キョウ にゅーす23
NEWS23 オリバー・ストーンインタビュー

Blog「みずき」:ジャーナリスト、伊藤力司氏(元共同通信論説副委員長)のオリバー・ストーン擁護論ないしはトランプ擁護論を駁す。伊藤力司氏は言います。アカデミー賞映画監督オリバー・ストーンは「反権力・リベラルの映画人だ」、と。だから、どうしたというのだ。という前に、その認識自体が底が浅いといっておくべきでしょう。「kojitakenの日記」ブログ主宰者のkojitakenさんはオリバー・ストーンは「もともとはアメリカの愛国主義的右翼で、志願兵としてベトナム戦争を戦った」人だと指摘しています。同様のことはウィキペディアの「オリバー・ストーン」の項目にも記載がありますからkojitakenさんの指摘は事実とみなしてよいでしょう。オリバー・ストーンは「反権力・リベラルの映画人」とばかりはいえない側面があるのです。伊藤氏は先の言葉に続けて次のように言います。「そのストーン氏が『アメリカにとってヒラリー・クリントンよりドナルド・トランプの方が良かった』と言っているのだ」、と。ここで正真正銘に「ストーン氏が『アメリカにとってヒラリー・クリントンよりドナルド・トランプの方が良かった』と言っているからと言って、だからどうした」と言っておかなければならないでしょう。客観的な明証も示さずにストーンの言説はすべて正義だと言わんばかりの伊藤氏の言説はジャーナリストの言説としては失格というべきでしょう。論の体をなしていないのです。ヒラリー・クリントンがタカ派で大国主義的、膨張主義的な戦略を持つ政治家であることはメディアの国際欄をよく読む人であれば誰でも知っている事実というべきものですが、だからといってドナルド・トランプがヒラリーよりも非好戦的な政治家ということには当然なりません。大統領に就任したトランプの排外主義的、暴力的な大統領令の乱発はそのことをよく示してあまりあります。
 
さて、オリバー・ストーンの評価について伊藤氏は以下のように結論します。「シリアでは昨年12月末、アサド政権側のロシアと反体制側のトルコの合意に基づいて全土で停戦が発効した。これに続いて本年1月23日から2日間、ロシアとトルコが主導する新たな和平協議がカザフスタンの首都アスタナで開かれた。この会議ではアサド政権と反体制派の和平合意には至らなかったが、アサド政権を支持するロシアとイラン、反体制派を支援するトルコの3カ国が停戦を監視し、2月8日にジュネーブで開かれる国連仲介の和平協議を支援するとの合意が得られた。シリアからは昨年末以来、この停戦合意が明白に侵犯されたというニュースが伝えられていない。もしロシアとトルコを仲立ちとする停戦が今後も継続し、国連仲介の和平協議が進展すれば、中東情勢は転機を迎える。トランプ=プーチン関係が進展して、IS撲滅を目指す米ロ共同作戦が始まるとすれば、ストーン監督の予言は当たることになる」、と。ここにもトランプとプーチンの「同盟」が中東にどのような深刻な影響を及ぼすか(現にロシアのシリア介入と空爆は大量の死者と難民をつくりだしています)についてのジャーナリストらしい省察はありません。私は先にも伊藤氏の「リベラル観」の空疎さを批判したことがありますが、この人の空疎な「リベラル観」はさらに募っていっているようです。この人を登場させるようでは「リベラル21」のリベラル性も当然疑われることになります。すでに私はそのリベラル性を十分に疑っています。


【山中人間話目次】
・ジャーナリスト、伊藤力司氏(元共同通信論説副委員長)のオリバー・ストーン擁護論ないしはトランプ擁護論を駁す
・いまのリベラル・左派の頽廃についてわかりやすい例を置きます
・森川文人さんの「『逆らうな!』『考えるな!』が支配者からのメッセージ。だったら、ともかく、逆らい、考え、動くしかない」
・徳岡宏一朗さん(弁護士)の「トランプ大統領の入国禁止令は悪者を国に入れないための措置は正気か?」
・公然とトランプ支持を表明し、当選時に大喜びでツイートしていたイーストウッドがすべてのツイートを消している
・ハフィントンポスト日本版編集長の竹下隆一郎さんのトランプ批判・チャップリン 独裁者 ラストの演説