キョウ さつき63

Blog「みずき」:マティスですら、かかる認識(Blog「みずき」注:「北朝鮮情勢、かつてなく『楽観的』」というマティス発言)を示さざるを得ない南北の見事な協調——。世界で最も愚昧な日本国の政府は「宗主国」国務長官の見解との整合性を、どう、つけるのか。いかなる言葉をもっても批判し足りない低劣な政権と、民生を根こそぎ奪われつつ、それを許容する「主権者」大衆。このたびの文在寅大統領の発言で印象に残った1つが〝頓挫と後退が繰り返されたのは、重要な展開が心ある歴代大統領の任期後半だったから。自分はまだ任期1年目。在任中に必ず結果を出せる〟という趣旨のそれ。真の為政者とは「任期」をかくも大切に、民の負託に応えるべく迅速・誠実に行動するもの。若い世代に、こうした「希望」をもたらすのが、真の政治。そして、差別と抑圧に曝されながら、かくも真摯な魂を育んできた人びと……。あまりにも、次元が違いすぎる。もはや〝取り残される〟どころでは済まぬ、人間として根本的に崩壊したものがあるのは明らか。この度し難い、私たちの国には——。(山口泉Twitter 2018年4月30日)

【山中人間話目次】
・なんと美しい笑顔。若い世代に、こうした「希望」をもたらすのが、真の政治ではないか――南北首脳会談:「春が来た」新宿でパレード - 毎日新聞
・これで南北中の朝鮮戦争の終結宣言と平和協定の締結のための三者連携の下準備はほぼ完了したと見てよいでしょう――キム委員長「非核化の実現揺るぎない」 中国外相と会談 NHKニュース
・対して、この時期にわが国の愚かな首相のなしていること。許しがたいのは、こうした言うも愚かな愚行に血税が浪費されていること。そのバカ宰相にまだ30パーセントもの愚鈍な支持があること
・なぜ、事実を認めるのに「調整」が必要なのか???――中東訪問に同行 柳瀬氏 ニュースウォッチ9
・憲法と日本人~1949-64 知られざる攻防~ (NHK 2018年5月3日放送)――この番組は安倍政権の子飼化しているNHK政治部ではなく、同社会部の手によって製作されている
・NHKの番組からもう1本。アナザーストーリーズ 運命の分岐点「革命家チェ・ゲバラが見た夢」 (2018年5月1日放送)と太田昌国さんの番組評
・「三田村鳶魚「車人形と説経節」を読む。メモ」からを続ける。姜信子の静かな語りを聴こう。やがて、そこから現れるものがあるはずだ
キョウ さつき55

Blog「みずき」:トランプと金正恩の米朝首脳会談はおそらく「3、4週間後」にはある。トランプ自身がそう言っている。日本時間の今日の未明、トランプはホワイトハウスでの記者会見で米朝会談が板門店で開かれる可能性について「とても可能性がある。興味深い考えだ」。「今日、その考えを打ち出した。文大統領にも話したし、文大統領を通じて、北朝鮮にも伝わっている。私はこの案が好きだ」と述べたという。昨日、米政府当局者談として会談の候補地をジュネーブとシンガポールの2か所に絞り込んでいるという報道があったばかりだが、時期的に見ても、発言者のレベルから見ても、トランプの語っているところに信憑性はあるだろう。原武史がこの会談について「昭和の終わりが東西冷戦の終結とほぼ重なっていたように、平成の終わりが東アジアの「冷戦」の終結と重なることはあるのだろうか」という原らしい着眼点の感想を述べている(原武史Twitter 2018年4月30日)。おそらくそういうことになるだろう。小林秀雄はかつて「歴史とは、人類の巨大な恨みに似ている。歴史を貫く筋金は、僕らの愛情の念というものであって、けっして因果の鎖と言うようなものではない」(「無常であること」)と書いたが、歴史の変化というのは思いがけない。私たちはいま、その思いがけない歴史の巡り合わせを目撃しようとしている。

【山中人間話目次】
・原武史が「昭和の終わりが東西冷戦の終結とほぼ重なっていたように、平成の終わりが東アジアの「冷戦」の終結と重なることはあるのだろうか」と述べているが、おそらくそうなる。私たちはいま、思いがけない歴史の巡り合わせを目撃しようとしている
・浅井基文さんの「金正恩の「失われた11年」という発言は2007年の金正日と盧武鉉の首脳会談で合意された諸事項が内(李明博、朴槿恵両政権)及び外(朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけたブッシュ政権など)の事情によって実現を阻まれたことを指している」という指摘は重要です。
・この坂井定雄さんのトランプの「イラン=米英仏ロ中独6か国核合意崩壊」政策と今回の米朝首脳会談の設定は実のところ密接不可分の関係にある、という指摘だろうと思います
・加藤哲郎さんの今月の政局、国際情勢時評。「世界史は動いた! 日本の歴史認識が問われている!」。朝鮮半島の南北統一は「30年近く前の欧州冷戦崩壊・東西ドイツ統一の歩みとは、相当異なる形をとり・・・」という指摘は示唆的です
キョウ うづき105

