キョウ めどるましゅん2

Blog「みずき」:「今日の言葉」は小倉利丸さんの「戦争法(安保法制)下の共謀罪 -なぜ、いま、「テロ等組織犯罪準備罪」なのか-」という論のうち最終章の「最大の課題は、正義のためにやむをえず法を逸脱することをどのように考えるのか、にある」という論のみピックアップして取り上げています。ここでの問題提起は、現在の運動のあり方に対する小倉さんの根底的な違和感の表明とそれを払拭するための小倉さん流の根底的な問題提起となっていると考えるからです。小倉さんは次のようにも私たちに問いかけています。「(共謀罪)法案反対運動のなかでは、往々にして、運動の側は常に憲法が保障する言論・表現の自由の権利に守られており、違法な行為は一切行なっていないのに、権力が法を濫用して不当な弾圧をしかけてくる、という前提がとられる。しかし、現在の状況は、こうした遵法精神を前提とするだけで運動が正当化されるという狭い世界に運動を閉じこめていいのかどうかが問われている。いやむしろ現実の運動は、警察や政府にとっては「違法」、わたしたちにとっては正当な権利行使、としてその判断・評価が別れる広範囲の「グレーゾーン」のなかで、民衆の抵抗権の確立のために戦ってきたのではないだろうか」。

【法を執行する権力が同時に合法・違法の判断を下す権限を独占する「正義」とは】
法案反対運動のなかでは、往々にして、運動の側は常に憲法が保障する言論・表現の自由の権利に守られており、違法な行為は一切行なっていないのに、権力が法を濫用して不当な弾圧をしかけてくる、という前提がとられる。しかし、現在の状況は、こうした遵法精神を前提とするだけで運動が正当化されるという狭い世界に運動を閉じこめていいのかどうかが問われている。いやむしろ現実の運動は、警察や政府にとっては「違法」、わたしたちにとっては正当な権利行使、としてその判断・評価が別れる広範囲の「グレーゾーン」のなかで、民衆の抵抗権の確立のために戦ってきたのではないだろうか。例えば、エドワード・スノーデンによる米国の国家機密の意図的な漏洩や、ジュリアン・アサンジウィキリークスなどによる組織的な国家機密の開示運動は、いずれも違法行為である可能性が高い。彼らとその支援者の活動は、新共謀罪の適用もありうるような行為といえるかもしれない。彼らは敢て法を犯してでも、実現されるべき正義があると考えて行動し、この行動に賛同し支援する人びとが世界中にいるのだ。私たちは、彼らが違法な行為を行なったからという理由で、その行為を否定したり、法の範囲内で行動すべきだ、と主張すべきだろうか?私はそうは思わない。(略)私は、こうした警察の介入を法と秩序を維持する上で正しく、法を逸脱した反政府運動が間違っているということにはならないと考えている。むしろ、法を執行する権力が、同時に合法・違法の判断を下す権限を独占し、法を口実に、民衆的な自由の権利を「犯罪化」しようとすることが世界中で起き、こうした法を隠れ蓑に民衆の権利を「犯罪化」するやりかたへの大きな抵抗運動が起きているということではないだろうか。(略)日本も例外ではない。沖縄の辺野古や高江での米軍基地建設反対運動では多くの逮捕者を出している。阻止のための実力行使も行なわれている。私は、そのような行為を「言論」による闘いに限定すべきだとして否定すべきだとは思わない。(略)権力は過去の教訓や経験の蓄積から多くのことを学び、現状において利用可能な手法を再生したり復活させようとする。この権力の構造的な記憶装置をあなどることはできない。新共謀罪法案はこの典型的な例ではないかと思う。これに対して、反政府運動の側は、歴史の過ちを引き合いに出すだけでは十分ではないだろう。むしろ、歴史を踏まえつつ、民衆的自由を実現できる社会を新たに創造することを視野に入れた運動を生み出すことがなければならないと思う。(小倉利丸ブログ 2016年10月30日

【山中人間話目次】
・戦争法(安保法制)下の共謀罪 -なぜ、いま、「テロ等組織犯罪準備罪」なのか- -小倉利丸ブログ
・高田昌幸さんのコメントへの返信 ――リベラルとジャーナリストと糞バエについて
・朴槿恵(パク・クネ)政権は終焉の様相。各国のメディアはいまの韓国の事態をどう見ているのか?
・Love Letter(監督:岩井俊二。1995年)所感 ――熱いものがこみあげてくる映画だった
キョウ こうちょうかい
安保法時の横浜公聴会

Blog「みずき」:
醍醐聰さんの問題提起に関連して豊島耕一さんは国会でのTPP採決の前提となる公聴会の問題性を以下のように喝破しています。「公聴会、その場で批判して問題点を明らかにする、という効果より、採決のお膳立ての意味が決定的に大きい。つまり野党は参加すべきではなかったし、市民は阻止する権利があると思う。大臣自身の口から出たように、強行採決が暗黙の前提となっているからだ。野党はそれを知りながら「気付かないふり」をするのは許されない。安保法の時の横浜公聴会は終わった後の道路占拠だったが、事前でないと阻止できない」、と。しかり。

【政党への忠誠はあっても、国民への忠誠というものは消えてしまう】
私はこれからの大事なキーワードは「地方」であり、地方が主体だと思いますが、
TPP協定による農業への打撃は地方を衰退させると思っています。農業はもちろん食料の供給源であり、TPPによって食料自給率がさらに低下し危機的になる恐れがありますが、農業が衰退するということは地方の人口減、農業関連産業も含めた産業の衰退による就業機会の減少などでさらに人口減に拍車をかけることも心配されます。それは地域の医療機関を成り立たなくさせて医療機関の統合などとなれば住民の医療機関へのアクセスが悪くなる。それがまた人口減につながり学校も廃れていってしまう。TPP協定では公共事業調達で地元調達をしようとすると内外無差別の原則に反するということですから、学校給食での地産地消も、韓米FTAの例を見ても明らかなように脅威にさらされてしまう懸念があります。医療や薬価の問題では、ガン治療薬のオプジーポなど良く効くけれども、非常に高額で患者負担も大変です。これをかりに高額療養費制度で負担を抑えたとしても、それは結局、保険財政に回っていくことになります。無くては困りますが、年間1人3000万円もかかってしまう。抜本的に薬価の決め方を変える必要がある状況に至っています。しかし、こうした医薬品は米国企業やその子会社のものです。これから外資が入ってくるというのではなく、すでに外資が上位を占めている。TPP交渉と並行して行われた日米並行協議では、外資が薬価決定にわれわれも参画させろといっている。薬価を引き下げるような決定をしようとすればISDS条項などを使って脅しがかけられる懸念もあります。日本の保険財政の立て直しに対して横やりが入ってくる可能性があるのです。

こうしたことについて何の議論もせず、
国民皆保険制度は交渉のテーブルに乗っていないから心配ありません、という言い方で批准しようとしている。国会審議を見ていると結局、政治の質が問われていると思います。これまで国会決議には与党も賛成してきました。もちろん選挙のときの公約もありました。それにも関わらず、ここに及んで与党のなかから何ら異論がまったくない。本当に一色に染まっている。これを見ていると、日本では自分が属している集団や組織への忠誠は強いが、自分たちの集団外や組織外、とくに今回の場合は国民への忠誠ということですが、それはまったくどこかに行ってしまうということが、今回如実に表れているのではないか。自分が属している政党への忠誠はあっても、国民への忠誠というものは消えてしまう。TPPに限らずいろいろな問題でこうした体質が表れてしまうと日本の民主主義というのが完全にマヒしてしまい、政治とはただ数による意思決定の場でしかなくなってしまう。審議など非常に無意味なものになっているのではないか、それを露骨に現しているのではないか。単なる多数決主義に民主主義が堕落してしまった姿を痛感します。非常に重大な問題です。(醍醐聰「農業協同組合新聞」2016.10.29

【山中人間話目次】
・アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(略称wam)に「朝日赤報隊」を名乗る者から爆破予告
・TPP問題のエキスパート岩月浩二さん(弁護士)31日午前9時から衆院TPP特別委員会で参考人として意見陳述検事、
・検察、FBIが動くとき。その社会変動は所詮警察国家の変動でしかない
・琉球新報安富歩(東大教授。『東大話法』の著者)発言への目取真俊さん、宮城康博さんらの違和感
キョウ すのーでん2

Blog「みずき」:小倉利丸さんは「今日の言葉」の末尾に出てくる「法律の縛り」について次のように解説します。この「『法律の縛り』を一挙に解くことになったのが特定秘密保護法の制定であり、スノーデンは、「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はアメリカがデザインしたものです」とすら断言している。この法律があることによって米国と日本の政府の間での情報共有の実態を合法的に隠蔽することが可能になるからだ。米国の諜報機関の日本国内での活動は、日本政府や日本の企業の協力なしには不可能な領域が多く存在する。にもかかわらず、その実態は闇に包まれたままだ。企業にとっては権力犯罪に加担して自らの顧客の権利を侵害する方が企業の利益になるのであれば、顧客のプライバシーは容易に見捨てられる。マーケティングのためとあれば、顧客の行動をとことん監視する。そのための技術が急速に普及し、これが軍事や治安管理に転用されてきた。政府にしてみても、自国の市民の権利を抑制した方が国益に叶うということであれば躊躇なく権利侵害の力を行使するだろう。いずれも市民たちが、こうした実態を知りえないことが大前提になる」、と。

【日本のマスメディアや市民運動の警戒心の欠如】
8月27日に、日本のジャーナリストとして初めて
エドワード・スノーデンにインタビューした小笠原みどりの講演会が東京で開催された。会場は立ち見の出る盛況となり、丁度共謀罪の再上程報道があったばかりということもあって、参加者の関心は非常に高いものがあった。小笠原のスノーデンへのインタビューについては既に、『サンデー毎日』に連載記事が掲載され、また、ネットでは『現代ビジネス』に「スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」が掲載され、インタビューの概要を知ることができる。27日の集会での小笠原の講演で強調された論点は、私なりの関心に引き寄せて端的にまとめれば、日本におけるネット上の情報通信が網羅的に米国の諜報機関によって監視可能な環境に置かれていること、そして、こうした環境について日本の市民がもっと深刻に捉えて対処すべきだ、ということだ。とりわけ日本の政府もIT企業も、日本に住む人びとのプライバシーを米国から保護するどころか、むしろ構造的に日本の市民のコミュニケーションを監視する体制に加担している可能性を否定できないということが、事の重大性の核心にある。日本に住む多くの市民が「自分は悪いことをしていないから監視されるということはないだろう」あるいは「いくらなんでも日本の政府や企業が意図的に米国の諜報機関と共謀してこの国の住民のプライバシーを売り渡すなどということは被害妄想の類いではないか」と高を括っていることへの厳しい警告だったといっていいだろう。スノーデンの告発やwikileaksによる機密文書の暴露がドイツ、ブラジルなど諸外国でも国連でも大問題になり、多くの市民が抗議の声を上げてきているのに対して、小笠原は、日本のマスメディアや市民運動の動きの低調さへの危惧を率直に語ったと思う。(略)

