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「今日の言葉」(「私」と総選挙)は沖縄から。岡留安則の「沖縄においては自民党現職の4人の議員が負けるのではないかと見られている」という論とそれに関連する沖縄タイムスの記事。附として琉球新報と沖縄タイムスの社説。
 
沖縄では翁長氏支持勢力(「建白書」勢力)の共同、共闘が実現し、1区では共産の赤嶺政賢氏、2区では社民の照屋寛徳氏、3区では生活の玉城デニー氏、4区では新人・無所属で元県議会議長の仲里利信氏を擁立することが決まっています。下記の沖縄タイムスの記事でもわかるようにそこに割り込んできているのが先の知事選でも出馬し、「建白書」勢力の共同に口実をつけて離反した前国民新党代表代行・幹事長の下地幹郎氏と前民主党参院議員の喜納昌吉氏です。口を開けば「選挙協力」「共同」と耳当たりのいいことを唱えながら、実際には「共同」の妨害者となって立ち現れているのは誰か。どこのどいつか。どういう勢力か。ここでもその正体は明らかといわなければならないでしょう。この沖縄の例に限りません。現実を見ずにただムードや流行の抽象論で「共同」「共闘」を語ることの危険性を私たちはよく承知しておくべきでしょう。

岡留安則の「東京-沖縄-アジア」幻視行日記(2014.11.21)
 
安倍総理は衆議院を解散し、解散総選挙に打って出た。(略)この解散は沖縄県知事選で辺野古新基地建設に強く反対する翁長雄志前那覇市長の優勢が選挙前から予想されており、安倍総理としては日米関係にヒビが入ることを危惧し、この選挙戦でのダメージを最小限に抑えるために先手を打った可能性が濃厚だ。いわゆる沖縄県知事選の敗北のイメージを薄める作戦である。県知事選から2日後には辺野古新基地でのボーリング調査が再開するための機材が搬入された。沖縄県知事選の民意と関係なく辺野古新基地建設を強行しようという安倍政権の心根が透けて見える。現場で指揮を執るのは沖縄基地負担軽減担当もつとめる菅義偉官房長官なのだから、お笑い草である。耐用年数200年といわれる辺野古新基地が建設されれば、基地負担軽減ではなく、基地の強化でしかない。政治家は平然と嘘のつける人種である事は確かだが、県民の意志も民主主義も黙殺する新基地建設の暴挙に対しては総選挙で、落とし前をつけるしかない。

全国的にはともかく、沖縄においては自民党現職の4人の議員が負けるのではないかと見られている。県知事選で辺野古推進を掲げた仲井真弘多氏が翁長雄志新知事に10万票の差をつけられて惨敗したからだ。仲井真氏は昨年末の辺野古埋め立て容認に転じる前は県外移設派だった。自民党県連と自民党選出の国会議員のうち、沖縄一区の国場幸之助、二区の宮崎政久、3区の比嘉奈津美、4区の西銘恒三郎の議員はいずれも安倍政権の恫喝により辺野古推進に転向した変節者たち。仲井真氏の敗北はこの4人の議員にも必ず波及するというわけだ。対して反自民の側は先の県知事選同様にオール沖縄の枠組みで選挙戦に望む方針を打ち出している。県知事選の結果や、沖縄の世論調査では辺野古新基地建設には8割が反対していることから見ても、自民党議員の苦戦は免れないところだ。沖縄においてはアベノミクスよりも辺野古新基地の問題の方が争点になるものと思われているからだ。むろん,集団的自衛権行使や原発再稼働、特定秘密保護法に対しても沖縄の見方は厳しい。ある自民党県連の幹部は「今、総選挙をやれば、自民党は全員落ちる」と厳しい状況判断を示していた。基地問題だけじゃなく、安倍政権に対する評価は本土と沖縄でも温度差があるのだ。ともかく総選挙は投開票日に向けて動き始めた。少なくとも沖縄に置いては安倍政権の強引な政策のやり方に県民一体で「NO!」を突きつける絶好のチャンスにすべきである。
 
師走の総選挙 沖縄4選挙区に11人出馬予定(沖縄タイムス 2014年11月22日)
 
衆院は21日午後の本会議で解散された。これを受け政府は臨時閣議で衆院選日程を「12月2日公示―14日投開票」と決定した。沖縄県内では前職7氏、新人3氏、元職1氏の計11氏が沖縄選挙区1~4区の4議席を争う見通し。全国的な争点に加え、16日に投開票された知事選と同様に米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が争点となりそうだ。国政与党の自民党県連は沖縄選挙区で1区に国場幸之助氏(41)、2区に宮崎政久氏(49)、3区に比嘉奈津美氏(56)、4区に西銘恒三郎氏(60)の前職4氏を擁立する。4氏は前回2012年衆院選で普天間の県外移設を訴え当選し、昨年11月に辺野古容認に転じた政治判断についても問われそうだ。国政野党の社民党県連、共産党県委員会、生活の党県連は、知事選で辺野古反対の翁長雄志次期知事を誕生させた県政野党や那覇市議会保守系の新風会などによる「建白書」勢力の枠組みを衆院選でも維持。1区で共産が赤嶺政賢氏(66)、2区で社民が照屋寛徳氏(69)、3区で生活が玉城デニー氏(55)の前職3氏を擁立し、4区は新人・無所属で元県議会議長の仲里利信氏(77)を擁立する方針。元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)は1区出馬を視野に支援者と協議、前参院議員の喜納昌吉氏(66)は1区か3区の出馬に意欲を示している。前金武町長の儀武剛氏(53)は出馬を期待する声があり3区からの立候補を模索している。
 