Blog「みずき」:昨日の南北首脳会談について、米大統領のトランプは「KOREAN WAR TO END! The United States, and all of its GREAT people, should be very proud of what is now taking place in Korea!(朝鮮戦争は終結に!米国とその偉大なるすべての国民は、いま韓国(朝鮮)で起こっていることをとても誇りに思うべきである!)」とツイートした(Donald J. Trump Twitter 2018年4月27日)。

一方、日本のメディアのFNNは、昨日、その米政府側の意志として、安倍政権サイドからと思われる「米『米朝会談決裂すれば“北”攻撃』と日本に説明」というリーク記事をわざわざ報道している(フジテレビ 2018年4月27日)。同記事によれば、同発言は先週行われた日米首脳会談の「アメリカ側の出席者」というもので、どのレベルの意志なのか、発言なのか。漠然としすぎていてその真偽はわからない。フェイクニュースと言ってよい。政府によってメディアが踊らされている(世論操作の前のメディア操作の)図だ。そこには政府の矜持はもちろん、メディアの矜持もない。あるのは底なしの政府とメディアの劣化だけだ。これが私たちの国の姿である。


【山中人間話目次】
・昨日の南北首脳会談について、米大統領のトランプは「朝鮮戦争は終結に!米国とその偉大なるすべての国民は、いま韓国(朝鮮)で起こっていることをとても誇りに思うべきである!」とツイートした。が・・・
・日本のテレビ局スタジオに居並ぶニュース・キャスターやコメンテーターの発言には、おしなべて、ふたつの問題があった――太田昌国のコラム:南北首脳会談報道に欠けていること
・沖縄からの発信だからこその根源的で説得力のある琉球新報社説です――朝鮮半島の恒久平和実現は、沖縄が担わされてきた基地の過重負担に変更を迫ることを意味する
・在日朝鮮人詩人の金時鐘さん。ここにも南北首脳会談で両首脳が並んで共同宣言を発表する姿に感動して涙がとまらなかった人がいた
・「首相が信頼できない」が急増し、2回連続で過去最高を更新 / 読売新聞世論調査――はる/みらい選挙プロジェクトTwitter 2018年4月27日
キョウ うづき99

Blog「みずき」:文在寅と金正恩の南北首脳会談は戦後の朝鮮半島の歴史に画期的な一ページを加えて成功裡に終わった、と私は思います。

「南北首脳がパンムンジョム共同宣言を発表する時、私は感動して涙が止まらなかった。」(鄭玹汀FB 2018年4月27日)

在日韓国人研究者の鄭さんは「明日の首脳会談、晩餐のピョンヤン冷麺が食べたい。私の親は、ピョンヤン出身だから、外食はいつも冷麺。母が作ってくれた冷麺も美味しかった!世界で一番美味しい食べ物は冷麺だと、私の頭に注入されている」(同26日)と言う。

これが在日を含む朝鮮半島に在(アイデンティティ)を持つ人々のふつうの感覚ではないか。

それをNHKはインターネットでも南北会談の同時中継をしていましたが、記者、解説者も含めて何度も何度も「北朝鮮はこれまでにも何度も約束を破ってきた」という「嫌北」調と言ってよい文句を繰り返す。パンムンジョム共同宣言についても、「「北朝鮮の非核化」ではなく「朝鮮半島の非核化」であり、非核化までの手順、ロードマップもなかった。金委員長の所見発表内にも非核化言及なし」( 佐藤正久Twitter 2018年4月27日)とあの自衛隊の武力行使推進(駆けつけ警護)論者のヒゲの隊長と同質の「嫌北」解説を繰り返し、世論をミスリードする。

このNHKの「嫌北」解説について適切な反論となっている浅井基文さん(元外交官、元広島平和研究所所長)の所論を再掲しておきます。NHK的な(「安倍的」と言ってもいいでしょう)「嫌韓・嫌北」ヘイトの論に欺かれてはなりません。

『韓国、中国、ロシアはもちろん、EU、イギリスも上記第二の点について高く評価する声明を発表しました。トランプ大統領もツイッターで歓迎する言葉を発しました。ところが、アメリカ及び日本国内では、「北朝鮮はこれまでにも約束を破ったことがある」として、今回の朝鮮の発表を懐疑的に受け止める向きが多いのが実情です。しかし、このような受け止め方はまったく的外れです。「北朝鮮はこれまでにも約束を破ったことがある」という受け止め自体も実は大きな問題がある(これらの懐疑的見方は、米朝枠組み合意及び9.19合意を朝鮮が「破った」という断定、あるいは、かつて金正日が冷却塔を爆破しておきながら核開発は継続したという一方的断定に基づいていますが、これらの断定については議論の余地が大きい)ことについては、ここでは立ち入りません。(略)過去における朝鮮の約束・行動は、いうならば金正日の一存で行われたのですが、今回の決定は金正恩の独断ではなく、朝鮮の最高意思決定機関である朝鮮労働党中央委員会総会の全会一致の決定です。』(浅井基文のページ 2018.04.22)