スノーデンは、小笠原のインタビューで、一般論として次のように述べている。「多くの場合、最大手の通信会社が最も密接に政府に協力しています。それがその企業が最大手に成長した理由であり、法的な規制を回避して許認可を得る手段でもあるわけです。つまり通信領域や事業を拡大したい企業側に
経済的インセンティブがはたらく。企業がNSAの目的を知らないはずはありません」(略)「もし、日本の企業が日本の諜報機関に協力していないとしたら驚きですね。というのは、世界中の諜報機関は同手法で得た情報を他国と交換する。まるで野球カードのように。手法は年々攻撃的になり、最初はテロ防止に限定されていたはずの目的も拡大している。交換されているのは、実は人々のいのちなのです」「僕が日本で得た印象は、米政府は日本政府にこうしたトレードに参加するよう圧力をかけていたし、日本の諜報機関も参加したがっていた。が、慎重だった。それは法律の縛りがあったからではないでしょうか。その後、日本の監視法制が拡大していることを、僕は本気で心配しています」(小倉利丸ブログ 2016年10月29日

【山中人間話目次】
・内海信彦さんの三笠宮崇仁評価。三笠宮の思考の本質を「自己防衛的」と喝破し、「皇族に「平和主義者」がいると考えることが、民主主義の格闘を経ていない甘い思考」と喝破する
・米津篤八さんの三笠宮崇仁評価。彼への高い評価も、近年の「リベラル」による権威主義的な明仁ヨイショ現象の一環のような気がする
・「日本におけるネット上の情報通信が網羅的に米国の諜報機関によって監視可能な環境に置かれている」という小倉利丸さんのアラーミング・ベル
・弁護士とはかくありなん。かくありたし――澤藤統一郎さんと森川文人さんの弁護士奮闘記
・「ボブ・ディラン氏、ついに沈黙破る」(AFP)の評価について
・「FB憲法九条の会」の管理者の松浦寛が管理者間の協議で解任されたという情報について
昨日づけの記事「今日の言葉 ――日本共産党の科学的分野における右傾化、すなわち科学的精神の喪失という事態が脱原発運動や選挙運動においてデマゴーグやレイシストと「共闘」するという致命的な欠陥としても現われています」に「デマゴーグやレイシスト」とあるのは具体的には以下の事象と人物を指しています。

関連する直接のツイッター記事。





関連する参考ツイッター記事。




キョウ さまき

Blog「みずき」:左巻健男さん(法政大学教授)は「松崎いたる板橋区議の裁判に関して日本共産党への要望」の中で松崎さんを擁護して次のように述べています。「今回、松崎さんから「共産党中央委員会から、ナノ銀除染をインチキと批判したことについて、地方議員にあるまじき市民道徳と社会的道義に反する行為だといわれてしまった」と聞き、たいへん驚いています。 『ニセ科学を見抜くセンス』新日本出版社の中にも書きましたがニセ科学は「科学的な思考を麻痺させ、思考停止にし、国民を非科学の方向にいざなう」ものです。科学と無関係でも、論理などは無茶苦茶でも、科学っぽい雰囲気をつくられれば、ニセ科学を信じてしまう人たちもいます。こうしたニセ科学を放置することです。信じてしまった人たちは効果のない商品に散財してしまったり、健康に関するニセ医療などでは命にかかわることにもなりかねない危険なことです。(略)松崎さんが実名と区議としての立場を明らかにしてナノ銀除染のインチキ性を告発したことは、市民道徳に反するどころか、社会的な意義をもつものです」。私は左巻さんの論を科学的立場からの共産党中央委員会批判として受けとめました。


【左巻健男さん(法政大学教授)の問題提起】
私は日本共産党が確実に右傾化しているひとつの現われとして今年の年初に歌人の
内野光子さんの「宮中の「歌会始」の選者が赤旗歌壇の選者に選ばれている」という紹介を紹介しました。それは同党の右傾化の文化的側面からの指摘でしたが、その同党の右傾化の現われは科学的分野においても見ることができます。それは共産党系の科学者団体とされている日本科学者会議の右傾化の問題です。下記は、左巻健男さん(法政大学教授)の「松崎いたる板橋区議の裁判に関して日本共産党への要望」という文章です。この文章を読めば科学的分野でも同党の右傾化は凄まじい勢いで進行していることがおわかりになっていただけるものと思います。左巻さんは単にインチキ科学を共産党が見抜くことができない問題として問題提起されていますが、これは明らかに科学の分野における同党の右傾化の問題です。右傾化が同党の科学的精神も喪失させているというのが同党がいま陥っている事態なのです。この同党の科学的精神の欠如が脱原発運動や選挙運動においてデマゴーグレイシストと「共闘」するという致命的な欠陥としても現われています。共産党のために私は残念に思います。(東本高志FB 2016年10月27日

【山中人間話目次】
・日本共産党の文化的側面と科学的側面における右傾化について
・鬼原悟さん(「アリの一言」主宰者)も野党共闘のあり方に関して下記のような民進党、共産党批判をしています
・この小林節を革新懇などの共産党系の団体の講師として盛んに招じていたのもやはりいまの日本共産党です。同党にはもういう言葉もないありさまです
・「私も彼だ」――神奈川新聞記者のお障害者殺傷事件考
・決められた通りに行動すれば責任は問われない、別のことをやって万一何かあったら大変だ、という官僚主義的思考が教育現場に蔓延っていたのではないか
・フィリピンのTCF Daily紙の編集長エルナ・ジューンのロドリゴ・ドゥテルテ考
・PKO部隊が駆け付け警護を拒否する南スーダン - 高世仁の「諸悪莫作」日記
・「土人」発言の背景に警官に極右ヘイト思想を教育する警察専用雑誌があった
キョウ しいいいんちょう2

【いま、共産党の理念の問題が問われている】
NHKの10月22日の
報道によれば、共産党の志位委員長は「次の衆議院選挙での民進党などとの連携について、党の候補者を一方的に取り下げることはない」と言明したそうです。これまで「野党共闘」という名分のもとに候補者を一方的に取り下げてきたのは同党自身の判断でしたから、東京10区と福岡6区の衆院補選2連敗という事態を受けて同党のこれまでの「野党共闘」の方向性をやや路線転換した感があります。しかし、同党のこの路線転換の内実は、政策協定も結ぶことなく一方的に候補者を取り下げてきた同党のこれまでの没理念的な小手先のポピュリズムとしての「野党共闘」路線の反省からくるものではなく、小池晃書記局長は「政党間の信義の問題」などと気取ったことを言っていますが、さらなるポピュリズムの続行として党利党略的な思念からくる路線転換にすぎないもののようです。すなわち、小手先のポピュリズムとしての「野党共闘」路線はまだまだ続けるつもりのようです。

『民進は野党3党に協力を求め、公認候補への一本化を果たしたが、他党の推薦を断り、東京10区では党首級の演説会に蓮舫代表も候補者も不在。新潟知事選に続き、ちぐはぐな対応が目立った。結果は無党派を取り込めず、投票率は過去最低で大敗。候補者を取り下げ、演説会に志位和夫委員長が駆けつけた共産党はおさまらない。小池晃書記局長は会見で「考えられない対応だ。協力して戦う姿勢ではなかった。政党間の信義の問題になる。本気の共闘が実現できなかった」と厳しく批判。4党の幹事長・書記局長会談を開いて民進に説明を求める考えを示した。』(「野党共闘、民進に暗雲 3党から不信/連合とは亀裂」
朝日新聞 2016年10月25日

この共産党のマヌーバ―ともいえる路線転換に関して、共産党シンパの弁護士の渡辺輝人さんは「どんどん詰めよう、民進党執行部」などとエールを送っていますが、そういう問題ではありません。小手先のポピュリズムとしての「野党共闘」路線をまだまだ続けるのかどうかという共産党側の理念的な問題なのです。こういう批判をすると、「いま野党共闘を批判するのは利敵行為だろうという批判も受けますが、
『利敵行為論による妥協』が何十年たっても同じ間違いを繰り返している」元凶の元凶というべきなのです。こうした事態が戦後一貫して続いていることについて、リベラル、左派を自称する人たちはいい加減に気づいてほしいものです。(東本高志FB 2016年10月25日

【山中人間話目次】
・日高六郎(社会学者)の戦時中の海軍技術研究所での大胆不敵ともいえる言論-半澤健市「リベラル21」
・ドゥテルテ大統領に対するこのフィリピンの民衆の歓呼の声はなんだ
・ノーベル文学賞選考委員長の言う「無礼で傲慢だ。でもそれが彼ってものだ」の意味
・大切なのは、日本と沖縄の抑圧的な関係に気付き、ウチナーンチュが沖縄の未来を決めていくこと――親川志奈子さん
・記者拘束「危険な先例を作った」 国境なき記者団の沖縄声明全文
・忘れかけていた屈辱を思い出した 新川秀清さん【インタビュー「土人」発言】- 沖縄タイムス 
・犯罪防止で全国の警察官100人が沖縄県警に出向へ――安倍政権と国家警察のマヌーバ
・安倍政権の「女性活躍社会」のお粗末な実態――日本の男女格差、111位に悪化 G7で最下位:朝日新聞
キョウ あべ6

Blog「みずき」:水島朝穂さん(早大教授・憲法学)の「今週の直言」からの久しぶりの引用。「今週の直言」のテーマは安倍首相の自民党総裁任期延長=内閣総理大臣任期延長問題。水島さん曰く「自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。その首相が自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家もいない。『恥ずかしい』『みっともない』のは誰か」。もちろん、安倍晋三その人です。その「恥ずかしい」「みっともない」政治家をさらに総理大臣を続けさせてよいのか。いまここで問われているのは「私は絶対に許さない」という私たち市民の「怒り」のありようの問題というべきでしょう。私たちの「怒り」は「社会変動の起爆剤」です(E.フロム『自由からの逃走』)。私は誰にも引けを取らないような「怒り」を露わにすることの大切さをいま思います。私は安倍首相の続投を許すことはできません。

【自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない】
10年前の「直言」(略)にこうある。「先週、9月20日午後、安倍自民党「総裁」が誕生した。任期は3年である。明日26日には内閣「総理」大臣に就任する予定である。「総理・総裁」という、他国では理解できない「・」でつながる不思議な言葉。一政党のトップがあたかも自動的に首相になるかの如き状況が、この国では普通に起きている(略)。…安倍政権発足の本質的な問題は、安倍が何をやるか、である。安倍晋三という人物の思想と行動が、一議員や一閣僚(官房長官)にとどまっていた段階とは異なり、いよいよ内閣総理大臣という最高ポストを得て、本格的に動きだす。その危なさは、交通法規〔憲法〕を確信犯的に無視するドライバーが、大型トラックの運転席に座り、道路に走り出したのに近い。このトラックは行く先々で、たくさんのトラブルを起こすだろう。ドライバーは、饒舌に語りながら、「お目々キラキラ、真っ直ぐに」トラックを走らせていくのだろう。この国の不幸は続く。…」(略)先週、『朝日新聞』10月20日付は一面トップで、「自民党総裁任期 延長決定 安倍首相 3選可能に」を伝えた。(略)この「総裁」任期延長によって、ついに「安倍総裁9年」が実現することになる。それは「総理・総裁」という言葉が存在する日本においては、内閣総理大臣の「任期延長」に連動してしまう。その結果、安倍首相の在任期間は3500日以上となり、大叔父・佐藤栄作の2798日を超え、内閣制度発足以来最長の桂太郎(1901年6月2日~1906年1月7日、1908年7月14日~1911年8月30日、1912年12月11日~1913年2月20日)の通算2886日をも上回ることになる。(略)

