阿久根市長のやっていることは地方自治法違反の可能性がかなり高いと私もおもう。
しかし、東本高志さんのいうように、それは「明らかに民主主義に反する決断」なのか? 市長は、地域住民の強い支持を得ているらしいではないか? つまり、市長は住民の支持のもとに、違法なことをやっているのである。
民衆の圧倒的支持が、違法な結果を招くことがあるのは、ヒットラーを典型例として、政治学・憲法学の常識だ。だから、民主主義的要素をいかに制御するかは、政治学・憲法学のテーマになっている。
ところが、地方自治の場合、首長は住民の直接選挙で選ばれる。つまり、内閣総理大臣の場合より、民主主義的基盤が強いようにわざわざ制度設計されているのだ。そして民衆に支持されているからこそ阿久根市長は独走できるのであり、端的に言えば、住民の民主主義と地方自治法が矛盾対立しているのがコトの本質である。だからこそ、問題は根深く、かつ部外者にとっては成り行きが面白い。
東本高志さんという人は、「民主主義」ということばの前で、思考停止してしまう人だったのだな。
仙波氏によると、市長から電話を受けて会うようになり、11日に副市長就任の要請が正式にあったという。地方自治法では、副市長は議会の同意を得て選任するとしている。
竹原市長は議会を開かないまま専決処分を乱発するなどして問題となっているが、仙波氏は共同通信の取材に対し「わたしは議会を開くべきだと考えているし、司法判断も順守すると市長には伝えてあるので、最初から衝突すると思う。批判も出るだろうが、働きぶりで評価してほしい」と話した。
仙波氏は愛媛県警地域課鉄道警察隊の巡査部長だった2005年、県警の裏金づくりを内部告発。その報復で不当な人事異動をされたとして提訴し、県に100万円を支払うよう命じた判決が確定した。
同市では08年、竹原市長が初当選した直後に提案した副市長人事が議会に不同意とされてから、副市長が欠員となっていた。
(共同)
請求事件 平成19年3月9日 千葉地裁 民事3部)
議決は13日付。
議決は「『無所属候補』とは、立候補届出書に添付する所属政党の証明書がないことを意味する」と定義付けた。森田知事については「政党隠しを徹底して行ったと推測できる」としながらも、「政党と人的、資金的につながりがないという意味だったとまで認めるのは難しい」と結論づけた。
ただ、「有権者に誤解を与えかねない表現に対して、今後の選挙では公平、公正なものに是正する必要がある」とも指摘した。
森田知事は22日の定例記者会見で、議決について「私の主張を理解してもらい、厳正に判断した結果だと思う」とし、指摘については「真摯(しんし)に受け止めさせていただきます」と述べた。
市民グループは、知事選当時に自民党東京都衆院選挙区第2支部代表者だった森田知事が完全無所属と名乗ったのは、虚偽事項の公表だとしていた。
◆問題とされている2号チラシの「完全無所属」という文言は、「政党推薦無所属ではない」という意味を超えて、「政党と人的・資金的につながりがない」という意味であったとまで認めることは難しい。
◎(反論)
上の指摘は「無所属候補」とチラシに書いた場合は納得できる。しかし、わざわざ「完全」という言葉をくっつけ強調しているのである。誰が考えても、パーフェクト無所属、100%無所属、純粋・無添加無所属、不純物ゼロ無所属… という意味である。しかも決議文では、この「完全無所属候補」という言葉を「造語」と規定している。「造語」とは、意図的に有権者に対して一定の効果を狙って作る言葉である!
・22分28秒あたり?:無所属の定義に関する質疑応答
公選法第235条の趣旨から言いますとですね、一般論として、ある程度の党員で、かつ政党支部の支部長をつとめるような人物がことさらそれらの事実を隠して当選を得る目的で選挙活動のさまざまな場面で自分は政党に所属しない、政党の支援を受けない、無所属、完全無党派であることをアピールしていたような場合にはこの235条の虚偽事項公表罪に該当する可能性があるというふうに思えるのですが、そのように理解してよろしいですか?
●総務省自治行政局選挙部長・門山泰明政府委員(24:39あたり?):
一般論としてのお尋ねでございますが、若干前提をご説明させていただきますと、立候補届け出におきまして立候補届出書に所属する政党その他の政治団体の名称、これを記載する場合には当該政党その他の政治団体の証明書、いわゆる所属党派証明書というのを添付するということになっておりまして、この所属党派証明書の添付がない場合には無所属と、こういう扱いになるわけでございます。したがいまして立候補届けにおきます無所属という機会(注:場合、という意味か?)は立候補届けをした方がどの政党にも属しないということを意味するものではなくて、所定の所属党派証明書がない、記載されていないという場合に記載すべきかなり広い意味の呼称であると解されておりまして、一般に政党に所属する方が無所属として立候補届けをし、無所属として選挙運動をすることは当該規定に抵触しない、と考えられるところでございます。
一方、政党に所属する方がいかなる政党にも所属しないということを公にして選挙運動をするということにつきましては、これも一般論でございますけども、それが立候補届けにおける無所属ということではなく、実際の政党への所属関係について当選を得、または得させる目的をもって公職の候補者の政党その他の団体の所属に関し虚偽の事項を公にしたと、そういうふうに認められる場合には公職選挙法235条1項に抵触するおそれがある、ということは考えられるところでございます。なお、個別の事案につきましては具体の事実に即して判断されるべきものと考えております。
([http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/6199177.html 中から続く])
(5)アエラ5月25日号には、『森田健作知事の剣道2段は「自称」』として、森田氏が本件知事選の候補者紹介でも「剣道2段」と紹介されていた(甲9・千葉日報記事、甲10・読売新聞記事)のに全日本剣道連盟の段位を取得していないことが報じられた(甲51・アエラ記事)。
この問題に関し、森田氏は5月21日の会見で「40年ほど前、剣道を一生懸命やっている時に範士から『二段を許す』と言われた」ので二段を名乗ってきた、と説明し、今後は改めるのかと問われると「40年間言ってきて指摘されることがなかった。私の思いはそういうことです」と答え、今後も改めるつもりのないという考えを示した。翌22日には、記者団から「初段は取得しているのか」と尋ねられ「ない。二段、二段。それで十分」と答えた(甲52・毎日新聞記事)。ウソをついてばれなければそれでよし、ばれてもウソをおしとおすという森田氏の人格態度が端的にあらわれた説明といえる。
(6)6月19日、森田氏は議会で全会派が森田氏に対し森田氏の政治資金問題を質問したことについて、「それしか(聞くことが)ねえんだろ」と発言した(甲53・毎日新聞記事)。重大な問題であるからこそ全会派が質問したのだが、森田氏には問題の重大さが理解できていないのであろう。
(7)森田氏は、6月20日、ドン・キホーテから違法に受け取った政治献金480万円を返金処理したのに、6月18日の時点で政治資金収支報告書を修正していないことについて県議会本会議で問われた。森田氏はこれに対し、返金処理をしたのは4月中旬と説明しながら、7月に予定している政党支部の解散後まで収支報告書の修正はしないとし、その理由を「スタッフが不足しているため」と説明した(甲54・毎日新聞記事)。政治資金収支報告書には、虚偽の記入をしてはならない(政治資金規正法第24条)のであるから、収支報告書の記載が事実と食い違うことがあれば何をさておいても修正しなければならないはずで、人手不足が(もし本当に人手不足であったとしても)すぐに収支報告書を修正しないことの言い訳にならないのは当然である。
