キョウ まえはら

Blog「みずき」:時事通信の報じるところによれば、「民進党の前原誠司元外相(55)は7日午後、衆院議員会館で記者会見し、蓮舫氏の後任を決める代表選(21日告示、9月1日投開票)への立候補を正式に表明し」ました。その上でさらに「共産党との連携に関しては『政策、理念が一致しない政党と協力したり、連立を組んだりすることは野合でしかない』と述べ、慎重な姿勢を改めて示した」(2017年8月7日)といいます。

共産党はこのところ前原誠司をなんとかとりこもうとして盛んに彼に秋波を送っていましたが、この場合、前原の主張の方が筋が通っていると私は思います。たしかに共産党と民進党(前身の民主党を含む)とではこれまでは「政策、理念」が180度異なっていました。私は今年の5月4日付けの記事に次のように書いておきました。

「昨日の憲法記念日に安倍晋三(首相)は憲法9条を改悪(自衛隊の明文化)して2020年施行を目指す意向を表明した。安倍の驕り高ぶりの果ての狂気のたくらみを許してはならない。そのためには私たちの「国」における「健全な左翼」の再構築がもっとも急がれる課題である。」(東本高志FB... 2017年5月4日)「昨日の憲法記念日に東京であった憲法学者らでつくる「全国憲法研究会」の講演会で共産党シンパとして著名な上智大教授の中野晃一(政治学)は「9条に自衛隊を明文で書き込む」ことを宣言した安倍晋三のメッセージを取り上げ、「正面突破で来るかもしれないが、民進党が最大野党で踏みとどまり、大きな力を作れるか。一人ひとりの気概が問われている」と語った、と言います(朝日新聞、2017年5月4日)。しかし、安倍晋三とほぼ同様の憲法観(自衛隊合憲論)を持つ民進党にすり寄り、「民進党が最大野党で踏みとどま」ることに期待するような「野党共闘」路線に立つ政党、その政党を支持するシンパサイザーを「健全な左翼」とは言いません。私がひとつ前の記事で「健全な左翼の再構築」と言っているのは、こうした中野晃一的な右傾化も甚だしい「野党共闘」観、「左翼」観はただちに一掃されなければならない、ということを言っているのでもあります。」(同上)

ただし、共産党が「改憲」肯定政党に変節したというのであれば話は別です。共産党はどこまでも前原に擦り寄っていけばいいでしょう。実際、最近の同党の言動を見ると「改憲」政党に変節したとしか思えない節が節々にうかがえます。共産党はすでに左翼ではなくなっているのです。すでに左翼ではなくなっているものをいまだに左翼とみなすのは幻想でしかありません。そして、幻想を捨てるところからしか自民党政治に代わる新しい政治も生まれません。とは、私の思うところです。


【山中人間話目次】
・前原誠司をなんとかとりこもうとして盛んに彼に秋波を送る共産党の変節と「野党共闘路線」とはなにか
・信州沖縄塾塾長の伊波敏男さんの「拝啓 沖縄県知事 翁長雄志殿」――翁長知事とオール沖縄への疑問と問題提起
・辺見庸 共同体の見えない異界ーー相模原事件1年後の視座――山梨日々新聞掲載記事(共同通信配信)
・宮城康博さん(脚本家)の地方政治の現場にはびこる慣習政治の無気力のさまを問う問題提起――沖縄県南城市の場合
・フランス大統領のマクロン評価に関する岩月浩二さん(弁護士)の適確な指摘――いったん手に入れた緊急事態はなかなか手放せない
・加藤周一の「憶良は、同時代の他の歌人が詠わなかった題材――それはまた19世紀末までその後の歌人もほとんど詠わなかった題材でもある――を詠った」という指摘