内閣総理大臣は絶大な権力をもっている。それが自民党の党則の改正により、同一人物が最大9年まで首相の地位を維持することができるというのは、これまでの日本政治史になかったケースである。そもそもそうした重要なルール変更が、とうの本人の任期延長を目的として行われるところがいかにも不純である。
河野洋平元衆院議長(「総理」になれなかった「総裁」の一人)は10月4日のBSフジの番組で、党総裁の任期延長が決まった場合、2018年9月に任期満了となる安倍晋三首相の後継総裁から適用すべきだとの考えを示した。「自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない」とも述べた(『朝日新聞』10月5日付)。まさに正論である。政治家ならば普通の感覚だったのに、いまではメディアまで腰がひけて、正面から「おかしい」といえなくなった。ドイツから帰って一番の違和感は、「恥」を知らない政治家の言動が、たいした批判も受けずに横行していることである。「総立ち拍手」しかり、農林水産大臣の「強行採決」発言しかり、そして「自分のための党則改正」しかり、である。(略)自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。安倍総裁は、1955年の結党以来続いた3選禁止規定を党則から除く。「自民党をぶち壊す」と叫んだ小泉純一郎氏ですら2期で辞めて安倍氏に後を譲ったのに、とうの安倍氏が、自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家がおらず、本会議での首相演説で総立ちになって拍手を送るなど、自民党は本当に壊れてしまった。「恥ずかしい」「みっともない」のは誰か。(水島朝穂「今週の直言」2016年10月24日

【山中人間話目次】
・「利敵行為論による妥協」が何十年たっても同じ間違いを繰り返しているということについて
・ドゥテルテ・フィリピン大統領をどう見るか――内海信彦さん(ビジュアル・アーティスト)の見方
・murata kojiさんの日本環境会議沖縄大会参加レポート(連続ツイート)を読んで改めて矢ヶ崎克馬さん(琉球大名誉教授。物理学)のデマゴーグ体質を思う
キョウ ふぃりぴん

Blog「みずき」:アメリカに対して対米自主独立を宣明したフィリピンのドウテルテ大統領は、今年6月の大統領就任からわずか4か月の間に3500人もの麻薬犯罪の容疑者を裁判にかけることなく処刑したかと思えば、強姦やジャーナリストの殺害を容認する発言を繰り返すなどの顔も持つ不可思議きわまる人物です。ロドリゴ・ドゥテルテという政治家は一体何者なのか。このドゥテルテという大統領の評価について日下渉さん(名古屋大学大学院国際開発研究科准教授)と神保哲生さん(ジャーナリスト)、宮台真司さん(社会学者)が鼎談している映像がこちらにあります。合わせて」ご参照ください。

【噴飯物でしかない朝日新聞社説の認識】
フィリピンの
ドウテルテ大統領の訪中結果に関して、日本政府の反応は想定の範囲内ですが、国内メディアの報道を見ていると失笑を禁じえません。「日本と一緒になって中国と対決してきたフィリピン」という先入主が日本のメディアには「動かすべからざる当然の前提」としてあったために、「オレは抜けるよ」という態度を明確にしたドウテルテの敢然とした行動は衝撃であり、対応が追いつかないのです。22日付の朝日新聞社説は、「中比首脳会談 「法の支配」を忘れるな」と題して、国際仲裁裁定を「封印」したドウテルテに対して、「裁判所の判決は効力を失っていない。中国が一方的に権利を唱える南シナ海は重要航路であり、どの国にも航行の自由が認められるべきことに変わりはない」とし、「日本が基軸とすべきは、あくまで「法の支配」など自由主義の価値観である」と主張しています。この指摘・主張は、安倍政権の取っている立場を無条件に受け入れたものですが、ここには次の重要な事実認識上の誤りがあり、噴飯物としか言えません。 一つは、仲裁裁定の中身をまったく弁えていないということです。仲裁裁定は、南シナ海の島礁はすべて、国連海洋法条約に基づいて排他的経済水域、大陸棚の権利を主張できる「島」ではない「岩」以下であると断定しました。この独断は、米英日などの海洋国家が依拠する現行海洋秩序を根底から損なうものです。この裁定の「効力」を承認するとすれば、例えば、沖ノ鳥島は排他的経済水域を主張できるはずがありません。そのことを朝日の論説委員氏は認識しているのでしょうか。

また、仲裁裁定は中国が主張する歴史的権利について、条約では認められていないと断定して退けました。しかし、条約は、「歴史的湾若しくは歴史的権原に関する紛争」について調停手続の適用から選択的に除外できる(
第298条1)と明確に定めています。中国は、英仏露等30ヵ国と同じく、この規定に基づく排除宣言を行っているのです。仲裁裁定が歴史的権利の存在を否定し、中国がこの規定に基づく排除宣言を行ったことをも無視しているのは、暴論以外の何ものでもありません。朝日新聞論説委員氏は仲裁裁定の内容を本当に読んでいるのでしょうか。本当に歴史的権利の存在を否定するならば、例えば日本が竹島及び北方4島に対して主張している権利も自ら取り下げなければなりません。もう一つの決定的誤りは、社説は中国が航行の自由を認めていないという断定に立っていることです。これまた極めて初歩的な事実誤認です。中国はくり返し、南シナ海(中国は「南海」といいます)における航行の自由があることを明らかにしています。確かにいわゆる「九段線」に関する「歴史的権利」は主張していますが、「九段線」内部における航行の自由を認めるということは、「九段線」そのものが国境をなすものではないことを間接的に認めているのです。

このように、日本のメディアの南シナ海問題に関する事実認識は日本政府の垂れ流す「事実」をそのまま鵜呑みにしたものであって、根底から間違っています。ましてや、仲裁裁定に法的効力があるとする安倍政権の強弁を鵜呑みにするというのは、「良識あるメディア」の風上にもおけないことです。(略)私たちはアメリカ発の「歪められた事実」によって誘導され、判断・認識を誤らせてしまっているのです。私たちがドウテルテ訪中から学びとるべきもっとも重要なポイントは正にここにあります。(略)対米自主独立を宣明したドウテルテに対してアメリカが不満を述べることがせいぜいで、なすすべがないという事実は、対米追随に徹して安穏としている日本に対する最大のアラーミング・ベルです。(
浅井基文のページ 2016.10.23

【山中人間話目次】
・信頼できる弁護士かどうかの問題について――澤藤統一郎弁護士の「漁協ファーストではなく、漁民ファーストでなければならない」という論を読んで
・ロドリゴ・ドゥテルテとは何者なのか-ビデオニュース・ドットコム
・若い2人の機動隊員の「土人・シナ人」発言はもちろん指弾されるべきですが、太田昌国さんや内海信彦さんのいう視点も欠かすことのできない視点です
・これは「怒りの報道」だと私は思う――報道特集:機動隊員土人発言 ヘリパッド建設の抗議続く沖縄高江~住民の本音 2016年10月22日放送
・都民1人当たり25万円の負担で東京五輪を開催しますか?――盛田常夫さん(在ブダペスト、経済学者)のアラーミング・ベル
・トランプの支持率が上昇し、ヒラリー・クリントンに4ポイント差まで迫るというロイターの報道
キョウ どじん キョウ どじん2 キョウ どじん3

Blog「みずき」:沖縄を代表する地元の「琉球新報」と「沖縄タイムス」の2紙は昨日、今日と社説を掲げ、2人の機動隊員の「土人発言」と「シナ人発言」を厳しく糾弾しています。「今日の言葉」のほかに同地元2紙の糾弾の声のエッセンスも合わせて掲げておきます。「「土人」発言は、反対運動の市民だけでなく、県民の心を深く傷つけた。警察への信頼も大きく失墜させた。機動隊員の監督責任者は県民に対し明確に謝罪し、発言した隊員を警察法や侮辱罪などの法令に基づき厳正に処罰すべきだ。」「民意を踏みにじり基地建設を強行する国家政策そのものが「構造的差別」と言わざるを得ない。沖縄は日本の植民地ではない。沖縄差別、今回の「土人発言」の責任は政府の差別政策にある。沖縄に対する構造的差別を改めぬ限り、不毛な対立は終わらない。」(琉球新報社説「警察「土人」発言 「構造的差別」責任は政府に」)「沖縄県民への差別意識が露骨に出た言葉である。県民を愚弄するもので、許せない。」「2人の機動隊員は事実関係を認め、「不適切と承知している」、「右翼関係者につられて思わず言ってしまった」などと県警の事情聴取に答えているようだが、本当にそうなのだろうか。6都府県から派遣された約500人の機動隊員のうち、たまたまこの2人が暴言を吐いたのだろうか。機動隊の派遣を要請した金城棟啓県公安委員長にも説明を求めたい。」(沖縄タイムス社説「[機動隊「土人」発言]県民を愚弄するものだ」

【根深い差別意識と植民地意識の政治土壌の露呈】
市民に侮蔑的な言葉を投げ付ける機動隊員がいる。それを軽視、擁護する政治家がいる。根深い差別意識と植民地意識、そのことに無頓着な政治土壌が露呈した。大阪府警の機動隊員が、北部訓練場のヘリパッド建設に抗議する市民に「土人」と発言したことへの県民の怒りが広がっている。別の隊員が「シナ人」と暴言を吐いていたことも明らかになった。「シナ」というのは日本の大陸侵略に結びついて使われた中国に対する蔑称だ。差別意識、植民地意識に根差す言葉を使うことは許されない。機動隊員の「土人」発言に対し、翁長雄志知事は「言語道断で到底許されるものではなく、強い憤りを感じている」と批判した。知事の怒りは当然である。菅義偉官房長官は「許すまじきこと」と述べた。ところが差別意識の表れとの指摘には「全くないと思う」と否定した。なぜそう言い切れるのか理解に苦しむ。暴言を受けた市民の心情、「琉球処分」以降の沖縄近現代史、米軍基地が集中する現状を踏まえれば、差別はないと断言できないはずだ。菅氏は「土人」という言葉が含む差別意識、植民地意識を深刻に受け止めるべきだ。松井一郎大阪府知事の行為も容認できない。短文投稿サイト「ツイッター」で「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と投稿したのだ。機動隊員の発言は「不適切」で済む話ではない。それを「出張ご苦労様」とねぎらう松井氏を県民は許さない。翁長知事も「不適切な発言と認めた上でよく頑張ったとなると、県民からしたら筋が違うとは思う」と疑問視している。機動隊員による「土人」「シナ」発言に表れた歪んだ沖縄観は、警察組織にとどまるものではない。沖縄に関わる日米両政府関係者にも共通する深刻な問題だ。
ケビン・メア元米国務省日本部長の「沖縄はごまかしとゆすりの名人」という発言や、田中聡元沖縄防衛局長の「(犯す前に)これから犯しますよと言いますか」という発言も露骨な差別意識や植民地意識の表れであり、機動隊員の発言と同根だ。機動隊員の発言を単なる失言と済ましてはならない。その裏にある深刻な沖縄蔑視を反省し、機動隊を沖縄から撤収させるべきだ。(琉球新報 2016年10月21日

