2013年3月27日付けのしんぶん赤旗に「参院選長野選挙区 「党候補で奮闘」と回答 共産党 共同候補の要請に」という記事が掲載されています。一見、長野県という一地方の政治的できごとの断面を切り取った変哲のない政治的ニュースのように見えなくはありませんが、広原盛明さん(元京都府立大学学長)が提起されている「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」形成の課題の観点からこの赤旗記事を見ると、今後の「統一戦線」形成運動の少なくない課題が浮かび上がってくるように思われます。

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          “国共合作”(統一戦線)の舞台となった重慶
          会談(1945年)における毛沢東(右)と蒋介
          石(中央)。(「ウィキペディア」より)

 長野県内で、夏の参院選に向け、原発廃止と平和憲法を守ることなどの課題で一致する共同候補の擁立をめざしていた市民団体「参院選で共同候補を擁立する長野県民の会」準備会はこのほど、共同候補擁立を断念しました。

 12日には、会の代表ら4人が日本共産党長野県委員会を訪れて協力を要請、何としても改憲と原発推進の暴走を止めなければという思いを語りました。応対した今井誠党県委員長と鮎沢聡党県書記長は、約1時間半にわたり耳を傾け、意見交換しました。

 今井氏はこのなかで「統一戦線」によって国政を変革する党の立場を丁寧に説明し、国民との共同を重視し柔軟に積極的に対応していることを強調しました。同時に、参議院選挙での選挙共闘は国政の基本問題での一致が不可欠であり、「現状では国政選挙で日本共産党と共同する条件と意思がある政党はなく、沖縄以外の全国でも県内でも共同候補の現実的な可能性は存在しない」と指摘。1980年の「社公合意」で日米安保条約容認と日本共産党排除を取り決めて以来の経過を説明して、会の疑問にも答えました。

 今井氏は、「現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせることは改憲・原発推進勢力を利することになる。私たちがすでに擁立している唐沢ちあき選挙区候補が最良、最適の候補であり、無党派のみなさんの思いにこたえることができる」とのべ、会の理解を求めました。

 同会は、社民党に対しても協力要請をおこないました。その結果をうけて17日に準備会を開き、各党の態度も報告され、「会の共同候補を立てることは脱原発、改憲阻止の力を分断させてしまう」「時間の制約」もあり、候補擁立断念を決めました。

 会に参加する有志は、この経過のなかで話し合い、「共産党の唐沢候補がもっともふさわしい候補だ」と、今参院選で市民有志として唐沢候補を推す動きが始まりました。唐沢候補を迎えた「つどい」も計画されました。

 今井党県委員長は「無党派のみなさんの現状を何とかしたいという思いに応えて、わが党は比例5議席絶対確保を軸に選挙区でも議席に挑戦したい。党と無党派のみなさんとの共同を広げ、“自民・民主の指定席”の時代は終わったことを示していきたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2013年3月27日

今年の年初に長野県在住の弁護士の毛利正道さんは「半年後に迫った参院選挙区選挙で『多数国民の声をきちんと国会に届けるハート❤協定』を躍進させよう」という問題提起をされていましたが、上記記事にある「参院選で共同候補を擁立する長野県民の会」(準備会)とはおそらく毛利さんが今年の年初に問題提起をして有志で結成した同会のことを指しているでしょう。

上記記事によれば、「長野県民の会」は、この3月12日に共産党長野県委員会に原発廃止と平和憲法を守ることなどを政策に掲げる共同候補擁立の申し入れをしていますが、同17日にはその共同候補の擁立を断念しています。同県委員会が「現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせること」になるなどの理由で共同候補の擁立に消極的(もしくは反対)だったことが同会の共同候補擁立断念の直接の契機になったものと推察できます。

しかし、共産党長野県委員会の共同候補擁立反対(もしくは消極的)のロジックは正しいといえるでしょうか?

赤旗記事によれば、同県委員会の今井県委員長は共同候補擁立に賛成できない理由として以下の3点をあげています。

(1)参議院選挙での選挙共闘は国政の基本問題での一致が不可欠であり、現状では国政選挙で日本共産党と共同する条件と意思がある政党はなく、沖縄以外の全国でも県内でも共同候補の現実的な可能性は存在しない。

(2)現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせることは改憲・原発推進勢力を利することになる。

(3)私たちがすでに擁立している唐沢ちあき選挙区候補が最良、最適の候補であり、無党派のみなさんの思いにこたえることができる。

まず(1)について見れば、「現状では国政選挙で日本共産党と共同する条件と意思がある政党はな」いという今井氏の認識は「現状」という条件を前提にすればたしかにそのとおりでしょう。私もそう思います。しかし、「現状」という概念は将来を展望するためにある分析概念です。「現状」ということをいうのであれば同時に将来展望も示されなければ有用な現状分析とはなりえません。展望を示さないままの、あるいは示しえないままの現状分析は丸山眞男や加藤周一によって日本型社会の負の特徴として位置づけられてきた「大勢順応主義」となんら変わるところはありません(丸山眞男「日本人の政治意識」、加藤周一「日本社会・文化の基本的特徴」参照)。このことを政治的用語でいえば「待機主義」、あるいは「(右翼)日和見主義」(広原盛明「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(11)」)といってもよいでしょう。このような認識では「現状」はいつまでたっても「現状」のままであるほかありません。
 
今井氏は(3)で将来展望を示しえている、と反駁するかもしれません。しかし、「現状では国政選挙で日本共産党と共同する条件と意思がある政党はな」いと言うのと同様に「すでに擁立している唐沢ちあき選挙区候補」をもって選挙戦を戦っても「無党派のみなさんの思いにこたえることができ」ない、すなわち当選できないのは、それこそ「現状」に則して見るならば火を見るよりも明らかといわなければなりません。下記は前回及び前々回の参院長野選挙区の開票結果です。

2010参院選選挙区開票結果・長野(改選数2)
当 若林 健太 293,539 26.43% 自民 新 公認会計士
当 北沢 俊美 290,027 26.11% 民主 現 防衛相
  高島 陽子 217,655 19.60% 民主 新 〈元〉県議
  井出 庸生 183,949 16.56% みんな 新 〈元〉NHK記者
  中野 早苗 116,496 10.49% 共産 新 党県常任委員
  臼田 寛明    8,959   0.81% 幸福 新 幸福の科学職員
 
2007参院選選挙区開票結果・長野(改選数2)
当 羽田 雄一郎 538,690 民主 前 党常任幹事
当 吉田 博美    301,635 自民 前 〈元〉県議長
  中野 早苗    194,407 共産 新 党県常任委員
  中川 博司      89,579 社民 新 党県幹事長

長野県は共産党が比較的強いところですが、見られるとおりそれでも共産党独自の単独票では前回も前々回も当選は覚束ない獲得票にすぎませんでした。よほどの状況の変化がない限り3か月後に迫った参院選でもほぼ同じ傾向を示すでしょう。左記はごくごくふつうの票の読み方です。今井氏は(2)で「現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせることは改憲・原発推進勢力を利することになる」と共同候補擁立否定の論理を述べますが、その「改憲・原発推進勢力を利する」という意味が次期参院選における長野選挙区での「落選」を意味しているのであれば、唐沢ちあき選挙区候補を擁立して共産党単独で選挙戦を戦ってもやはり「無党派のみなさんの思いにこたえることができ」ない。すなわち「落選」の憂き目を見ることは目に見えています。今井氏が(2)のように言う共同候補擁立否定の論理は成立しないのです。今井氏の(2)の論理は「長野県民の会」が提案した共同候補の擁立を否定するための根拠のないタメにする論理というほかありません。

逆に上記の開票結果から長野選挙区での当選ラインを30万票前後と仮定して、同県の2007年度の参院選選挙区開票結果を参照すれば、共同候補が実現すればその共同候補が勝利する可能性は十分にあります。今井氏は「現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせることは」云々と述べますが、先の東京都知事選では広義の意味での共同候補といってよい弁護士の宇都宮健児さんが正式に都知事選への出馬表明をしたのは同知事選投票日(2012年12月16日)の約1か月前の11月9日のことでした。今井氏は「現実的に可能性のない共同を追求」することは「あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせること」になるとその共同候補擁立否定の論を述べますが、先の東京都知事選の例を見ても1か月もあれば共同候補の擁立は可能なのです。

また、仮に次期参院選には共同候補の擁立が間に合わなかったとしても、その共同候補擁立の模索は、次々回参院選(あるいは衆院選)でその運動の実を結ばせることは可能です。「現状」に則して見るならば、共産党単独で独自候補を擁立しても今回も、次回も、次々回も「現状」のままでは当選の可能性はきわめて低いのですから、現状を変えるという意味で、いま、共同候補の擁立を追求する試みを続けることの方がどれほど有意であることか。この点について「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」の提起者の広原盛明さんは次のように述べています。

「目前に迫った参院選でたとえ革新政党が選挙協力体制を組めなくても、選挙後は直ちに“護憲第3極”形成に向かっての話し合いをスタートさせるべきだ。ただしその場合、政党間の話し合いだけではなく広範な護憲勢力の結集が必要だろう。選挙後の政治情勢は、日本国憲法第96条第1項の規定によって憲法改正の是非を問う“国民投票”に政治決戦の舞台が移るのだから(議会闘争ではない)、国民自身が改憲阻止の運動に立ち上がる体制をつくらなければ“国民投票”に勝利することはできないからだ。」(広原盛明「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(11)」リベラル21 2013.03.11)

革新政党の関係者にはそのことの道理を目と耳と頭を凝らして考えていただきたいものです。そうしなければ現在の改憲状況の危機を乗り越えることはできないのです。「社民党・共産党など既成革新政党がそれぞれの独自路線にもとづく闘争を展開してもその効果は限定的であり、広範な護憲勢力が結集する“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”の形成以外に危機打開の道はない」(同上)のですから。

現在の改憲状況の危機的状況についてのここ最近のあらたなニュースを前回に引き続きさらにひとつ、ふたつピックアップしておきます。

橋下氏 参院選では憲法改正を大争点に(NHK 3月30日 16時4分)
維新とみんな 参院選候補者調整で合意(NHK 3月30日 6時42分)

また再度、広原盛明さんが提起する“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”の運動の形を紹介しておきます。

「統一戦線」で取り組もうとしている運動のイメージは「広範な護憲勢力の再結集によって改憲阻止」に取り組む運動。

その政治勢力の構造は、

(1)護憲を党是とする社民党や共産党などの「革新政党」

(2)これら革新政党を支持する「革新勢力」

(3)革新政党を支持しないが、憲法9条を否定することには反対する「護憲勢力」。

取り組もうとする運動の具体的な形は、「革新政党は革新勢力はもとより広範な護憲勢力に働きかけて“護憲戦略”を再構築する。そのためのまず第一歩として考えられるのは、今回の選挙総括と次期参院選挙方針を党内だけでなく国民に対して“開かれた形”で行うこと

