キョウ しょうにんかんもん2
衆議院第1委員室

Blog「みずき」:森川文人さん(弁護士)と清水潔さん(ジャーナリスト)の正論中の正論。

森川文人さん「二人の全く対立する事実を主張している場合、一方が尋問に出て、一方が出ない場合、よほどのことない限り、出たやつの証言が真実で、出れないやつ、出せないやつの主張が認められない、というのが事実認定のルールだ。俺は、それで無罪を取ったぜ」。

清水潔さん(ジャーナリスト)。「フェースブックに適当に書きこんでも偽証罪にはならない。一方、篭池氏はそのリスクを背負って国会で証言した。ならば安倍昭恵氏も弁解は国会で証言せねば説得力は無い。その場合はフェースブックと同じ内容を語るしか無くなったわけだ。だから証人喚問に「応じない」ならばそこでゲームオーバーだ」。


【山中人間話目次】
・二人の全く対立する事実を主張している場合、出たやつの証言が真実で、出れないやつ、出せないやつの主張が認められない、というのが事実認定のルールだ――森川文人さん
・清水潔さん(ジャーナリスト)の正論中の正論―― フェースブックに適当に書きこんでも偽証罪にはならない
・<批判は思想の違い?>安倍昭恵夫人のズレた感性と軽率さ- 両角敏明さん(テレビディレクター・プロデューサー)
・産経新聞としてはまともな主張――国会証人喚問問題
・これも昨日の証人喚問の収穫――「下地のアホ。ハシゴ掛けたのワシやとバラしやがって」
キョウ けいしちょう
警視庁本部庁舎

Blog「みずき」:昨日の籠池森友学園理事長の突然の「瑞穂の國記念小學院」の認可申請取り下げについてなんらかの「手打ち」があったという見方が多いようです。しかし、その見方のすべてが推測で証拠はありません。これでは国会で追及することはできないでしょう。安倍をさらに追いつめるにはここは具体的な証拠に基づく追及が必要です。その意味で昨日10日付けの郷原信郎さん(弁護士)の「森友学園問題 補助金不正で捜査機関が動かないのはなぜか」という記事は有用です。郷原弁護士は森友学園が国(国土交通省)から受け取った5644万円余りの「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」が不正受給に当たることを根拠をもって証明しています。国会ではこの森友学園の補助金不正受給の問題を追及するべきでしょう。国会でこの問題が明らかになれば捜査機関も動かざるをえなくなるでしょう。そのときは安倍内閣が崩壊するときです。


【山中人間話目次】
・郷原信郎さん(弁護士)の「森友学園問題 補助金不正で捜査機関が動かないのはなぜか」という記事は安倍追及の武器になる
・豊島耕一さんの「翼賛国会への一里塚」という指摘――同意。ただし、「翼賛国会」は共産党が国会開会式で天皇に深く頭を垂れたときから始まっている、というのが私の認識
・これが辺野古埋立反対闘争に立ちあがっている人たちのほんとうの沖縄の声だ――知事に「撤回決断を」 市民、自然破壊も危惧
・安倍首相の「南スーダンPKO部隊撤収」緊急会見は森友学園・籠池理事長の会見報道潰しと支持率低下対策だった」というリテラの記事は本質を衝いている
・田中龍作を嗤う青木俊・清水潔両氏-kojitakenの日記
・最期に母は私の名前を呼んで死んだ。私は母のために生きようと誓った。この世から貧乏を失くそう。そのために生きようと思った
キョウ きょうぼうざい4