浅井基文さんは「今回」と「これまで」はまったく性質の違う問題であることを無視して論を立てている。「まったく的外れ」だとNHK的な論を批判しているのです。また、「非核化」の問題についてもNHK的な論を次のように批判しています。

『今回の決定は非核化について触れていないという軽率を極める批判が出ていますが、非核化について触れていないのは当たり前です。この問題は正にこれからアメリカを相手に交渉する事柄であり、朝鮮がボトム・ラインとする休戦協定の平和協定への転換及び米朝国交正常化にアメリカが応じる場合にのみ、朝鮮も最終的に非核化するということであり、その点については金正恩と直接交渉したポンペオ(したがってトランプ)も当然認識しているでしょう。』(同上)


【山中人間話目次】
・文在寅と金正恩の南北首脳会談は戦後の朝鮮半島の歴史に画期的な一ページを加えて成功裡に終わった、と私は思います――「完全な非核化通じ核のない朝鮮半島を」 南北首脳が共同宣言 NHKニュース
・今日は当然、文在寅と金正恩の南北首脳会談が最重要かつ最注目のニュースとして脚光を浴びるだろう。会談を前にして当たらずとも遠からずの「アメリカの「裏方」をアピールする南北朝鮮の本心は?」と題されたニューズウィークの評論をあげておきたい
・浅井基文さん(元外交官、元広島平和研究所所長)の5月に予定されている米朝首脳会談に関わってトランプを一面的に評価してはならないとするトランプ認識に関するわれわれへの警鐘も重要です
・南北会談は順調に滑り出している――お目にかかれてうれしいです。はやる気持ちを抑えられませんでした
・平壌日記(日本人ジャーナリストによる北朝鮮の最新情報)「歴史的な南北首脳会談の影で日本は?」から。安倍は何度断罪してもし足りない
・安倍政権が続く限り、この「人殺し」ともいえる苛斂誅求政策はやまないでしょう。人非人のアベは倒すほかない。でないと、私たち貧乏人はアベに殺される。これは誇張ではない。
・こうした情報採取のひとつひとつの積み重ねがシリア・アサド政府とロシアのフェイクを暴いていきます。シリア問題について正しい認識を得るためには日本のマスメディアでは報道しないこうしたひとつひとつの情報採取の積み重ねが不可欠です
・早尾貴紀さん(東京経済大学教員)の「希望のディアスポラ――移民・難民をめぐる政治史」第三回 「「棄民」か「棄国」か――出ニッポンの今・昔」
 キョウ やよい36

Blog「みずき」:『最後に、発表文(注:韓国側が発表した「特使の訪朝結果に関するメディア発表文」)をそのまま鵜呑みにすることには問題があることを指摘しておきたいと思います。特に私が不自然と思うのは、発表文第5項にある、「対話が続く間、北側は追加核実験および弾道ミサイル試験発射など、戦略挑発を再開しないことを明確にした」における「戦略挑発」という文言です。朝鮮が核実験やミサイル発射実験を行ってきたのは自らの安全を確保するためであり、「戦略挑発」と認識していることはあり得ない(「挑発」と捉えるのは米日韓の勝手な言い分であるし、まして朝鮮が「戦略」的に「挑発」してきた、とする考え方に金正恩が同意するはずはない)わけで、そういう表現を使うことに対して金正恩が事前に了解を与えているとはまず考えられません。また、金正恩は米韓合同軍事演習をこれまでどおり行うことにも理解を示したとされている点についても、すでに述べたとおり、発表文には何の言及もなく、青瓦台の関係者の発言として紹介されているだけです。特に、「例年の水準」がどの程度のレベルを指すかは明確でなく、したがって、演習の規模・内容によっては一波乱も二波乱も起こり得るのです。このように見てくると、韓国側の発表をすべて額面どおり受け止めて良いのかどうかについては慎重に判断する必要があると思います。このことを強調するのは、韓国側発表を鵜呑みにすると、今後、朝鮮がその発表どおりに行動しない場合、再び「だから、朝鮮のいうことは信用できない」式の感情的反発が噴出し、せっかくの画期的可能性を持つ今回の出来事が「うたかたの夢」扱いで終わらされてしまう危険があるからです。』(浅井基文「21世紀の日本と国際社会」2018年3月8日)

【山中人間話目次】
・朝鮮半島情勢を読む(6)――浅井基文さん(元外交官、政治学者)の「南北関係の新展開-成果と課題」
・朝鮮半島情勢を読む(5)――トランプ大統領がキム委員長と会談する意向 韓国特使が発表
・承前――内戦によって連日激しい空爆下に晒されているシリア情勢を正しく理解し、読み解くために
・これは戦後最大級の涜職事件に発展するだろう。まるで映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のような展開
・「森友問題決裁文書改竄」問題に関して大きな動きがありました――国税庁 佐川長官の辞任や森友疑惑のキーマンの自殺のことなど
キョウ きたちょうせん
日本海に展開する米空母「カール・ビンソン」