【山中人間話目次】
・今日の朝日新聞の社説「土人発言」の背景に「根深い沖縄への差別意識とそれを生んだ日本社会の構造があ」ることを正しく指摘している
・沖縄県警、山城博治沖縄平和運動センター議長を再不当逮捕。この警察権力のあまりにも驕り高ぶった強権による弾圧を許してはならない
・差別発言への反響と反省しない大阪府警機動隊員 - 目取真俊「海鳴りの島から」
・toriiyoshikiさん、猪野亨さんは「野田さんはやっぱり最低だった」というが、その野田佳彦を民進党幹事長に選んだのは蓮舫自身だという視点も忘れてはいけない
・内野光子さん(歌人)の「吉川宏志氏『<いま>を読む(4)~批評が一番やってはいけない行為」(『うた新聞』8月号)への反論
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(7/7・完)
キョウ めどるましゅん2
目取真俊さん(左端)を4人がかりで押さえ込む警察官
8日、東村高江・米軍北部訓練場N1地区表側出入り口

Blog「みずき」:本日づけの沖縄タイムスは「記者の視点」というコラム欄を用いて「『土人』発言 歴史に刻まれる暴言 警察は県民に謝罪を」という真正面からの警察批判を掲載しています。新聞社がこれほどまでに直截に警察批判をすることは滅多にあることではありません。なにゆえの警察への謝罪要求か。やはり本日掲載の同紙の「「どこつかんどんじゃ。土人が」 沖縄で機動隊員が発言 ヘリパッド反対の芥川賞作家に」という記事がその理由になっているように思います。はじめに引用しておきます。「沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内のヘリパッド建設で18日、N1地区ゲート前で抗議していた芥川賞作家の目取真俊さんに対し、機動隊員が「触るな。土人(どじん)」と発言したことが分かった。目取真さんは「あまりにもひどい。市民をばかにしている」と憤った。同日午前9時45分ごろ、目取真さんら市民数人がN1ゲートそばで、沖縄防衛局が市民の出入りを防ぐため設置したフェンス越しに工事用トラックの台数を確認していた。その際、機動隊員3人がフェンスから離れるよう指示した際、1人が「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」と発言した。市民側は発言者を大阪府警の機動隊員とみている。機動隊員の発言について、県警は本紙の取材に「現時点で把握していない」としている。午前11時半ごろには、工事用トラックの進入を防ごうとした目取真さんを、機動隊員4人が地面に押さえ付ける場面もあった。同日は市民70人がN1ゲート前で抗議活動を展開。工事用トラック36台が同ゲートから訓練場に入り、資材を搬入した。市民5人が北部訓練場内に入り、工事の進捗(しんちょく)を確認した。17日に器物損壊容疑で現行犯逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長の釈放を求め、市民らは名護署前で集会を開いた。」

【琉球処分以来、本土の人間に脈々と受け継がれる沖縄差別が露呈した】
警察官による「土人」発言は歴史的暴言である。警察は発言者を特定、処分し、その結果を発表しなければならない。ビデオがインターネットで公開されている。すぐにできるだろう。市民らは発言者が大阪府警の機動隊員だとしている。事実なら府警本部長が沖縄に来て、受け入れた沖縄県警本部長と並んで県民に謝罪する必要がある。逆に警察がきちんと対処しない場合、それはこの暴言を組織として容認することを示す。若い機動隊員を現場に投入する前に、「相手は土人だ。何を言っても、やっても構わない」と指導しているのだろうか。この暴言が歴史的だと言う時には二つの意味がある。まず琉球処分以来、本土の人間に脈々と受け継がれる沖縄差別が露呈した。そしてもう一つ、この暴言は歴史の節目として長く記憶に刻まれるだろう。琉球処分時の軍隊、警察とほぼ同じ全国500人の機動隊を投入した事実を象徴するものとして。ヘリパッドを完成させ、米軍に差し出すことはできるかもしれない。政府は引き換えに、県民の深い絶望に直面するだろう。取り返しはつくのだろうか。(
沖縄タイムス「記者の視点」2016年10月19日

【山中人間話目次】
・山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の逮捕が不当逮捕であることの説得力のある説明
・沖縄県民を土人、シナ人呼ばわりする大阪府警の機動隊員は懲戒免職が相当だろう
・加藤典洋(文芸評論家)は、いつの頃からネオリベ政党支持者にまで成り下がってしまったのか?
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(6/7)
キョウ 流砂

Blog「みずき」:kojitakenさんの政治観察力の秀逸さについては2日前にも「kojitakenさんの感想に99パーセント同意。1パーセントの不同意は、私は、「めでたさも中くらい」ではなく、「めでたさも下の下くらい」と思うこと」という記事を書きました。あわせてご参照いただければ幸いです。

【右傾化する時代の反旗手としての日本共産党批判の重要性】 *
kojitakenさんの政治観察力は秀逸なものがあります。kojitakenさんの
政治観察の一端は次のようなものです。「二重橋から皇居に向かって90度の角度でお辞儀して天皇に謝ったり、安倍昭恵と癒着する三宅洋平とつるんだりする山本太郎は、誰がなんと言おうが山本太郎が自認する「保守ど真ん中」そのものだ」「「小沢信者」や民進党などのネオリベ体質が安倍独裁政権の温床になっている」「新潟県知事選で手痛い敗北を喫したところで、安倍が受けるダメージはたかがしれている」。そのどれも秀逸な政治観察といえるだろうと私は思います。 しかし、およよその見当で振り返っていうのですが、10年ほど前までは「民進党の前身の民主党などのネオリベ体質」については共産党という批判者がいました。しかし、その共産党はいまは「小沢信者」や「山本太郎信者」、民進党などとともにネオリベ路線の道を邁進する仲間、あるいは同志です。「民進党などのネオリベ体質」を批判する勢力がいまは全滅しているのです。いまのニッポンの政治の本質的危機はここにある、というのが私の見るところ、すなわち、私の政治観察です。そうした私の政治観察から見れば、もちろん、自民党的保守勢力は別にして、いまもっとも批判されなければならない政党は日本共産党ということになるのです。ニッポン社会の変革のためにはもっともっと共産党は批判される必要がある、というのが私の政治観察の帰結する結論です。(東本高志フェイスブック 2016年10月18日

【山中人間話目次】
・米山隆一氏の新潟県知事選当選に関して知っておきたい事実(1)
・米山隆一氏の新潟県知事選当選に関して知っておきたい事実(2)
・米山隆一氏の新潟県知事選当選に関して知っておきたい事実(3)
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(5/7)
キョウ にいがた

【二重にも三重にも誤っている事実認識から生み出される「思想」なるもの】
このフェイスブックの
記事は二重にも三重にも誤っています。第1。同記事が無条件に正しいものとして引用しているツイッター記事は新潟日報の記事は泉田知事へのネガティブ・キャンペンと断定するもの。しかし、その断定は正しいか。ここでネガティブ・キャンペンとされている新潟日報の記事は泉田県政が主導してきた日本海横断航路計画のフェリー契約トラブル問題と法律で作ることが義務づけられた県の福祉・医療4計画の未策定問題に関するキャンペン。どういう問題か。一方の当事者である新潟日報はこの問題について次のように書いています。「フェリーは中古で、県が約65%を出資する新潟国際海運がパナマのペーパー子会社を通じ、韓国企業から約5億円で購入した。速度不足を理由に船の受け取りを拒否したが、海事仲裁機関は仲裁判断で県側に支払いを命じ、船を取得できないまま2億円超の損失が出る恐れがある。この問題を巡っては、車の車検に当たる船級が失効し再取得も困難だったことや、必要な改造費が購入価格を大幅に上回ることなどが次々と判明した。県議会で集中審議をしたが、ずさんな契約がなぜ行われたのか、どういう過程で意思決定がなされたのか、真相は不明のままだ。むしろ、ほかに責任を転嫁する知事の姿勢が浮き彫りになったと言わざるを得ない。2008~14年度にわたった法定4計画の未策定も同様である。本紙が開示請求した関係文書の多くが黒塗りで非公開だった。未策定が続いた理由や誰の判断だったかは明らかになっていない。これでは県民が納得するはずがない。知事は全ての情報を開示する責務がある。県民への説明責任を果たしてもらいたい」(新潟日報社説 2016年8月31日)。

この泉田知事と新潟日報の応戦についての中立者の意見は次のようなものです。「不出馬の理由に報道を挙げるのは意味不明で「裏に何かあるのでは」と勘ぐられても仕方がない。新潟日報も、辞めていく人の発言を「圧力」と言うのは解せない。問題とされた記事を再取材し、続報を出すべきで、それが読者に対する誠実な態度だろう。(
服部孝章・立教大名誉教授(メディア法) 毎日新聞 2016年9月1日)「地元紙が知事に批判的であることには何の問題もないが、「県に説明を求める読者投稿への県回答」を「総合的に判断し掲載を見送った」というのは普通に考えて解せない。」(toriiyoshiki・ETVディレクター Twitter 2016年9月1日

この問題についての中立者であり、メディア問題に関して識見のある人たちが新潟日報の側にも問題点があることを指摘した上で「地元紙が知事に批判的であることには何の問題もない」と言っているものを一方的に「ネガティブ・キャンペン」などと断定するのは正しい態度とはいえないでしょう。第2。同記事は、米山知事の誕生=泉田前知事の信任という図式で記事を書いていますが、泉田前知事と米山新知事は柏崎刈羽原発の再稼働問題について「福島第1原発事故の検証と総括が不十分」として慎重な姿勢をとっているという点で現段階で一致しているというだけで、米山新知事は泉田前知事の後継というわけでもなく、政治信条も思想的立場も別人格の知事であることもいうまでもありません。もちろん、米山知事の誕生=泉田前知事の信任ということでもありません。第3。米山知事が誕生したことは「新潟日報の終わり」をもちろん意味していません。仮にこれまでの新潟日報の記事に「泉田知事へのネガティブ・キャンペン」の側面があったとしても、すでに第1で述べたように「地元紙が知事に批判的であることには何の問題もない」ことです。要は新潟日報という新聞社のジャーナリズム精神のありようの問題です。そのジャーナリズム精神のありようを問題にするのではなく、報道の自由を抑圧するような「新潟日報の終わり」というような決めつけ方は二重にも三重にも誤っている事実認識と思想の貧困の結果というべきものです。(
東本高志フェイスブック 2016年10月17日