Blog「みずき」:共謀罪法案が今日正式に発表された。が、「刑法学の教科書を開くと、その第1頁の冒頭で、刑法の人権保障機能が語られる。権力の恣意的な刑罰権発動を防止するために、刑法典は厳格な犯罪構成要件を定めめている。もちろん、これに該当しない行為を処罰することを禁じて市民の人権を擁護しているのだ。『だから犯罪構成要件は明確であることが必要である。構成要件としての行為も結果も日常用語でだれにも分かるように書かれなければならない。構成要件的行為は、「人を殺す」「他人の財物を窃取する」「放火する」などの、日常生活における行為とは区別された定型性を持っている。だから、実行行為の着手があったか否かは、判断が可能である。実行行為に着手して結果が発生すれば既遂、しなければ未遂。実行の着手の有無が、通常は犯罪となるかどうかの分水嶺である。ところが、共謀罪は、実行行為着手前の犯罪の計画段階で処罰しようとするもの。実行行為への着手のない犯罪としての定型性を欠いた日常行為が犯罪の準備行為として処罰対象とする立法なのだ。近代刑法の原則からは、乱暴きわまるものと言わねばならない。何が犯罪の実行行為となるか予想が付かないことが、共謀罪の共謀罪たる所以なのだ。だから、何が犯罪になるかを明確に記すことができない。むしろ、曖昧でなんでも処罰可能なところに、その本質があることを見極めなければならない。』(澤藤統一郎の憲法日記 2017年2月28日)


【山中人間話目次】
・澤藤統一郎弁護士の正式には昨日発表されたばかりの共謀罪法案のその極悪な本質についてのわかりやすい解説
・「テロ」の文言もテロリズムの定義も一切ないのに「テロ等準備罪」(政府の呼称)とはこれいかに?
・極端な左のポピュリズムが吹き荒れた5年間で「地盤」が緩み、今、日本の「オルト・ライト」が急成長している
・国有地売却問題の今週の注目点――kojitakenさんの以下の指摘こそをほんとうの肝というべきであろう
・ジョージ・W・ブッシュのドナルド・トランプ批判
・厚労省が「飲食店などの禁煙 居酒屋 ラーメン店例外としない」という方針を決めたというが私は反対
キョウ さんけい

Blog「みずき」:「産経新聞が大スクープ」という2CH記事(以下の時系列記事をご参照ください)は単に産経新聞の2015年9月3日から4日にかけての「安倍日誌」を紹介しているだけのものでそれ自体は大スクープでもなんでもありませんが、同年9月3日付の「安倍日誌」によって同日に安倍首相と財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長が面会している事実が確かめられます。そして、その翌日の4日に瑞穂の国記念小学院校舎の補助金6200万円交付が決定したこと、また同日に森友学園の小学校建設工事を請け負った設計会社所長、建設会社所長と近畿財務局の統括管理官、大阪航空局調査係の会合がもたれていること、さらに翌日の5日に安倍昭恵首相夫人が塚本幼稚園の名誉校長に就任していることとの符合性を総合すると瑞穂の国記念小学院校舎の補助金6200万円の交付決定には安倍首相が深く関与していることが疑われます。そういう意味ではたしかに安倍昭恵首相夫人の塚本幼稚園名誉校長就任の2日前に安倍晋三が財務省理財局長と面会していたことが明らかになったのは大スクープといってよいでしょう。

以下、上記の情報を時系列に整理するとつぎのようになります。

2015年9月
3日:財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長と面会(出所:産経新聞 安倍日誌)
http://www.sankei.com/smp/politics/news/150904/plt1509040010-s.html
4日:大阪着、読売テレビで読売テレビでミヤネ屋に出演(出所:同上)
http://www.sankei.com/smp/politics/news/150905/plt1509050012-s.html
4日:瑞穂の国記念小学院校舎の補助金6200万円交付決定(出所:国土交通省HP)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/2c/69654a916426877750d8d8563513a967.jpg
4日: 森友学園の小学校建設工事を請け負った設計会社所長、建設会社所長が近畿財務局の統括管理官、大阪航空局調査係と会合(出所:しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-25/2017022501_01_1.html
5日 塚本幼稚園で安倍昭恵が名誉校長に就任(出所:NAVER まとめ)
https://matome.naver.jp/odai/2148790358952679301