Blog「みずき」:韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は本日14日、朝鮮(北朝鮮)が同日早朝に弾道ミサイル1発を発射したことをうけて緊急の会見を開き、「国連安全保障理事会の関連決議に明白に違反するだけではなく、韓半島(朝鮮半島)はもちろん、国際平和と安全に対する深刻な挑戦行為だ」とし、また、大統領の就任式で朝鮮半島の平和定着のために、自身ができるあらゆることをすると述べた点に自ら触れた上で、「それにもかかわらず今回の挑発が韓国の新政府が発足してわずか何日も経たない時点に行われた点で、北の無謀な挑発に対して深い遺憾の意を表し、同時に厳重に警告する」と述べたと言います。さらに「北韓(北朝鮮)との対話の可能性を念頭に置いているが、北韓が誤った判断をしないように挑発に対しては断固たる対応をしなければならない」と指摘。「対話が可能になっても北韓の態度に変化がある時にはじめて可能であることを示さなければならない」とも述べ、軍に対しては引き続き警戒態勢をとり、外交当局には米国など関係国と必要な措置をとるよう指示したと言います(朝日新聞 2017年5月14日)。

さて、上記の朝日新聞記事を含めて日本のメディアはこの文在寅発言に理があるがごとく報道していますが、ほんとうにそうか? 先に過去最大規模(金正恩委員長の「斬首作戦」を含む)と言われる米韓合同軍事演習など北朝鮮に対して挑発を仕掛けてきたのは米韓の方ではなかったか? そうした事実を無視して「北の無謀な挑発」のみを一方的に問題視するのは果たして理のある発言と言えるか?

昨日のFB記事でも述べましたが、文在寅は新大統領就任式で発表した国民向けメッセージでもすでに慶尚北道星州(ソンジュ)に一部配備されているTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題を含めて「韓米同盟をさらに強化する」とも述べています。

さらに文在寅には、ひとつ前の記事でも紹介したアメリカの朝鮮近現代史研究の第一人者であるブルース・カミングスが指摘している「韓国に数百の核兵器が配備された1950年代にさかのぼり、北朝鮮は、アメリカの核兵器による体系的な恐喝を受けてきた世界で唯一の国だ。北朝鮮政府が核の抑止力を求めることに何の不思議があるというのか?」という視点も、「3月にソウルを訪問したレックス・ティラーソン国務長官は、北朝鮮には、合意を次から次に破ってきた歴史があると主張した。実際には、ビル・クリントン大統領が、1994年から2002年まで8年間、プルトニウムの生産を凍結させた。さらに、2000年10月には、すべての中距離および長距離ミサイルを買い上げるという交渉が、仲介者を介してまとまりかけていた。クリントンはまた、チョ・ミョンロク(趙 明禄)との間で、両国は今後互いに「敵対的な意図」を抱かないとする合意に署名していた。ブッシュ政権は、即座にこれらの合意を無視し、1994年の凍結の破棄に乗り出した。ブッシュが北朝鮮を「悪の枢軸」とし、2002年9月にイラクと北朝鮮に向けた「先制攻撃」論を発表した。クリントンの合意が持続されていたら、北朝鮮が核兵器をもつことはなかっただろう」という視点もないようです。


上記のとおり文在寅新大統領のこれまでの発言や思考方法を検証してみると、同大統領の北朝鮮弾道ミサイル発射に関して述べた「韓国政府はこれを強く糾弾する」という声明を理のあるように報道するわが国メディアの報道姿勢はそれこそ「理のあるもの」とみなすことはできません。 


【山中人間話目次】
・文在寅(ムンジェイン)大統領の「無謀な挑発に深い遺憾」という北朝鮮批判は的を射ているか?
・ブルース・カミングス(シカゴ大学教授、朝鮮近現代史)の論を援用した大竹秀子さんの安倍政権の「北朝鮮バッシング」批判に同意する
・まるで絶対王政=絶対天皇制の時代にでもワープしたかのような信じられない法律案――天皇の退位等に関する皇室典範特例法案
・夏目漱石自筆の「吾輩は猫である」単行本の印税領収証(「漱石 生誕百五十年を記念して」展、東京神田)
キョウ しゅうきんぺい

Blog「みずき」:朝鮮(北朝鮮)と中国の軋轢について。 中国の習近平のトランプのお先棒担ぎは甚だしく愚劣なところまで進行しており、習近平はついにはトランプのつくられた「北朝鮮脅威」説にまで加担し、「血を分けた友誼」の関係にあった朝鮮(北朝鮮)から激しく名指し批判されるまでに到っていますが(「北朝鮮 中国を異例の名指し批判 米に同調し圧力」 NHKニュース 2017年5月4日)、元外交官で政治学者の浅井基文さんによれば、中国にもそうした習近平の愚行をよしとしない「朝鮮の立場に深い理解を示す」相応の地位にいる論者や良心的な勢力はいるようです。