【山中人間話目次】
・新潟県知事選、自公が負けたのは良いが「めでたさも下の下くらい」
・新潟日報の泉田知事批判を一方的にネガティブ・キャンペンと断定する態度は正しいか?
・屋良朝博さんの「沖縄の米軍基地問題は基地集中の解消に尽きる」という論の盲点
・加藤哲郎さん(一橋大名誉教授)の「アメリカ大統領選ヨゼフ・ナイ的ソフトパワーの失敗作」という論
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(4/7)
キョウ やとうきょうとう5

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」主宰者)は下記の醍醐聰さん(東大名誉教授)の論に関連して目下の衆議院東京10区と福岡6区の補欠選挙をはじめとする野党共闘の問題を取り上げて次のように述べています。「問われるのは、こうした民進党と「共闘」している日本共産党、社民党、自由党(旧生活の党)の各党、とりわけ自らの候補者を降ろして民進党候補に一本化した共産党の責任です。これらの党は辺野古新基地にも高江ヘリパッドにも「反対」のはずですが、賛成する民進党と「共闘」することによって、しかも「政策協定」すら結ばないで事実上選挙戦から撤退することによって、安倍政権に審判をくだすべき重要な選挙で、沖縄の基地問題、辺野古・高江がまったく争点にならないことを容認した、いや加担したのです」、と。この鬼原さんの指摘に私も強く同意するものです。

【沖縄切り捨て政治を支持・黙認し続けるのかという自問の大切さ】
9月25日、「米軍基地引き取り論」をテーマにしたシンポジウムが都内で開かれた。パネリストの一人の
高橋哲哉氏(東大大学院教授)は「8割が安保条約を肯定している本土の人々は、安保に伴う基地負担を沖縄に押し付けず、本土への引き取りという形で当事者責任を果たすべきだ」と述べた。もう1人のパネリストの成澤宗男氏(「週刊金曜日」編集部員)は、植民地支配の張本人であるアメリカを横に置いて、沖縄と本土を分断し、基地の引き取りを論じることに根本的な異議を提起した。沖縄に基地負担を押し付けてきた政治を容認してきた本土の有権者にも当事者責任が問われるのは当然だ。しかし、その責任を「基地の引き取り」という形で果たすべきという主張には同意しない。高橋氏の議論を聞いて、基地引き取りの2つの意味が使い分けられていると感じた。一つは、沖縄の基地を本土の人々に突きつけることによって、基地負担を負わせる安保条約の廃棄へ向けた気運を醸成するという意味である。しかし、基地引き取り論にはそれだけでなく、沖縄の米軍基地を現実に本土へ移設するという意思が込められているはずだ。現に、高橋氏は本土引き取りを提起することによって、辺野古が唯一という主張を突き崩す選択肢を示す意味があると語った。

しかし、本土への引き取りといっても、いつのことか計り知れない観念論ではないかという成澤氏の指摘に対し、高橋氏は自覚喚起の意味での基地引き取り論を再論した。これでは成澤氏が提起した現実論への応答にならない。だが、移設条件なしの米軍基地の閉鎖・撤去を目指すよりも本土への基地引き取りの方が、沖縄からの基地の全廃に向けた戦略として実現の可能性が高いといえるのか。実現の見通しもないまま提示した「引き取り論」が頓挫して、「やはり辺野古しかない」という議論に回帰してしまうように思える。これで喜ぶのは日本政府ではないか? 今、本土に問われるのは、自民党のみならず野党も沖縄の基地問題を国政選挙の争点に据えようとしないことである。蓮舫民進党代表は辺野古移設という民主党政権当時の大枠を堅持すると公言した。それに伴い、沖縄問題は野党共闘の共通公約から外されようとしている。共闘を求める市民団体や支持者からもこれを正す動きはない。これでは本土の野党、市民も沖縄切り捨ての共犯者である。今こそ本土の有権者は、自分が引き受けたくない基地を沖縄に押し付けている沖縄切り捨て政治を支持・黙認し続けるのかと自問しなければならない。こうした有権者一人一人の自問、答責を抜きに沖縄の基地負担を全廃する政治を本土から生み出すことはできないのだ。(
醍醐聰 琉球新報「論壇」2016年10月3日

【山中人間話目次】
・「辺野古・高江」を問わない「野党共闘」は沖縄切り捨ての共犯 - アリの一言
・ヨゼフ・ナイ的ソフトパワーの「失敗作」としての今回のアメリカ大統領選とニッポンのゆく末-加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.10.15
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(3/7)
キョウ ないぶりゅうほ 
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Blog「みずき」:弁護士の森川文人さんの本日づけのブログ記事は「『世界で一番企業が活躍しやすい国』での残業時間」というもの。森川さんはその記事の中で本日づけの朝日新聞の「経済気象台」というコラムを採りあげています。曰く「同じ日の朝日の「経済気象台」というコラムでは「もっと労組はモノ申せ」というタイトルで「安倍政権の最低賃金の引き上げをはじめとする賃上げへの誘導姿勢は、労使への過剰介入といってよい。」「労組は賃上げにもっと熱心であってもよい。労組の経営への物わかりのよさは目に余るものがある。」「旧民主党(民進党)の支持団体としての連合は一体何を考えているのだろう。内部留保の増大と実質賃金の低下は、一義的に当事者としての労組の不作為に原因があるといえるだろう。野党も労組も安倍内閣を批判する資格はない。」「『同一労働・同一賃金』『一億総活躍社会』も、労組は基本的に働き方への政治の介入に対し、もっと腹を立てるのが、当然ではないか。『自分たちでやるから、ほうっておいてくれ』と抗議すべきがスジである。」と同じ新聞とは思えない痛快な指摘の連発」。「今日の言葉」はその朝日の「経済気象台」記事から採りました。

【労組は働き方への政治の介入に対しもっと腹を立てるのが当然ではないか】
アベノミクス批判の定番の一つに、実質賃金の低下と企業の内部留保の増大の指摘がある。それは事実だが、問題なのはその原因である。機関投資家を中心に、株主側は「配当の充実や自社株買い」を要求する。問われているのは賃金の決め方だ。これは安倍政権の失政ではない。というよりも、安倍政権の最低賃金の引き上げをはじめとする賃上げへの誘導姿勢は、労使への過剰介入といってよい。当事者がきちんと対処していれば、このようなことにはならない。生産性の向上のみならず、円安効果を含め、企業の利益に対し、労組は賃上げにもっと熱心であってもよい。労組の経営への物わかりのよさは目に余るものがある。旧民主党(民進党)の支持団体としての連合は一体何を考えているのだろう。内部留保の増大と実質賃金の低下は、一義的に当事者としての労組の不作為に原因があるといえるだろう。野党も労組も安倍内閣を批判する資格はない。「同一労働・同一賃金」「1億総活躍社会」も、労組は基本的に働き方への政治の介入に対し、もっと腹を立てるのが、当然ではないか。「自分たちでやるから、ほっておいてくれ」と抗議すべきがスジである。勤労者に大切なのは「雇用の安定」である。労組が最優先するのは当然だ。それゆえ、企業経営の「安定」を優先するのは、わからなくはない。だが、労組が社会性を失い、「一企業の目線」に偏る危険性は、もっと指摘されてよい。労使が同じ意見ならば、政府の会議の「椅子」はどちらか一方が座ればよい。そもそも労使が別人格として参加するのはおかしいのではないか。(朝日新聞「経済気象台」 2016年10月15日

【山中人間話目次】
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(2-7)
・「稲田をもっともっと叩いて叩いてゴキブリのように叩き潰してもらいたい」(kojitakenの日記)
・仲宗根勇さん(元裁判官): 『3月4日成立の和解条項第9項のワナの仕掛けを捨てない安倍官邸の無法ぶり
・つくづく「国家」というものが厭になる。「官僚主義」も「組織」も「民主集中制」も
・ハンガリー:左派新聞の発刊停止…「政府関与」指摘も - 毎日新聞
・国連派遣「表現の自由」調査官を官邸が監視
・プミポン・タイ国王の死去に伴う後継国王の「女たらし」癖の問題を日本のメディアが報じない問題
キョウ ぼぶでぃらん

【山中人間話目次】
・ボブ・ディランのノーベル文学賞授賞に疑問を呈する数少ない問題提起
・醍醐聰さんの上村達男氏(前NHK経営委員)批判と赤旗批判 ――上村達男氏のNHKガバナンス論の真贋~赤旗編集局への書簡(1-7)
・毎日新聞の「NHK次期会長の資格要件」という記事を読んでのtoriiyoshikiさん(ETVディレクター・ハーフリタイア)の感想
・「日本の新聞は、団結してユネスコを非難した」とするイギリス・ガーディアン紙の記事
・蓮舫氏は戸籍を公開すべきではない 安倍氏らによる戸籍を示せとは、「15円50銭と言ってみろ」と同じ 日本の民主主義の劣化の象徴だ- 弁護士 猪野 亨のブログ
・違和感のある中野晃一さん(上智大学教授。共産党シンパ)のリツイート

【山中人間話】







キョウ しょうがいしゃさっしょうじけん

Blog「みずき」:「今日の言葉」は毎日新聞記者の野沢和弘さん(論説室)の「記者の目」から。この記事を書いた記者自身も「重度の自閉症の子の親である」と言います。「あわれみや、やっかいなものを見るような視線を容赦なく浴びてきた。ストレスで心身を病んで仕事を失い、家族が崩壊するのを嫌というほど見てきた」とも書いています。 そうした記者の「真の被害者は誰なのだろうか」という問い。

【真の被害者は誰なのだろうか】
どうにも腑に落ちない。いったい真の被害者は誰なのだろうか。相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で重度の障害者19人が殺害され、27人が負傷した
事件から2カ月あまりが過ぎた。神奈川県は保護者と施設の要望を受けて施設の建て替えをするという。神奈川県警は「知的障害者の支援施設であり、遺族のプライバシーの保護等の必要性が高い」と被害者を匿名で発表した。マスコミの報道も差別や偏見に苦しむ保護者に同情的なものが多い。しかし、植松聖容疑者は「通り魔」ではない。事件の5カ月前まで「やまゆり園」で働いていた元職員である。勤務中には障害者に対する虐待行為や暴言もあった。なぜこんな人物を雇ったのか、どうして指導や改善ができなかったのか、なぜ犯行予告をされながら守れなかったのか……。被害者の家族がそう思ったとしても不思議ではない。もしも保育所で同じ事件が起きたら、施設は管理責任を追及されるはずだ。なぜ知的障害者施設ではそうならないのか。(略)認めたくはないが、親の安心と子の幸せは時に背中合わせになることがある。「保護者の疲れ切った表情」を見て容疑者は「障害者は不幸を作ることしかできない」と考え「安楽死させる」という考えに至る。あきれた倒錯ぶりだが、保護者への同情が着想の根幹の一つには違いない。県警が被害者を匿名発表した理由も保護者への配慮である。マスコミの報道も保護者への共感である。