附1:<社説>衆院解散 国家像変えた政治に審判を 沖縄の民意軽視するな(琉球新報 2014年11月22日)
 
衆議院が21日解散した。安倍晋三首相は自身の経済政策「アベノミクス」の評価や消費税再増税の延期について国民の信を問うと強調する。だが再増税延期も消費税増税法の「景気条項」に沿って判断しただけの話である。増税を取りやめるのなら分かるが、1年半後に必ず増税すると言うのなら増税法に従うだけであり、解散の理由にはなるまい。むしろ集団的自衛権行使容認や特定秘密保護法施行、原発再稼働など、賛否の分かれる重要案件をこそ争点に据えるべきであろう。(略)

16日の知事選で、普天間飛行場の辺野古移設反対を公約に掲げた翁長雄志氏が、現職の仲井真弘多氏に約10万票の大差をつけて当選した。普天間の辺野古移設を拒否する沖縄の民意を明確に示した。総選挙に乗じて「辺野古ノー」の民意を軽視することがあってはならない。沖縄の民意を踏まえ普天間飛行場の県外・国外移設を模索するのが政府のあるべき姿だ。ところが沖縄防衛局は海上作業を再開した。大量の砕石を海に投じる仮設桟橋の建設も計画している。工事強行の既成事実を積み重ね、県民を萎縮させようともくろんでいるのなら大きな過ちだ。公約は民主主義的選択の基礎だ。その重みは言うまでもない。前回の総選挙で普天間の県外移設を唱えて議席を得たにもかかわらず、県内移設に転じた自民の4衆院議員には、自らの姿勢転換をきちんと説明してもらいたい。政治不信を有権者に植え付けた責任は重大だ。公約違反の事実と向き合わないまま選挙戦に挑むことがあってはならない。私たちは戦後民主主義の立脚点を問い、国の行方を定める重大な選挙に臨むことになる。各党には、国民の選択に役立つ真摯な論戦を十分に展開してもらいたい。
 
附2:社説[衆院解散・辺野古では]民意無視の強行やめよ(沖縄タイムス 2014年11月22日)
 
安倍晋三首相が衆院を解散した。来月14日の投開票に向け、事実上選挙戦が走りだした。名護市辺野古の新基地建設に反対する圧倒的民意が示されたばかりなのに、基地問題が脇に押しやられそうで心配だ。言うまでもなく基地負担は日本全体で考えなければならない安全保障の問題である。降って湧いたような総選挙に埋没させるわけにはいかない。今、辺野古では知事選挙で中断していた工事が再開され、再び緊迫感が漂っている。沖縄防衛局は、間もなくキャンプ・シュワブ沿岸の辺野古崎近くに、長さ約300メートル、幅17~25メートルの仮設岸壁を建設する。米軍普天間飛行場の辺野古移設を最大の争点とした知事選で、辺野古への新基地建設に反対する翁長雄志氏が10万票もの大差で勝利した直後である。民意など意に介さないといった強硬な態度だ。
 
安倍首相は、9月の所信表明で「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」と演説した。寄り添うというのは、どういう意味なのか。内閣改造で沖縄基地負担軽減担当相を兼任することになった菅義偉官房長官は、選挙前に辺野古は「過去の問題」と言い放ち、選挙後は移設作業を「粛々と進める」とけん制した。もう決まったことだから選挙結果など関係ないという威圧的な態度が、政府の言う「寄り添う」や「負担軽減」の実態である。新基地に関する政府の一連の動きを見ていると、東村高江の米軍ヘリパッド建設をめぐり、国が、反対する住民の通行妨害禁止を求めた訴訟との類似性に気付く。弱い立場にある個人を相手に、政府など力のある団体が、言論や表現を封じ込めるために起こす「スラップ訴訟」と呼ばれる裁判のことだ。「恫喝(どうかつ)訴訟」とも訳されるスラップの目的は相手を威圧し、萎縮させることである。知事選だけでなく、1月の名護市長選で否定しがたい民意が示されながら、あえて工事を進めようとするのは、反対しても無駄、国には逆らうなという「脅し」にも似た行為である。そのうち住民は疲弊し、諦め、運動も弱体化すると踏んでいるのだろう。現代版「銃剣とブルドーザー」ともいえる、あまりに強引なやり方だ。
 
仲井真弘多知事が辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことの法的効力は今もある。ただし、その承認は選挙公約を破った上、県民への説明もほとんどないまま、独断で下された。この行為を絶対に認めないという有権者の意思が示されたのが知事選である。民主主義国家として最低限しなければならないのは、まずは埋め立てに向けた工事の中断である。そして関係者が話し合いの席に着くことだ。普天間返還を米側に提起した故橋本龍太郎氏は「地元の頭越しには進めない」との言葉を繰り返した。政府方針の原点に立ち返るべきだ。
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