(8)10月2日には、森田氏が本件知事選に立候補を表明する前月の平成20年12月まで政党支部を受け皿として企業献金1816万円を受領し、1212万円が森田氏の資金管理団体である森田健作政経懇話会に寄付されていたことが報じられた(甲55・朝日新聞記事)。森田氏はこれまで「自民党支部のお金は知事選には使っていない」と説明していたが、実態は森田氏の説明とは異なることが明らかになった。なお、平成21年1月以降の収支について、森田氏は法律上平成22年3月までに提出すればよいので、それ以前には提出しない、としている。しかし、「自民党支部のお金は知事選には使っていない」というのであれば、その根拠を示すべきであろう。
(9)以上のとおり、森田氏の発言には、法律を軽視していると思わざるを得ない発言や、理屈に合わない言い逃れとしか言いようのない発言がいくつもある。
したがって、「完全無所属」についての森田氏の説明もまた、公職選挙法を軽視して虚偽の事項を公表しておきながら、理屈に合わない言い逃れをしていると考えて差し支えない。
6 公職選挙法の趣旨
公職選挙法235条(虚偽事項の公表罪)は、虚偽事項の公表が、「買収行為や選挙の自由妨害等とともに、選挙人をしてその公正な判断を誤らせる原因となるものであって、選挙の自由公正を害するところ大なるものがある点に鑑みて」(安田充ほか編著『逐条解説 公職選挙法(下)』)、これを不正行為として処罰対象とするものである。
したがって、公表された事項が「虚偽」かどうかは、一般の選挙人の判断において、235条の列挙事由に関し公正な判断を誤らせるかどうか、という基準で判断されるべきである。そして、前記第4項で述べたとおり、「完全無所属」をうたった2号ビラは、一般の人の判断において、森田氏の「身分」ないし「所属」に関し公正な判断を誤らせる可能性がある。
これを総務省の国会答弁(甲2・議事録)にあてはめると、総務省が「公職選挙法235条第1項に抵触するおそれがある」とする場合(立候補届における無所属ということではなく、実際の政党への所属関係について、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者の政党その他の団体への所属に関し虚偽の事項を公にした、そういうふうに認められる場合)にあたるといえる。
したがって、このようなビラを配布した森田氏の行為を処罰することが、公職選挙法の趣旨にも合致する。
7 公職選挙法235条の「身分」の解釈について
(1)なお、検察官からは、不起訴の理由のひとつとして、公職選挙法235条の「身分」に、政党とのつながりがあるかないかを評価する具体的事実(政党支部の代表であって、個人では法律上受領できない企業・団体献金を、政党支部を通じて知事選に利用できる地位にあったこと等)が含まれない、ということが挙げられていたことから、この点について反論しておくこととする。
(2)検察官は、公選法の前身である普通選挙法の解釈において、「身分」等の列挙事由が制限列挙と解されていたこと、各列挙事由の内容も制限的に解釈されていたことを指摘するとともに、公選法の「身分」も普通選挙法の「身分」と同様に制限的に解釈されるべきであるとして、公選法の「身分」が政党とのつながりがあるかないかを評価する具体的事実を含むような広い概念と解することはできない、とする。
すなわち、三宅正太郎ほか著『普通選挙法釈義』(大正15年初版、昭和5年第5版)には、「身分というのは華族士族というがごとき族称のみならずそれより少しく広く社会上の門地を指すものと解する。例えば『候補者は県下唯一の名望家××氏の娘婿にあたる』というがごときである」との記述がある。この解釈を根拠に、公選法の「身分」も、限定的に解釈されるべきとするのが検察官の解釈である。
(3)しかし、現行憲法のもとでは、身分制度は廃止されているから、憲法改正の前後で「身分」を連続的に解釈することには無理がある。
現在では、選挙の候補者が政党と人的・資金的つながりがあるかどうかは、有権者の重大な関心事であり、投票先を決定する際の重要な考慮事項である。したがって、その正確性を担保するため、「身分」に含めて解釈することの必要性がある。
また、「身分」という言葉自体は幅のある概念を含みうる言葉であり、例えば、刑法65条の身分とは、男女の性別、内外国人の別、親族の関係、公務員たる資格だけでなく、すべて一定の犯罪行為に関する人的関係である特殊の地位または状態を意味する、と解されている(最高裁昭和27年9月19日判決)。公選法235条の「身分」について、「同条の他の列挙事由以外の地位または状態であって、選挙人の投票に関する公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるもの」というようにある程度広く解釈することは文理解釈として可能であり、一般人にとって不意打ちとならないと考える。
さらに、自治省選挙局内選挙制度研究会編『改正公職選挙法解説』(昭和37年発行)には、虚偽事項の公表罪の改正について、「虚偽事項の内容として『その者の政党その他の政治団体への所属又はその者に対する政党その他の政治団体の推薦若しくは支持』が規定されたが、これは従来は、身分に含まれると解釈されていたものを明文化したものである」との記述がある。この記述は、「身分」は相当程度広い概念であったとの解釈を示すものである。
以上より、「身分」に関する検察官の解釈は誤りであり、森田氏は「身分」に関し虚偽の事項を公表したといえる。
8 おわりに
選挙において、候補者についての誤った情報が流されれば、有権者は公正な判断をすることができない。そこで、公職選挙法は、選挙の公正を確保するために、買収行為、選挙の自由妨害とともに、虚偽事項の公表を禁止している。
このことは、選挙に関する基本的なルールであって、森田氏も当然知っていたはずである。ところが、森田氏はこの基本的なルールをあえて無視して、自らを「完全無所属」と称するビラをまき、政党への所属、政党とのしがらみの有無という有権者の関心の高い事項について誤った情報を流した。森田氏ほどの知名度の高い人物が、わざわざこのような違法行為を行ったのは、当時それだけ不利な情勢にあると判断したためなのか、あるいは違法行為をおこなっても当選しさえすれば見逃してもらえるとたかをくくったのか。
いずれにしても、森田氏が行ったのは、一種の情報操作である。選挙において情報操作がまかりとおるのでは、もはや民主主義国家とはいえない。このような危機感をもって、告発人らは千葉検察庁に対し告発を行った。しかし、検察庁は森田氏を不起訴とし、結果的に森田氏の行為を見逃す判断をした。
そこで、申立人らは、権力としがらみのない市民の方々に、今回の知事選が公正に行われたかどうか、また、森田氏の行為について裁判所の司法判断が必要ではないか、判断して戴きたく、この申立を行うものである。
第2 政治資金規正法違反
告発人らは、ドン・キホーテから第二支部に対しなされた寄付のうち、平成18年12月法改正以前の寄付について告発したが、このうち最後の寄付がなされたのが平成18年11月24日であり、審査申立の時点で3年の公訴時効が完成している。
したがって、申立人らは、検察官が「森田氏側には違法な献金であることの認識がなかった」として不起訴処分をしたことについては不服があるが、この点についての審査申立は行わないこととする。
以上
添付書類
1、委任状 通
(1)すでにみたとおり、2号ビラには、「政党より県民第一」「総選挙や政党間の争いにまきこまれ(ない)」など、森田氏が政党とのつながりのないことを印象付ける言葉が並べられ、その上で森田氏が「完全無所属候補」と表示されているから、このビラを読んだ人が「完全無所属」の意味について、「自民党を辞めた」「政党とのつながりがない人物だ」と判断する可能性があることは明らかである。
