「今日の言葉」(「私」と総選挙)はそのうち3回目の登場の五十嵐仁さんの「総選挙に向けて生じつつある政党状況の流動化と新たな選択肢の浮上」という論の紹介です。五十嵐さんの所論はいまの政治情況の流動化の飛沫のゆくえを分析的によく捉ええている論だと思います。
 
附として昨日の「今日の言葉」からも今回の総選挙に関する中村憲昭さん(弁護士)、中野晃一さん(上智大教授)、高村薫さん(作家)の3人の言葉の抜文も拾っておきます。安倍首相に対する見方は「怒り」という点で共通しています。

アベ2 
自民党選挙本部の看板前で、気勢を上げる安倍晋三首相
 
「五十嵐仁の転成仁語」(2014年11月23日)から。
 
前回の総選挙は、民主党主体の連立政権に対する失望によって彩られています。そのために民主党を離れた票は2000万票に上りました。このうちの半分は棄権し、半分はおそらく第三極に流れただろうということ(略)。その第三極ですが、前回の総選選挙以降、分裂に継ぐ分裂で有権者の期待に応えたとは言えません。54議席を獲得して57議席の民主党に肉薄した日本維新の会ですが、橋下徹共同代表の慰安婦問題発言で支持を失い、石原慎太郎共同代表らが脱退して次世代の党を設立し、結の党を吸収合併して維新の党となっています。前回の総選挙で18議席を獲得したみんなの党は悲惨な末路を辿りました。渡辺代表と江田幹事長の対立によって江田グループが離党して結の党を結党しますが、渡辺代表は政治資金問題で引責辞任に追い込まれ、浅尾慶一郎後継代表とも対立し、結局、解党を決めて間もなく消滅する運命にあります。(略)日本未来の党にいたっては、すでに覚えている人も少ないことでしょう。(略)前回の総選挙でこの3党が集めたのは、小選挙区で1274万票、比例代表区で2092万票にも上りました。そのすべてが流動化するわけではありませんが、比例代表区の半分が投票先を失うとしても約1000万票になります。つまり、民主党を見限って第三極に流入した票は、今回の選挙では第三極を離れて流動する可能性があるということです。これらの票が、一度は見捨てた民主党に還流するとは限りません。「前回の総選挙は民主党がダメとなった後の選挙で、今度の総選挙は『第三極』がダメとなった後の総選挙」だということは、これらの2000万票が支持する先を求めて浮遊している状況にあるということを意味しています。今回の選挙で「安倍政権の2年間の審判が問題になるとすれば」、これらの票が自民党に向かうとは考えられません。(略)このような状況下で、「政治を変えてほしい。まともな政治を実現して欲しい」という願いを託せるのはどこか。答えは明確になりつつあります。
 
附:
中村憲昭さん(弁護士)twitter( 2014年11月19日)から。
安倍は、投票率低下を目論んで12月選挙にした。論点を増税延期に絞ろうとしているが、TPP、原発再稼働や汚染水完全コントロール発言、特定秘密保護法、解釈改憲その他これまでのありとあらゆる暴走に対する判断をしないと、勝ったらこれら全て「国民の信任を得られた」と言い出すよ。
 
中野晃一さん(上智大教授)twitter(2014年11月21日)から。
2年前に「まっすぐ、景気回復。」と謳っていた安倍政権が景気後退をもたらした今「景気回復、この道しかない」とうそぶく。狂信的独裁は右も左も同じ。「革命が間違っているのではない、足りないだけだ」と叫んで、国民を破滅へと導いていく
 
高村薫さん(作家)。毎日新聞(2014年11月21日)から。
本当に冗談みたいな解散ですよね。私たち有権者に理解できるような理由が一つも見あたらない。2年前、私たちは安倍政権に何を求めたのでしょうか……。大規模な金融緩和で無理やり円安に誘導しても、大企業の製造拠点は海外に移ってしまっており、輸出は期待ほど伸びなかった。円安で輸入物価は上昇し、生活が苦しくなっただけ。この2年間でアベノミクスが失政だったことがはっきりしました
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