今回の総選挙の投票では、私は比例区、小選挙区とも共産党と同党候補者に一票を投じました。いうまでもなく、その一票に託した私の思いは、安倍政権の暴虐政治を一日、一刻も早く終わらせたい、というものです。安倍の暴虐政治に有意(政策のうえでも、政治姿勢のうえでも)に対抗しうる期待の思いをこめて共産党に一票を投じたのです。その「私の思い」の主語は、「共産党躍進」ということではなく、「安倍政治の終焉」というものでした。もちろん、いまの段階ではそのための布石の一票ということでしかありえないことは重々承知したうえでのことです。
 
さて、はじめに一票に託した「私の思い」を述べたのは、以下の「総選挙の結果について」という共産党の常任幹部会の声明(2014年12月15日付)を紹介するための前振りとしてです。
 
その常任幹部会の「総選挙の結果について」ははじめの(1)で次のように述べます。「全体として、総選挙の結果は、画期的な躍進といえるものとなりました」。(3)では、自公で衆院で憲法改正を発議できる3分の2以上の議席を獲得した総選挙の結果について、「『自民圧勝』と評価する向きもありますが、これは事実と異なります。自民党は公示前の議席を減らしています」と分析しています。また、(4)の結論は、「今回の躍進をかちとるうえで、党大会以来、全党がとりくんできた(略)強く大きな党をつくる努力は大きな力となりました。私たちは、総選挙の画期的躍進をうけて、いまこそ強く大きな党をつくる活動に、新たな決意をもって踏みだします」。これが共産党中央委員会常任幹部会の「総選挙の結果について」という文章の結論です。
 
この常任幹部会の声明を一読して私は大きな違和感と不快感を持ちました。この常任幹部会声明には「憲法改悪」、自民党の悪政、暴虐の継続への危機意識がまったく欠如しているのです。その共産党常任幹部会の今回の総選挙の結果に対する危機意識の欠如については、以下の共産党を支持する「知識人」の総選挙の結果を受けての感想と見比べてみれば一層明白です。

保立道久さん(歴史学者)も浅井基文さん(政治学者)も総選挙の感想の冒頭では「安倍的ファシズム」と「憲法改正問題」に対する自己の危機意識を述べています。もっとも常任幹部会声明に近い感想を述べている五十嵐仁さん(法政大名誉教授)でさえ、その感想文の冒頭の主語は「自民党」、すなわち、自民党政治への危機意識です。「全体として、総選挙の結果は、画期的な躍進」と自党の総選挙での躍進を自画自賛する共産党中央委員会常任幹部会の自民党の悪政、暴虐の継続による「憲法改悪」への危機意識の欠如は下記との比較を一瞥しただけでも歴然としているといわなければならないでしょう。

共産党中央委員会常任幹部会の声明は、まず自党の力不足を国民に詫びるべきでした。そして、その自党の力不足によって自民党の悪政と暴虐の継続を許してしまったことへの慙愧の念、お詫びと反省の言葉を国民に対して心から述べるべきでした。それが共産党といわず、公党としての国民に対する責任、あるいは国政単位の「革命」を目標とする政党としての責任のとりかたというべきではないか。それを自党の20議席あまりの「躍進」の自画自賛で終わらせる。さらには「大きな党をつくる」という内向き(党員向け)の決意で終わらせる。なんとももはや、というほか言葉がありません。
 
保立道久の研究雑記」(2014年12月15日)から。
 
総選挙の結果がでた。(略)投票率52パーセントのうち自民党の支持は半分か。安倍氏は、国民の25パーセントの支持で「大勝利」として突っ走るのであろう。これはすべて小選挙区制という虚偽の選挙制度の結果であり、小選挙区制が虚偽を作り、安倍的ファシズムの条件を作ったのである。
 
浅井基文のページ」(2014年12月15日)から。
 
衆議院総選挙の結果は、おおむねメディア各社の事前世論調査が予測したのと大差ない結果に終わりました。自民党が単独で2/3の議席を占める予想もありましたが、さすがにそうはなりませんでした。しかし、35議席を獲得した公明党と併せると優に2/3を超えます。安倍首相は早くも憲法改正問題に言及し始めました。
 
五十嵐仁の転成仁語」(2014年12月15日)から。
 
昨日、注目された2014年衆院選の投開票が実施されました。その結果は以下のようになっています。これを、どう見たらよいのでしょうか。第1に、自民党は予想されていたような300議席突破はならず、当選前の293議席より2議席減らして291議席となりました。選挙中盤の予測によって「揺れ戻し」が生じたようで、選挙前よりも議席を減らしたわけですから勝利したわけではありません。
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