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先月の26日に江渡聡徳防衛相の資金管理団体が2009年と2012年に江渡氏本人に4回にわたり計350万円を寄付したと政治資金収支報告書に記載していたことが明らかになった問題について、澤藤統一郎さんが同防衛相の政治資金規正法違反容疑を厳しく追及するとともに、関連して、2年前の東京都知事選の折の「人にやさしい東京をつくる会」(現希望のまち東京をつくる会)の澤藤弁護士に対する不当な解任劇を知る者にとっては江渡防衛相の政治資金規正法違反容疑事件と類似する事件としてただちに想起される事件の弁明書として同会所属弁護士の中山武敏氏、海渡雄一氏、田中隆氏の3弁護士(同知事選候補者の宇都宮健児氏を含めると4弁護士)が執筆した「澤藤統一郎氏の公選法違反等の主張に対する法的見解」と同「法的見解」執筆者らの論を再度、改めて批判する記事を自身のブログに昨日付けで書いています。
 
澤藤統一郎さんの同「法的見解」執筆者及び「人にやさしい東京をつくる会」運営委員ら、すなわち問題提起のためにさらに具体的に指摘しておこうと思いますが、宇都宮健児氏(弁護士)、中山武敏氏(同)、海渡雄一氏(同)、田中隆氏(同)、上原公子氏(当時選対本部長)、熊谷伸一郎氏(同事務局長)、河添誠氏(同運営委員)、内田聖子氏(同事務局)・・・らを批判した掉尾の文章中の言葉、「自らの手の内にあるはずの根拠となる資料を示すことなく、『この記載ミスを訂正すれば済む問題』とし、今は『既に訂正したのだから、もう済んだ問題』として押し通そうとしている。このようにして収束をはかろうなどはとうてい認められない。誤りを認めず、反省せず、真摯に批判に耳を傾けようとしない。こういう体質は改めなければならない。でなければ、この陣営に参集した者には、石原宏高猪瀬直樹渡辺喜美、そして江渡聡徳らを批判する資格がない」という指弾の言葉に私も強く同意するものです。
 
しかし、それにしてもさらに慷慨が増すのは、その指弾すべき人物群がいまだに自らの「誤りを認めず、反省せず、真摯に批判に耳を傾けよう」ともせず、指導者然として昂然とふるまっていること。さらにその「指導者然」と「昂然」を批判せず、あるいは批判できる理性を持たず、逆に下支えする「仲間」という正体不明のありようが「指導者然」と「昂然」のまわりを闊歩しているということ。このような人物群と、彼ら、彼女らの言うところの革新と革新面(づら)に私はなんら期待することはできません(ただし、局所的には、彼らは彼らなりに、彼女らは彼女らなりに力を発揮するということは当然あるでしょう。にしても、です)。少し憤りがすぎたかもしれません。そして、私の憤りはかえって澤藤統一郎さんにはご迷惑だったかもしれません。しかし、左記は、決して曲げようのない私の見るところの現在の「革新」の景色であり、心情というべきものです。
 
以下、澤藤統一郎さんの論。
 
防衛大臣の政治資金規正法違反を、報告書の訂正で済ませてはならない(澤藤統一郎の憲法日記 2014年10月6日)
 
共同通信などの複数メディアが伝えるところによると、
 
「江渡聡徳防衛相の資金管理団体(「聡友会」)が2009年と12年、江渡氏個人に計350万円を寄付したと政治資金収支報告書に記載していたことが9月26日に分かった。江渡氏は同日の閣議後記者会見で『事務的なミスだった』と述べ、既に訂正したと明らかにした」「江渡氏や訂正前の報告書などによると、09年に100万円を2回、12年5月と12月にも100万円と50万円を寄付したことになっていた」
 
という。
 
明らかな政治資金規正法違反。条文上は、法第21条の2「何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く)に関して寄附(政治団体に対するものを除く)をしてはならない」に違反する。個人及び政党以外の政治団体は、公職の候補者(国会議員や首長など現職を含む)に対して、選挙運動に関するものを除き、金額にかかわらず政治活動に関する寄附を行うことが禁止されている。
 
ましてや、資金管理団体とは政治家個人の政治資金を管理するために設置される団体である。法は、政治家を代表とする資金管理団体を一つだけ作らせて、政治家個人への政治資金の「入り」も「出」も、この団体を通すことによって、透明性を確保し量的規制を貫徹しようとしている。だから、資金管理団体から政治家個人への寄付などという形で資金の環流を認めたのでは、政治資金の取り扱い権限を個人から資金管理団体へ移行しようとする制度の趣旨を没却することになってしまう。
 
総務省のホームページで、「政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書」を検索してみた。残念ながら09年の報告は期限が切れて掲載されていない。12年の報告だけは閲覧可能である。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/131129/1306400032.pdf
 