しかし、被害にあったのは保護者ではない。障害のある子の存在を社会的に覆い隠すことが、本質的な保護者の救済になるとも思えない。保護者に同情するのであれば、そのベクトルは差別や偏見をなくし、保護者の負担を軽減し、障害のある子に幸せな地域生活を実現していくことへ向けなければならない。神奈川県は施設の建て替えを決める前に、障害者本人の意向を確かめるべきではないか。言葉を解せなくても、時間をかけてさまざまな場面を経験し、気持ちを共有していくと、言葉以外の表現手段で思いが伝わってきたりするものだ。容易ではないが、障害者本人の意思決定支援にこそ福祉職の専門性を発揮しなくてどうするのだと思う。横浜市には医療ケアの必要な最重度の障害者が家庭的なグループホームで暮らしている社会福祉法人「
訪問の家」がある。どんな重い障害者も住み慣れた地域で暮らせることを実証した先駆的な取り組みから学んではどうだろう。障害者福祉の現場は着実に変わっているのに、<障害者=不幸>というステレオタイプの磁場の中に彼らを封じ込めようとしているように思えてならない。真の被害者が何も言わないから、許されているだけだ。(野沢和弘(論説室)「毎日新聞」2016年10月12日

【山中人間話目次】
・翁長知事、世論に追い込まれて、「歓迎したい」発言撤回-NHK沖縄放送局
・沖縄のメディアよ。その指摘はそのとおりだ。しかし、まだまだ歯に衣が挟まっている。さらに奮い立て。
・「オバマ氏に三期やらせてみたくなり」気持ちはわかります。が、もちろん、オバマも駄目です。
・第2回大統領候補テレビ討論会(日本語訳・英文全文)
・ホワイト・ヘルメット」を無視するノーベル平和賞の大罪- ニューズウィーク日本版
・オランド大統領よ。あなたにロシアのアレッポ空爆を非難する資格はあるか?
キョウ おながちじ2

Blog「みずき」:さらに鬼原悟さん(「アリの一言」主宰者)の畳みかけるような翁長知事批判。鬼原さんは、翁長知事の罪は公約破りだけでなく、沖縄のメディアがこれまで努力してつくりあげてきた原則=「沖縄方式」を壊し、非公開の密室会談に終始してきたところにもある、と指摘します。さらに返す刀でその慣例・原則を踏みにじって密室協議に終始してきた翁長知事を批判しえない沖縄のメディアのひ弱さをも指摘します。そのひ弱さはなにに起因するか。鬼原さんはその起因するものを「翁長タブー」と見ます。そして、言います。「メディアは『翁長知事に対する報道姿勢』を自ら検証する必要があるのではないでしょうか」、と。もちろん、私も同感するものですが、私はさらにその起因するもうひとつのものとして「オール沖縄タブー」というものもあるのではないか、と見ます。

【「翁長タブー」ともいうべきメディアの「自己規制」の罪】
8日の翁長知事と菅官房長官の会談でもう1つ、見過ごすことができない問題があります。それは約1時間の会談が、冒頭の代表撮影(略)のみ「公開」で、実質すべて「報道陣を完全にシャットアウトして開かれた」(略)こと、すなわち非公開の密室会談だったことです。政府・自民党との会談を非公開・密室で行うのは今回だけではありません。近くは9月14日の二階自民党幹事長との会談もそうでした。非公開・密室は翁長氏の通例で、それ自体大きな問題ですが、さらに重大なのは、それが沖縄のメディアが努力してつくりあげてきた原則=「沖縄方式」を壊すものだということです。「仲井真弘多氏ら歴代知事時代は、日米政府の高官との沖縄での会談は全公開(略)が通例で、『沖縄方式』と呼ばれたが、翁長県政になって冒頭のみで非公開の例が続いており、『沖縄方式』が崩れてきている。沖縄県知事と日本政府高官らとの面談は、基地問題が議題になることがほとんどで、発言や挙動に注目が集まる。官邸での会談は政府主催のため、冒頭のみ公開が通常だが、県庁など県が主催する場では全公開が原則だった。会談後には囲み取材で会談内容について質問が出るが、双方で異なる内容の発言が出たり、微妙に言い回しが違っていたりする場合が少なくない。そのため記者側は全公開を求めてきた経緯がある」(略)実にまっとうなことです。こうした経緯は沖縄のメディアの素晴らしさを示すものです。ところが翁長氏は就任以来、この「沖縄方式」をなし崩しにしてきたのです。

翁長氏とメディアの関係で見過ごせないのはこれだけではありません。毎週行われるべき「知事定例会見」を実に1年3カ月も行ってこなかったのです。「知事は14年12月の就任後、定例会見を15年2月13日、3月20日、5月15日の3回開いたが、名護市辺野古の新基地建設問題への対応による多忙などを理由に中断していた」(略)翁長氏は理由もなく「定例会見」に背を向けてきたのです。報道各社の要望で8月25日に1年3カ月ぶりに「定例会見」しましたが、まさに異常な事態と言わねばなりません。「定例記者会見を巡っては、稲嶺恵一元知事が原則、毎週金曜日に開催。仲井真弘多前知事も毎週金曜を定例会見に位置づけ、1期目は頻繁に開催した」「多忙」が言い訳にならないことは自明です。(略)政府・自民党との会談の公開や定例記者会見が、県民(国民)の知る権利、報道の自由にとってきわめて重要な問題であることは言うまでもありません。それをないがしろにし、これまで築きあげてきた慣例・原則を踏みにじって密室協議に終始する。翁長氏の知事として、政治家としての基本的資質に重大な欠陥があると言わざるをえません。

同時に問わねばならないのは、琉球新報、沖縄タイムスはじめ沖縄のメディアの責任です。沖縄メディア各社は、これまでつくりあげてきた「沖縄方式」が翁長氏によって切り崩されていることになぜ厳しく抗議しないのでしょうか。なぜ「全公開」を強く要求しないのでしょうか。定例会見の復活要求にも1年3カ月を要しました。これで読者・視聴者に対するメディアの責任が果たせていると言えるでしょうか。国民の知る権利、メディアの報道の自由をないがしろにする翁長氏を正面から批判し、間違いを改めさせることができないのはなぜでしょうか。そこに「翁長タブー」ともいうべきメディアの「自己規制」が働いていることを否定できるでしょうか。メディアは「翁長知事に対する報道姿勢」を自ら検証する必要があるのではないでしょうか。(
鬼原悟「アリの一言」2016年10月11日

【山中人間話目次】
・翁長知事「歓迎したい」発言。金平茂紀さんと平安名純代さんの巧まざる絶妙の連携
・翁長知事の「歓迎したい」発言を「容認と言う言葉は使っていない」と釈明する翁長県政執行部の詭弁
・新聞記者の排除を「現場での混乱や交通の危険を防ぐため」と言う政府閣議決定の詭弁
・常岡浩介さんの「デマと陰謀論はもともとナチの手法。米国では大統領候補が、日本では左派・自称リベラルがなぜか駆使」という皮肉
・すかさん(下関在住弁護士)の弁護士としてのオーソドックスな精神から見た法テラス批判
キョウ おながちじ2
沖縄県の翁長雄志知事らとの会談のため、知事公舎を訪れた菅官房長官
2016年10月8日午後

Blog「みずき」:沖縄タイムス米国特約記者の平安名純代さんは自身のフェイスブックに下記記事の前文として「翁長雄志知事は8日の菅官房長官との会談で、日本政府が年内の米軍北部訓練場の部分返還を米側と交渉していると伝えられ、「大変歓迎する」と喜びを表現したそうです。ヘリパッド移設を条件とした返還を「歓迎」ということは、当然、高江ヘリパッド建設も容認したということです。自然豊かなやんばるの森と生活を守るために現場で闘いを続けている人々はこの発言をどう受け止めたのでしょう。守るべきは知事なのか、それとも高江なのか。指導者の行動を正すには、矛盾の追求が必要です。市民一人ひとりが疑問の声をあげられるか、また、市議や県議や国会議員がこの矛盾をどう正していくのか。高江の未来がかかっています」とも述べてオール沖縄体制に対して厳しい疑問の声をも投げかけています。沖縄のジャーナリストとしてあまりにも当然の指摘と言えるでしょう。ただ、その当然のことをいままで誰も言わなかった。私は平安名記者の勇気を讃えたいと思います。

【翁長知事が公約を変えたのはなぜか。翁長知事の変質を問う】
自分たちが選んだ指導者だからといって、市民が疑問の声を上げず、政治の矛盾を追及するのを控えた時、その先にはどんな社会が待っているのだろう。最終盤に達した米大統領選挙を横目に、
オバマ大統領誕生後の米国の変化を考える日が増えた。2009年1月に第44代大統領に就任したオバマ氏は「米国は世界の警察官ではない」と述べ、米国民や同盟国が直接的危機に脅かされる場合を除き、単独の軍事力は行使しないとの方針を外交政策に据えた。オバマ氏は、同年4月に「核なき世界」を描いたプラハ演説ノーベル平和賞を受賞したが、時を同じくしてアフガニスタン増派も発表。11年には米英仏中心の多国籍軍でリビアを空爆し、14年にはイラクで過激派組織「イスラム国」への空爆を開始。シリアにも拡大した。軍事縮小を唱えていたオバマ氏が変容する前兆は確かにあった。しかし、オバマ氏を支持するリベラル派や反戦団体は、まるで申し合わせたかのようにオバマ氏の行動の矛盾に疑問を投げかけるのを控えたのだ。その結果、オバマ政権は批判されることなく軍事力を重視した政策を推し進めることに成功した。熱狂的な「チェンジ」現象が過ぎ去った後に、オバマ氏に投票した有権者らが自覚したのは、指導者に望みを託しただけでは真の変化は訪れないという現実だ。

当時を振り返りながら、あの時の熱狂ぶりが今の沖縄に重なっていく
翁長雄志知事は8日、菅義偉官房長官から、年内の米軍北部訓練場の部分返還を米側と交渉していると伝えられ、大変歓迎する」と喜びを表現。会談後の会食では両者とも、高江や辺野古、ハリアーに言及せず、菅氏は「いい雰囲気で会食できた」と評した。副知事らを脇に、菅氏を和やかな笑顔で迎え入れる翁長知事の表情は、かつての政府との対決姿勢は鳴りを潜めたかのようだ。翁長知事は14年10月の知事選出馬表明で、ヘリパッドはオスプレイの配備撤回を求めている中で連動し反対する」と表明している。その公約を変えたのはなぜなのか。「日米間では来年1月までには返還するとの基本合意がある」と話す米政府高官は、「年内返還が実現すれば安倍政権の株も上がるだろう」と笑顔を見せた。票を託した指導者の矛盾を追及し、変化を起こせるかどうかは市民が疑問の声をあげられるか否かにかかっている。(平安名純代 沖縄タイムス「想い風」2016年10月10日