【山中人間話目次】
・安倍昭恵首相夫人の塚本幼稚園名誉校長就任の2日前に安倍晋三が財務省理財局長と面会していたという事実の掘り起こしは大スクープといってよいでしょう
・澤藤統一郎さんの間然とするところのない説得的な論理としての「公権力は主権者国民に、国旗国歌への敬意表明を強制する権限をもたない」という論
・東京新聞の論説副主幹の長谷川幸洋を論説委員にとどまらせる人事は同紙の非ジャーナリズム体質を示すものといえるでしょう
・翁長県政の惰弱の砦を包囲せよ(1)――「アリの一言」の「埋立承認撤回」に県民投票必要なし、直ちに実行を」という論
・翁長県政の惰弱の砦を包囲せよ(2)――宮城康博さん(沖縄在住、脚本家)の「いみわかんね。さっさとブロック投下ヤメさせろ」という論。
・山城博治さんたちの 即時釈放を求める2017.2.24大集会 2000名余の大結集の模様を伝える沖縄テレビ放送ほか
・トランプ政権の破局の道行きを示すCNNテレビやニューヨーク・タイムズなどのメディアとの対立
・「幸福の黄色いハンカチ」(1977年、松竹)を40年ぶりに観て改めてラストシーンの「黄色いハンカチ」に涙した
キョウ とらんぷ10

Blog「みずき」:今回の「今週の直言」では水島朝穂さん(早大教授・憲法学)は安倍流ダブルスピークと「無知の無知」の突破力ということについて述べています。「安倍流改憲論こそ、まさに「無知の無知」の突破力、ダブルスピークの真骨頂だろう」、と。そして、「今回の施政方針演説には、実は改憲の具体化への隠されたメッセージがあった。そのキーワードは「教育の無償化」である。1月27日の衆院予算委員会で、「日本維新の会」の議員が、「今年は教・育・無・償・化・を・は・じ・め・と・す・る・具・体・的・な・テ・ー・マ・に関し、国会の憲法審査会で前に一歩進めていくべきだ」と首相にエールを送っていた(NHKニュース1月27日15時55分)。要注意である」と水島さんは警告を発しています。まさに要注意です。

【「無知の無知」の突破力――安倍流ダブルスピーク】
「戦争は平和である」(WAR IS PEACE)。ジョージ・オーウェルの名著『1984年』(新庄哲夫訳、ハヤカワ文庫)――先週、米国で売り上げが急増したという――の「ニュースピーク」、すなわち「二重語法」(ダブルスピーク)である。他に、「自由は屈従である」(FREEDOM IS SLAVERY)、「無知は力である」(IGNORANCE IS STRENGTH)がある。二重語法の場合、人の印象を変えるために、相互に矛盾する意味をあわせ持つ言葉を堂々と用いてイメージ操作を行う。例えば、「平和省」という役所は戦争をすることが仕事である。隠したい本心や事実に気づかれぬよう、できるだけ美しい言葉にかえるなど、婉曲した表現を用いることなども含まれる。安倍首相の「ダブルスピーク」は「積極的平和主義」のほかにも枚挙に暇(いとま)はなく、最近では、首相は「テロ等準備罪の成立なくしてオリンピックの開催なし」ということを言い始めた(1月23日代表質問への答弁)。「テロ等準備罪」の本体は「共謀罪」である。刑法総論にもかかわる重大な問題であり、突然、これが前面に出てくるというのはいかにも不自然である。2013年9月のIOC総会で、オリンピック開催について演説した際、フクシマの「アンダー・コントロール」のほかに、「東京の安全と治安のよさ」を強調していた。これが五輪東京開催の決め手となったことからすれば、テロ対策のための新たな法的手当てがなければ五輪開催ができないという安倍首相の物言いには、IOC関係者からは「話が違う」と言われるだろう。(略)
>しかし、何よりも安倍流改憲論こそ、まさに「無知の無知」の突破力、ダブルスピークの真骨頂だろう。憲法96条先行改正など、安倍以前の自民党総裁・首相たちは言い出せなかった。法制局が違憲としてきた「集団的自衛権の行使」を合憲とする「7.1閣議決定」もまた、ダブルスピークの典型だろう。だが、今回の施政方針演説には、実は改憲の具体化への隠されたメッセージがあった。そのキーワードは「教育の無償化」である。演説の後半で、安倍首相は、「明治日本が、学制を定め、国民教育の理想を掲げたのは、今から140年余り前のことでした。それから70年余り。日本国憲法が普通教育の無償化を定め、小・中学校9年間の義務教育制度がスタートしました。本年は、その憲法施行から70年の節目であります」と述べた。これは来年の「明治150年」と「憲法施行70年」をリンクさせて、憲法26条2項の普通教育の無償化を、さらに高等教育まで広げるための憲法改正という主張の布石であるように思える。この演説で首相は、給付奨学金などの「成果」を得々と語り、直接は改憲の主張はしていない。演説の最後では、「憲法施行70年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる70年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか。」と煽っているが、まだ一般的である。

