キョウ ひろしま8

Blog「みずき」:72年前のきょう、 広島に原爆が投下された。広島原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」という言葉が刻まれている。かつて寺島実郎はこの言葉の不可解さについて次のように書いた。

「広島の原爆慰霊碑に掲げられた『二度と過ちは繰り返しません』の言葉も、熟慮するほど不可解である。思わず共感する言葉であるが、誰のいかなる責任での過ちなのかを明らかにすることなく、『なんとなく反省』『一億総懺悔』で納得し、それ以上踏み込まないのである。/表層な言葉の世界への陶酔を超えて,いかにして実のある世界に踏み込むのか,これこそが戦後日本という平和な擬似空間を生きてきた我々の課題である。」(「小さな花」の強さ 2004年4月)

辺見庸は昨日の「日録」(と私は呼ぶ)で行政というものの不実と偽善を次のように指弾している。

「かながわ県のたより」2017年7月号に、重度障害者殺傷事件再犯防止を願って、「策定」されたという「かながわ憲章」が載っています。すばらしいです!すばらしく残酷でグロテスクです。

一ー私たちは、あたたかい心をもって、すべての人のいのちを大切にします一ー私たちは、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します一ー私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します一ー私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます

各項末尾は、読者の脳裡でしぜんに反転し、それぞれ「大切にしません」「実現しません」「排除しません」「取り組みません」と読める仕掛けになっています。起草者は、キリーロフふうに言えば、じぶんがこれらを「信じていないということも信じていない」でしょう。ルーティンワークでこしらえたこの誓約は、もっともウソくさく、残酷で、グロテスクです。この社会にふさわしく。 」(辺見庸ブログ 2017年8月5日)

広島原爆死没者慰霊碑に刻まれている言葉とこの「かながわ県のたより」の言葉のなんと似通っていることか。72年経っても偽善の風景は変わらない。


【山中人間話目次】
・広島原爆死没者慰霊碑に刻まれている「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」という言葉の不可解さと辺見庸の行政の不実批判の共通点
・太田昌国さんの「大道寺将司君との最後の日」という大道寺将司追悼の文章
・習近平崇拝というあらたな個人崇拝をつくりだそうとしている中国共産党の蒙昧と危険性について
・「朝鮮学校補助、16都府県が停止 北朝鮮問題や国通知で」という行政の愚かさについて
・山口敬之(当時TBS記者)の準強姦逮捕状を握り潰したとされる中村格・警視庁刑事部長(当時)が警察庁組織犯罪対策部長を経て総括審議官に昇格するという不可解
・最近の共産党・市民団体の右傾化スケッチ(12)(小景編)――田中宏和さん(「世に倦む日日」ブログ主宰者)の「野党共闘」と日本共産党の右傾化及びしばき隊(差別暴言集団)との関係性についての指摘
・最近の共産党・市民団体の右傾化スケッチ(13)(小景編)――共産党シンパサイザー・中野晃一(上智大学教授)の共産党の右傾化を促進させる謬論