【山中人間話目次】
・「高江・ヘリパッド建設」を「大歓迎」した翁長氏 - 鬼原悟「アリの一言」
・翁長知事の基地めぐる公約違反 疑問の声上げる大切さ-平安名純代 沖縄タイムス「想い風」
・金平茂紀さん(TBS『報道特集』キャスター)の「精神のストリップを行う覚悟について」
・危険の感覚は失せてはならない。-御苑のベンゴシ 森川文人のブログ
・浅井基文さんの「アメリカ大統領選挙(中国紙論評)」という論評
・toriiyoshikiさん(ETVディレクター ハーフリタイア)の高城高『眠りなき夜明け』評

キョウ あうしゅびっつ

Blog「みずき」:この「今週の風考計」の筆者はペレス前イスラエル大統領について「ポーランド移民からイスラエルにわたり、パレスチナ和平に尽力し94年にノーベル平和賞を受賞した」とだけ述べています。それは、すなわち、同筆者のペレス評価とみなせるものでしょう。しかし、そのペレス評価はあまりに世俗の評価に寄りかかりすぎた評価というべきではないか。ペレスは1950年代にフランスからの武器調達に成功。イスラエルに中東最強の軍事国家を構築し、中東戦争勃発の原因をつくった歴史的責任があります。さらにフランスからミサイルや最新鋭戦闘機をも獲得。それが67年、第3次中東戦争でイスラエル勝利を決定づけ、中東の地政を激変させた原因ともされています。極秘裏に進められてきたイスラエルの核開発計画の責任者も当時のベングリオン首相から任命されたペレスでした。ペレスの政治信条は「軍事力の裏づけがあってこそ、和平を構築できる」というものでした(以上、
産経新聞三井美奈記者の2016.10.1づけ記事による)。ペレスがシオニストであったこともいうまでもありません。そうしたことどもを度外視したペレス評価は群盲象を評すようなもので肯定できません。

【ポーランドの旅で見たこと、考えたこと】
先月末、行きたかったポーランドを旅し、
アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を訪ねた。ガイドの中谷剛さんから、ナチス・ドイツ軍によって、130万人が虐殺された収容所内の遺品の数々、拷問部屋、ガス室、死体焼却炉などについて丁寧な解説をいただいた。単に過去の「負の遺産」として捉えるのでなく、いま世界に広がる不寛容、難民排斥、「イスラム国」のテロ、さらにはイスラエルのガザ地区侵攻やパレスチナ問題にまで、ひいては日本の憲法論議や国会運営など、傍観していればホロコーストの根につながっていくと指摘する。自分のありようが重く問いかけられ、身が引き締まった。9月28日、イスラエル前大統領ペレス氏が93歳で逝去した。ポーランド移民からイスラエルにわたり、パレスチナ和平に尽力し94年にノーベル平和賞を受賞した。ワルシャワに戻ると、ドイツ軍に戦いを挑んだ<ワルシャワ蜂起>の敗北の日、1944年10月2日、その日を忘れるなと、年配の人たちと青年がプラカードなどを掲げ市街をパレードしている。タイミングの良い出会い。通訳の説明がありがたかった。さらに翌日3日、「中絶禁止法案」に反対する、黒い服に身を包んだ若い女性らが、「ブラックマンデー」と名付けるデモをしている。現場の熱気たるや、ものすごい。「ジェンドブリー」(こんにちは)しか言えないもどかしさ。いまポーランドは、若い世代が立ち上がっている。頼もしい。(Daily JCJ「今週の風考計」2016.10.9

【山中人間話目次】
・ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの対決は論評するに値しない
・【電通過労死事件】被害者のツイートから浮かび上がる電通の体質
・尾崎咢堂の「われわれの私有財産は、天皇陛下といえども、法律によらずしては一指も触れさせたもうことはできない」という自然権思想
キョウ うちだじゅ

【新9条論者と自称リベラルたちの大うその競演】
新9条論者(実質改憲論者)の内田樹がまたまた真偽の定かではない「飛ばし情報」(裏付けを取らずに不確かな情報や臆測に基づいて書かれた記事、情報)をもとに「脱原発の米山候補が「楽勝」とされていた森候補をついに逆転」などという新潟県知事選に関するデマと呼んでいい楽観論を拡散しています。

内田樹:『新潟の知人によると県知事選、一部の調査では脱原発の米山候補が「楽勝」とされていた森候補をついに逆転したそうです。これから両陣営とも中央から「あっと驚く」テコ入れが始まるから、まあ楽しみに見てなさいということでした。どうなるんでしょう、新潟県知事選挙。』

「一部の調査」とはどんな調査かとソースを調べてみるとどうやら
こちらの日刊ゲンダイ記事。日刊ゲンダイが「米山候補が猛烈な追い上げ」の根拠としているのは「自民党の調査では、先々週末は森さんが7ポイントのリードでした。ところが、告示後の先週末はナント、0・3ポイントまで差が詰まってきているというのです」という正体不明の地元関係者の話。「先々週末は森さんが7ポイントのリード」というのは各種の報道で確認できますが、「0・3ポイントまで差が詰まってきている」という情報は確認できません。おそらく「地元関係者」なる人物ないしは「地元関係者」なる人物を創作した日刊ゲンダイの憶測にすぎないもの。こうしたデマと言っていい「飛ばし記事」を内田樹は嬉々として拡散しています(内田のツイートでは「差が詰まってきている」がさらに「ついに逆転」とまで大うそに転化しています)。その知的頽廃は自らが自らの編著(「日本の反知性主義」)で批判した「反知性主義」そのものというべきでしょう。内田樹に「反知性主義」批判を語る資格はありません。

さて、日刊ゲンダイとはどういう媒体か。kojitakenさんの日刊ゲンダイ批判をご紹介しておきます。

「近年ではこの夕刊紙は「小沢信者」御用達の記事を載せていた。2012年には「日本未来の党」を応援した。もっともあの時には日刊ゲンダイのようなイエローペーパーにとどまらず、一般紙である東京新聞も日本未来の党の機関紙と化していた。あの時の悪印象があるから、私はどんなに良い記事を載せても東京新聞には良い心証を持つことができない。(略)日刊ゲンダイは今回のような「飛ばし記事」を書くことによって、選挙結果に失望した反自民の読者の心を慰めるのかもしれないが、それは現実から乖離した大嘘の記事なので、記事を信じた読者は将来裏切られることになる。日刊ゲンダイとしては、読者の傷心を癒す記事を書くことによって売り上げを確保できるのだが、反自民陣営の戦いに貢献する度合いという観点から評価すると、記事は何の貢献もしないどころか、現実とかけ離れた無用な幻想を読者に与えることは、長い目で見ればマイナスの効果しかないし、短期的に見ても、実は全然成果の上がっていない「野党共闘」がさも効果が上がったかのように見せかけることで、反自民陣営の戦い方を誤らせる逆効果がある。」(
kojitakenの日記 2016-05-02

さらにそのイエローペーパーの日刊ゲンダイ記事を引用して内田樹ツイッターと同様の大うそを展開しているのが「
健康になるためのブログ」というやはりデマ媒体ブログです。そのデマブログによれば、やはり同様の大うそを鈴木耕古賀茂明などの自称リベラルが拡散しています。このような自称リベラルたちの知的退廃が真に安倍反知性主義政権に対峙しえない「リベラル・左派」の一層の困難をつくり出しているのです。まったくもって言語道断の業というべきでしょう。(東本高志 2016年10月7日

【山中人間話目次】
・すでに「九条の会」は地方レベルでは十分に変質している。あらたに就任した世話人の顔ぶれを見るとさらなる変質の予感がする
・内田樹、鈴木耕、古賀茂明など自称リベラルたちの知的退廃が真に安倍反知性主義政権に対峙しえない「リベラル・左派」の一層の困難をつくり出しているのです
・これは「共闘」ではなく、共産党の民進党へのすり寄り - 鬼原悟「アリの一言」2016年10月06日
・DHCスラップ訴訟。澤藤統一郎弁護士の勝訴が確定(最高裁上告不受理決定)
・【速報】「朝鮮人虐殺」記載へ 横浜市教委の副読本|神奈川新聞ニュース 2016年10月7日
・「平和賞より、空爆をやめさせて」 シリアで人命救助「ホワイトヘルメッツ」:朝日新聞デジタル
・『博徒と自由民権』の著者長谷川昇について――最近の応答から
キョウ しりあなんみん

Blog「みずき」:保立道久さん(東大史料編纂所名誉教授)の「移民制限を当然のこととしてEUと折衝する」と言い放ったイギリスのメイ首相発言批判。中東問題の原点と中東・移民問題のいまを考える上での根底的な問いというべきであり、問題視点だと思います。「ヨーロッパ帝国主義」という多頭の怪物はアングロサクソン人種主義思想となっていまも領域住民を暴政下に置いている。それが今日の移民問題の本質だと保立さんは言っています。

【多頭の龍=帝国としてのイギリスの無反省】
今日の東京新聞によると
イギリスのメイ首相が、移民制限を当然のこととしてEUと折衝するという。中東の悲劇と戦争の根源にはイギリス・フランス・ロシアが中東を分割したサイクスピコ協定がある。第一世界大戦のなかで行われたオスマン帝国の分割である。大戦の経過からいって、それはドイツにも深い歴史的責任があるのだが、しかし、イギリスは、さらに責任が重い。イギリスはパレスティナ問題の原点を作り出したバルフォア宣言を発した国である。メイ首相の発言は厚顔無恥というものである。イギリスは植民地支配の責任と負担と利権を20世紀にすべてアメリカに渡して自分は局外に立とうとした。そこにあるのは、私はアングロサクソン人種主義だと思う。イギリスも、ドイツもフランスも、中東には責任はないという立場に立っている。ナチス問題は、基本的にはヨーロッパ内部問題の側面が強い。自分たちの内部だけ見て、外をみれないヨーロッパの態度は許し難い。多頭ヨーロッパ帝国である。彼らにとっては各国民国家は目くらましの道具にすぎないのだ。私は、現代の直接の起点をなしている、16世紀のヨーロッパも一種の「世界帝国」であったことは明らかであると思う。たしかにそれは帝国の中枢がポルトガル・スペイン・フランス・オランダ・イギリスなどに分散しており、中心勢力が順次に交替していった点で、むしろ安定した構造をもっていたユーラシアに広がる他の世界帝国とは異なっていた。

