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以下、安倍内閣・女性閣僚2人の「辞任」とさらに女性閣僚3人の辞任「秒読み」状態についてドイツ紙を含む6本の記事のご紹介です。読み応えのある記事を選びました(つもり)。ご参照ください。
 
安倍「ウイメノミクス」の危機
安倍「ウイメノミクス」の危機。写真AP

安倍政権 よみがえる政治の教訓「失敗は得意の分野から」
(毎日新聞 松田喬和 2014年10月17日)

政治の世界に「失敗は得意の分野から」という言葉がある。「
女性の活躍」を政策の目玉に女性閣僚5人を誕生させた安倍晋三首相もその例外ではない(略)。就任直後から女性閣僚は過去の発言や 在特会との関係を追求され、国会でも問題発言が飛び出すなど批判が相次いでいる。さらに政治資金問題も浮上した。(略)政府内でささやかれる“アキレスけん閣僚ランキング”には「松島みどり法相をはじめ高市早苗総務相、山谷えり子拉致問題担当相・国家公安委員長、有村治子女性活躍担当相らがエントリーされている」。(略)みんなの党の渡辺喜美前代表の実父で、「ミッチー」の愛称で親しまれた渡辺美智雄元副総理は、生前こんな解説をしてくれた。自民党内で派閥政治が全盛だった1970年代の話だ。「金権政治家として名をはせた角さん(田中角栄首相)は、結局、月刊文芸春秋に掲載された『田中角栄研究 ―その金脈と人脈』が契機となり、退陣を余儀なくされた。後を継いだ三木武夫首相は『民主主義の効用』を力説したが、総選挙で自民党は敗退し退陣に追い込まれた。いずれも得意分野で失脚した」。安倍は政権の行方を賭ける「アベノミクス」の成否を握る成長戦略の一つに、女性力の活用を掲げている。だが、今回登用された多くの女性閣僚は、イデオロギー的にも安倍に近く、伝統的な女性像に固執してきた。改造内閣での女性閣僚多用効果は、不祥事で早くも薄らぎつつある。(略)「女性閣僚で救われた安倍さんも、今度は女性閣僚で足をすくわれる」事態に陥りかねなくなっている。

日独伊三国同盟――「ともに血を流す関係」
(水島朝穂「今週の『直言』」2014年10月20日)

日本の政権はいま、首相とその周辺(官邸)や閣僚、党執行部を軸に反知性主義ウルトラ・ナショナリズムに支配され、政治家の口から、かつては考えられなかったような言葉が繰り出されるようになった。例えば、
石破茂前幹事長は、NHKの「日曜討論」(2014年5月18日)で、「アメリカの若者が血を流しているのに、日本の若者が血を流さなくていいのか」と語った。「血を流す」関係とは何か。(略)米国は世界中の紛争に首を突っ込んで、「世界の警察官」然としてたくさんの若者が血を流してきた。これからは日本も、米国とともに血を流して、他国の若者の血も流させて、憎しみやテロの対象になるのか高市早苗総務大臣も危ない。2011年4月に衆議院で議決された「日独交流150周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議」(略)には、「両国は、(略)先の大戦においては、1940年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」という記述がある。この決議にかみついたのが、高市早苗議員である。『月刊正論』2011年7月号で、「『戦争権』は、全ての国家に認められた基本権です。・・・日本の自虐史観にドイツまで巻き込んで、現在のドイツ政府を『反省するべき行為をした主体』であるかのように断罪する権利を日本の国会は持つとは思えません」などと、完全にピントがずれた反対意見を展開している。1928年の不戦条約以降、戦争は違法化され、「戦争権」なるものが存在する余地はない。ドイツにまで「自虐史観」なる言葉を押し付け、ナチスや日独伊三国同盟は間違っていなかったといわんばかりの論調である。さらに安倍首相は、訪米中の記者会見(9月25日)で、「日本は再び世界の中心で活躍する国になろうとしている」と語った。(略)ほとんど自己陶酔の表情で、「女性活躍」施策の下りでは、世界の指導者から大きな称賛を浴びたと自画自賛していた。それにしても、「再び世界の中心」という言葉が気になった。(略)「再び」ということは、かつて枢軸国として「世界の中心」にいて武力行使ができた時代の「日本を、取り戻す」ということか