ところが、森田氏は、取材記者から「『完全無所属』と聞くと『自民党を辞めたのか』と思う。かなりの人が誤解したのでは」「誤解を与えてしまった点についてはどうか」と追及されたのに対し「もし、そういうことがあったならば、もうちょっと何だろうな。残念だなあという気がします」と答えている(甲21・毎日新聞記事)。
「自民党を辞めた」とか「自民党の支部長ではない」ということを示すためにわざと「完全無所属」という言葉をつかったのではない、というのが森田氏の説明である。
しかし、森田氏が有権者に「自民党を辞めた」「自民党の支部長ではない」という「誤解」をさせる狙いで「完全無所属」という言葉を使ったことは、当時の政治状況、及び「政党隠し」を徹底した森田氏の選挙運動から明らかである。
(2)知事選当時の社会状況
本件知事選に先立つ平成21年3月3日、小沢一郎・民主党代表(当時)が、大手ゼネコン西松建設の「関連団体」から献金を受け取っていたことに関連して、同氏の公設第一秘書が逮捕された。同時期に、二階俊博経済産業大臣など自民党の大物政治家も、同「関連団体」から献金を受領していたことも報じられた。
小沢一郎氏は、平成20年11月末の世論調査では、麻生太郎自民党総裁(当時)より「首相にふさわしい」とされ、翌年に予定されていた総選挙で政権交代が実現すれば、その後の国政を担うことが期待されていた。ところが、本件知事選直前に前記西松建設関連団体から献金をうけとっていたのをそのまま政治資金収支報告書に記載していたことが「民主党代表」のカネをめぐるスキャンダルとして報じられたことで、状況は一変した。民主党代表、自民党大物政治家のカネをめぐるスキャンダルが相次いて報じられたことで、本件知事選当時は、自民党も民主党も、政党はどこも信用できない、といった「有権者の政党不信が渦巻く」(甲25・日本経済新聞記事)状況であった。
このような状況において、特に自民党の政治家にとって、選挙戦を有利にたたかうためには、政党とのつながりを否定することが効果的であることは明らかであった。
(3)「政党隠し」を徹底した森田氏の選挙運動
森田氏が選挙ポスターに掲げた「政党より県民第一」というキャッチフレーズは、投票日(3月29日)の約1か月前に、予定されていた「元気モリモリ」から変更されたものである。「有権者は政党のゴタゴタに嫌気をさしている。特に無党派層は敏感だ」との見方にもとづく変更であった(甲12・読売新聞記事)。
森田氏は選挙期間初日、応援にかけつけた約20人の自民党県議の名前を紹介することなく「知事は政党の支援を受けては駄目だ」と演説するなど、「政党隠し」を徹底して知事選をたたかった(甲12・読売新聞記事)。森田氏自身を「完全無所属」と称した2号ビラは、「政党隠し」の極めつけといえる。このビラを、運動員が「政党のしがらみのない完全無所属候補」と連呼しながら森田氏の横でまく、という選挙戦を森田氏は展開した(甲13・週刊朝日記事)。
森田氏の「政党隠し」は成功し、森田氏は無党派層の43%(候補者中最高率)の支持を得た(甲14・朝日新聞記事)。
(4)森田氏も、森田氏の対立候補であった吉田たいら氏も、立候補届の際に政党公認の届け出をしていない「無所属」候補であった。
ただし、吉田氏は民主党の推薦を受けていたことから、森田氏は「政党推薦のない」無所属候補であることを示すために「完全」無所属候補と名乗ったという。しかし、「政党推薦のない」無所属候補であることを示すならばそのまま「政党推薦のない」無所属候補と名乗ればよかった。そうはせずに、森田氏はあえて「完全」無所属候補という言葉を使った。その理由は、森田氏に、政党とのつながりを否定して選挙戦を有利にすすめるという狙いがあった、と考える以外に、説明がつかない。
4 森田氏の説明は常識に反する
「2号ビラは、『完全無所属』と『政党推薦無所属候補』とを並べて比較する体裁となっている。2号ビラに書かれた『完全無所属』の意味は、対立候補(吉田たいら候補)が政党の推薦を受けた『政党推薦』無所属であるのとは異なり、当方が政党推薦を受けていない候補であることをあらわすものにすぎず、自民党員であることなどを否定する狙いはなかった」というのが、森田氏の説明であった。
この森田氏の説明を聞いてから2号ビラを見ると、なるほど、森田氏の説明通りの内容が書かれているようにも読める。
しかし、問題は、森田氏の説明を聞かずにこのビラを見た人が、「完全無所属」の言葉の意味をどのように判断するかである。「完全に無い」といえば全くないという意味であるから、例えば、下の表のようなX氏、Y氏、Z氏の3人の政治家がいたとして、一般の人は、「完全無所属候補」ときくと以下の表の「Y」氏のように、政党の党員でもないし、政党支部長でもない、政党とは一切つながりがない人をイメージするのではないだろうか。
X Y Z
政党の推薦を受けているか × × ○
政党の党員か ○ × ×
政党支部の代表か ○ × ×
選挙において、政党所属議員の
支援を受けたか ○ × ×
しかし、森田氏の説明によれば、完全無所属候補=政党推薦を受けていない候補であるから、X氏もY氏も同じく完全無所属候補であり、X候補が「完全無所属候補」と称するのは虚偽ではないことになる。
このような説明は、一般の人の感覚とはかけ離れたもので、とうてい理屈に合わない、といえないだろうか。
申立人らが参加する「森田健作氏を告発する会」は、本件知事選後の4月25日には千葉駅頭で、5月10日には船橋駅頭で、それぞれ2号ビラの看板を示して「モリタ氏はウソつきか」というシール投票をよびかけた。千葉駅頭では投票者全体の84%(215名)、船橋駅頭では88%(311名)が「そう思う」に投票した(甲47,48・写真)。これが、一般の人の常識的な感覚ではないか。
5 森田氏の不合理な説明の数々
(1)森田氏が理屈に合わない説明を押し通すのは、「完全無所属」についてだけではない。
森田氏をめぐって、知事当選後、様々な疑惑、問題が報道されている。それらの疑惑、問題に関する森田氏の回答、説明をみると、森田氏が法律を軽視する人物であること、また、平気で理屈に合わない説明をする人物であることがわかる。
(2)森田氏が本件知事選に当選した後の4月11日、森田氏の資金管理団体「森田健作政経懇話会」が平成17年に自民党山崎派の団体「近未来研究会」から300万円の寄付を受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかったことが報じられた(甲49・朝日新聞記事)。この記載漏れについて、森田氏の事務所は「寄付を受けた後、会計担当者が退職し、交代したことから事務ミスで記載漏れになった」と説明した。ここでいう「会計担当者」が政治資金規正法にいう「会計責任者」にあたるのかどうか不明であるが、同法は、「引き継ぎミス」という言い訳ができないように、わざわざ罰則付きで会計責任者の引き継ぎ義務を定めている(同法第15条、第24条)。政治資金規正法は政治家にとってはもっとも基本的な法律であるが、その法律にてらして通らない言い訳が、森田氏側からなされたといえる。
(3)森田氏は、4月16日に、森田氏が支部長をつとめる政党支部が、政治資金規正法(平成18年改正前)の禁止する外資からの出資が50%を超える企業(ドン・キホーテ)からの献金を受け取っていた問題に関し、「ドン・キホーテが(外資からの出資が)50%超えてるかどうか分かんないでしょう?私もわからなかった。全然そんな意識もなかった」と説明している(甲3・毎日新聞記事)。
企業の出資割合は、毎年公表される有価証券報告書を見れば誰にでもわかることである(甲26?29参照)。
政治資金規正法は、政治家にとって基本的かつ重要な法律であるから、献金元の企業の有価証券報告書をチェックすべきは当然であって、「全然そんな意識もなかった」ということではすまされない。
なお、週刊文春の記事(甲32)では、ドン・キホーテの幹部の話として「二年前にも『赤旗』から同じ指摘を受け、森田さんへの献金は違法だと指摘されました。当社は森田さん側に『大丈夫なのか』と質したところ、適切に処理しますといわれたのです」という事実が報じられている。