具体的には、
 
(1)公開討論会形式にして革新政党の選挙総括や参院選挙方針の問題点を有権者の間で広く議論する

(2)「外部第三者委員会」といった形で党外に選挙総括を依頼し、党独自の総括と対置させながら公開討論で問題点を探り出す

(3)社民党・共産党やその他の政治団体が合同討論会を組織し護憲戦略のデザインについて討議するなど。

だがその場合の議論の原点は、あくまでも「国民投票において改憲を阻止する」ことに置かれなければならない。
「革新政党の再生のために何をするか」ではなく、「改憲阻止のために革新政党は何をしなければならないか」ということを議論の中心に据えなければならない
中日新聞「日米同盟と原発」(連載記事)のご紹介の第3回目です。今回は同連載の第7回「油の一滴は血の一滴」のご紹介です。

第7回は「1973年10月、資源小国の日本は石油ショックに襲われる。首相田中角栄(1918~93年)は世界第二位の経済大国になったジャパンマネーを武器に、海外からエネルギー源を買いあさる資源外交を展開。国内では電源三法交付金制度を創設し、原発立地に国が関与する推進体制を築いた。地域振興を名目に、巨額の税金が立地自治体へ流れ込む原発の利益誘導システムは福島第一原発事故後、批判を浴びる。「今太閤(たいこう)」ともてはやされた権力の頂から一転、ロッキード事件で裁かれた田中。原発とつながる、その金脈と人脈を探」ったものです(「第7回『油の一滴は血の一滴』 (1)米の濃縮ウラン大量購入」より)。「米の濃縮ウラン大量購入」する契機となった1972年の田中角栄首相とニクソン米大統領のハワイ・オアフ島での日米首脳会談から説き起こし(第1回)、田中政権をきっかけに完成した日本の原子力ムラの素描(第5回)で締めくくられます。 

中日新聞 連載 日米同盟と原発

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1972年8月31日(日本時間9月1日)、ハワイで開かれた
田中首相(左)とニクソン米大統領の
日米首脳会談
(中日新聞「油の一滴は血の一滴」(1)より)

第7回「油の一滴は血の一滴」
(1)米の濃縮ウラン大量購入
(2)「理研は私の大学」
(3)資源外交 田中の執念
(4)都会へ電気 田舎へカネ
(5)「原子力ムラ」の誕生
(附1)石油ショックと原子力をめぐる動き

なお、第6回はこちら、第1回~第5回はこちらをご参照ください。
「小沢氏は保守系ではあるが、資質的には驚くほどリベラルな政治家」、あるいは「小沢氏は『対米独立派』であることからアメリカの圧力によって逮捕された」、「西松建設事件と陸山会事件は、この国の中枢に巣くう従米派の謀略組織が企画し、実行した歴史的な大冤罪事件である」、また「小沢氏は『集団的自衛権行使』否定論者である」などいまだに根拠もなく、また誤った根拠で小沢氏擁護論を展開する人たち(それも左翼系小沢擁護論者とでもいうべき人たち)がいます。

「小沢氏は『対米独立派』である」という左翼系
小沢擁護論者の主張についてはあるメーリングリストで憲法研究者の上脇博之さんが十分必要的にその主張の破綻を衝いていましたので近いうちに同氏のブログなどでその論破の内容は公開されることがあるかもしれません。

私はやはりあるメーリングリストでその左翼系小沢擁護論者の主張のうち「小沢氏は『集団的自衛権行使』否定論者である」という主張のみそうした主張は成り立たない旨を質しました。以下、その私のある左翼系小沢擁護論者に向けた反論のみご紹介させていただこうと思います。ある左翼系小沢擁護論者の名義は便宜上Aさんとしておきます。

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  日米合同訓練(2010年)後の自衛隊艦と米海軍との「連合艦隊」。ジョージ
    ・ワシントンを中心に日米のイージス艦などが整然と南大東島西方沖の
  荒波を蹴っている(
NAVY News Service 」(2010.12.10)より。艦名は一
  部推定
)。

 
Aさん wrote:
小沢氏は、「集団的自衛権行使」肯定論者ではないはずです。小沢氏のこの問題についての立場は少し複雑で・・・ 小沢氏は、国連決議が無い軍事行動を「集団的自衛権行使」と考えるのです。

Aさん。小沢氏が「集団的自衛権行使」肯定論者であるかどうかについて一点だけ介入しておきます(その他の問題は論点を錯綜させないためにも控えておきます)。

小沢氏が代表を務めていた「国民の生活が第一」が2012年9月に発表した「基本政策 検討案」の「外交安全保障に係わる政策」のⅥの3「自衛権の行使に係る原理原則の制定」には次にように記されています。
 
「我が国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合には、憲法9条に則り武力を行使する。国連憲章上の自然権とされ我が国が国際法上も保有している集団的自衛権については、国民の意思に基づき立法府においてその行使の是非に係る原理原則を広く議論し制定する。原理原則の制定なくして、その行使はしない。原理原則は安全保障基本法に定める。」

上記は、安全保障基本法で原理原則を決めれば、集団的自衛権の行使を容認していいという立場の表明です。小沢氏は「生活が第一」の代表なのですから上記の「生活が第一」の立場はすなわち小沢氏の集団的自衛権に関する立場の表明とみなしてさしつかえないでしょう。小沢氏は「集団的自衛権行使」肯定論者です。

さらに小沢氏は2009年の衆院選前に行われた毎日新聞の「えらぼーと」(注)に対する回答でも「集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直すべきだと考えますか。」という問いに対して「見直すべきだ」と回答しています。小沢氏が「集団的自衛権行使」肯定論者であることはここでも明らかです。

注:上記の毎日新聞の「えらぼーと」の回答はリンク切れになっていいますので、「きまぐれな日々」の記事から小沢氏の回答を示しておきます。下記記事は小沢一郎の回答を菅直人と対比させて掲載しているものですが、もちろん、小沢氏の「えらぼーと」の回答をそのまま掲載しています。

Aさんの「小沢氏は、『集団的自衛権行使』肯定論者ではないはずです」というご主張は、国連決議と「集団的自衛権行使」に関する小沢氏の見解を検討するまでもなく誤まっています。このことは上記の例示だけでも十分に判断できるものです。

以上の私の反論に対してAさんは小沢一郎氏のウェブサイトに掲載されている「永田町を驚愕させる『原則四項目』 小沢一郎×横路孝弘 民主党の両極、ここに安全保障論で合意する」(「月刊現代」2月号 2003.12.17) という対談記事と「小沢一郎さんと安全保障などについて合意」という横路孝弘氏の文章を紹介した上で左記の「小沢氏と横路氏の対談を読んで頂ければ、誤解が解けると思います」という反論をしてきました。

以下はそのAさんの反論に対する私の再反論です。

私のメールに対するあなたの返信で一番の問題点は私が前回のメールで提示したふたつの例示を完全に無視した上で相変わらず独自の「小沢氏『集団的自衛権行使』否定論者」論を展開していることです。

小沢氏は前回例示しているよう2009年の衆院選前に行われた毎日新聞の「えらぼーと」に対する回答で自らの言葉ではっきりと「(集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈は)見直すべきだ」と述べています。左記は「集団的自衛権行使」肯定論以外のなにものでもありません。あなたはその事実をどうして無視するのでしょう? あるいは無視できるのでしょう? 本人が「白」と言い、証拠も「白」とあるものをあなたがいくら「黒」と力説してもまったく意味のないことです。あなたにはこの当然の道理がわかりませんか?

上記で私の反論は言い尽くされており、私の反論はこれで終わりとしていいのですが、つけたしとして以下のことを少し述べておきます。

まず第一にあなたは「小沢氏と横路氏の対談を読んで頂ければ、誤解が解けると思います」と述べて、集団的自衛権の問題に関して横路氏と小沢氏との間で「合意」が成立しているから小沢氏は「集団的自衛権行使」否定論者であるという奇妙な三段論法を展開していますが、その三段論法の前提になっているのは無条件に横路氏を「集団的自衛権行使」否定論者としていることです。しかし、あなたが紹介されている横路氏の「小沢一郎さんと安全保障などについて合意」という文章を読むかぎり、横路氏は「集団的自衛権行使」否定論者ではありえません。すなわちあなたは前提を誤った上で三段論法を展開しているのです。前提を誤った三段論法が誤りであることは明らかです。

すなわちこういうことです。横路氏は「小沢一郎さんと安全保障などについて合意」という文章で「国連憲章2条4項は、日本国憲法9条と全く同じ精神です」と述べていますが、国連憲章2条4項と日本国憲法9条はまったく精神と性質を異にします。

日本国憲法9条
には次のように書かれています。

第九条【戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

一方、国連憲章2条4項には次のように書かれています。

第二条
4 すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

見られるとおり、日本国憲法9条には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と明確に書かれていますが、国連憲章2条4項には「武力による威嚇又は武力の行使を(略)慎まなければならない」と書かれているのみです。「慎まなければならない」とは「武力による威嚇又は武力の行使」そのものは認めるという意です。日本国憲法9条と国連憲章2条4項が「同じ精神」であるはずがありません。横路孝弘氏の前職は弁護士かもしれませんが、横路氏のこの条文解釈は誤っています。その誤った条文解釈を基にして横路氏と小沢氏との間で合意が成立したとしても、その合意が「集団的自衛権行使」否定論の論拠になりえるはずもありません。

第二にこのことについて、すなわち日本国憲法9条と国連憲章2条4項が「異質」のものであることについては元外交官で政治学者の浅井基文さんの次のような論究もあります。少し長いですが引用してみます。

問題は、「個々の国が行使する自衛権と、国際社会の平和維持のための国連の活動は全く異質のものだ。日本が憲法9条に則りつつ国連の活動に積極的に参加することは、成立可能」とする主張が成り立つか、ということです。特に問題となっているISAFについて見てみましょう。

アフガニスタンの和平プロセスを定めたボン合意(2001年12月5日)の附属Ⅰでは、「アフガニスタンの治安及び軍の部隊が完全に構成され、機能するまでには一定の時間がかかることを認識し、国連アフガニスタン討議の参加者は、国連安保理に対し、国連に委任された部隊の早期配備の権限を与えることを考慮するよう要請する。この部隊は、カブール及びその隣接地帯の安全維持を支援する。この部隊は、適当な場合には、他の都市部及びその他の地域に段階的に拡大することもあり得る。」(3項)と定めています。

