キョウ おきなわ15

Blog「みずき」:前田朗さん(東京造形大学教授)の「仲宗根勇・仲里効編『沖縄思想のラディックス』」評。

「現代沖縄の代表的論客たちが沖縄の歴史、政治、思想を縦貫する独自の沖縄論を展開する。翁長県知事体制の確立から現在の変節にいたるまで、ドラマチックなまでのリアル・ポリティクスを根底にすえ、ブレることのない沖縄の現状を思想的にえぐり出し、これからの沖縄のあるべき姿を遠望するラディカル・メッセージ。」(前田朗Blog 2017年4月7日)

しかし、私は、前田さんの「翁長県知事体制の確立から現在の変節にいたるまで」という評言には異議があります。前田さんは翁長県知事体制の「現在の変節」と言いますが、翁長県知事体制はいまに「変節」が始まったのではなく、語義矛盾を承知の上であえて言えばはじめから「変節」していたというべきではないのか。その「はじめからの変節」を隠蔽して「オール沖縄」なる美言をつくり、人々を惑わしてきたところにこそ翁長県知事体制のはじめからの問題があったというべきではないのか。同「体制」をつくり、支えてきたのは「オール沖縄」自身、すなわち、その代表格の日本共産党と社会民主党です。前田さんの論ではほぼ内定していた革新候補を「勝てない」からという理由づけで強引に引きずり降ろし、保守・翁長を担ぎ出した共産党と社民党の当初からの責任が捨象され、不問に附されてしまいます。これでは真の「翁長県知事体制」批判にはなりえないでしょう。この評言は前田さんの立ち位置の日和見性、あいまいさを示している、というのが私の評価です。


【山中人間話目次】
・前田朗さん(東京造形大学教授)の「仲宗根勇・仲里効編『沖縄思想のラディックス』」評
・ 乗松聡子さん(カナダ在住。「ジャパンフォーカス」エディター)の「仲宗根勇・仲里効編『沖縄思想のラディックス』」評(沖縄タイムス掲載)
・「オール沖縄=翁長県政への<讃歌>と<挽歌>を自在に語る----仲宗根勇さん(元裁判官)と仲里効さん(批評家)の対話
・太田昌国さんの「津島佑子さんの思い出に」(『津島佑子――土地の記憶、いのちの海』掲載)
・無法国家の工事強行 ――目取真俊「海鳴りの島から」2017-04-05
・人民と政府は、歴史から何物も学ばず、あるいはそこから導きだされる原理にのっとって行動することはけっしてなかった――辺見庸ブログ 2017年03月29日