浅井基文さんは次のように言っています。

「5月2日付人民日報海外版WS(海外網)は、海外網コラムニストである千里岩文章「米韓に付き従って朝鮮を倒すことが中国にとって利益になるか 独立した意志を持つべし」を掲載しました。私にとってはかなり衝撃的な文章でした。といいますのは、このコラムで紹介してきた環球時報社説の主張とは、力点の置き所が明らかに違う内容の主張が、環球時報の姉妹紙である人民日報に、そのコラムニストの執筆で掲載されたからです。その内容はむしろ、私が度々紹介してきた、朝鮮の立場に深い理解を示す李敦球の考え方を彷彿させるものです。(略)しかも注目されるのは、千里岩文章が傅瑩(全国人民代表大会外事委員会主任)という公的見解を代表しうる立場にいる人物の文章(浅井注:私はまだ見つけていません)に依拠しながら議論を展開しているということです。米中首脳会談を受けて中国の対朝鮮政策が「変化」したことは明らかですが、その「変化」の程度・ニュアンスなど、対朝鮮政策のあり方については、環球時報が代表する主張の方向で完全に収斂されたとみるのは早計かもしれません。」

この5月3日に朝鮮中央通信に掲載された北朝鮮高官の金哲氏の中国批判(上記NHKニュース)はそうした中国国内の良心的な勢力によって反省的に受容される可能性は1や2の少ない可能性ではありません。北朝鮮情勢と中国情勢、さらにアメリカの政治情勢は複眼的視点で見る必要がありそうです。


【山中人間話目次】
・朝鮮(北朝鮮)と中国の軋轢について
・私たちの「国」の現在の位置 ――太田昌国さんの的確な安倍政権批判ないしは批評
・中野晃一上智大教授(政治学)の「正面突破で来るかもしれないが、民進党が最大野党で踏みとどまり、大きな力を作れるか。一人ひとりの気概が問われている」という安倍批判について
・「みどりの日」という実質的なもうひとつの天皇誕生日の日に思う
キョウ ぱくだいとうりょう2  
Blog「みずき」:韓国憲法裁 大統領の「弾劾妥当」決定。これは韓国の大衆の闘争の勝利といえよう。しかし、到達点でもないことは明らかだ。予定されている韓国大統領選のゆくえは明るいものではない。「韓国の次期大統領候補とされる有力政治家の多くは民主党の文在寅をはじめとしてTHAADの配備に賛成しており、今まで通りの「韓米日軍事同盟体制」にいささかの揺らぎもない」(Super Games Work Shop Entertainment 2017年03月10日)からだ。韓国の大衆闘争は今後この「韓米日軍事同盟体制」の虚を撃たなければならない。韓国の大衆はこの課題にどう立ち向かうことができるか、が今後問われることになる。そのことを抜きにして韓国の未来はない、というのが私の所見だ。

【山中人間話目次】
・韓国憲法裁 大統領の「弾劾妥当」決定。これは韓国の大衆の闘争の勝利といえよう。しかし、到達点でもないことは明らかだ
・韓国の市民たちよ。これでは低劣な小池百合子信者のごときではないか。日本と事情は一緒だ。何も変わりはしない、と
・中野晃一よ、冨永格よ。てめえらの有名人志向が伝染して(伝染される方もむろん悪い)回復不可能なまでにこの国の大衆運動を限りなく愚かしいものにしてきたのだ
・3・11の日に。いま、読んでおかなければならない、と思う記事。林智裕さん(フリーライター、福島在住)の乾坤一擲の記事
・日経が森友学園問題をめぐり3月4日―7日に実施したオンライン世論調査によれば安倍首相の支持率は36.1%で、前週の63.7%から急降下・安倍政権は内側からも崩壊がはじまっている
・それにしてもメディアのこのていたらくはなんだ。ここから見えるのはメディアのセレブ志向だけだ。ジャーナリストの眼はかけらもない。

【光州市民は全羅南道の道庁に篭り民主主義の松明を掲げ続けた】
36年前の1980年5月18日、光州市民は新軍部勢力の
「5・17非常戒厳全国拡大措置」に反対し、憲政破壊と民主化の逆行に抵抗して起ち上がった。全斗煥盧泰愚を中心とする新軍部勢力は、事前にデモ鎮圧訓練を受けた空挺部隊を投じてこれを暴力的に鎮圧したために、数多くの市民が犠牲となった。市民虐殺の契機となったのは、その年の5月21日、国防長官室で開かれた新軍部勢力指揮官たちの緊急会議だった。出席者は、イ・フィソン(参謀総長、戒厳司令官)、全斗煥(合同捜査本部長、保安司令官)、盧泰愚(首都警備司令官)、チョン・ホヨン(特殊戦司令官)などである。“光州市民の闘いが激しく鎮圧が容易ではない”との現地報告を受けた彼らは、出動した軍人たちに「自衛権の発動(発砲許可)」を決議する。自衛権発動の決定から約2時間後の同日午後1時、光州市クムナム路では戒厳軍が市民に対し一斉射撃を開始した。銃声が鳴り止んだのは午後4時だった。その日だけで、キム・ウァンボン君(当時中学三年生)ら34名が犠牲となった。自国民を躊躇なく虐殺する戒厳軍に対抗するため、光州市民は手に銃を取り「市民軍」が組織された。他地域の支援を得ることもできず完全に包囲され孤立した状況だったが、光州市民は全羅南道の道庁に篭り民主主義の松明を掲げ続けた。5月27日午前0時、戒厳軍の一斉攻撃を受け闘いは鎮圧された。10日間の闘いは夥しい犠牲をもたらした。政府の発表によっても、死者166人(傷痍後遺症の死者376人)、行方不明者54人、負傷者3,139人である。