ところが、『毎日新聞』1月11日付が伝えるように、首相は日本維新の会の憲法改正原案に盛り込まれた「教育無償化」を改憲項目として例示していた。維新の会は改正原案に「幼児期の教育から高・等・教・育・に・至・る・ま・で・無償とする」との条文を盛り込んだ。維新の会は義務教育以外の幼稚園や保育所、高校、大学、専門学校などの無償化を想定する。確かに国際人権規約( A規約)13条2項(c)は「高等教育は・・・無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとする」と定めているが、日本政府は留保している。給付型の奨学金も不十分で、かつ大学関係の予算は削られる一方である。それを大学までの無償化を憲法改正で導入する? 日頃、そのような冷たい対応をとっていた人が手のひらを返すように改憲賛成に向かうのは理解しがたい。「教育無償化は野党や国民の賛同も得やすいとの思惑がある」という意見にのり、首相は改憲項目の絞り込みに使えると判断したようである(略)。何がなんでも憲法改正をやりたいという、ここまできたか、「改憲症候群」である。そもそも教育予算に冷たい政治家が、法律改正で早期に可能にもかかわらず、こう言い出すのだろうか。「高等教育の無償化は憲法改正で」。これこそ究極のダブルスピークだろう。なお、1月27日の衆院予算委員会で、「日本維新の会」の議員が、「今年は教・育・無・償・化・を・は・じ・め・と・す・る・具・体・的・な・テ・ー・マ・に関し、国会の憲法審査会で前に一歩進めていくべきだ」と首相にエールを送っていた(NHKニュース1月27日15時55分)。要注意である。(
水島朝穂「今週の直言」2017年1月30日

【山中人間話目次】
・澤藤統一郎さんの「憲法日記」連続連載1400回に思う
・オバマを再評価するこの国のメディアと論壇なるものの言論の虚妄を突く太田昌国さんの鋭利な分析
・司法省トップ、大統領に反旗=国務省でも集団抗議へ トランプ、入国制限に反対した司法長官代行を解任
・青木冨貴子さん(元ニューズウィーク日本版ニューヨーク支局長)のトランプ論の危うさ。
・辺見庸講演会 まともなロジックに貫かれた誠実な話を聴くのは、最近では稀有なことになってしまった
・乗松聡子さんとブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソンさんらがアムネスティ・インターナショナルに伝え働き掛けたことで、山城さんら早期釈放の国際的なキャンペーンが始動した
・乗松聡子さんの翁長知事訪米について「撤回せずに行ったら、工事再開を許したことに礼を言われるだけだ。すぐさま承認を撤回すべきだ」という指摘は重要です
キョウ ろしあ
日ロ会談を茶化して報道するロシアTV