(4)森田氏は、5月14日、福岡県の公立高校から平成19年に森田氏がおこなった講演料として支払われた50万円を、自身の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に入金させて政治資金として処理していた問題に関し、「(学校での講演は)政治活動だと思っているが、教育基本法に触れる政治活動はしていない」と説明した(甲50・朝日新聞記事)。教育基本法は学校が政治的活動をすることを禁じているから、森田氏の講演が政治活動ならば、教育基本法に触れる政治活動がされたことになり、森田氏の説明は説明になっていない。
2009(平成21)年12月16日
代理人の表示 別紙代理人目録記載のとおり
公職選挙法第235条第1項
(平成21年検第104060号)
検察官 検事 竹 内 寛 志
氏 名 森田健作こと鈴木栄治
被疑事実の要旨
(はじめに 引用証拠について)
告発にあたり提出した甲1?42号証は、そのまま本申立に引用し、本申立において新たに提出する証拠には甲43号証以下の証拠番号を付して引用する。
1 告発と不起訴処分
申立人らを含む告発人らは、平成21年4月15日、森田健作氏(以下「森田氏」という)が、平成21年3月29日に投開票された千葉県知事選(以下「本件知事選」という)当時、自由民主党(以下「自民党」という)の党員であったばかりか自民党支部代表(支部長)の地位にあって政党と強いつながりがあったのに、自らを「完全無所属」と表示した法定ビラ(甲11号証、以下「2号ビラ」といい、写しを末尾に添付する)を配布して政党とのつながりを否定したのは、公職選挙法が禁止する虚偽事実の公表にあたるとして、千葉地方検察庁に対し森田氏を告発した。
告発から約半年後の平成21年9月30日、告発人ら代理人は、千葉地方検察庁検察官より告発人らの告発については不起訴処分がなされたことを知らされた。
検察官は、森田氏を不起訴処分とした主な理由について、以下のように説明した。「森田氏は、2号ビラに書かれた『完全』無所属の意味は、対立候補が政党の推薦を受けた『政党推薦』無所属であるのとは異なり、政党推薦を受けていないことをあらわすものにすぎず、自民党員であることなどを否定したものではない、と説明している。この説明に対する反論の決め手がない。」
(1)確かに、2号ビラには、「私は自民党をやめました」とか、「私は自民党支部の代表ではありません」など、自民党員であることなどを直接否定する言葉は書かれていない。
この点について、森田氏は、本件知事選後の4月16日、取材記者から「自民党員であり、一部の自民党県議や国会議員の支援を受けて選挙戦に臨んだことと、『完全無所属』とは矛盾しないという考えか」と尋ねられて「矛盾しない」と答えている。
しかし、はたして自民党員であること、政党支部代表(支部長)であることと、「完全無所属」とは矛盾しないのだろうか。
(2)完全無所属とはどういうことか
2号ビラをみると、「政党より県民第一」「中央の政党間の争い・政局を県政に持ち込まず、持ち込ませず、県民ひとすじ、県民本位、県民第一の千葉県政をつくろう!」などと書かれ、森田氏が政党の政策や政局とは一線を画して「県民第一」の政治を目指すことが強調されている。その上で、森田氏は、「完全無所属候補」であって、「総選挙や政党間の争いに巻き込まれず、県民第一の県政に専念」できるが、対立候補である吉田たいら氏は、「政党推薦無所属候補」であって、「もし当選できたら総選挙時に(推薦してくれた)政党公認候補の応援に駆り出される可能性大」であると説明されている。
つまり、2号ビラでは、「完全無所属」とは政党とはしがらみのない、自由な立場の候補者であると説明されているのである。
(3)自民党員であるということはどういうことか
森田氏は、本件知事選当時、自由民主党(以下「自民党」という)の党員であった(知事当選後の7月1に離党届を提出。甲43・朝日新聞記事)。
自民党員は、「党の理念、綱領、政策及び党則を守ること。」「各級選挙において党の決定した候補者を支持すること。」(甲44・自由民主党党則、第3条の3第1号及び同第2号)等の義務を負っている。自民党員であるということは、党の政策、決定にしばられるということであり、政党から自由な立場にはないということである。
したがって、自民党員である森田氏は、政党間で政策の対立があれば自民党の政策にそった言動をしなければならないから、「政党間の争いに巻き込まれず、県民第一の県政に専念」できる「完全無所属候補」ではありえなかった。
また、自民党員である森田氏は、総選挙時には自民党が決定した候補者を支持しなければならない立場にあったから、「もし当選できたら総選挙時に政党公認候補の応援に駆り出される可能性大」どころか、応援に駆り出されることが確実だったのであり、「総選挙や政党間の争いに巻き込まれ」ない「完全無所属候補」ではありえなかったのである。
(4)自民党支部長であるということはどういうことか
森田氏は、本件知事選当時、自由民主党東京都衆議院議員選挙区第二支部の代表(支部長)であった。
前記第二支部は、政治家個人が受け取ることのできない企業・団体献金を受け取ることができる「政党の支部」(政治資金規正法第21条)であり、政党支部長は、政党支部を受け皿として企業団体献金を得ることができる。支部長という役職は、活動資金の必要な政治家にとって、メリットの大きい特別な地位であるといえる。じっさい、落選中の政治家が党に対し、小選挙区支部長のポストをめぐって「早く決めてほしい。先の選挙で資金も底をついた」と要請する様子も報道されている(甲45・朝日新聞記事)。このような特別の地位を政党から与えてもらった政治家には、当然、政党との「しがらみ」がうまれる。
自民党は森田氏が衆議院議員でなくなった平成16年以降に森田氏を政党支部長としていることについて、「自民党の党勢拡大のために支部長に選任した」と説明している。
森田氏は政党としがらみのない「完全無所属候補」ではありえなかった。
(中に続く)
以上のとおり、被告発人は、本件知事選当時、政党から政党支部長という地位を与えられていたことにより、多額の企業・団体献金を含む資金を政治活動に利用し、または利用しうる状態にあったのであり、前回知事選当時、被告発人が本件知事選での当選を期していたこともあわせ考慮すると、政党とつながりがなかったとは到底言えない状態であったから、政党とつながりがないことを意味する文言として用いられた「完全無所属」が虚偽事項の公表罪の「虚偽の事項」にあたること、また、このような事項を記載した本件2号ビラを配布した被告発人の行為が「虚偽事項の公表」にあたることは明らかである。
なお、総務省は、虚偽事項の公表罪に関する富田茂之衆議院議員の法務委員会での質問に対し、「立候補届けにおきます無所属という記載は、…所定の所属党派証明書がない、添付されていないという場合に記載すべき、かなり広い意味の呼称であるというふうに解されておりまして、一般に、政党に所属する者が無所属として立候補届けをし、無所属として選挙活動を行うことは、当該規定には抵触しない」「一方、政党に所属する者がいかなる政党にも所属しないということを公にして選挙活動をするということにつきましては、…一般論でございますけれども、それが立候補届における無所属ということではなく、実際の政党への所属関係について、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者の政党その他の団体への所属に関し虚偽の事項を公にした、そういうふうに認められる場合には、公職選挙法第235条第1項に抵触するおそれがあるということは考えられる」(下線は代理人)との答弁をしている。
本件ビラの「完全無所属」等の記載は、前記(3)記載のとおり、立候補届けにおける無所属ということにとどまらず、実際の政党への所属関係を含め、被告発人の地位・状態について、政党とのつながりがないことを記載したものであって、公職選挙法第235条第1項に違反する。