長い間、光州市民の闘いは“北が扇動した暴動”“光州事態”などと罵倒され歪曲された。“暴徒”ではなく「市民軍」、“事態”ではない「民主化運動」として正当な評価を受けるまでには、光州という地域を超えた韓国市民社会の目覚めが必要だったし、苦難に満ちた民主化運動の進展を待たねばならなかった。その後、1987年の全国的な民主化抗争と文民政権(
金泳三政権)の登場を機に、1995年「5・18民主化運動などに関する特別法」が制定され、犠牲者に対する補償および犠牲者墓地の聖域化がなされた。また、1997年には「5.18民主化運動」を国家記念日に制定し、その年から政府主管で記念行事が開かれている。ところが、李明博朴槿恵政権のもとで極右勢力を中心に、歴史を修正し光州民主化運動の精神を貶めようとする動きが本格化している。5月18日、光州市で開催される記念行事に、朴槿恵大統領は今年も参加しなかった(3年連続)。そして、記念式典で歌われてきた「ニム(あなた)のための行進曲」の斉唱を引き続き禁止している。(略)

さらに看過できないのは、5月17日発刊の『新東亜』6月号に掲載された全斗煥のインタビュー記事だ。そのなかで彼は「あの当時、誰が国民に“発砲しろ”と命令するかね。馬鹿なことを言うんじゃないよ! 私は光州事態とは何の関係もない」と、白々しく
市民虐殺の責任を否定している。今も“光州事態”と呼んで憚らない彼の認識が、全てを代弁しているだろう。おそらくそれは、朴槿恵現大統領の歴史認識とも共通すると思われる。前述したように、「自衛権発動」という名目で市民への発砲を許可したのは彼らだった。誰よりも、当時の新軍部勢力で最高権力者だった全斗煥が発砲命令の責任を回避し、それが容認されている現状は、36年を経た今も「5.18光州民主化運動」の真相究明がなされていないことを如実に示している。(略)

「ニム(あなた)のための行進曲」のフレーズにあるように、歳月は流れても山河は覚えている。「光州民主化運動」を“光州事態”と歪曲し、「市民軍」を“暴徒”と罵倒する輩が、今も白昼堂々と“愛国者”として振る舞う状況を座視してはならない。真相を究明して責任者を断罪することでしか、真の名誉回復は達成されないからだ。(
三千里鐵道 2016年05月19日
キョウ ていこくのいあんふ2
28日、東京大学駒場キャンパス国際交流ホール

Blog「みずき」:下記記事中の発言で
西成彦立命館大教授は「(慰安婦が)日本軍の『慰安婦同志』だった可能性を言語化することを全面的にタブー視する状況になった」と述べていますが、当時の朝鮮人は大日本帝国に併合された日本に従属する被併合国の民でしかありません。それを「同志」という言葉でさも対等であるかのように結びつけるのは明らかに認識の誤りというべきでしょう。学者として失格といわなければなりません。

【それでも「朴教授に対する検察の起訴は過ちである」と私も思う】
「結局、この本は、日本軍『慰安婦』問題に対する日本の責任を極度に最小化し、戦後日本が行ってきた努力を過大評価している。このようなイメージを求める日本のマスコミの欲望に問題がある」(
チョン・ヨンファン明治学院大学教授)
キョウ げんしりょくくうぼ
釜山に入港したジョン・C・ステニス=13日、釜山

【この「演習」という名の侵略戦争に反対しない理由はない】
北朝鮮、重ねる軍事挑発 核は「心理戦」? 真の脅威は」(朝日新聞 2016年3月21日)

これではまるで北朝鮮が軍事挑発しているみたいではないか? 北朝鮮政府を擁護するつもりはないが、挑発しているのはアメリカ政府と韓国政府というのが事実だと思う。このアメリカの「演習」攻撃に、イラク戦争の時のような反対の声をあげないとヤバイと思う。朝鮮戦争反対❗(
森川文人 FB憲法九条の会 2016-03-21
キョウ ちょうせん

Blog「みずき」:これまで米欧と日本の為にするための北朝鮮バッシングを元外交官、政治学者として国連憲章の理念に即して厳しく批判してきた浅井基文さんの金正恩の先制核打撃論批判です。心して耳を傾けるべき問題提起であろうと思います。いうまでもないことですが、その人が誰であれ一為政者の手によって朝鮮全土を焦土化し、多くの無辜の民を死に導くようなことはあってはならないのです。理性の言葉が届くことを祈るのみです。