Blog「みずき」:「今日の言葉」の前文としてやはり水島朝穂さんの「今週の直言」から北海道大学の木村汎さんのコメントを重引しておきます。「日本完敗 合意は負の遺産」というコメントが今回の日ロ会談の本質を衝いているからです。「北海道大学の木村汎氏は「日本完敗 合意は負の遺産」というコメントを寄せている(『東京新聞』12月17日付)。平和条約についてまったく成果がないのに、4島での「共同経済活動」の協議開始に合意してしまったことは、むしろマイナス効果を及ぼすと木村氏はいう。「主権の所在はどうでもよいという気分が醸成され、ロシアの実効支配が強化されるからだ」。そして、ロシア側にとっての大きな成果は、この訪日により、「G7による包囲網を突破した事実を全世界に喧伝できた」ことである。「安倍首相が前のめりの姿勢を示した結果として、プーチン氏は、ロシアが得意とする焦らしや恫喝、まず高値を吹っかける「バザール商法」などの交渉戦術を縦横に駆使し、最高首脳間の「信頼」関係の存在だけにすがる日本側を子供のように翻弄した」と」。

【安倍政権の「媚態外交」、その壮大なる負債】
NHK(BS1)のワールドニュースは毎日録画してみている。ドイツで毎晩みていた第2放送(ZDF)の19時のニュース“heute”もやるからだ。この枠でロシアTVのニュースもみる。プーチン大統領訪日を報じたモスクワ時間15日20時のニュースをみると、プーチン訪日をめぐる一連の経過が、ロシア側のペースに完全にはめられていることがよくわかる。このニュースのナレーションは次の通りである(NHKのロシア語通訳による)。「・・・プーチン大統領は今日、日本を訪問し、南クリール諸島(いわゆる北方領土)での共同経済活動を主要議題に安倍総理大臣との首脳会談に臨みました。プーチン大統領の日本訪問は2年前から検討されてきましたが、日・本・政・府・は・ア・メ・リ・カ・政・府・か・ら・の・圧・力・で・延・期・し・て・き・ま・し・た・。しかし、今年9月に行われたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の際、日・本・政・府・は・最・終・的・に・ロ・シ・ア・大・統・領・の・日・本・訪・問・を・求・め・、・今・回・の・訪・問・が・実・現・し・ま・し・た・。」「安倍総理がしきりに時間を気にしています。夫人にも衣服を整えるよう指示し、すべてに完璧をめざしているようです。安倍総理は今回初めて、自身の故郷に外国首脳を迎えることになりました。プーチン大統領の専用機は山口県宇部市に到着。ここから会談が行われる長門市まで車で2時間をかけ移動しました。プーチン大統領がホテルに到着したのは午後6時。あたりはすでに暗くなっていました。1カ月前、ペルーで行われたG20(主要20カ国首脳会議)のおりにも、安・倍・総・理・は・改・め・て・プ・ー・チ・ン・大・統・領・に・訪・日・を・求・め・ま・し・た・。両首脳はまず記者団の求めに応じて握手をしました。」ロシアTVは安倍首相とプーチン大統領の挨拶を伝えたあと、安倍首相が温泉をすすめたが、プーチンは、「温泉で疲れをとってくださいとのお言葉ですが、あまり疲れすぎないことが肝心ですね」と返して、安倍が爆笑しているシーンを流す。派手な遅刻を含めて、「そんなに言うから来てやったよ」という態度が露骨に示されている。(略)