2 虚偽性の認識
公職選挙法第142条所定の、いわゆる法定ビラは、公職の候補者が選挙において当選を得るために利用するもっとも重要な道具の一つであって、同法で頒布可能な枚数の上限が定められている。
被告発人が政党支部長として政治資金を集めていたことは被告発人自身がよく知っている事情である以上、特段の事情がない限り、本件ビラを配布した被告発人には虚偽性の認識に欠けるところはない。
なお、被告発人は、「選挙が終わったら(本件政党支部を)解散しようと(思っていた)」等と釈明している(甲5・朝日新聞)が、被告発人が本件知事選後に本件政党支部を解散したという客観的事実はない。
3 「完全無所属」は公職選挙法235条1項にいう「身分」に含まれる
「完全無所属」であるとの事項は、「政党より県民第一」「候補者力だけが頼り」として政党とのつながり・しがらみがないことを訴える被告発人の地位・状態を誤って強く印象付け、選挙人の公正な判断に影響を及ぼすおそれがあるものであるから、公職選挙法235条1項にいう「身分」に含まれる。
4 当選を得る目的
本件県知事選当時、選挙人の間に政党に対する不信感が広がっていた状況下で、政党と完全に無関係であるという事項は、選挙人の支持を集めて当選を得るのに有利な事項であり、とりわけいわゆる無党派の選挙人の支持を集める要因となる事項であること(実際に、無党派の投票先は、被告発人が最も多く、43%が被告発人に投票している、甲14・朝日新聞記事)、被告発人もそのように考えたからこそ「完全無所属候補」という虚偽の事項を公表したと判断される。
そうすると、被告発人は、当選を得る目的で虚偽事項を公表したといえる。
5 付言
有権者の政党不信が著しい昨今、政党と人的・資金的につながりのある公職の候補者が、あえて「無所属」候補として立候補し、無党派をとりこむなどして選挙を有利にすすめようとすることは、広く行われていることである。
しかし、本件県知事選において「完全無所属」を公称した被告発人の行為は、前回知事選後、今回知事選での当選を期していた被告発人が、前回知事選以前から本件知事選までの間、政党の支部長という地位にあったことによって、個人では受領できない多額の企業・団体献金を含む資金を政治活動に利用し、または利用しうる立場にあったのに、政党とは一切しがらみ、つながりがないかのように偽装したものであって、悪質といわざるを得ない。
今回の被告発人の行為が見過ごされるならば、民主主義の重要な要素である選挙の公正を実現しようとした公職選挙法の趣旨は没却され、世の中に対し、「当選さえすれば公職選挙法に違反しても処罰されることはない」との誤ったメッセージを発信することとなる。選挙という公共性の高いイベントで行われたルール違反が放置されることは、犯罪の一般予防の点からも問題が大きい。
よって、御庁に対し、被告発人について厳正な捜査を求めるものである。
1 前記告発事実1の被告発人である森田健作こと鈴木栄治(以下「森田健作」という)が代表を務める本件政党支部は、前記告発事実2記載のとおり、平成17年に外国法人・外国人の発行済み株式の保有率が50.62%、平成18年に外国法人・外国人の発行済み株式の保有率が51.82%であった株式会社ドン・キホーテ(代表取締役安田隆夫、以下「告発外会社」という)より、平成17年に合計650万円、平成18年1月から11月までに合計330万円の寄附を受領し、もって主たる構成員が外国人若しくは外国法人である会社からの寄付の受領を禁止する政治資金規正法(平成18年12月改正前)第22条の5の規定に違反して寄附を受領した(甲15・朝日新聞記事)。
2 告発外会社から本件政党支部に対して寄附がなされた際、寄附金を誰が、どのような方法で受領したのか、現時点では不明であるが、本件政党支部の誰かが何らかの方法で受領したことは確実である。
3 よって、御庁に対し、告発事実2記載の犯罪事実について、厳正な捜査を求めるものである。
4 なお、本件政党支部の代表者である森田健作は、「寄付当時、(問題の外国出資企業の)株主構成は知らなかった」としている(甲・週刊朝日記事)。
しかし、政治資金規正法第22条の3第6項及び同法第22条の4第2項が、一定の団体から「知りながら、これを受けてはならない」と規定しているのに対し、同法第22条の5が単に「寄附を受けてはならない」と規定しているから、法は、会社から政治活動に関する寄附を受ける者は当該会社の株主構成を調査すべきことを要求しているといえる。
「株主構成は知らなかった」とする森田健作の弁解が、株主構成に関する誰の認識について述べたものか、必ずしも明らかでないが、法が、会社から政治活動に関する寄附を受ける者に対し、当該会社の株主構成を調査すべきことを要求している以上、告発外会社から寄附を受けた本件政党支部の構成員は告発外会社の株主構成を知っていたことが推認される。
以上
甲第2号証 衆議院法務委員会議事録
甲第3号証 毎日新聞記事
甲第4号証 森田健作政経懇話会の平成19年収支報告書
甲第5号証 朝日新聞記事
甲第6号証 森田健作政経懇話会の平成17年収支報告書
甲第7号証 毎日新聞記事
甲第8号証 東京新聞記事
甲第9号証 千葉日報記事
甲第10号証 読売新聞記事
甲第11号証 2号ビラ
甲第12号証 読売新聞記事
甲第13号証 週刊朝日記事
甲第14号証 朝日新聞記事
甲第15号証 朝日新聞記事
平成21年4月15日
告発人ら代理人 弁護士 西 島 和
代理人の表示 別紙代理人目録記載のとおり
被告発人 森田健作こと鈴木栄治
被告発人 氏名不詳
告発の趣旨
1 被告発人森田健作関係
被告発人は、平成21年3月29日施行の千葉県知事選挙(以下「本件知事選」という)に際し、立候補して当選したものであるが、自己に当選を得る目的で、本件知事選において、公職選挙法第142条第1項第3号所定のビラ(以下「法定ビラ」という)を配布するにあたり、被告発人が本件知事選当時自由民主党東京都衆議院選挙区第二支部(以下「本件政党支部」という)の代表者の地位を有し、本件知事選に先立つ平成16年から平成19年までに、本件政党支部が企業・団体等から寄附金として受領した合計約1億6185万円を含む本件政党支部の収入約2億0409万円のうち合計1億5030万円を、被告発人が代表者を務める資金管理団体「森田健作政経懇話会」において寄附金として受領していた状態であったのに、法定ビラのうち1種類のビラに、「政党より県民第一」「候補者力だけが頼り」等の記載とともに、被告発人を「完全無所属候補」と表示して被告発人が政党とは人的・資金的なつながりがないことを記載したビラ(以下「本件2号ビラ」という)を相当枚数作成し、本件2号ビラを平成21年3月12日から同月28日までの選挙期間中に相当枚数配布し、もって公職の候補者の身分に関し虚偽の事項を公にしたものである。
2 被告発人氏名不詳関係
被告発人は、自由民主党東京都衆議院選挙区第2支部の役職員又は構成員であるが、同第2支部において、平成17年に外国法人・外国人の発行済み株式の保有率が50.62%、平成18年に外国法人・外国人の発行済み株式の保有率が51.82%であった株式会社ドン・キホーテ(代表取締役安田隆夫)より、平成17年に合計650万円、平成18年1月から11月までに合計330万円の寄附を受領し、もって主たる構成員が外国人若しくは外国法人である会社からの寄付の受領を禁止する政治資金規正法(平成18年12月改正前)第22条の5の規定に、団体の役職員又は構成員として違反したものである。
1 虚偽事項の公表
(1)「不完全無所属」(被告発人が政党とつながりがないといえないこと)
ア 被告発人は、平成16年ころから少なくとも本件知事選当時まで自由民主党東京都衆議院選挙区第二支部(以下「本件政党支部」という)の代表者であった(甲1・本件政党支部の収支報告書、甲2・衆議院法務委員会議事録)。