つまり、国連の軍事能力では事態に対応できないことを見越して、NATO主体のISAFの派遣を予定し、国連安保理に「お墨付け」を与えることを促しているのです。そして国連安保理は、その筋書き通りに、決議1386(2001年12月20日)を採択し、次のように決定しました。

「ボン合意附属Ⅰ・3項における国際治安部隊のアフガニスタンへの早期配備の権限を与えることを安保理が考慮する旨の要請及び事務総長特使のアフガニスタン当局との接触(当局側は国連の権限を受けた国際治安部隊のアフガニスタンへの配備を歓迎)に留意し」
「アフガニスタン情勢はなお国際の平和と安全に対する脅威を構成していると決定し」
「ISAFが、ボン合意で設立されたアフガニスタン暫定当局と協議しつつ、その権限を完全に行使することを確保することを決意し」
「これらの理由により、国連憲章第7章のもとで行動し」(以上前文)
「1 ボン合意附属Ⅰに規定するように、カブール及び隣接地帯でアフガニスタン暫定当局を支援するISAFを6ヶ月間(注:その後随時安保理決議で今日まで延長)設立することを認める。」
「2 加盟国に対して人員、設備その他の資源をISAFに対して貢献することを要請する。」
「3 ISAFに参加している加盟国がその権限を果たすためにすべての必要な措置をとることを認める。」

分かりやすくいえば、正規の警察(国連の集団的措置)では無法状態のアフガニスタンの治安を取り締まる能力はないので、暴力団(NATO主体のISAF)に取り締まりを白紙委任するということなのです。このことがどういうことを意味するかということを身近な例で考えれば、「国際社会のいうことを聞かない無法者」の北朝鮮をやっつけるためにアメリカと日本が軍事行動を起こそうとするとき、その任に堪えない国連(安保理)に日米軍事同盟に基づいて組織される米日主体の軍隊に白紙委任の安保理決議を出させる、ということです。国際社会の名の下で大国間の足並みがそろうと、安保理決議をでっち上げさえすれば何でもできるということなのです。小沢党首の主張は要するにそういうことです。(「民主党・小沢党首のアフガニスタンISAF参加合憲発言」 浅井基文 2007年10月10日)

第三に上記の浅井基文さんの考察とほぼ同様の観点に立っての「平和への結集」をめざす市民の風の次のような論究もあります(下記のアピール文はほかならないAさんあなた自身も討議に参加して作成されたものです。そして、このアピール文は、あなたのほかには私(東本)、太田光征さん(現「風」代表)、河内謙策さん(弁護士)が中心的に関わって作成されたものでした。

憲法9条を高く掲げた「国際協力」の道を探求しよう 私たちは自衛隊のISAF参加に反対します

そのアピール文作成の討議の過程であなたは次のような意見を述べていました(上記URL参照)。

A Says:
12月 13th, 2007 at 0:15:01

東本さん、ほとんど異論はありませんが、いくつかの懸念です。

>第1。「ISAF参加合憲」をいう小沢氏の依拠する前提は「国連=正義」論(注5)です。

たぶん、民主小沢派は、安保理の非民主制については、認識しているのではないかと思います。つまり、民主主義理念からは、現在の国連、つまり安保理は不完全ではあるが、国連しか安全保障を守る世界的な仕組み、システムがないので、という現実論からの判断でしょう。

そこで、正義論だと批判すると、正義論ではない、現実論だという反論が出てきそうです。この反論にどのように反撃するか考えておかないとなりません。その前に、本当に単純な正義論なのか、もう一度確かめる必要がありますが。

TVで小沢の発言を聞きましたが、必ずしも正義論ではない印象でした。本当に単純な正義論であれば批判は簡単ですが、現実論だと少し批判は、やっかいです。根本的な問題から、説明して批判しなければなりませんから。

>2003年のアメリカの一方的なイラク侵攻も安保理決議によってそれが可能になったのです。

「安保理決議によってそれが可能になった」というよりも、ロシア、中国、フランスは、イラク侵攻に対して明確に反対していたので、「安保理決議1441」の文言を恣意的に解釈して、と言った方が正確でしょう。

東本さんが指摘した大国の同士のボス交=恣意的な安保理決議の問題だけでなく、だいたい、安保理決議は、ほとんどが大国の妥協の産物。どうにでも解釈できる玉虫色ですから、決議そのものが常任理事国により恣意的に解釈をされる場合もありますね。

小沢派のように国連を重視すると言っても、安保理決議さえ、当の安保理の常任理事国自身が恣意的に解釈して行動し、しかも、誰もその行動を阻止できないのが国連の現状ですね。国連を重視を唱える小沢派は、こうした安保理決議の恣意的な解釈から一部の常任理事国(たとえば米国)に派兵を要請された場合、どうする気でしょうかね(笑)。

今回のあなたの意見とずいぶん様変わりの感があります。

注記:小沢一郎氏の評価と小沢氏が代表を務める生活の党の評価は必ずしもイコールの関係ではありません。生活の党が小沢氏の政治的理念を体現している政党であることは明らかというべきですが、政党は公表されている政策(公約)に縛られるという性格を持っています。「2022年までの原発の全廃」「消費税増税の廃止」「TPP反対」「中学卒業まで子ども一人当たり年間31万2000円の手当を支給」などの同党の政策はそれが公約である限り同党はその公約に縛られます。そういう意味で小沢氏の評価=生活の党の評価とすることは適当ではありません。同党を評価するに当たっては政党同士の院内外の共闘、共同の課題もあることから慎重を期する必要があるでしょう。

モーニングバード『そもそも総研たまペディア』放送中止の謎」という言説がその言説の信憑性や信実性の確度を検討することもなく、無条件、無批判、安易にいくつかのメーリングリストや阿修羅掲示板などに流されていますが(阿修羅掲示板では「総合アクセス数ランキング」第2位(2013年3月26日現在)にもなっています)、私にはこの言説の信憑性と信実性の確度については少なくない疑問があります。

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この言説の元になっている記事は以下です。

圧力に屈したテレビ朝日、モーニングバード「そもそも総研たまペディア」放送中止の謎(いかりや爆氏の毒独日記 2013-03-22)

その元記事には次のようにあります。

昨日(3/21、木曜日)は、いつもの時間になっても、「そもそも総研たまペディア」は放送されなかった。「そもそも総研たまペディア」は、何故放送されなかったのか。何かひっかかるものを感じた・・・司会の赤江珠緒アナの本日の顔付きが、なにかしらオドオドしていた。/そこで、本朝9時頃、テレ朝「そもそも総研たまペディア」に、下記を投稿しました。(略)昨日(3/21)は、何故放送されなかったのか、教えてください。まさか、安倍政権もしくは自民党からの圧力があったということではないでしょうね?/ところが、筆者の懸念が見事的中していることがわかった。(略)昨日の大西議員の質問時間帯は午後(13時 41分から約8分間)だから、 事前にテレ朝へ何らかの圧力がかかって、「そもそも総研たまペディア」は放送を取りやめたものと言わざるを得ない。

このブログの筆者が「事前にテレ朝へ何らかの圧力がかかって、『そもそも総研たまペディア』は放送を取りやめたものと言わざるを得ない」「筆者の懸念が見事的中していることがわかった」と断言している根拠は(1)「昨日(3/21、木曜日)は、いつもの時間になっても、『そもそも総研たまペディア』は放送されなかった」という事実があったこと。(2)「(「そもそも総研たまペディア」放送日の)昨日の大西議員の質問時間帯は午後(13時 41分から約8分間)」だったこと。(3)「司会の赤江珠緒アナの本日の顔付きが、なにかしらオドオドしていた」ことの3点です。

しかし、(1)と(2)に挙げられている事実だけでは(1)と(2)には客観的な因果関係は成立しません。あるいはそうかもしれない、という蓋然性が推測されるだけのことです。まったく偶然の結果だったという可能性も否定できません。すなわち(1)と(2)だけでは「事前にテレ朝へ何らかの圧力がかかっ」た証拠にはならない、ということです。(3)に至っては主観の問題にすぎません。これもまったく証拠にならないことは明らかです。

上記の元記事情報を見てテレビ朝日の「モーニング・バード」の担当者に電話で直接問い合わせた人の話によると、その担当者は玉川氏は21日は「冬休みだった」と応えたそうです(注)が、その証言がウソであるという根拠もありません。逆に「政局報道の方程式」というブログに掲載されているツイット(03-24 14:57)には「冒頭で「冬休み」と言ってたけど…。自民党贔屓が露骨な小松アナも休みだったし 」という証言もあります。そうなるとテレビ朝日の「モーニング・バード」担当者の「玉川氏は21日は冬休みだった」という応答の方が信憑性が高くなってくるように見受けられます。

注:阿修羅掲示板の「圧力に屈したテレビ朝日、モーニングバード『そもそも総研たまペディア』放送中止の謎 (いかりや爆氏の毒独日記)」の記事のコメント欄の19には「同番組中に「玉川さんは「冬休みです」と司会者が言った」という証言になっています。

いずれにしても真実性の確かではない言説を無批判、無検証に信じ込んで「安倍政権の権力主義、言論弾圧はここまできている」などと断言する行為はナンセンスきわまる行為というほかありません。デマ(元記事の情報は確証のないものを確証があるかのように断じている点で「デマ」に近いものです)はこのようにしてつくられていくのだということを私たちは肝に銘じるべきだと思います。

ところで少なくない人たちがこのような真実性の確かではない言説を無批判、無検証に信じ込んでしまったのは、上記の記事で問題になっている自民党の大西議員の質問がテレビ朝日のモーニングバード『そもそも総研たまペディア』における孫崎享氏のTPP批判発言を問題にしたものだったせいが大きいでしょう。テレビ朝日における孫崎氏のTPP批判発言は私も正しいものだと支持しますが、その発言が真に正しいものであるか否かにかかわらず孫崎氏が『戦後史の正体』という著作を発表して以来、同氏の発言のすべてが正しいものであるかのように前提して信じこむ人たちが増えています。私は孫崎氏の戦後史史観は岸元首相など対米従属派の首相経験者を対米独立派に位置づけるなど大きな歴史認識の誤りを犯していると思っていますが、その孫崎氏の戦後史史観(あるいは陰謀史史観)をいたずらに支持する人たちが少なくありません。そうした人たちが(もちろん、そうした人たちがすべてではありませんが)孫崎氏を擁護したいあまりに犯している勇み足のように私には見えます。