【金正恩の先制核打撃論は必然として朝鮮全土を焦土化させる】
朝鮮が核先制攻撃を公然と政策として打ち出したことに対しては、私としてはやはり根本的に同意できません。

第一にそしてなによりも重大なことは、朝鮮が先制核打撃を公然と主張することは、それが必然として導く朝鮮全土に対する米韓日による報復攻撃によって、首脳部はもちろん朝鮮全土が焦土化すること、すなわち無数の人々が犠牲になることと同義であるということです。(略)
山と川と風の話 
 
Blog「みずき」:鄭栄桓(チョン・ヨンファン)さんはいま、「必要なのはどのような言葉なのであろうか」と私たちに問います。しかし、そのように問われているのは、けっして安倍政権を支持する人たちではないでしょう。彼(彼女)らは、鄭さんによって批判されている「国民基金失敗の「教訓」を表面的にのみ学び、「被害当事者が受け入れられる解決」という言葉を逆手に取って、新たなマジックワード(「責任」)で本質的な対立を覆い隠そう」とする政権を支持している人たちだからです。では、私たちの誰が、そのように問われているのか。端的に言って、安倍政権と対峙しようとしている人たち、この国のいわゆる革新勢力の人たちに対してその問いは向けられているでしょう。しかし、現実は、その革新勢力の中枢に位置する政党(共産党、社民党)さえ今回の「合意」を「新たなマジックワード(「責任」)で本質的な対立を覆い隠そう」とするターム(まやかしの言葉)に乗せられて「一歩前進」などと評しています。しかし、それでも、「必要なのはどのような言葉なのであろうか」という問いは問われなければならないでしょう。だとして、いま、私たちにできることは、あるいは求められているのは、鄭さんの問いを真摯に受けとめようとする姿勢です。はじめの一歩を間違えた以上、私たちはそこから出発する以外ありません。
キョウ チョウシュン
長春の路面電車
 
Blog「みずき」:以下の大田英昭さん(東北師範大学教員)の論考は、私もこちらで同様の事態について多少の言及をしていますが、共産党の「右旋回」批判に関してより論理的、より説得的に論を展開されています。ほんとうは今年最後の「今日の言葉」としては来年度に希望のつながる言葉を紹介するべきところなのでしょうが、この国の政治革新のためにはこの重大な指摘を不問に附すことはできません。現実の事態を直視してこそ克服すべき課題も見出されるように思います。

(前略)

当事者である元慰安婦被害者の方々の思いを踏みにじる日韓両政府のこうしたまやかしの「合意」に対し、日本のマスメディアはどのように反応しただろうか。「両政府がわだかまりを越え、負の歴史を克服するための賢明な一歩を刻んだことを歓迎したい」(
『朝日新聞』12月29日社説)、「戦後70年、日韓国交正常化50年という節目の年に合意できたことを歓迎したい」(『毎日新聞』12月29日社説)、「ようやく解決の道筋ができた。一九九〇年代に元慰安婦の支援事業として取り組んだ「アジア女性基金」や、民主党政権時代に提案された救済案など、これまで蓄積された日本の取り組みが実を結んだといえよう」(『東京新聞』12月29日社説)。このように日本の「進歩的」(?)マスメディアが、日韓両政府の「合意」に軒並み「歓迎」を表明し、これまでの「日本の取り組み」を自画自賛しているのは、この国の言論状況の頽廃ぶりを示して余りある。(略)
キョウ ダイコンソウ

日本軍「慰安婦」問題に関する日韓外相会談に対する弁護士有志の声明
2015年12月30日

1 2015年12月28日日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は、日本軍「慰安婦」問題の解決に関する共同記者会見を行った。

2 記者会見において岸田外相は、第一に、「慰安婦」問題が当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から日本政府は責任を痛感していること、安倍首相が日本国の内閣総理大臣として改めて、「慰安婦」として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する、と述べた。これは、安倍内閣も含めて歴代内閣が踏襲するとしてきた河野談話の一節とほぼ同じ表現である。

 これまでの歴史研究や裁判所の判決等の成果を踏まえるならば、日本軍が主体的に「慰安所」を立案・設置し、管理・統制していた事実や、慰安所での性暴力が国際法や国内法に違反していたことなどを認めることができる。日本政府が今日「慰安婦」問題の事実と責任に言及するのであれば、これらの研究成果等も踏まえるべきであり、それが被害者の求めていることでもある。その点で、岸田外相の上記言及は不十分と言わざるを得ない。
キョウ ニッカン2
OCHLOS(オクロス)  2015年12月29日

【50年を経て日韓は再び米国の圧力の下合意を結ばされた】
軍「慰安婦」問題について、米国屈従、国家ご都合の日韓合意がなされた。思えば、日本政府が金科玉条のごとくすがる、日韓請求権協定も、米国の圧力の下に締結された。米国はベトナム戦争に対する韓国軍の派遣拡大を求め、その見返りとして、日本に対して韓国に対する経済的支援を求めた。日韓併合の合法性・有効性をめぐって厳しく対立していた両国が1965年に急転、合意に至ったことは米国の圧力なしには説明ができない。50年を経て、両国は再び米国の圧力の下、ほぼ無理矢理に合意を結ばされた
キョウ ニッカン