本件政党支部は、政治家個人では受け取ることのできない企業団体からの政治活動に関する寄附を受け取ることができる政治資金規正法第21条の「政党の支部」であるところ、合計約1億6185万円の企業・団体献金を含む本件政党支部の収入約2億0409万円のうち、合計約1億5030万円が、「森田健作政経懇話会」に寄附されている(甲2・衆議院法務委員会議事録、甲3・毎日新聞記事)。
「森田健作政経懇話会」は、被告発人が代表を務める資金管理団体であり、本件政党支部と同一の住所に事務所がおかれている(甲1・本件政党支部の収支報告書、甲4・森田健作政経懇話会の平成19年収支報告書)。
すなわち、被告発人は、平成16年から本件知事選当時まで、政党から本件政党支部の支部長という特別な地位を与えられていたことによって、被告発人個人では受領できない多額の企業・団体からの寄附を含む資金を被告発人の政治活動に利用し、または利用しうる立場にあったのであるから、本件知事選当時、被告発人と政党との間に相当強いつながりがあった。
イ なお、被告発人は、被告発人と政党とのつながりについて、「支部の資金を今回の知事選の選挙活動にはあてていない」等と釈明している(甲5・朝日新聞記事)。
しかし、
?平成17年の森田健作政経懇話会の収入は8658万円余であり、うち8061万円余が本件政党支部からの寄附であること
?平成17年2月に森田健作政経懇話会から「鈴木栄治」へ4000万円が、平成17年3月に森田健作政経懇話会から「元気モリモリ千葉を日本一にしよう会」へ4500万円が、それぞれ寄附されていること(以上甲6・森田健作政経懇話会平成17年収支報告書)
?前記「元気モリモリ千葉を日本一にしよう会」が公職選挙法に基づく知事選の確認団体であること(甲3・毎日新聞記事)等の事実から、平成17年に実施された千葉県知事選挙(以下「前回知事選」という)に本件政党支部の資金が利用されていることが確認できる。そして、被告発人が前回知事選から引き続き本件政党支部の支部長であったことからすると、本件県知事選の選挙活動にも本件政党支部の資金が利用されたことが強く推認される。
また、仮に、前記被告発人の釈明のとおり、被告発人が本件県知事選に支部の資金を利用していないとしても、被告発人は、平成17年に施行された千葉県知事選挙で落選した後、本件知事選での当選を期することを表明し(甲7・毎日新聞記事、甲8・東京新聞記事、甲9・千葉日報記事、甲10・読売新聞記事)、政治活動を行っているのであり、本件政党支部の資金を利用して本件知事選での当選を期した政治活動を行い、また行うことができる状態であったといえるから、被告発人が本件知事選当時政党とつながりがなかったとは到底いえない。
(2)「完全無所属」
被告発人は、被告発人が配布した本件2号ビラに、自らについて「完全無所属」「政党より県民第一」「候補者力だけが頼り」等と表示し、政党とのしがらみがないことをセールスポイントして訴えた(甲11・2号ビラ)。
本件2号ビラにおいて、「完全無所属」とならんで「政党より県民第一」「候補者力だけが頼り」との文言が用いられていることから、「完全無所属」という文言は、単に立候補の届出や、政党への所属のみならず、政党とつながりがないことを意味する表示として用いられているといえる。
すなわち、「完全無所属」とは、その文言自体、または少なくとも本件2号ビラの他の文言(「政党より県民第一」「候補者力だけが頼り」等)とあいまって、候補者が、政党と人的つながりも、資金的つながりもないことを表示する事項といえる。
被告発人は、本件知事選の選挙期間中に「知事は政党の支援を受けては駄目だ」と訴えていること(甲12・読売新聞記事)、「運動員が『政党のしがらみのない完全無所属候補』と連呼しながら候補者の横でビラをまく選挙戦を展開した」こと(甲13・週刊朝日記事)からは、被告発人自身、政党と人的・資金的つながりのないことを表示する言葉として「完全無所属」という言葉を用いているといえる。
マスメディアが菅首相の「消費税発言をめぐって大騒ぎ」したことは確かですが、その「大騒ぎ」の中心は同首相の「発言のブレ」を問題にするものでした(マスメディアの報道の大勢は消費税増税やむなし=賛成の立場からのものでしたので、消費税増税自体についてのマスメディアの菅批判はありませんでした)。そして、その菅首相の「発言のブレ」を問題にするメディアの姿勢は、メディアの大きな役割のひとつが“ウォッチ・ドッグ(権力に対する監視者)”の役割である以上、私は当然のことにように思います。そのメディアの報道が原因で民主党が仮に「大敗」したのであれば、それはメディアの責任というべきではなく、菅内閣及び菅首相の自業自得というべきものだろう、と私は思います。
ところで、今回の参院選に関してマスメディアはすでに問題は終わってしまったかのように「普天間基地
問題」を一切報じませんでした。
「参議院選挙のまっただ中だ。しかし、鳩山退陣、菅内閣誕生によって、普天間基地問題は選挙の争点から消された。一ヶ月前までのヤマトゥの大手メディアの報道は、しょせんは鳩山首相を追い詰めて『県外移設』を潰すためのものでしかなかった(大半は)。(略)普天間基地問題を参議院選挙の争点から消すことで、政府も大手メディアも無関心なヤマトゥの国民も、沖縄の『怒り』から目をそらし、『日本問題』『ヤマトゥ問題』から逃げている。なんと卑怯なことか。」(「消された争点 目取真俊 海鳴りの島から 2010年7月1日付)
「普天間基地問題」をメディアが継続して報道していたならば、私は「今回の民主党大敗」はさらに大きなものになっていただろうと思います。そういう意味では民主党はメディアに救われているのです。そうした視点が失礼ながら○○さんには欠けている、と私は思います。
あなたは「マスメディアが日本の政治を壊している」、また「しかし、政治家の側も弱すぎる」とも言われます。
お尋ねしたいのですが、「マスメディアが日本の政治を壊している」とは民主党政権の政治のことを指しているのでしょうか? そうであるのならば、私は、民主党政権の政治=日本の政治というのは少し以上にミスリーディングな等値式というべきであり、かつ「『最低でも県外』と首相自ら公約しながら県民の心を8カ月間ももてあそび、『辺野古現行案』に回帰するという公約違反の裏切り行為」(琉球新報社説、2010年6月1日付)に及んだ民主党政権は「壊」れて当然だった、まだまだ「壊れる」べきだったとも思います。
また、「政治家」という表現もミスリーディングな表現というべきだと私は思います。この場合は文脈から民主党の政治家という意味になるのでしょうが、そう書かずにあえて単に「政治家」というとき、民主党の政治家の非を他の政党の政治家の非に転化することにもなりかねません。一般論ではほんとうの批判にはなりえないように思います。
以下は、あるMLで堤未果さんという少壮のジャーナリストを評価する向きの発言がありましたので、その発言に否を唱えた私の応答です。
堤未果さんは一昨年の国会での国籍法改正審議の際に同法改正に反対する「アホウヨ」まがいの実にくだらない意見を東京新聞に発表しています。彼女の左記の発言の全文とその意見のあまりの「ばかばかしさ」についてはmacskaさんのブログに適切な指摘があります。
「参議院議員の川田龍平さんのパートナーで『ジャーナリスト』の堤未果さんが、11月30日付けの東京新聞に国籍法改正についてのコラムを掲載している。全体を読まないとそのばかばかしさが十分に分からないと思うので、以下に全文引用する。」
http://d.hatena.ne.jp/macska/mobile?date=20081209§ion=p1
http://d.hatena.ne.jp/macska/20081201/p1
さて、あなたが好尚するネット上では堤未果さんの人物評について次のような意見も散見されます。