市民団体の「市民の風」代表の太田光征さんから私が先日発信した標記の論への下記のような疑問の提起がありました。以下はその太田さんの疑問の提起に対する私なりの応答です。私が先にご紹介した広原盛明さんの論のひとつの注釈として参照していただければ幸いです。

太田さん wrote:
広原盛明さんは「統一戦線」がどのような運動に取り組むべきだと考えているのでしょう。共産・社民・生活などが何らかの選挙共同を行ったところで、現在の世論状況を変えない限り、議席増は大きく見積もっても数議席にしかすぎません。

「共産・社民・生活などが何らかの選挙共同を行ったところで、現在の世論状況を変えない限り、議席増は大きく見積もっても数議席にしかすぎません」という点については、太田さんの政治状況認識と広原さん、また私ともそれほどの認識の差はありません。この点について広原さんは「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(11)」で次のように述べています。

「率直に言って、2013年夏の参院選において革新勢力が改憲発議を阻止するために必要な121改選議席の1/3、41議席を獲得することはもはや絶望に近い。それどころか自民・公明・維新各党と民主・みんなの改憲勢力を合わせると、議席数の2/3はおろか3/4を突破する可能性が濃厚だ」

広原さんが提起する「統一戦線」で取り組もうとしている運動のイメージはひとことで言って「広範な護憲勢力の再結集によって改憲阻止」に取り組む運動(同(6))。そして、その政治勢力の構造は、

(1)護憲を党是とする社民党や共産党などの「革新政党」
(2)これら革新政党を支持する「革新勢力」
(3)革新政党を支持しないが、憲法9条を否定することには反対する「護憲勢力」()。

そしてさらにその取り組もうとする運動の具体的な形は、「革新政党は革新勢力はもとより広範な護憲勢力に働きかけて“護憲戦略”を再構築する。そのためのまず第一歩として考えられるのは、今回の選挙総括と次期参院選挙方針を党内だけでなく国民に対して“開かれた形”で行うこと。具体的には、

(1)公開討論会形式にして革新政党の選挙総括や参院選挙方針の問題点を有権者の間で広く議論する
(2)「外部第三者委員会」といった形で党外に選挙総括を依頼し、党独自の総括と対置させながら公開討論で問題点を探り出す
(3)社民党・共産党やその他の政治団体が合同討論会を組織し護憲戦略のデザインについて討議するなど、とにかくあらゆる形を追求してみること」()。

「だがその場合の議論の原点は、あくまでも「国民投票において改憲を阻止する」ことに置かれなければならない。「革新政党の再生のために何をするか」ではなく、「改憲阻止のために革新政党は何をしなければならないか」ということを議論の中心に据えなければならない。共産党に関して言えば、党の「成長・発展目標」よりも「護憲勢力の再構築」を上位に位置づけることが要求される。要するに個々の革新政党の眼を通して政治情勢・選挙情勢を見るのではなく、護憲勢力全体の眼から現下の危機的状況に立ち向かうと言う姿勢を貫くことが求められる」()。「取りあえずその議論を始めることが“護憲第3極”への第一歩である」(同(11))ということになるでしょう。

太田さん wrote:
広原さんは「統一戦線」とか「フレーム」とか「恒常的な政治組織」の枠組みが頭の中を占めているようですが、そういう枠組みで一体、どういう運動をすれば世論を変えることができると考えているのでしょう。

この問いの応えも上記にあるように思います。そうした枠組みを構築することができれば広原さんは「世論を変えることができる」と考えていると思いますし、私も広原さんの提案に賛成です。

太田さん wrote:

「先進国における市民運動が政治運動へ発展していく可能性に関しては、発展途上国のアラブ諸国における「ジャスミ>ン革命」のようなプロセスをたどるとは考えにくい。また、アメリカの「オキュパイ運動」のような街頭型運動では高度な政治課題に系統的に取り組むことは困難だ。だから、日本の「9条の会」や「反原発デモ」のような草の根型市民運動を恒常的な政治組織に発展させていくには、革新政党と市民運動団体をつなぐ新たなフレームが必要になると思う。」(同(11)

この書きぶりでは、市民に政治運動の力量はない、と言っているように聞こえます。枠組みを作らなければ市民は力量を獲得できないのでしょうか。

この疑問と問いは太田さんの誤解だと思います。太田さんが引用している上記の「革新政党と市民運動団体をつなぐ」という広原さんの言葉からも広原さんが「市民の政治運動の力量」を決して軽視しているわけではないことは明らかなように思います。「市民の政治運動の力量」を軽視しているのであれば、「革新政党と市民運動団体をつなぐ」という表現は出てこないでしょう。左記は市民運動団体の「政治運動の力量」を高く評価しているからこそ出てくる表現だというべきだと思います。逆に太田さんの「書きぶり」は「革新政党と手をつなぐこと」は市民運動団体の政治的積極性を損なうものでしかありえない、と言っているように見えます。そうした認識は逆に「市民の政治運動の力量」を見損なっているからこそ出てくる認識といわなければならないように思います。

太田さん wrote:
どのような言葉に切り込む力があるのか、具体的な言葉を開発して、一般有権者との接点を最大化する形の言論運動を市民ひとりひとりが実践することでしょう。何千万もの護憲派市民がいます。この市民の力をあてにせず、何かうまい仕掛けがあればとあれこれ考える前に、ひとりひとりが動くことをお互いに促しあうべきでしょう。運動仲間を募るための組織なら既に数多く存在します。

「一般有権者との接点を最大化する形の言論運動を市民ひとりひとりが実践する」とはどういうことでしょう? 太田さんもそうだと思いますし、私もそのひとりだと思っていますが、市民ひとりひとりでガンバッテいる人はたくさんいます。しかし、ひとりひとりの実践がひとりひとり孤立しているのでは大きな力にはなりがたいですね。そのことを私たちは経験を通じてよく知っています。だから、私たちは人と人との「結集」を志すのです。太田さんが代表をしている「『平和への結集』をめざす市民の風」もそういう団体のひとつではありませんか?

しかしまた、団体であっても、「アメリカの『オキュパイ運動』のような街頭型運動では高度な政治課題に系統的に取り組むことは困難」()です。そのひとつの例証が最近の日本における官邸前の反原発デモ運動でした。この点について広原さんは次のように述べていました()。

「この点に関して言えば、官邸前の反原発デモは日本の新しい政治局面を拓く市民エネルギー結集の兆しと期待されていたが、不思議なことに総選挙や都知事選挙には連動しなかった。とりわけ総選挙と同時に行われた都知事選では、宇都宮候補が革新統一・市民統一候補になったにもかかわらず、石原後継候補に空前の差を付けられて大敗した。この事態は反原発デモが展開している他ならぬお膝元の首都東京での出来事であるだけに、市民運動が必ずしも自然成長的に“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”へ発展していくものではないことを示している」

だから、「革新政党と市民運動団体をつなぐ新たなフレーム」づくりは必要なのです。そのフレームづくりの努力は、「市民の力をあてに」しないことでも、「何かうまい仕掛けがあればとあれこれ考える」ことでもないように思います。戦後60数年間の革新運動の経験を土台にした上で広原さん流に考えに考えた末に想到した「新たなフレーム」づくりの努力の提案だと私は思います。

しかし、最後にもう一度繰り返しておきますと、その「新たなフレーム」づくりの努力は、「革新政党の再生のために何をするか」ではなく、「改憲阻止のために革新政党は何をしなければならないか」ということを議論の中心に据えなければならない、というのが広原さんの提案だと私は思います。
夾竹桃 
夏に咲く花 夾竹桃 戦争終えた その日から
母と子供の おもいをこめて 広島の 野にもえている
                   (「夾竹桃のうた」より)

1969年、「原爆を許すまじ」に続く、反核・平和の歌を
毎年創っていこうという運動の中で生まれ、
同年の第
15回原水爆禁止世界大会で発表された。

今年のはじめに私は広原盛明さん(元京都府立大学学長)の「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ、 総選挙の総括なき敗北は政党消滅への道に通じる」という論攷をご紹介させていただきましたが、 広原さんはその後もこの問題についてさらに論究を深めています。以下は、左記の観点からの広原さんの共産党の6中総決定批判(期待するがゆえの批判)とその共産党、社民党、すなわち革新政党と革新市民を含む広範な護憲勢力が結集する「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」形成の提起です。

共産党は政策でなく政党イメージで総選挙に負けた、選挙は“政治空間”であると同時に“社会空間”なのだ、革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(9)(リベラル21 2013.03.07)
現在の情勢を“大局的”につかむということはどういうことか、それは当面する情勢を軽視(無視)することにつながらないか、革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(10)(リベラル21 2013.03.09)
護憲第3極の形成のためには、“国共合作”を目指すくらいの方針大転換が必要だ、革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ(11)(リベラル21 2013.03.11 )

広原さんの共産党6中総決定批判の具体論は同6中総決定冒頭の一節の紹介から始まります。

「第2次安倍晋三内閣が弱肉強食の新自由主義の全面的な復活をめざし、憲法9条改定を現実の政治日程にのせようとし、さらに過去の侵略戦争を美化する「靖国」派をその中枢にすえていることは、日本の前途にとってきわめて危険なものであることはいうまでもありません。くわえて、日本維新の会という憲法改定と新自由主義の突撃部隊ともいうべき反動的潮流が衆院で第3党の地位を占めたことも重大であります。こうしていま、日本政治はその表層だけを見れば反動的逆流が猛威を振るっているようにも見えます」(しんぶん赤旗 2013年2月9日)

そして続けて広原さんは次のような悲嘆のコメントを述べます。

「この一節を読んだ時、正直言って私は自分の眼を疑った。小見出しが「政治の表層では逆流が激しいが、深部で古い政治の矛盾が蓄積」とあるように、当面する政治危機を単なる“表層の反動的逆流”だと見なして「慌てることはない」と諭しているのである。つまり言っていることは、総選挙で大敗したことには落胆せず、「全体を綱領の立場でつかみ、反動的潮流を恐れず正面から立ち向かうとともに、日本社会の深部で蓄積されている変革へのエネルギーに信頼を置き、未来への大局的な確信をもってたたかうことがいま何よりも大切だ」ということなのだろう。/確かにこの主張は、当面する情勢に眼をつぶっていれば正しいと言えるのかもしれない。(略)だが、夏の参院選を目前にした現時点において“大局的確信”を強調することは、当面する政治情勢の分析を放棄したのも同然であり、選挙方針としても何も言っていないのに等しい。要するに、「負けても負けても挫けずに頑張れ」と言っているだけのことである。」(リベラル21 2013.03.09)