しかし、外から客観的にみれば、ヨーロッパも一つの帝国、競合する複数の国家からなる多頭の帝国であったというべきであろう。ヨーロッパの帝国主義は、しばしばいわれるように貪欲な海賊帝国主義、探検帝国主義、あるいは「自由貿易帝国主義」というべきものだったのである。それはいわば多頭の龍=帝国だったのであって、普通の龍=帝国とは比較にならないほど凶暴であった。イギリス帝国はインドとアメリカに対する帝国的支配の上に立って、一八世紀末期から産業革命によって、この多頭の怪物を世界資本主義システムのなかに囲い込んむことに成功した。アメリカ植民地は、イギリスとフランスの敵対関係を利用して独立することに成功したが、しかし、ナポレオンの敗北によって、イギリス・アメリカ関係は復旧し、ここにイギリスを主としアメリカを従とするアングロサクソン帝国が世界に覇をとなえたのである。「こんにち合州国で出生証書なしに現れる多くの資本は、きのうイギリスでやっと資本化されたばかりの子どもの血液である」(『資本論』二四章七八四)といわれるように、アメリカとイギリスの資本関係は一体であり、それは今日までも続いている。アメリカとイギリスがいざとなると助け合うのは見ていて気持ちがわるい。(
保立道久の研究雑記 2016年10月4日

【山中人間話目次】
・澤藤統一郎さん(弁護士)の大西隆学術会議会長批判
・メディアリテラシーを喪失した映画界と自衛隊の際限のない癒着構造
・滔々たる沖縄の歌人たちの声を聴く――内野光子さんの『現代短歌』9月号寄稿文
・国連子どもの権利委員会のアサド政権批判とロシア政権批判
・松岡正剛の「549夜『博徒と自由民権』 長谷川昇」という文章は示唆に富む
・「『おじい』『おばあ』は下品な日本語」問題――最近の応答から(続き)
キョウ おきなわけん4

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」主宰者)の何十度目かの翁長県政与党(オール沖縄)批判。私も何十度も「オール沖縄」体制を批判しています。しかし、「オール沖縄」は変わろうとしない。変わらない。私の「オール沖縄」体制に対する根底的な懐疑と不信はそこにあります。

【翁長県政与党(「オール沖縄」)の猛省が求められている】
9月27、28両日、沖縄県議会で9月定例会の各党代表質問が行われました。辺野古裁判の不当判決(福岡高裁那覇支部、多見谷寿郎裁判長)、高江ヘリパッド建設強行という重大事態の中で、翁長雄志知事の答弁が注目されました。しかし、翁長氏の答弁はこれまで通り、重要問題については謝花喜一郎知事公室長に答弁させ、自らの見解表明を避けました。それを許したのが、翁長県政与党(「オール沖縄」各派)のふがいなさです。2日間で9人が質問。このうち与党議員は3分の2の6人(社民・社大・結連合から3人、おきなわから2人、日本共産党から1人)。いずれも「知事の政治姿勢」や「基地問題」を質問しましたが、核心には迫りませんでした。特に重要な3点を挙げます。

なぜ翁長氏に「高江ヘリパッド建設反対」と明言させないのか。高江で続いている異常事態の元凶は言うまでもなく安倍政権による工事の強行ですが、それを許しているのが翁長氏のヘリパッド建設黙認(容認)です。県警や機動隊の「警備」を「公正中立を欠いた国家権力の乱用」(比嘉瑞己議員)と批判するなら、その事態を招いている翁長氏の工事容認をなぜ追及しないのか。なぜ翁長氏に「高江ヘリパッド建設反対」を明言させないのでしょうか。

県公安委員会の任免権を持つ翁長知事の責任をなぜ追及しないのか。与党議員は高江への他県の機動隊派遣について、要請の経緯や費用などについて質問しました。これに対し池田克史県警本部長は、「公共の安全と秩序を侵害しない限り県警としては関知しない」と開き直りました。しかし追及はそれ以上進みませんでした。他県から警察(機動隊)派遣を要請する権限は都道府県公安委員会にあり(警察法第60条)、その県公安委員会の任免権は知事にあります(同法第39条、第41条)。機動隊派遣要請を追及するなら、なぜ翁長知事の責任を追及しないのか。なぜ議会の場で翁長氏に「公安委員会は機動隊派遣を要請すべきではない」と答弁させないのでしょうか。

なぜ「辺野古埋立承認の撤回」を約束させないのか。辺野古裁判確定判決後の「知事権限」の行使について、「当然ながら『撤回』も入っていると考えるがどうか」(比嘉京子議員)と質問したのに対し、謝花氏は「(最高裁)判決の結果を踏まえて検討する」と明言を避けました。与党議員はそれ以上追及しませんでした。「撤回」は新基地阻止の決め手になるものですが、翁長氏は態度を明確にすることを避けています。「最高裁でも県敗訴となった場合は、次の知事権限として『承認撤回』に踏み切る」となぜ約束させないのでしょうか。こうした重大な問題で、翁長氏は自ら答弁せず、いずれも謝花氏に代弁させて態度の明確化を避けています。与党議員は6人も質問しながら、誰一人として翁長氏自身に明確な答弁をさせた議員はいません。(略)

地方自治体は「二元代表制」です。「地方議会と首長の関係は車の両輪に例えられる。…議会も首長もそれぞれ住民が選ぶ『二元代表制』だ。協働ではなく、対等に競争する関係でなければならない。…知事を支えるのか反対するのかで争うのではなく、どのような沖縄県をつくるかという点で議論するべきだ」(仲地博沖縄大学長、6月3日付琉球新報)「翁長知事を支える」と言って、翁長氏の問題姿勢・見解を追及せず放任する。それで「議会は知事と対等」(仲地氏)と言えるでしょうか。県民から選ばれた県会議員としての責任が果たせるでしょうか。県議会が「どのような沖縄県をつくるか」を議論する場になるでしょうか。翁長県政与党(「オール沖縄」)の猛省が求められています。(
鬼原悟「アリの一言」2016年10月04日

【山中人間話目次】
・秩父事件は「暴動」であり、秩父事件の首謀者たちは「暴徒」である、と言う松岡隆夫さんの指摘について
・沖縄戦の記憶の場所が、少しずつ、じわじわと、「靖国化」されることを許してはいけない-乗松聡子さん
・「『おじい』『おばあ』は下品な日本語」問題――最近の応答から
・「ヤフーが全受信メールを監視、米情報機関の要請で=関係筋」というロイター報道についての小倉利丸さん(富山大学名誉教授)の指摘
・あまりに悲しくおぞましい光景。この破壊の下手人は明らかだ。-仲宗根 勇さん
・薬剤耐性菌の「培養皿」と化すインドの湖 ロイター
・石母田正の英雄時代論と神話論を読む-保立道久の研究雑記
キョウ つきじいちば
築地市場

Blog「みずき」:豊洲移転問題に関して小池新東京都知事の手腕を評価するリベラルは少なくないようです。たとえばジャーナリストの高世仁さんは小池新知事を次のように評価しています。「午後の仕事中、テレビに目を向けると都知事の所信表明が生中継されていた。自分の言葉で、分かりやすく、しかも堂々と訴える知事に、ヤジも全く飛ばない。選挙前、あれだけ小池百合子氏を攻撃していた自民党もシンとしている。オリンピック会場の大幅見直しという思いきった策も打ち出した。大したものだ。状況が彼女に舞台を用意したということだろうか。まさに小池劇場が華々しく幕開けした。大衆の要求に応えつつ、分かりやすい政治をやるというのは、支持勢力が圧倒的少数の議会におけるポピュリスト首長の良いところなのだろう。都民の小池支持率はたぶん8割くらいになっているのではないか」。こうした小池評価は石原以来の東京都のポピュリズム政治の「黒い闇」の部分をことさらに無視する、あるいは見ない軽佻浮薄の論だと私は思います。なぜ豊洲移転問題は生まれたのか。そのことひとつ見るだけでもポピュリズム政治の害悪の甚だしさは明白でしょう。いま小池にスポットが当たっているようでも、そう遠くない時期に小池は必ずポピュリズム政治家としての本領を発揮、すなわち、ボロを出します。石原も、猪木も、桝添もそうではありませんでしたか。小池だけが例外であるはずはありません。もっと見る目を鍛えてもらいたいものです。

【豊洲移転問題は一人の民主党都議の「裏切り」から始まった】
前回論じた
東京都庁の「伏魔殿」、ヒラリーにあやかりたいらしい小池知事の強い指示にもかかわらず、豊洲市場移転問題の設計変更問題で出てきた内部の報告書は、だれが、いつ、どのような権限で決めたかはわからない、灰色のファイル。わかったことは、「食の安全・安心」よりも「コストと工期」という「空気」が優先されていたという、予想通りの 無責任。なぜ東京ガスから 豊洲の汚染地を高価格で購入することになったのか、という事の始まりまで遡って、暗雲を晴らしていきたいものです。 もっともその先頭にたつべき東京都議会では、豊洲移転をストップできる可能 性のあった2009年都議会議員選挙民主党大勝のさい当選した一人の民主党都議が、11年3.11直前、何者かに動かされ見返りを約束されて移転賛成派に「転向」石原独裁知事・都議会自民党のドンが作った流れを、反転させることができませんでした。無責任都政に翻弄されてきた、築地の業者の皆さんと消費者のためにも、調査ジャーナリズムと市民の出番です。富山市から全国に波及しつつある、地方議会議員の政務活動費横領、領収書改竄・白紙領収書問題も、市民とメディアの追究によるものでした。歴代都知事と都庁官僚制の政策過程を疑い、東京都議会議員の一人一人を徹底的に洗った「築地から豊洲への政治学」を、若い政治学者に期待します。東京都の伏魔殿失態やオリンピック競技会場問題で目立たなくなっているが重要なのは、両院改憲勢力多数を占めての初の国会論議。安倍首相の所信表明演説の台本に「拍手」「水を飲む」とト書き、「表す」に「あらわす」のふりがなつきで、「海上保安庁・警察・自衛隊」(アルチュセールのいう「国家暴力の抑圧装置」!)に感謝のスタンディング・オベーション。ドイツ「ワイマールの教訓」を知る人には、衝撃的!野党の代表質問はパッとしませんでしたが、首相の秘蔵っ子・稲田防衛大臣への集中質問は、意味があります。「日本独自の核保有」、戦没者追悼式欠席、南スーダンPKOばかりでなく、夫名義の軍事産業株保有、それに富山市議そっくりの「同じ筆跡の領収書」26枚520万円 政治資金疑惑 もあります。野党は徹底的に追究して、与党のTPP国会、改憲準備国会へのペースを、乱してもらいたいものです。それでなくても、日経新聞さえかつて危惧した「いつか来た道」を歩みはじめているのですから。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.10.1

【山中人間話目次】
・澤藤統一郎さんの「天皇の生前退位発言」に関する「国民主権」と「民主主義」の原則に立ったまっとうな論。しかし、「リベラルと思しき言論人」とは誰のことか?
・原武史(放送大学教授・日本政治思想史)の弁明は詭弁というべきではないのか
・池澤夏樹〈編〉『日本語のために』への違和感
・ろくでなし子としばき隊の件-金光翔「私にも話させて」
・辺野古判決に関する本土メディアのひとりの記者の感想
・さいたま地裁ワンセグ判決の功罪-醍醐聰のブログ 
・DMZ(韓国非武装地帯)国際ドキュメンタリー映画祭」(1)-土井敏邦Webコラム