「堤未果っていう人の考えていることがよく分からない。アメリカでの貧困の告発をする彼女と、日本のネトウヨまがいの連中に賛同してしまう彼女が、同じ人格の中で同居しているのが、よく分からない」(雲さんTwilog 2010年7月15日付)。また、左記のTwilogによれば堤未果女史はどうやら「夫婦別姓合法化」にも反対している様子でもあります(ウラはとれていません)。
川田龍平氏が新自由主義とポピュリズムの政党であるところのみんなの党に鞍替えしたことにはかつての仲間内からも批判は多いのですが、その批判の中には堤未果さんの川田氏に対する負の影響を指摘する人も少なくありません。私としてはプライベートにわたる点もあり、事実を根掘り葉掘り確かめるのも気が引ける話なのでうわさ話の程度に聞き置いていますが、上記の東京新聞上の彼女の論を読むにつけそのうわさ話(ほんとうは川田夫妻をよく知る確かな人の話でもあるのですが)にかなりの信憑性を感じているしだいです。
それにしても堤未果さんが『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書。同著は30万部を超えるベストセラーになりました)など何冊かの本を出しただけで、確かな批評眼もなく一部に彼女を持て囃す風潮がありますが、正直なところ私はうんざりさせられています。
本来「革新」の言説を発信する媒体であるべきメディアが逆に大マスコミの論調に巻き込まれた「論」を展開し、その「論」のまやかしに気づかない読者を拡大しているという逆説が横行しているというのが残念ながらいまの護憲・革新陣営の現状です。
上記の現象もその一例のように私には見えます。
http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-3e07.html
http://mitsui.mgssi.com/terashima/nouriki0710.php
http://www.csdemocracy.com/ronkou/yamaguchi080301.html
http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-25.html
http://www.jlp.net/syasetu/020615b.html
■寺島実郎氏のグローバリズム批判(下)(水野杏介 2002年6月25日)
http://www.jlp.net/syasetu/020625b.html
が私の確証です。
・谷亮子(民主・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 無回答
選択的夫婦別姓 無回答
永住外国人地方選挙権 無回答
取り調べの可視化 賛成
・山谷えり子(自民・現職) 〔毎日新聞アンケート回答〕
全問未回答
・高階恵美子(自民・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 非該当
永住外国人地方選挙権 非該当
取り調べの可視化 反対
・佐藤ゆかり(自民・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 賛成
・片山さつき(自民・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 反対
・三原じゅん子(自民・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 賛成
・西村正美(民主・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
全問未回答
〔民主派〕
・福島瑞穂(社民・現職) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 賛成
永住外国人地方選挙権 賛成
取り調べの可視化 賛成
・田村智子(共産・新人) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 賛成
永住外国人地方選挙権 賛成
取り調べの可視化 賛成
・蓮舫(民主・現職・東京) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 無回答
選択的夫婦別姓 賛成
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 賛成
・安井美沙子(民主・新人・愛知) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 非該当
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 反対
・島尻安伊子(自民・現職・沖縄) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 賛成
・猪口邦子(自民・新人・千葉) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 反対
・上野通子(自民・新人・栃木) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 賛成
選択的夫婦別姓 反対
永住外国人地方選挙権 反対
取り調べの可視化 反対
・竹谷とし子(公明・新人・東京) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 非該当
選択的夫婦別姓 賛成
永住外国人地方選挙権 賛成
取り調べの可視化 賛成
・徳永エリ(民主・新人・北海道) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 無回答
永住外国人地方選挙権 賛成
取り調べの可視化 賛成
〔民主派〕
・林久美子(民主・現職・滋賀) 〔毎日新聞アンケート回答〕
憲法9条改正 反対
選択的夫婦別姓 賛成
永住外国人地方選挙権 賛成
取り調べの可視化 賛成
「やはり、選挙戦で消費税率の引き上げを持ち出すのはタブーだったのだろうか。(略)民主党内では消費税を持ち出した菅首相の責任論が出ており、9月の党代表選に向け『反小沢対親小沢』の対立が再燃しそうだ。」
■参院選 民主敗北―2大政党にさらなる責任(朝日新聞社説 2010年7月12日)
「鳩山前政権の度重なる失政が影を落とし、消費増税での菅首相の説明不足や発言の揺れが大きく響いた。」
■参院選民主敗北 バラマキと迷走に厳しい審判(読売新聞社説 2010年7月12日)
「民主党の最大の敗因は、菅首相の消費税問題への対応だ。(略)首相の方針に対して、民主党内から公然と批判が出るなど、党内不一致も露呈した。」
経済評論家の森永卓郎氏の「どこに投票すればよいのか分からない参議院選挙」(マガジン9(条)2010年7月7日付)という小文が一部の人たちにもてはやされています。この〈一部の人たち〉とはいまの『マガジン9(条)』の(少なくない)読者と言い換えてもよいかもしれません(私自身も『マガジン9(条)』講読登録者のひとりですが、『マガジン9』という媒体(メディア)の「政治を見る」視力の鈍化と低下は目を覆わんばかりのものがあります。それに輪をかけた読者の視力の低下・・・。もはやなにをかいわんや、というのが同誌の陥っている現今のありさまでしょう)。
核密約の存在が明らかになった、これが政権交代の果実だから当分民主党に、という意見を先日聞きました。でも実際には岡田外相は野党時代に約束した、密約追求をごく一部しか行いませんでした。
東郷氏が作成した58の赤ファイル文書のうち3つしか外務省の調査チームは確認しなかったため、つまりあと55の文書は、おそらくはもう二度と追求されないまま、見過ごされてしまうことになります。誰かが処分したのなら、そこを追求すべきですが、外務大臣には、そうする意図もなさそうです。