女性閣僚二人の辞任に安倍政権崩壊の予感
(澤藤統一郎の憲法日記 2014年10月20日)

どうやら、潮目が変わってきたようだ。安倍二次内閣の終わりの始まりが見えてきた印象。改造内閣の看板とされた5人の女性閣僚がいずれも看板倒れなのが躓きの石。とりわけ、最も目立つ立場にあった小渕優子の火だるま辞任は政権にとっての大きな痛手。これに続く松島みどりの「団扇辞任」もドミノ劇を予感させるものとして政権を震撼させるに十分なインパクト。本日の「朝日川柳」に、「親分の代わりに子分が参拝し」と並んで、「この際は皆で辞めるか五人組」とある。本日辞任の二人だけでなく、「親分の代わりに参拝した」三人の子分の地位も危うい。辞任ドミノ、大いにあり得ることではないか。本日発売の「週刊ポスト」の広告が各紙を麗々しく飾っている。巻頭特集のメインタイトルが大活字で、「女を食い物にした安倍内閣が 女性閣僚トラブルで万事休す」。サブタイトルの方が内容あってなかなかのもの。「『女性活躍社会』の正体は主婦増税と『ブラックパート』量産だ」「小渕優子、松島みどり、山谷えり子は『秒読み』段階-まじめに働く女性たちの怒り爆発」。保守的傾向強い小学館の辛辣な政権批判である。「週刊現代」も負けてはいない。巻頭特集メインタイトルの仰々しい大活字は、「安倍官邸と大新聞『景気は順調』詐欺の全手口」。サブタイトルは、「全国民必読・日本経済『隠された真実』 ゴマかす、誇張する、知らんぷりする」「『消費税10%』のために、そこまでやるか!」こちら講談社の安倍政権批判の辛辣度も相当なもの。「現代」はこれまで政権を支えてきたアベノミクスを「詐欺」呼ばわりし、「ポスト」は安倍内閣の「女性が輝く社会」(ウィメノミクス)というこれからの目玉政策と看板人事の「正体を暴く」としたのだ。政権の核心への攻撃となっている。あたかも両誌が示し合わせて分担したごとくにである。(略)アベノミクスの馬脚が表れてきた。いつまでたっても庶民の生活実感がよくならない。それでいて、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認、ガイドライン、オスプレイ導入、辺野古基地建設強行、武器輸出、原発再稼働、原発プラント輸出、労働法制と福祉の大改悪。そして庶民大増税とその財源捻出のための大企業優遇税制である。庶民の生活苦に配慮しようとしないこんな政権が、いつまでも持つはずはないのだ。

小渕優子氏、松島みどり氏の辞任 高市、山谷、有村各氏も是非、辞任しましょう。(弁護士猪野亨のブログ 2014/10/21) 

カネにまみれた小渕優子氏と、「雑音」やうちわで物議を醸した松島みどり氏が閣僚を辞任しました。もともと、この女性たちは、安倍政権の女性が活躍できる社会というキャッチフレーズに合わせての女性大臣の登用と言われていました。高市、山谷、松島、有村各氏は、女性だからというだけでなく、安倍氏の極右友達でもあります。どちらが先かよくわかりませんが、極右友達が女性でもあったことも、「女性登用」につながっていったのでしょう。その中で、小渕氏は、他の4氏に比べられば、まだましのように見えましたが、カネにまみれていては論外です。この報告書の問題をどこまでご本人が知っていたかはわかりません。父親の地盤を引き継いだとはいえ、後援会関係者に対し、父親である小渕恵三氏のような態度は取れないでしょう。父親の時代は、それで通用していたということでもありますし。年輩者が後援会を牛耳り(というよりその年輩者たちが作ったともいえますが)、小渕優子氏を担ぎ上げ、我が物顔で好き勝手をしている様が目に浮かびます。(略)小渕優子氏の辞任は当然といえば当然ですが、他の4氏の存在をみるにつけ、極めて残念です。高市、山谷、有村の極右三氏は、またもや靖国参拝などという暴挙を行っています。少なくとも閣僚であれば自粛して当然なのに、それができないレベルの大臣ですから、世界の恥さらしです。もっとも、そういう人たちということがわかっていながら大臣に任命したのは安倍総理その人です。安倍氏は、自分では靖国参拝ができないということを重々承知しているからこその人事だったのですから、女性大臣というよりも、安倍氏の右腕そのものです。小渕優子氏の辞任で、余計目立つ極右女性大臣たち。世界に恥をさらす前に辞任しましょう