最近のマスメディア各紙の世論調査では安倍内閣(ニューヨーク・タイムズ紙の2013年1月2日付の社説はこの内閣の首班の安倍晋三首相を「日本の歴史を否定する右翼ナショナリスト」と評しています)の支持率は70%に達し、自民党支持率も過去最高の44%にも達しています(同じく改憲勢力としての維新の会や民主党(改憲派)、みんなの党、などなどを含めると改憲勢力の政党支持率は優に有権者の過半数の50%は突破するでしょう)。

本社世論調査:TPP交渉63%支持 安倍内閣支持70%(毎日新聞 2013年03月17日)
TPP「評価」60%、内閣支持72%…読売調査(読売新聞 2013年3月18日)
自民支持率、過去最高の44% 朝日新聞世論調査(朝日新聞 2013年3月18日)
本社世論調査:参院比例「自民」41%(毎日新聞 2013年03月17日)

右翼ナショナリスト政党及び改憲勢力政党が急伸し、戦前の天皇制下の大政翼賛会の時代に舞い戻ったかのようなこのような危機的な時期を6中総決定は「日本政治はその表層だけを見れば(強調は引用者)反動的逆流が猛威を振るっているようにも見えます」とそれこそ表層的にいう。その共産党の政治認識は、 広原さんが強く指摘するように「当面する政治情勢の分析を放棄したのも同然であり、選挙方針としても何も言っていないのに等しい」ものです。また、「当面する危機に対しても従来通りの運動方針しか提起できず、「日本社会の深部で蓄積されている変革へのエネルギーに信頼を置き、未来への大局的な確信をもってたたかうことがいま何よりも大切です」としか言えないような政治方針は事実上の待機主義であり、古い左翼用語で言えば「(右翼)日和見主義」に通じるものでしかない」ものです。これでは広原さんならずとも「2013年夏の参院選において革新勢力が改憲発議を阻止するために必要な121改選議席の1/3、41議席を獲得することはもはや絶望に近い」と悲嘆するほかないでしょう。

しかし、私たちは、「待機主義」に陥るわけにも、絶望するわけにもいかないのです。戦前のような戦争に脅かされる日々を二度と送りたくない。私たち自身と私たちの家族の生命だけはなにがなんでも私たち自身の手で守らなければならない、という最小限の私たちの願いの実現のためにもこのままの右翼ナショナリスト政党と改憲勢力政党の横行跋扈を放置しておくわけにはいかないからです。
この問題は私たちの文字どおりの死活(死ぬか生きるか)の問題です。また、そのことを差し迫った危機として受けとめることができるかどうかは私たちの歴史認識と私たちひとりひとりの想像力にかかわってくる問題ともいえるでしょう。

そこで広原さんは「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」の形成を次のように提起をします。

「私はこれまで度々主張してきたように、この危機的状況を乗り切るためには社民党・共産党など既成革新政党がそれぞれの独自路線にもとづく闘争を展開してもその効果は限定的であり、広範な護憲勢力が結集する“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”の形成以外に危機打開の道はないと考えている。その具体的イメージをいまこの場で具体的に提案できないのは残念だが、しかし“護憲第3極”形成に至る道は複雑であり容易でないことを思えば、取りあえずその議論を始めることが“護憲第3極”への第一歩であると確信する。」

「先進国における市民運動が政治運動へ発展していく可能性に関しては、発展途上国のアラブ諸国における「ジャスミン革命」のようなプロセスをたどるとは考えにくい。また、アメリカの「オキュパイ運動」のような街頭型運動では高度な政治課題に系統的に取り組むことは困難だ。だから、日本の「9条の会」や「反原発デモ」のような草の根型市民運動を恒常的な政治組織に発展させていくには、革新政党と市民運動団体をつなぐ新たなフレームが必要になると思う。」

「これは大西広慶大教授(中国経済)から示唆されたアイデアであるが、中国共産党は盧溝橋事件突発を契機にして国民党に「抗日全面戦争」を呼びかけ、“国共合作”を成立させて日中戦争に勝利した。中国国内では激しい戦争状態にあった共産党と国民党が互いに連携してはじめて、日本軍国主義による中国侵略に対抗し得たことは教訓的と言える。“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”を形成するためには、日本の革新政党は“国共合作”に匹敵するぐらいの政治決断を求められるのではないか。」

「目前に迫った参院選でたとえ革新政党が選挙協力体制を組めなくても、選挙後は直ちに“護憲第3極”形成に向かっての話し合いをスタートさせるべきだ。ただしその場合、政党間の話し合いだけではなく広範な護憲勢力の結集が必要だろう。選挙後の政治情勢は、日本国憲法第96条第1項の規定によって憲法改正の是非を問う“国民投票”に政治決戦の舞台が移るのだから(議会闘争ではない)、国民自身が改憲阻止の運動に立ち上がる体制をつくらなければ“国民投票”に勝利することはできないからだ。/これも大西教授の意見だが、国民投票に標的を合わせて右派勢力が中国や韓国との領土問題に火を付け、国内世論を一挙に硬化させて9条改憲を強行するという筋書き(謀略)も考えられないことはない。太平洋戦争の惨禍を体験した世代が少なくなり、「戦争を知らない世代」が圧倒的多数を占める日本の世論空間は、「日本社会の深部で蓄積されている変革へのエネルギー」に信頼を置けるほど楽観的状況にあるわけではないからである。」

上記の「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」の形成に関して広原さんが挙げている下記の注も重要です。広原さんは次のように述べています。

「この点に関して言えば、官邸前の反原発デモは日本の新しい政治局面を拓く市民エネルギー結集の兆しと期待されていたが、不思議なことに総選挙や都知事選挙には連動しなかった。とりわけ総選挙と同時に行われた都知事選では、宇都宮候補が革新統一・市民統一候補になったにもかかわらず、石原後継候補に空前の差を付けられて大敗した。この事態は反原発デモが展開している他ならぬお膝元の首都東京での出来事であるだけに、市民運動が必ずしも自然成長的に“護憲第3極=反ファッシズム統一戦線”へ発展していくものではないことを示している。」

「護憲第3極=反ファッシズム統一戦線」の形成の問題を考える場合、この問題の考察も欠かすことはできないでしょう。この問題については私も考えるところがありますが、のちの機会に譲ります。

なお、この問題に関しては上記の論攷の筆者の広原盛明さんを講師として迎えてこの4月14日に神戸市で「~総選挙敗北を見据え 立ち直りの途を探る~ とめよう壊憲! 護憲結集!」と題された討論集会が開かれます。詳細はこちらをご参照ください。多くのみなさんのご参加を私からもお願いしたいと思います。

なおまた、名古屋市にお住まいの社民党員の酒井徹さんが改憲問題に関して「『憲法改正即、タカ派』と捉えるべきではない。むしろリベラル派の人たちも、憲法改正の中身と、目指すべき方向の議論に取り組むべきだ」という「『改憲派』社民党員の提言」を発表されていますが、私たちがここで「改憲勢力」として批判しているのは、酒井さんもその論攷で言及している「タカ派的な『改憲派』勢力」のことを指しています。現代における憲法改正に関する通説は「憲法改正には限界がある」というものですが、この「憲法改正限界説」は「憲法の中の「根本規範」とも言うべき人権宣言の基本原則を改変することは許されないが、その基本原則が維持されるかぎり、個々の人権規定に補正を施すなど改正を加えることは当然に認められる」(『憲法 第三版』芦部信喜 366 頁)というものです。酒井さんの主張される「憲法改正提言」と矛盾するものではありません(「硬性憲法としての改正手続に関する基礎的資料」(衆議院憲法調査会事務局編)参照)。ただ、「96条改憲→9条改憲」派に逆手をとられないように「改正」提起の時期の問題は慎重に考えなければならないでしょう。そのことも追記しておきます。
「中国電力の上関原発計画に伴う漁業補償金10億8千万円を一貫して拒否してきた上関町祝島の山口県漁協祝島支店(組合員53人)は28日夜、同町祝島公民館で総会を開き、一転して漁業補償金を受け取ることを賛成多数で議決した」(山口新聞 2013年3月1日)というニュースが28日駆け巡りました。祝島漁協の「漁業補償金拒否は反原発運動のシンボルとなっていただけに、今後の(脱原発)活動に影響を及ぼ」(同左)しかねない大きなインパクトのある動きといえるからです。

祝島 
 漁業補償金の取り扱いについて協議するため、祝島公民館に入る県漁協の
 関係者(中国新聞 2013年3月1日付より)

上関原発 漁業補償金 一転受け取り 県漁協祝島支店が議決(山口新聞 2013年3月1日)

中国電力の上関原発計画に伴う漁業補償金10億8千万円を一貫して拒否してきた上関町祝島の山口県漁協祝島支店(組合員53人)は28日夜、同町祝島公民館で総会を開き、一転して漁業補償金を受け取ることを賛成多数で議決した。同支店の漁業補償金拒否は反原発運動のシンボルとなっていただけに、今後の活動に影響を及ぼしそうだ。

総会は漁業補償金を保管している県漁協の申し入れで開催。委任状の11人を含む全組合員が出席。県漁協職員が保管している漁業補償金の対応について狭義を要請。同支店は総会で2009年と10年、昨年の3回、受け取り拒否を決め、昨年は漁業補償に関する論議はしないという決議をしていた。このため協議の要請に異論が出たが、県漁協側は「昨年から1年が経過し、環境が変わっている」と主張し、無記名投票での採決となった。

結果は受け取り賛成が31人、反対が21人で、補償金の受け取りを決めた。補償金の分配は今後、同支店の運営委員4人で協議して決めるという。

上関原発計画の漁業補償交渉は2000年4月、原発予定地周辺海域に漁業権を持つ当時の第107協同漁業権管理委員会(上関町、平生町、田布施町、光市の8漁協で構成)が、当時の祝島漁協(県漁協祝島支店)の反対を押し切って、中国電力と締結。その後、県漁協祝島支店は一貫して漁業補償金の受け取りを拒否してきた。

同支店の恵比須利宏運営委員長は「挙手採決だと本音が出ない。組合員は病院通いをする70、80歳の高齢者ばかり。年間の水揚げ高も30万円程度が多い。原発には反対だが、金がほしいという組合員がいることは確かだ」と話した。

上関原発を建てさせない祝島島民の会の清水敏保代表は「意外で残念。結果は結果として受け止めるが、支店の拒否議決を無視する県漁協のやり方は許せない。反対運動はこれまで以上に強化し、続けていく」と語った。

上関原発の漁業補償金受領へ 漁協祝島支店、山口(東京新聞/共同 2013年3月1日)