これは密約をごく一部だけ認め、大半は隠匿したままにする、悪質な官僚的やり方だと私は思います。文書の処分などしておらず、どこかに隠している可能性もあるでしょう。
地位協定についても、改善する気もないです。米軍が基地外で訓練をするという、地位協定違反を現に沖縄で行っていても、岡田外相は「ケースバイケース」で対応する、と主権国家の法治主義を明確に放棄しました。
「沖縄海兵隊 世界各地で軍事行動 赤峰議員が「抑止力」論批判」(2010/5/14)
http://www.jcp.or.jp/movie/10mov/20100515/index01.html
民主党がこのように保守反動化したように見える、その理由は、鳩山政権の誕生以来、米国がこれでもかと、その筋の論客を送り込み、それらの論客と日本の官僚とマスコミ、そしてオバマ自身により、民主党のリーダーたちを威嚇・洗脳してしまったからであるのは明らかですが、それ以前にやはり民主党の中核部分のカラーが、党内のいわゆるタカ派、とくに「松下政経塾OB」のそれであるからでしょう。
つまり民主党の今のリーダーたちや、その後継者たちの誰が党首になっても改憲派であるのですから、選挙後に起こることとしては、消費税がメインになるのではなく、実は非核三原則・武器輸出三原則の緩和、そしてその後の改憲手続きのはずです。だから「マシ」ではなく、(自民の政策に)「増し」なのでしょう。
それを考えれば平和市民にとっては、今度の選挙で風を起こす必要がありましたが、どこも風など起こっていないようです。でも民主は伸び悩むと、なぜか思います。その理由は、菅直人政権誕生直後の内閣支持率50数パーセントに現れている、鳩山政権誕生時との「温度差」です。菅内閣誕生直後の政権への支持率回復は、沖縄問題のことではないと思います。小沢さんを切ったからでしょう。
一方で、あの9万人を集めた沖縄集会にも関わらず「日米基軸」と言い切った今の首相が、沖縄県民はむろん日本国民を幸福にできるわけがない、と醒めた見方がどこかにあるはずです。
(グアム移転費用+辺野古基地建設費用が、日本国民の不幸を増大させるわけですから。)
つまり市民運動(というより学生運動のようですが)の出自を自負しながら、あのように「変節」できる現実主義者を、市民はどう信用できるでしょう? その変節を認めれば、今後出現するかもしれない市民運動出身の政治家は、政権をとれば変節するものだ、との諦観を、平和市民は受け入れざるを得なくなります。
対米従属に変節した菅さんの裏切りに対し、昔市川房枝を担いだ東京の市民運動は、今ひそかにリベンジを考えているでしょう。むろんこの選挙区でもリベンジが必要です。(未だに社民と民主が共闘していそうですが、そうであればどういうことでしょう。)選挙のときしかそれができないので是非、その力を使いたいところです。
だから参院選挙では微妙な議席数になるのではないか、と私は思っていますがどうでしょう。
こころの時代『50年たっても・・・』
ゲスト: 沖縄県うるま市立宮森小学校校長 平良嘉男さん
元・宮森小学校教員 新里律子さん
1959年6月30日、沖縄県石川市(現・うるま市)の住宅地に米軍機が墜落し、17人が亡くなりました。住宅地に墜落したあと、隣接する宮森小学校に激突し炎上したことにより、死者のうち11人は宮森小学校で学んでいた子どもたちでした。/平良嘉男さんは、事故当時7歳、宮森小学校の2年生でした。2008年から母校の校長を務めています。/『地域の歴史のなかで起こった事故です。50年たっても、その時の心の傷に苦しんでいる人々がいます。わたし自身、卒業後は長い間学校に足を踏み入れることが出来ませんでした』と、平良さんは語ります。/新里律子さんは、事故当時28歳、宮森小学校の教員でした。4年生の担任として、生徒を守れなかったことに苦しみ続けてきました。/お二人は、その体験を全国の人々に知ってほしいと証言を続けています。いま、なぜ全国の人々にこの事実を知ってほしいと願うのかを伺います。
参議院選挙のまっただ中だ。しかし、鳩山退陣、菅内閣誕生によって、普天間基地問題は選挙の争点から消された。一ヶ月前までのヤマトゥの大手メディアの報道は、しょせんは鳩山首相を追い詰めて『県外移設』を潰すためのものでしかなかった(大半は)。政治家やメディア関係者に限らず、『沖縄問題』を語るヤマトゥンチューのうち、それが実際には日米安保の負担を沖縄に集中させている『日本問題』『ヤマトゥ問題』であることを自覚し、その解決のために取り組んでいる人はどれだけいるか。(略)案の定、鳩山退陣とともに関心も一気に減少し、元に戻った。だが、問題は何も解決しないままだ。むしろ先送りして当面をしのぐことで問題はさらに悪化する。普天間基地問題を参議院選挙の争点から消すことで、政府も大手メディアも無関心なヤマトゥの国民も、沖縄の『怒り』から目をそらし、『日本問題』『ヤマトゥ問題』から逃げている。なんと卑怯なことか。
琉球朝日放送(QAB)は沖縄・「宮森小」事件から50年の昨年の7月22日深夜0時35分からテレメンタリー2009「忘れたい 忘れてほしくない?宮森小 米軍機墜落事故から50年?」を放送しましたが、本エントリーアップ後、そのビデオ映像をYou Tubeで観ることができることを知りました。以下に同映像のURLを追記しておきます。とてもよいドキュメンタリーだと思います。
■忘れたい 忘れてほしくない?宮森小 米軍機墜落事故から50年?(2) 8:01
■忘れてほしくない?宮森小 米軍機墜落事故から50年?(3) 8:00
4 なお、今回の「先送り決定」がとられたのは、朝鮮民主主義人民共和国の拉致問題に対する制裁措置の実施等を理由として、政府内で朝鮮高級学校を除外すべきとの主張が出されたためとの新聞報道等があります。しかし、朝鮮半島にルーツを持つ子どもたちの学ぶ権利を、このような政治的理由により左右することは許されません。
■高校無償化:「朝鮮学校も無償化を」県弁護士会が会長声明/愛知(毎日新聞 2010年7月1日 地方版)
同委員会の有志メンバーは4月に同校で授業見学や生徒たちと懇談している。声明文は「子どもたちには憲法などにより普通教育及びマイノリティー教育を受ける学習権が保障されている。無償化対象からの排除は平等原則に違反する。人権侵害で容認できない」と指摘している。
会見で女子生徒が「授業料は高く、母は仕事をしながらバイトを掛け持ちしている。この問題が残念で、悲しくなってきた」と話した。また男子生徒は「平等に適用することは差別のない平等な日本社会にするためにも必要」と訴えた。
文部科学省が4月に告示した無償化対象の外国人学校は、インターナショナルスクール17校などで、朝鮮学校は入らなかった。朝鮮学校が対象となるかは、文科省が設けた専門家らによる検討会議の結果をふまえるとされている。【岡村恵子】
■小金井市議会「高校無償化」制度の朝鮮学校への適用を求める意見書 2010年3月3日可決
(賛成会派:共産党、民主・社民、市民会議、みどり・市民ネット。反対会派:自民党系。退席:公明党)
■八王子市議会 朝鮮学校を「高校無償化」から排除しないよう求める意見書 2010年.3月26日可決
■三鷹市議会 「高校無償化」に関する意見書 平成22年3月29日可決
(賛成会派:民主党、共産党、公明党(一部)、にじ色のつばさ。反対会派:政新クラブ、公明党(一部))
■宇治市議会 高校授業料無償化制度から朝鮮学校を排除しないことを求める意見書 2010年3月31日可決
(賛成会派:共産党、公明党、社会党、新世、無会派。反対会派:民主党、自民党)
■札幌市議会 朝鮮学校も対象にした高校無償化実施を求める意見書 2010年6月10日可決
(賛成会派:民主党・市民連合、公明党、共産党、市民ネットワーク北海道、改革維新の会。反対会派:自民党)
■小平市議会 朝鮮学校を高校無償化から排除しないことを求める意見書 2010年6月29日可決
(賛成会派:公明党、フォーラム小平、生活者ネットワーク、共産党、市民自治こだいら。反対会派:政和会)