夕食会でも、プーチン大統領は遅刻した。エレベーターホールで、携帯を見ながら手持ち無沙汰の安倍首相をロシアTVはキャッチしていた。元KGBエージェントとして肉弾戦にも心理戦にも長けたプーチンの前に、安倍晋三などひよっこ同然だった。領土問題でまったく進展がなかっただけではない。平和条約交渉は事実上行われず、声明にも文書にもならなかった一方で、4島での「特別な制度のもとでの共同経済活動」に合意してしまった。「特別の制度」という曖昧な表現のもと、すでにロシアでは「ロシアの法律のもとで」という「解釈」がメディアを通じて流されている。安倍首相が「手応えを感じた」として前のめりになったのは、プーチン側から、1956年の日ソ共同宣言で明記された歯舞、色丹の2島返還と引き換えに、国後、択捉への経済援助を日本が行うという流れがほのめかされていたからである。安倍首相はこれに一方的な期待をかけて突っ走った。その結果、領土問題ではまったく進展がなかったどころか、1956年日ソ共同宣言の線よりも実質的には後退させてしまった上に、8項目の経済協力まで約束させられてしまった。そのあたりをロシアTVは「日本の官僚やメディアのヒートアップ」と茶化して、プーチンが「露日間には領土問題は存在しない。領土問題があると考えているのは日本側だ」という来日直前のインタビュー発言を「冷水」と表現したのである。トランプ当選を読みきれなかった外務官僚は、ここでもロシアに完全にやられてしまった。加えて、首相側近の筋の悪さは、歴代政権にも例がない。今回、ロシアとの交渉を安倍首相は外務省を超えて、特命大臣にやらせた。ぶらさがり記者会見の時に、背後霊のように控える世耕弘成である。ネット支配のプロジェクトを仕切った官房副長官から、出世して経済産業大臣となり、ロシア経済分野協力担当大臣を兼務している。今回の外交の失策の「戦犯」の一人である。ロシアTVは、「結果が出せず」に憮然とする世耕の姿を映し出していた。(
水島朝穂「今週の直言」2016年12月19日) 【

山中人間話目次】
・岩月浩二さん(弁護士)の「なんか完全に舐められてるっちゅうか。余裕のロシアとポチ日本。あ~あ」というコメント
・アレッポ情勢に関するインディペンデント紙の主張と内藤正典さん(同志社大教授。トルコ・中東政治)の対抗論
・松崎いたる板橋区議会議員の赤旗記事批判。「これ、誤報だとおもいます」
・松崎いたるさん(板橋区議会議員)が共産党を除籍された一件について
・日米返還式典に対する海外識者の非難声明「12月22日:祝うことなどない」(日本語訳全文)
・森川文人弁護士と澤藤統一郎弁護士が提起する司法と弁護士の問題
・現代「天皇制」考2題(1)――田中利幸(元広島市立大学広島平和研究所教授
・現代「天皇制」考2題(2)――武藤一羊(元ニューヨーク州立大学教授)
・このラップは「沖縄のいま」の本質を衝いている
キョウ とらんぷせんぷう

Blog「みずき」:今日の言葉は岩月浩二弁護士のトランプ大統領の誕生によってすでに頓挫、座礁することの明らかなTPP法案をそれでも強行採決してまで成立させようとしている愚鈍で愛国心のかけらもない総理を押し立て、進んでよりいっそう強化された植民地としての隷属に組み込まれてようとしているニッポンという国批判。さらに「グローバリズムに対しておバカで善意な日本国民」批判。「トランプ当選」という衝撃はこのニッポンという国では劇的なまでに無化され、さらにピエロ化されていくという「ウソのようでばかげた話であるが、ウソではない本当の話」としての説話的批判の紹介ということになるでしょう。ニッポンという国は進んで植民地化されることを望む理解しがたい「不思議の国のアリス」の国というわけです。

【愛国心のかけらもない総理を押し立てて過酷な支配を受け入れていく国】
安倍は、17日の訪米でトランプ氏に対して、自由貿易の重要性を説くそうな。
政府 自由貿易重視を トランプ新政権に働きかけへ (NHK 11月11日 4時35分)これに対応するかのように、今朝の中日新聞の1面には、トランプの外交アドバイザーであるマイケル・フリン米国防情報局元局長が10月中旬に来日して与野党国会幹部ら日本政界関係者との会談を重ねたときの言葉が紹介されている。「TPPが良いとか、悪いとかではない。トランプ氏は貿易交渉は二国間でやるべきで、多国間協定はだめだと言っている」(長島昭久民進党議員との会談)トランプは真っ当なことにアメリカ・ファーストである。多国間協定では、米国の利益が阻害されると考えて、米国の利益が阻害されない二国間ならよいと考えている。そんなトランプが待ち構える所に、日米並行二国間協議の成果も含むTPPが圧倒的多数で承認されたことを手土産に安倍は訪米する訳だ。日米FTAこそ、TPPの真の狙いだと言う趣旨のことを2013年のブログに書いた。米国からTPPを見るために、米国がFTA(自由貿易協定)を結んでいない国のGDPをグラフ化した。(略)トランプ大統領は、自由貿易協定が結ばれていない日本市場がTPP構成国の中で圧倒的な割合を占めることはよくご存じだ。トランプ大統領は、TPPは米国の雇用破壊を招くから受け入れない。雇用破壊を招かず、米国に利益になるのであれば、積極的に推進する。その際、思うような結果が出ていない米韓FTAの二の舞は践むまいと考えている。誰が大統領になろうと、自国の防衛には米国頼みしかないと考えている日本政府である。TPPではあり得なかったような、どのような不平等な条件でものむだろう。TPPに対する大統領授権法であるTPAが日米FTAまで包含するのかは、全く知らないが、早くすれば11月17日にも、我々は「日米FTA大筋合意」の朗報が聞けるかもしれぬ。