山口県上関町の上関原発建設計画をめぐり、反対派が多数を占め、中国電力からの漁業補償金の受け取りを拒否していた県漁協祝島支店が28日、受け取りを決めた。地元関係者への取材で分かった。

中国電力がこれまでに支出した補償金は約10億8千万円。祝島支店が受け取りを拒んだため法務局に供託されたものを、県漁協本店が代理で受領していた。

地元関係者によると、祝島支店はこの日、県漁協本店の理事会による招集で会合を開催。出席した組合員約50人による投票の結果、約3分の2が補償金の受領に賛成したという。(共同)

上記の報道に関して祝島島民とカヤック隊の一員として奮闘されてこられた方からのコメント3通をご紹介させていただきたいと思います。最後に私のコメントを少しだけ述べます

はじめに祝島島民の会事務局の山戸孝さんのコメント。

山口県漁協祝島支店の総会の部会における、補償金受け取りの是非の結果について

皆様

昨日の漁業補償金の受け取りの件についてご心配をおかけしています。

以下、島民の会blogに掲載した文章をお送りいたします。

祝島島民の会 事務局 山戸孝

(下記、転送・転載を歓迎いたします)
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山口県漁協祝島支店の総会の部会における、補償金受け取りの是非の結果について

たいへん残念なお知らせをしなければならなくなりました。

昨日、2月28日に祝島で開催された山口県漁協祝島支店の総会の部会において、上関原発にかかる漁業補償金についての受け取りの是非が議案として提案され、投票の結果、正組合員53名中、受けとる意思があるという漁師が31名、受け取らないという漁師は21名となり、受けとるという漁師が多数という結果になってしまいました。(議長一名は投票せず)

これまで祝島では、祝島漁協時代に何度も上関原発計画に反対し、補償金受け取りの拒否を貫いてきました。

山口県漁協に合併して祝島支店となった後、山口県漁協は祝島支店の決議や意見に反して補償金を受け取り、また祝島支店が受け取りを拒否したことによって供託されていた補償金を引き出しました。

そして祝島の漁業者に補償金を受け取るよう何度もはたらきかけてきましたが、時には多数で、時には僅差で受け取りを拒否し続けてきました。

昨年の2月にも同様の議案が提案され、多数で拒否した後、今後は祝島支店内では補償金の受け取りについて議案としないという緊急動議が出され可決されました。

今回、山口県漁協は祝島支店に相談もなく総会の部会の開催と「漁業補償金について」と題した議案の提案を通知してきました。

それに対し祝島支店組合員のうち正組合員32名と准組合員8名が連名で、祝島支店の昨年の決議を無視した県漁協の行為に抗議し問いただす申し立て書を送付するなどして書面でやり取りをしましたが県漁協は開催する姿勢を崩さず、今回の総会の部会の開催となり、冒頭のような結果となってしまいました。

ただこれで祝島の大勢が原発容認に傾いたかと言われれば、決してそうではありません。

福島第一原発の事故を受けて新規の原発計画が宙に浮く中で「もう上関原発計画は進むことはない」という空気、高齢化が進み漁獲量や魚価の低迷が続く中で経営の厳しい祝島支店の赤字を漁業者自身が直接負担している現状、そういった状況の中で、残念ではありますが、あくまで上関原発計画に対する是非ではなく、苦しい経済状況なかで支店の運営や漁業者の負担をどのようにするのかという側面から今回の件を判断した漁業者がいたという見方もできます。

今回の議案で受け取りに賛成したとみられる漁業者自身がマスコミ等の取材に対し「どうせ原発は建たないのだから補償金をもらっても問題ない」といった趣旨の発言をしたという報道もあります。

また今回の決議の結果としてすぐさま祝島の漁業者が補償金を受け取ることになるわけではありません。

今後は支店内でこの補償金についての配分委員会が作られ、その中で決められた配分方法に沿って漁業者個人に補償金が渡されるという流れになります。

ただしこの場合、配分委員会が提示した配分方法が総会の部会の場で3分の2以上の賛成を得ることができなければ認められず、配分もされません。

今回受け取りに反対した漁業者が今後も反対の姿勢を貫けば、そして適正な手続きの中で物事が進められていくのであれば、「わしらは海を売っちょらん!」、「原発の金なんかいらん!」という祝島の漁業者の声はこれからも生き続けていきます。

祝島の島民約450名のなかで53名の漁業者(正組合員)がおり、そのなかの31名が今回結果的に補償金を受け取る意思を示したということは、残念ながら事実です。

しかしながら多くの祝島島民、また祝島島民の会としては、30年にわたって上関原発計画に反対を貫いてきたその意思にいささかも揺らぎはないことを、今後の具体的な取り組みや行動を通して島外の皆様には改めてお伝えしていきたいと思います。

祝島島民の会
http://blog.shimabito.net

次にカヤック隊の原さんからのメッセージ。

周南の原です。

祝島はこれまでずっと体を張って原発を止めてきた。

そして今度は僕達が原発を中止に追い込むときだ。

信じる道を前へ前へと進むしかない。

3月13日は上関原発いらんDAY! 怒涛のイベントや行動が目白押しです。

拡散を!そしてなによりも参加を!!!!それが原発をとめる第一歩です!


(以下転送・転載大歓迎)
3月13日(水)上関原発いらんDAY

14:00~
山口地裁で中国電力が地元住民を訴えたスラップ裁判、いわゆる「4800万円損害賠償裁判」の口頭弁論があります。

是非、傍聴をしに来てください。判決にも影響を与える大きな力となります。


場所:山口地方裁判所 山口市駅通り1丁目6-1 傍聴券配布は13:30頃より

15:00~16:15
「止めよう上関原発!守ろう命の海!」上関原発現状報告とミーティング

山口県に計画されている上関原発。「原発の新増設はしない」とした政府方針は政権交代で覆され、失効しなければならない埋め立て免許も宙に浮いたまま継続しています。

上関原発計画の現状、中電が住民を訴えているスラップ訴訟などについての報告です。

場所:山口県労働者福祉文化中央会館 大会議室 山口市緑町3‐29

日時:3月13日(水)15:00~16:15

内容:飯田てつなり氏基調講演 映画「祝福の海」ダイジェスト版上映 伝説の反核シンガー内田ボブミニライブ上関原発の現状報告と各地からのメッセージ 等。

主催:上関原発阻止被告団・弁護団、上関原発を建てさせない祝島島民の会
問い合わせ:090-6843-9854 (原)

16:00~いけるところまで
原発やめろ!!埋め立てとめろ!!山口県庁大包囲

“おかしいことは、おかしいと、ちゃんと声をだそうぜ”

3月13日(水)16:00山口県庁正門前に大集合!

東日本大震災から2年、爆発した福島第一原発からはいまだに膨大な量の放射性物質が吐き出され甚大な被害が次々と明らかになっています。

日本全体がまだ非常事態の最中にも関わらず、山口出身の安倍総理は原発の再稼働をもくろみ、ここ山口県ではこともあろうに新規計画である上関原発をいまだに推進しようとする県庁の姿勢があります。

本来ならば昨年10月に失効しているはずの埋め立て許可を4度にわたる質問という形で引き伸ばし、先日にはとうとう延長申請の審議を放棄し免許を継続させるという暴挙に出ました。
山本知事は昨年の県知事選の際に確かに言いました。

「上関は凍結」「埋め立て許可は失効させる」

もう、我慢の限界だ。ふざけるな!いったいどこを見ている!僕たちはここにいるのだ。

なぜこの国は変わらないのか。それはあなたのあきらめ、傍観、無関心。

原発がいやだと思っているそこの君!原発をとめることは簡単なんだよ。

君が立ち上がって声を挙げればいい。そして君やあなたの声が次々とあがり、繋がってゆけば、それは世論という大きなうねりとなる。

その世論とはどんな傍若無人な権力者もひれ伏す大きな力だ。

声をあげよう!僕達は一人じゃない。その一歩を踏み出そう。
リーダーはいらない。肩書きや組織も今日はどこかへ置いておこう。

原発が止まるとき。それはあなたが誰からも強制されることなく、自分の意思で「原発はいらない」と心から叫べたとき。

3・13はその始まりになる日。

さあ、山口県庁に全員集合だ!!!

呼びかけ人 原発いらんと叫ぶ人々

13日たくさんの人とつながりあえること楽しみにしております。

よろしくお願い致します。

3通目は祝島にlターンした祝島の住民のコメントです。

おはようございます
祝島に住む友人からのメール転送いたします〓

祝島の漁協がこのタイミングで漁業補償金受け取りへの決議を出した事の背景には様々な理由があって島の中から見てて感じた思いを書きます。補償金受け取りに関しての経緯は島民の会のブログに詳しく書かれてます。

祝島島民の90%は建設に反対ですが直接的に仕事に関わる漁師さんの人口に限って言えばここ数年、反対賛成の割合は拮抗した状態でした。福島の事故後、緊張感が走った東日本に対し、上関は工事が中断し長年の緊張感から少し開放されました。その中でもう原発は建たないだろうという空気が生まれ、漁業補償金というものを貰ったところで何も変わるまいという思いも生まれたかも知れません。

もう一つ大きな理由は漁協正組合員は毎年数万円の組合の赤字負担をしないといけない状況にあり今年の試算では13万円にもなります。高齢になり漁に出られなくなり収入が無い中から赤字負担だけをすることになると、漁師さんは経済的に苦しくなり引退せざるを得ません。漁獲高が減り、石油価格が上がり、高齢化が進み漁師が減る。そういった変化していく島の状況の中で様々な面で切りくずされ今回の保証金受け取りの方向への傾きに繋がってます(まだ実際受け取る手続きには至ってません)。

この問題の発端は一次産業、漁業自体を持続不可能にし、そこに原発立地を持ち込んだ社会、経済体制に在って、小さなコミニティ内の付き合いの中から受け取り賛成を余技なくされた漁業者個人個人の問題では無いと思います。30年にわたって巨大な産業体からの様々な圧力に負けず、補償金受け取りを拒否し続けた祝島漁師のおかげでこれまで上関原発は着工されていませんでした。

ここから上関原発は新たな局面をむかえた事は確かです。先日の県知事の埋め立て免許の審査中断も計画推進を大きく後押ししています。

今回の報道では祝島が方針を転換したとか内部で割れたといった推測もされかねませんが何も変わらずここで生きている大多数はもちろん原発を望んでいません。しかし高齢化により島の力が弱まっているという事はあります。