確かに、「聡友会」(代表者江渡聡徳)の収支報告書の支出欄に、
 
2012年5月25日 「江渡あきのり」への寄付100万円
2012年12月28日 「江渡あきのり」への寄付 50万円
 
と明記されていたものが、本年9月2日に「願により訂正」として、抹消されている。これに辻褄を合わせて、「支出の総括表」における「寄付」の項目が150万円減額となり、人件費が150万円増額となっている。これも、「9月2日 願により訂正」とされている。
 
記者会見による弁明の内容については、「江渡氏は『350万円は寄付ではなく、聡友会の複数の職員に支払った人件費だった』と説明。担当者が領収書を混同し、記載をミスしたとしている」(共同)と報じられている。
 
弁明の内容については、朝日の報道がさらに詳しい。
 
「江渡氏は『私から職員らに人件費を交付する際、私名義の仮の領収書を作成していたため、(報告書を記載する)担当者が(江渡氏への)寄付と混同した』と説明。人件費は数人分で、江渡氏が仮領収書にサインするのは『お金の出し入れの明細がわかるようにするため』と述べた」という。
 
この江渡弁明を理解できるだろうか。弁明が納得できるかどうかの以前に、どうしてこのような主張が弁明となり得るのかが理解できないのだ。
 
人件費としての支出には、その都度に受領者からの領収証を徴すべきが常識であろう。政治団体の場合は常識にとどまらない。政治資金規正法は、刑罰の制裁をともなう法的義務としている。
 
「第11条(抜粋) 政治団体の会計責任者又は、一件五万円以上のすべての支出について、当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書を徴さなければならない。ただし、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。」
 
この領収証を徴すべき義務の対象において人件費は除外されていない。そして、その領収証について3年間の保管義務も法定されている。例外を認める但し書きはあるものの、職員への人件費の支払いに関して「領収証を徴し難い事情」はおよそ考えられるところではない。この11条の規定に違反して領収書を徴しない会計責任者には、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処せられる(24条3号)。政治資金規正法をザル法にしないための当然の規定というべきだろう。
 
江渡弁明を報告書訂正の内容と合わせて理解しようとすれば、職員に支払った人件費の支出を事務的ミスで江渡個人への寄付による支出と混同したということになる。しかし、いったいどのような経過があってどのような事情で、混同が生じたというのだろうか。職員に支払う際の義務とされている領収証を受領しておきさえすれば「混同」は避けられたはずではないか。それすらできていなかったということなのか。
 
なによりも、「私から職員らに人件費を交付する際、私名義の仮の領収書を作成した」ということが意味不明だ。「仮」のものにせよ、人件費の支払いを受けた資金管理団体の職員の側ではなく、支払いをした資金管理団体の代表が「領収証」を作成したということが理解できない。
 
政治資金収支報告書の届け出によれば、同年の「聡友会」の支出のうち、「寄付」はわずかに16件である。問題の2件を除けば14件。そのうち12件は、毎月定期的に行われる、各月ほぼ100万円の地元「江渡あきのり後援会」への寄付(合計1260万円)が占めている。他は、自民党青森県連へのものが1件と、靖国神社へ1件だけ。「江渡あきのり・個人」への2件150万円は、異色の寄付として目立つものとなっている。たまたま紛れがあって、事務的ミスが原因で報告書に記載されたとはとうてい考えがたい。直ぐには目にすることができないが、きちんと作成され保管されていた「江渡聡徳名義の領収証」があったに違いない。これを、苦し紛れに「仮の領収証」と言い訳をしたものとしか考えられない。これだけの疑惑が問題となっている。
 
この「事務的なミス」とする弁明は不誠実でみっともない。きちんと誤りを認めて謝罪し、再発防止を誓約することこそが、政治家としての信頼をつなぎ止める唯一の方策であろう。問題の「仮領収証」を公開することもないまま、「報告書を訂正したのだから、もう済んだ問題」として収束をはかるなどはとうてい認められない。
 
よく似た例はいくらでもある。たとえば、2012年都知事選がそうだった。
 
「上原氏の‥交通費や宿泊費など法的に認められる支出の一部にすぎない10万円の実費弁償に何の違法性もないことは明らかである」「上原さんらの上記10万円の実費弁償が選挙運動費用収支報告書に誤って『労務費』と記載されていることは事実であるが、この記載ミスを訂正すれば済む問題である」
 
とは、江渡弁明とよく似た言い分。
 
自らの手の内にあるはずの根拠となる資料を示すことなく、「この記載ミスを訂正すれば済む問題」とし、今は「既に訂正したのだから、もう済んだ問題」として押し通そうとしている。このようにして収束をはかろうなどはとうてい認められない。
 
誤りを認めず、反省せず、真摯に批判に耳を傾けようとしない。こういう体質は改めなければならない。でなければ、この陣営に参集した者には、石原宏高や猪瀬直樹、渡辺喜美、そして江渡聡徳らを批判する資格がないことになるのだから。
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