トランプ「アメリカ・ファースト.米軍に駐留して欲しければ、もっとカネを出せ.」安倍「オフコース。イエス。サー」トランプ「ISD条項で米国企業は日本政府を訴えることができるが,日本企業は米国政府を訴えることはできないことにする.」安倍「アメリカ・ファースト。イエス。サー」トランプ「‥‥‥」安倍「イエス。サー」トランプ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」安倍「イエス。サー」

何しろ、我が国は、目標が雲散霧消したことがわかっていても、目標に向かって、まっしぐらに国会承認をするほど狂ったおバカな国であるので、トランプ・ショックで、どのような不平等な条約でも約束できるに違いない。米国民がヒラリーを拒んだことで、
グローバリズムは大きな曲がり角を曲がった。但し、進んで植民地にしてくれと懇願するような国を植民地化することを、米国民も拒みはしない。世界にとって幸いであるグローバリズムの終焉の過程を我々は目撃している。同時に我々自身は、よりいっそう強化された植民地としての隷属に組み込まれていく。グローバリズムに対しておバカで善意な日本国民は、愛国心のかけらもない総理を押し立てて過酷な支配を受け入れていくという訳だ。何だかウソのようでばかげた話であるが、ウソではない本当の話である。(岩月浩二 街の弁護士日記 2016年11月11日

【山中人間話目次】
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(10)――トランプを「ファシスト」と弾劾するホワイトハウス前の小さなグループの抵抗者たち
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(11)――岩月浩二さん(弁護士)と半澤健市さん(元金融機関勤務)の眼の力点
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(12)――リベラル・左派のマイケル・ムーアの「一夜明けた朝のToDoリスト」の拡散の意味
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(13)――猿田佐世さん(新外交イニシアティブ事務局長。弁護士)の「常識」の眼
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(14)――神保哲生さんと宮台真司さんの米国と日本のメディア批判
キョウ ていていぴー

Blog「みずき」:先頃、国会のTPP特別委員会で参考人としてTPP反対の論陣を張って来たばかりの岩月浩二弁護士(TPP交渉差止・違憲訴訟の会・弁護団共同代表)のさらなる怒りの論陣。岩月弁護士の安倍政権弾劾の要点は次のとおりです。「戦後の憲法的慣行とされる不文律を次々と踏みにじって、安倍政権はここまで進んできた。ついに、与党である自民党の国会議員、そして衆議院議長すら無視をして直接、国会を支配しようとしている。三権分立の破壊であり、総理大臣への権力集中であり、つまるところ独裁である。ここから、自民党改憲草案の緊急事態条項が想定する立法権限の総理大臣に対する付与まで、どれほどの間隙があろうか。安倍政権が模範とするらしい、ナチスの全権委任法まで、幾ばくの隔たりがあろう。今回の事態を許すことは、自ら民主主義を葬ることに加担することになる」。