この状況の中で今までと変わらず反対を続けるのはもちろんですが、今までには無かった方法でこの計画を止めるために全ての人の繋がりと行動が必要です。祝島では一時産業の限界を一方的に押し付けてくる原子力産業に対し、ひじきやワカメを収穫し地道に全国の繋がりある人々とトレードしながら生活することなどで、原発以外の一つの選択肢を町の内外に発信しています。エネルギーを自給するための取り組みを島の中で真剣に日々意見を出し合い島の未来を描こうとしています。

311前から上関原発反対に関わってきた人や311以降に急速に繋がった沢山の人達。祝島から見ていると大きなネットワークが実際に繋がり、まさしく大きな力を発揮しようとしている様に見えます。これから改めて沢山の人と顔の見える距離で対話を重ねて良い未来のビジョンを共有していきたいです。今だからこそ上関、祝島に来てほしいです。

【3月4日】中国電力に対し埋め立て免許失効の判断を先送りし続ける山本県知事が県議会で埋め立て免許について答弁します。その傍聴に山口県庁に集り意見を届けましょう。傍聴には9時頃に県庁集合です。

【3月10日】13時30分から16時まで上関で集会、デモがあります。現地への集合も一つの大きなアクションになります。上関の美しい風景も見ていただきたいです。福島県内で有機農業や民宿などをされている方の現地からの声を上関に届けていただく予定です。

【3月13日】祝島島民らに対し4800万円の損害賠償の支払いを求める裁判の公判があります。この日も多くの人が傍聴に集り、不当な判決を出させないように注目を集める必要もあります。この日も集会などがあります。

場所:山口県労働者福祉文化中央会館 大会議室 山口市緑町3‐29
日時:3月13日(水)15:0016:15
内容:飯田てつなり氏基調講演 映画「祝福の海」ダイジェスト版上映 伝説の反核シンガー内田ボブミニライブ上関原発の現状報告と各地からのメッセージ 等。
主催:上関原発阻止被告団・弁護団、上関原発を建てさせない祝島島民の会
問い合わせ:090-6843-9854 (原)

こういった機会に度々集り国や県、中国電力、裁判所に対し集結力で意思表示するととともに、集いの中から島の人、上関町民、山口県民、日本人としてそれぞれの立場からお互い意見を出し合い、足並みを揃えて、息を合わせる行動ができれば上関原発は建てる事はできないはずです。

311からまもなく2年を迎えます。
私たちは何を学び自分たちの暮らしをどう変えたのでしょうか。
上関原発は計画を止められない日本の古い体質の亡霊のようにまたしても息を吹き返そうとしてます。

変われないのは国であり自分たち自身でもあります。
原発は原子炉から始まり巨大送電線とダイレクトに繋がる大規模工場までの全体を通して見直すべきだと思います。大量生産、消費される使い捨て文明自体を原発エネルギーと捉えて臨むことができればまた一歩前に進む可能性もあるのではないでしょうか。

上関原発を巡ってまだまだ私たちは精神的にも成長し続け、核がもたらす分断から融合へと道筋を変えて行くことができると信じて祝島での暮らしから発信を続けて行きます。

力を合わせましょう
ありがとうございます
こだままこと

最後に私のコメントをひとこと述べます

上記の3通の祝島島民などのコメントでは触れられていないのですが、私にはこの3年間ほどの祝島漁協総会における漁業補償金受け取りに関する同漁協組合員の評決の推移が気にかかります。この3年間の評決の推移は以下のとおりです。

●2010年1月29日総会 正組合員66名 反対43名 態度保留・賛成15名(議長除く)
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/iwaisimahosyoukinuketorikyohiwoketugi.html
●2012年2月22日総会 正組合員58名 反対40名 賛成17名(議長除く)
http://blog.shimabito.net/?eid=1061795
●2013年2月28日総会 正組合員53名 反対21名 賛成31名(議長除く)
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2013/0301/6.html

2012年度には約70パーセントあった反対票(これまでの総会でも反対票が圧倒的というのが常でした)が2013年度には約40.4パーセントまで激減しています。逆に賛成票は2012年度の約30パーセントから2倍の約60パーセントにまで増加しています。これは単に組合員の高齢化や「漁獲量や魚価の低迷」などという経済事情だけでは説明はつかないでしょう。祝島の漁業者の高年齢化はいまにはじまったことではなく、経済不況もいまにはじまったことではないからです。昨年から今年にかけてなにかが変化したと考えるほかありません。

そこで私が思い当たるのは以下のことです。

一昨年の1月には祝島では「祝島島民の会」(山戸貞夫代表)と東京のNGO「環境エネルギー政策研究所」(飯田哲也所長)共同の「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」というプロジェクトが立ち上げられました(「『反原発』の島、エネルギー自給率100%構想 山口」)。

そこで祝島及び山口県内での飯田氏人気は最高潮に達したのですが、その飯田氏人気に貢献したのはかなりの数の脱原発活動家でした(上記のコメント2通を参照)。しかし、飯田氏は新自由主義の経済思想を持っている人であり、真の「脱原発」派でも上関原発建設反対派でもありませんでした。飯田氏はただ「経済的合理性がない」からという理由で上関原発建設反対を言っていたのにすぎないのです。以上のことの詳細は拙論の「四度、飯田哲也氏の『脱原発』主張のほんもの性の可否を論じる」(2012.07.10)をご参照ください。

昨年はその飯田氏を山口県知事選挙に上記の脱原発派が担ぎ出すということがありました。これで祝島での飯田氏人気は不動のものになりました。この不動の飯田氏人気に貢献したのもやはり少なくない脱原発活動家でした。

その飯田氏は安倍現首相夫人の安倍昭恵氏を祝島の祭りに誘ったりもしました。これまで「自民党がもうまったく入れない島みたいになっちゃってる」ところに彼女を誘い、昭恵氏が「そこに飯田さんと一緒に行ったことで(祝島では)ちょっとした話題になってしまった」こともあるのです(「安倍昭恵が激白、夫・晋三と反原発で家庭内論戦」)。

ここで祝島住民に新自由主義思想やご大家の奥様に陰ながら憧憬を抱くといったふうの昔ながらの金持ち願望思想(それはある種の日和見思想ともいえるのですが)が昭恵氏の「遊び」感覚の祝島詣での影響として注入されたのかもしれない、などと私は推測するのです。以上は私の推測にすぎませんが(と言っても、上記に述べているとおりこの私の推測には相当の根拠があります)、この1年の間の祝島の漁業者の意識の急激な変化(評決の変動)を考えるとき、私にはそういうことしか思い当たりません。私はここでもほんものの脱原発思想とニセモノの脱原発思想を見わけるということの重要性を思わざるをえないのです。

追記:明日から腰の手術のため2~3週間ほど入院します。いっとき発信はできないかもしれません。

私はこの1月の中旬に「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ、 総選挙の総括なき敗北は政党消滅への道に通じる――広原盛明さんの論攷のご紹介」という記事を書きましたが、その記事をひとつの契機として主に「憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネットワーク」の佐藤三郎さんのご尽力と熱意によって標記のような討論集会が神戸市で開催されることになりました。私も賛同人のひとりになっています。ぜひ多くの方々に参加して、また賛同人になっていただきたいものです。同討論集会のアウトラインをご紹介させていただこうと思います。

~総選挙敗北を見すえ 立ち直りの途を探る~
とめよう壊憲! 護憲結集! 討論集会

と き 2013年4月14日(日) 13時30分~16時30分
ところ 神戸市勤労会館 405/406号室
(JR・阪神・阪急「三宮駅」東南5分)
問題提起 広原盛明 さん (元京都府立大学学長)
質疑、討論              資料代 700円

昨年の総選挙で議席の3/4に近い348を得た安倍・橋下らの壊憲勢力は、7月の参議院選で2/3以上の議席獲得をめざし、選挙協力をふくめ着々とその準備をすすめています。

彼らの主張は、戦後の国民主権・平和・人権尊重をうたった現憲法体制を根底から変え、「憲法は、権力を拘束・制限する」という立憲主義(憲法の本質)を破壊する「壊憲」そのものです。

1928年の選挙で2.6%の得票だったナチスが、30年には18.3%に。その時16もの政党が乱立し、失業・生活苦・混乱する政治に不満を募らせた国民は、ヒットラーの演説に引き寄せられました。33年3月の選挙の43.9%で全権を掌握したヒットラーは、同年11月にはナチスのみ出馬の選挙とし、わずか3年で92.2%を得票、後は戦争と破滅への道へとなだれ込んだ。この30年代のドイツ情勢が今の日本と重なり、鳥肌の立つ思いがします。

「このままでは大変なことに…」と思いながら、「どうしたらよいか…」「時間がない…」「結局あかんのでは…」と一人で悩んでいる人は少なくありません。参院選までの数か月は、護憲・平和・生活擁護にむけ基本の志を同じくするものが、「どうすれば、共同して、壊憲派にどう立ち向かうことができるのか」を話し合い、同時に「護憲政党にも、もの申す」必要性を痛感します。

「革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ。かかる事態を招いた原因や背景を究明し、いかにして立ち直るか、という今後の方針を見出す作業は、絶対にゆるがせにできない」と呼びかけている広原盛明さんの提言を受け、「壊憲阻止の結集を願う討論集会」を開催します。ぜひご参加下さい。

〔講師紹介〕 広原盛明さん

広原盛明   元京都府立大学学長。2003年に幅広い市民でつくる「市民ネット」と「民主市政の会」との共同推薦で京都市長選に立候補、174847票(得票率40.5%)を獲得するも、保守系現職に惜敗した。

 ~なぜかくも気が重いのか。理由は2つある。ひとつは革新政党(社民党、共産党)の得票数の落ち込みが並み大抵のものではなく、歴史的な惨敗・大敗を喫したという厳しい選挙結果に圧倒されたからだ。もうひとつは、にもかかわらず選挙総括が現実を直視したものになっておらず、その体質に絶望に近い気持ちを抱かざるを得ないからだ。選挙総括は、このような事態を招いた原因や背景を究明し、そこからいかにして
立ち直るかという今後の方針を見出す作業だから、絶対にゆるがせにできない。選挙総括にはいわば政党の未来がかかっているのであり、キチンとした総括ができない政党には「未来がない」と言っても過言ではないからである。~(広原さんのブログより/うら面に資料)

〔主催〕4・14とめよう壊憲!護憲結集! 討論集会実行委員会
問い合わせ 憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネットワーク
Tel/Fax 078-733-3560 Eメール minami2satou@kxa.biglobe.ne.jp (佐藤三郎)

〔資料〕① 数字にみる2012年 総選挙結果
社民党は前回301万票の過半数152万票を失い、共産党も前回494万票の1/4に当たる125万票を失ったことは少数政党とはいえ両党が革新政党の中心的存在であるだけに、日本の革新勢力にとっては大きな痛手であることは間違いない。