なぜ週刊誌しか書かなかったのか―女性初の総理候補のお粗末―
(リベラル21 半澤健市 2014.10.21) 


小渕優子経産大臣と松島みどり法務大臣が辞任した。小渕に限定して発言する。彼女の場合、発端は『週刊新潮』の報道 だった。なぜ週刊誌なのか。これが核心である。9月3日の就任以来、いや就任以前にも、このことを誰も知らなかったのか。さらに、2008年に、彼女が、日本語の不自由な麻生太郎内閣に入閣したときに、この問題はなかったのか。さらには、2000年に初当選以来、14年間にわたり、誰もそういうことをチェックしなかったのか。本当にそうだったのか。野党だけが追及して与党が黙っているのは何故なのか。これは与野党を立場を超えた民主主義の問題である。『週刊新潮』以外の、何百人何千人の政治部記者はどこにに目がついているのか。別のことでは、メディアは「虚偽報道」を垂れ流している。「虚偽」とは、たとえば、「あったことをなかった」(11年3月の福島第一原発のメルトダウンを認めたのは5月だった)と言い、「なかったことをあった」と言う(安部は福島原発はアンダーコントロールだと言っているとそのまま書く)ことである。そういう政府のつくウソを、検証しないので垂れ流すのである。戦中の「大本営発表ジャーナリズム」そのままである。一方では、『朝日新聞』叩きを徹底的に行ないながら、国際社会の常識となった「性奴隷」問題を「なかった」ことにしようとしている。1930年代の国際連盟脱退以前の外交感覚に共通している。これは「集団ヒステリージャーナリズム」である。メディアを批判するのが本意ではない。こんな内閣を選んだ我々の、「愚かな選択」が根っこにあると言いたいのである。「大本営発表ジャーナリズム」という知的退廃が契機になって有権者が自らの愚かさに気がつく。安倍政権の急速な崩壊が始まる。二人の女性大臣辞任をみた私の希望的直感である。

ドイツ紙「小渕・松島女性閣僚辞任は安倍内閣の“Womenomics/ウイメノミク”の危機」と大きく報道(明日うらしま 梶村太一郎 2014年10月21日)

10月20日の安倍内閣の女性閣僚ふたりの同日辞任に関しては、海外でもかなり大きく報道されています。そのひとつ、ドイツのフランクフルターアルゲマイネ紙で、おなじみゲルミス東京特派員が「安倍の"ウイメノミクス"の危機」とくわしく報道しました。(略)「ウイメノミク」とは安倍首相が国連で「輝く女性政策」を「アベノミクス」に引っ掛けて述べた宣伝造語ですが、それを引用しての強烈な皮肉です。アベノミクスの失敗がほぼ確実になっている今、ウイノメミクスは早々に破綻を始めました。(略)以下抜粋の翻訳:特に小渕の辞任は安倍には打撃である。このかつての首相の娘は、この国の原発政策への回帰と、不愉快な経済の構造改革を宣伝しなければならなかったのだ。東京においては、この女性政治家は非常に大きな政治タレントとされており、彼女が影響力の大きな経済産業省のトップに任命された後には、日本のメディアでは将来の初の女性首相候補とされていた。その代わりに彼女はここで安倍に最初の大きな信用危機を贈呈したことになる。(略)日本は、女性が「輝く」国にならねばならぬと彼は述べた。それを示すため彼は、ひと月前に彼の内閣の女性閣僚をふたりから五人へと増やした。小渕はこの「ウイメノミク」のシンボルであった。(略)これに加えてさらにふたりの女性大臣が批判に晒されている。高市早苗内務相山谷えりこ国家公安委員長は、最近、彼女らがネオナチグループの指導者と写真に納まっていることが報道されたのである。このふたりの女性政治家は自由民主党の右派ナショナリストに属し、東京にある戦争犯罪人が祭られている問題の靖国神社を定期的に参拝している。にもかかわらず安倍はこのふたりを閣僚に抱えたままなのである。
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