【「軍の関与」は日本政府の組織的な戦争犯罪を言い逃れする表現】
28日の日韓両政府による「慰安婦問題合意」に対し、日本のメディアはほとんどすべて「歓迎」「評価」しています。恐るべき事態です。今回の「合意」は、これまで被害者たちが求めてきた「法的責任」の明言をさけ、したがって「賠償金ではない」と断言し、さらには被害者と支援団体が「歴史の象徴物であり公共の財産」とする「少女像」(平和の碑)の撤去を「約束」し、なによりも当事者の被害者たちを蚊帳の外に置いた「政治決着」という点で、絶対に容認できません。とりわけ重大なのは、日本のメディアや「街の声」(略)が、この問題を「日韓政府間」の問題とし、まるで私たち「日本国民(日本人)」には直接関係ないかのような論調・空気が蔓延していることです。「慰安婦」問題は、けっして“ひとごと”ではありません。(略)
キョウ 白虹事件
筑紫哲也さん「白虹事件」について語る(由布院盆地 2006年)

以下はある社民主義者の人への私の返信です。
 
『帝国の慰安婦』朴裕河の在宅起訴に学者ら54人抗議声明」への的を外した反批判、すなわち、思想・信条の自由と学問の自由に関する問題提起を朴裕河著『帝国の慰安婦』擁護の主張のように貶める反理性(事実を歪めて反論するという点で反理性です)の声が少なくなくありますので、その反批判、反理性の声に対する私のひとつの応答として書きました。

したがって、標題も、「その「朴裕河の在宅起訴批判」の「批判」のまなざしは正しいのか?――「『帝国の慰安婦』朴裕河の在宅起訴に学者ら54人抗議声明」とその批判をめぐって」のその(2)としています。
 
私の見るところあなたのような主張、すなわち、「朴裕河の在宅起訴批判」を「批判」する主張をしている人は旧社会党員、旧社会党左派系の人たちが多いですね。言葉では戦闘的なことを言いながら中身がない。すなわち、何が根本的な問題であるかについての理念を持たない(ここ(「朴裕河の在宅起訴批判」の主張)では、朴裕河の主張が正しいかどうかを問題にしているのではありません。公権力からの思想・信条の自由、学問の自由の問題が問題にされているのです)。
キョウ 朴ユハ2

本日(27日付け)の朝日新聞とハフィントンポストに韓国の日本文学研究者の朴裕河が彼女の著書『帝国の慰安婦』の出版に関して同国の検察に名誉棄損罪で在宅起訴された件及びその韓国検察の在宅起訴に関して日米の学者、ジャーナリストら54人が抗議声明を発表した件について4本の関連記事が掲載されています。

日米の学者ら抗議声明 「帝国の慰安婦」著者の在宅起訴(朝日新聞 2015年11月27日) 
「帝国の慰安婦」朴裕河教授の在宅起訴に学者ら54人抗議声明(全文)(ハフィントンポスト 2015年11月27日) 
「帝国の慰安婦」著者に聞く 「史料に基づき解釈した」(朝日新聞 2015年11月27日) 
(社説余滴)韓国覆う窮屈さと不自由さ(箱田哲也 朝日新聞 2015年11月27日)
キョウ バラ公園

Blog「みずき」:朴裕河の名誉棄損罪容疑の在宅起訴について、学者、ジャーナリストら54人が26日連名で「抗議声明」を発表しました。私はこの「声明」に賛同している少なくない論者に対して批判を持っていますが、「検察庁という公権力特定の歴史観をもとに学問や言論の自由を封圧する挙に出た」「何を事実として認定し、いかに歴史を解釈するかは学問の自由にかかわる問題」「言論に対しては言論で対抗すべきであり、学問の場に公権力が踏み込むべきでないのは、近代民主主義の基本原理」という「声明」の認識は正論というべきであろう。この問題と日本の政治とメディアの「右傾化」の問題はまた別様の問題というべきであろう、というのが私の認識でもあります。

【どれほどひどい内容かを読者が判断してはいけないのだろうか?】
≪【ソウル=共同】韓国のソウル東部地検は19日までに、旧日本軍の従軍慰安婦問題の研究書「帝国の慰安婦」で、慰安婦を一部で「売春婦」などと表現し元慰安婦の女性らの名誉を毀損したとして、著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授を在宅起訴した。≫≪地検は「虚偽事実で被害者らの人格権と名誉権を侵害し、学問の自由を逸脱している」と指摘した。韓国で慰安婦問題は「性奴隷」との見方が定着し異論を許さない雰囲気が強いが、訴追によりさらに研究の萎縮を招く可能性もある。≫

日本では名誉毀損罪は親告罪(刑法232条)。被害者から訴えがなければ、起訴できないという犯罪類型だ。日本の検察は、起訴できない捜査は通常しない。名誉毀損の事件は、捜査をすること、つまり、根掘り葉掘り聞き出すこと、その信憑性を確認するために周辺や過去の関係者の事情聴取も行うことがある。しかも、公開法廷で証言しなければならなくなる可能性もある。韓国では親告罪ではないのだろうか(Blog「みずき」:http://www.sasaki-law.com/blog/?p=1732参照)。