 その結果、社民党得票数は301万票(4.3%)から142万票(2.4%)へ、議席数は7→2(比例4→1、小選挙区3→1)へと激減し、共産党もまた494万)票(7.0%)から369万票(6.2%)へ、議席数は9→8(比例9→8、小選挙区0→0)へと後退した。

この数字の意味するところは深刻だ。一言で言って、社民党は“解党的惨敗”、共産党はその一歩手前だと言ってよい。現行の選挙制度では得票率が4~5%を割ってくると、小選挙区はもとより比例代表区の議席数が極端に少なくなるという特徴がある。今回の社民党得票率はいわばその“臨界点”を超えてしまったのであり、共産党はそれに近づいているといえるからだ。…(広原さんブログより)

〔資料〕② 沖縄の集会にみた革新結束力 1/9朝日「声」欄より
 「千葉県松戸市から沖縄に転居して2ヶ月余り。昨年12月23日に宜野湾市で開かれた県民集会に初めて参加した。大変新鮮な光景だった。…壇上に共産、社民、沖縄社会大衆党の国会議員4人が勢ぞろいし、互いに他党議員の名を挙げて健闘をたたえ合い、固く手を結んで共闘を誓い合った。…沖縄の革新勢力が基地撤去の粘り強い闘いを続け、かつて名護市長選で勝利したことなど、国会での議席数だけでは計れない大きな力を発揮しているのは共同、共闘の力にほかならない。中央の共産、社民党がこの沖縄の姿を全国に広げることを望みたい。(鬼原悟:無職、那覇市59歳)」

賛同 / 石塚 健・佐藤三郎(憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネットワーク) 色平哲郎(内科医) 李敬宰(高槻むくげの会) 石田加代 市村善之 岩野政樹 大西誠司(北神戸9条の会) 恩田怜(元神戸市議) 梶原義行 加納花枝(I女性会議) 河内謙策(弁護士アピールを支持する市民の会) 木下達雄(平和憲法を広げる兵庫県民会議・阪神) 下司正彦(憲法を生かす須磨区の会) 神戸YWCA平和活動部 小寺山康雄(ポポロ) 後藤玲子(弁護士) 桜井幡雄(すまはまの会) 嶋谷数博 市民社会フォーラム 高島 仟(元神戸市交通労働組合委員長) 高田富三(神戸再生フォーラム) 竹山清明(京都橘大学) 田中敏夫(西須磨9条の会) 坪谷令子 出口俊一(兵庫県震災復興研究センター) 東條健司(多井畑9条の会)  中島 淳(神戸芝居カーニバル実行委員会事務局長) 中島秀男(憲法を生かす会・垂水)  中田作成(新しい神戸をつくる市民の会) 羽柴 修(弁護士・9条の心ネット) 東本高志(ブログみずき~「草の根通信」の志を継いで~主宰) 飛田雄一(神戸学生青年センター館長) 増田 紘(多聞/神陵台9条の会) 村井雅清(被災地NGO恊働センター代表) 村岡到(参院選選挙協力を望む会) 村上真平(農民) 室田正則 毛利正道(弁護士) 守田基師子(話し方コンサルタント) 山崎 貢(憲法を生かす北区の会) 吉岡治子 吉田俊弘(憲法を生かす会・灘)   〔2月25日現在〕

賛同のお願い  (下記の用紙でFAX、または E‐Mail 等でお願いします)

「とめよう壊憲!護憲結集!」への「討論集会実行委」の取組に賛同します。
                      (個人、団体いずれでもけっこうです)。

お名前                                    

おところ                                                           

連絡先 TEL・FAX                         

E-Mail

あて先 Tel/Fax 078-733-3560  Eメール minami2satou@kxa.biglobe.ne.jp
                                        (佐藤)
1月1日から2月28日までに書いた弊ブログ記事をまとめました。

みずき
みずき~「草の根通信」の志を継いで~
 
この2か月間の記事をカテゴリーで大きくくくるならば次のようになるでしょうか。

(1)総選挙での革新の敗北問題と「革新の右傾化」問題(新年早々の記事もそうした問題への危機意識から書かれたものでした)
(2)いまなによりも重要な人間の生存に関わる問題としての「経済=福祉」政策の提起(「賃上げターゲット」論「非正規雇用全面禁止」論「生活保護バッシング」問題
(3)脱原発運動に底流する軽薄な思想(いわゆる「放射脳」問題)からの克服の問題
(4)会田誠展抗議問題とジェンダー運動の課題(同問題連載(5)の筆者コメント参照)
(5)草の根保守運動の着到点としての「右傾化=暴力化」問題((1)の問題とも密接に関わっていると私は見ています)
(6)その他

私のこの2か月間ほどの関心のありようがわかっていただけるのではないでしょうか。

【1月の記事】
(1)■2013.01.01 行者杉一千年を時雨るゝや ――新年のごあいさつに代えて
(2)■2013.01.01「沖縄イニシアティブ」批判を「New Diplomacy Initiative」批判と読み替えて比屋根照夫「『沖縄イニシアティブ』を読む」を読む
(3)■2013.01.05 わが家から見える風景――新年のごあいさつに代えて(2)
(4)■2013.01.06 海外メディアの年はじめからの安倍晋三新首相批判続く ――新しい年のはじめの覚え書きとして
(5)■2013.01.11 革新政党の不振と衰退は目を覆うばかりだ、 総選挙の総括なき敗北は政党消滅への道に通じる――広原盛明さんの論攷のご紹介
(6)■2013.01.11 「地域・地区レベルで連携可能な共闘=『統一戦線』」とはなにか? ――「緑の党」的なものをめぐって きょうと緑の党会員の内富一さんへの返信
(7)■2013.01.16 ある音楽家の問い ――「右左という議論を超えて国益、がテーマになるべきではないですか」という問いへの応答
(8)■2013.01.19 神戸新聞の元旦の社説「選択の後で/したたかな現実主義が道を開く」の丸山真男の主張の換骨奪胎について
(9)■2013.01.20 (訂正版)神戸新聞の元旦の社説「選択の後で/したたかな現実主義が道を開く」の丸山真男の主張の換骨奪胎について
(10)■2013.01.22 新NGO組織「ニュー・ディプロマシー・イニシアティブ(新外交イニシアティブ)」の設立プレシンポジウムについて ――今年夏の参議院選挙での「共闘」の問題とも関連して
(11)■2013.01.24 井戸川克隆双葉町長の退任メッセージ ――福島県双葉町の井戸川克隆町長に対する町議会の全会一致による不信任案の可決について(2)
(12)■2013.01.25 保立道久さん(歴史学者)の問題の本質をつくカッコつき「脱原発政党」批判と環境学者知事としての嘉田由紀子氏批判
(13)■2013.01.26 「保立道久さん(歴史学者)の問題の本質をつくカッコつき「脱原発政党」批判と環境学者知事としての嘉田由紀子氏批判」の読み方
(14)■2013.01.26 中日新聞の「日米同盟と原発」という連載記事のご紹介(全37本)
(15)■2013.01.28 連合 いよいよ改憲派に 日本教職員組合及び各地日教組単位組合はこのまま知らぬ顔の半兵衛を決めこんでいてよいのか!
(16)■2013.01.29 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって

【2月の記事】
(1)■2013.02.04 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって(2) 報道と参考記事(重要な指摘)
(2)■2013.02.05 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって(3) 前田朗氏(東京造形大学教授)と彦坂諦氏(作家)への返信
(3)■2013.02.07 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって(4) 前田朗氏の岡田裕子氏(会田誠氏パートナー)批判の反秀逸性について
(4)■2013.02.09 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって(5) 森美術館&会田誠氏の「会田誠展について」という公式メッセージ批判の「小児病」性について
(5)■2013.02.10 「東京のアンチ朝鮮人デモで『朝鮮人を殺せ』と書かれたプラカードが出現した」ということへの驚愕と戦慄
(6)■2013.02.11 尾木ママが自民党教育再生実行本部での講演で「心のノート」による道徳教育の重要性を強調 俵義文氏の問いと尾木直樹氏の反論
(7)■2013.02.13 美術家・会田誠の「評価」私感 ――「会田誠展 天才でごめんなさい」の「犬」シリーズの評価をめぐって(6) 「森美術館問題を考える討論集会」における昼間たかし氏(フリーライター)の言論の「暴力」に対する「週刊金曜日」編集長の見解
(8)■2013.02.15 強かん事件逆転最高裁判決(2010年7月25日)批判 ――『逃げられない性犯罪被害者―無謀な最高裁判決』(青弓社)の著者の自薦文
(9)■2013.02.16 「福祉のパラドックス」を打破するために(1) ――日本共産党の安倍内閣の「インフレターゲット(物価上昇目標)」論への対抗政策としての「賃上げターゲット」論(賃上げ・雇用アピール)の提起
(10)■2013.02.16 「福祉のパラドックス」を打破するために(2) ――ある農学生命科学研究者の「『ロスジェネ』の味方となる政党待望論」もしくは「『非正規雇用全面的禁止』規制論」
(11)■2013.02.17 日本維新の会とみんなの党、「憲法96条改正」で合意 その責任を誰が負うのか? 付:『硬性憲法としての改正手続に関する基礎的資料』(衆議院憲法調査会事務局編)
(12)■2013.02.18 「100万人に1人のはずの子どもの甲状腺がん 福島で4万人中3~10人」という福島県・県民健康管理調査に関するナンセンスな言説について(「脱原発」の思いは同じですが)
(13)■2013.02.19 辻元清美氏の「小沢一郎」氏評と「未来の党」評(『世界』別冊3月号)についての感想 ――権力に対抗しうる言葉とはなにか
(14)■2013.02.22 あらたな「民主党応援歌」としての『世界』別冊2013年3月号について ――革新内部の「右傾化」のひとつの実例として読む
(15)■2013.02.24「福祉のパラドックス」を打破するために(3) ――現在の「生活保護バッシング」とチャールズ・チャップリンの幼年時代の新救貧法との類似性
(16)■2013.02.24 「福祉のパラドックス」を打破するために(4) ――竹信三恵子さん(和光大学教授、ジャーナリスト)の「丸刈り謝罪」と「ブラック企業」考(転載)
(17)■2013.02.26 中日新聞の「日米同盟と原発」という連載記事のご紹介(2)
(18)■2013.02.26 中日新聞<犠牲の灯り>(原発の灯(あか)りが照らし出す犠牲を考える)連載のご紹介
(19)■2013.02.27 正当な批判、あるいは公正な批判とはなにか? ――放射線問題 一種の逆説的なボナパルティズムの克服のために