帯を示したことは、解放を難しくする。」
 
「こういう事件に際して、マスメディアが注意すべき点。人質事件は人質解放という一点に焦点を合わせて報道する。どうでもいいことに時間をかけて報じると、犯行グループ側から「不慣れで操りやすい」とみなされる恐れがある。あるテロ多発国のジャーナリストに言われた。」
 
「日本がムスリムを疎外してこなかったことは、逆に最も強調して報道すべきこと。在日ムスリムの声も。ただし、「あんな奴らはムスリムじゃない」と言いたい気持ちは痛いほど分かるが、在日ムスリムの皆さん、どうか、その発言はこらえてほしい。」
 
「ニュースからバラエティに至るまで、それを考えて放送してほしい。身代金の話は絶対にするべきではない。人質個人についても絶対に報じるべきではない。何が弱みとして利用されるか分からない。逆に政権のミスは指摘すべき。政権が対応を誤っても国民は気づいていることを報じるのは相手を躊躇させる。」(内藤正典Twitter 2015年1月24日 
 
こちらは安倍首相のイスラエル訪問の意図をはっきりと見抜いた田中宇さんの記事。少し「怒り」が治まる。
 
「安倍のイスラエル訪問は、経済関係の強化が主眼だった。(略)今のイスラエルは、ガザ戦争や西岸でのパレスチナ人弾圧を国際的に人権侵害(人道の罪、戦争犯罪)と非難され、最大の貿易相手だったEUは経済制裁を強めている。イスラエルは、EUに代わる貿易相手を探すのに必死だ。そこに日本の安倍首相が、おそらく米国のタカ派政治家から頼まれ、経済関係を強化すると言ってイスラエルを訪問した。日本は、戦争犯罪を犯して国際制裁されて罰せられそうなイスラエルに抜け道を用意してやった。すばらしい平和主義だ。」田中宇の国際ニュース解説 2015年1月23日
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