【「私は立法府の長であります」というのは安倍総理の本心であった】
11月4日、TPP特別委員会において、TPP承認案及び関連法が強行採決された。ひたすら数の力を頼みにした中身も知らぬ議員による強行採決が民主主義の名に値しないことはいうまでもない。しかし、今回の強行採決の最大の問題は、採決以前の手続きにおいて、行政府である内閣(官邸)が、国権の最高機関である国会の運営に介入して、支配してしまったことにある。三権分立すら蹂躙する重大な問題である。(略)
本会議中の委員会招致には議長の許可が必要である。そんなことをTPP特委の塩谷委員長が知らないはずがない。知っていて、TPP特委の開催を、議運にも知らせず、議長にも知らせず、自民党の国対委員長にも知らせなかった。したがって、毎日新聞の「不手際」との見出しは、生ぬるい。11月4日午後1時には本会議が予定されていた。当然ながら、TPP特別委員会の招集を知らされていない議長の許可はない。したがって、TPP特別委員会の招集は、衆議院規則違反だという主張は当然だ。(略)しかし、今回の強行採決は、衆議院規則違反かどうかという以上に重大な問題を孕んでいる。TPP特委の招集は、塩谷委員長の独断で行われたはずもない。安倍総理の指示によって行われたとしか考えようがない。内閣が国会議長の頭越しに国会の運営を支配する。国民の代表であり、国権の最高機関である国会が総理大臣の意のままに操られている。「私は立法府の長であります」というのは、言い間違いではなく、安倍総理の本心であった。要するにこれは、三権分立の否定であり、行政府による国会の蹂躙である。

仮に衆議院規則に明白に違反しなくても、歴代の政権は、このような国会を頭越しに支配するような横暴な振る舞いを見せることはなかった。国権の最高機関の運営に内閣が介入しない。これは不文律だ。安倍政権は、不文律を犯すことによって、この国の姿を変えてきた。NHK経営委員の国会同意人事は、その公共放送の性格上、全会一致が不文律だったが、これを蹂躙した。内閣法制局長官人事に対する不介入は歴代政権の不文律だったが、安倍政権はこれも蹂躙して、憲法解釈変更を容認させ、集団的自衛権行使を認める安保法へと突き進んだ。日銀総裁の国会同意人事も全会一致が不文律だったが、これも蹂躙した。戦後の憲法的慣行とされる不文律を次々と踏みにじって、安倍政権はここまで進んできた。ついに、与党である自民党の国会議員、そして衆議院議長すら無視をして直接、国会を支配しようとしている。三権分立の破壊であり、総理大臣への権力集中であり、つまるところ独裁である。ここから、自民党改憲草案の緊急事態条項が想定する立法権限の総理大臣に対する付与まで、どれほどの間隙があろうか。安倍政権が模範とするらしい、ナチスの全権委任法まで、幾ばくの隔たりがあろう。今回の事態を許すことは、自ら民主主義を葬ることに加担することになる。(
岩月浩二「街の弁護士日記」2016年11月6日

【山中人間話目次】
・マルクスからルーゲへの手紙――<上>なる天皇と皇室を特別視するリベラル・左派への172年前の警鐘
・憲法上重大な疑義のある「私的行事としての神道形式の葬儀」への国費支出をなぜリベラル・左派は追及しないのか
・仲宗根勇さん(元裁判官)の山城博治・平和運動センター議長逮捕勾留理由開示法廷傍聴記
・平安名純代さん(沖縄タイムス米特約記者)の米ハーバード大学で開催されたドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」の上映会を取材して
キョウ かくへいき3
ニッポンという国

Blog「みずき」:「今日の言葉」の加藤哲郎さんの論は一昨日の「今日の言葉」の小倉利丸さんの論と呼応するものといえるでしょう。関連して加藤さんは「唯一の戦争被爆国」を自認しながら国連総会で初めての核兵器禁止条約案の採決という絶好の機会に反対票を投じた日本という国の政治の謎、それも「一強」とか「安定」とかいわれる摩訶不可思議な政治の謎について若い研究者に問いかけます。「いま、日本の若い研究者が解き明かさないと「番犬」が「忠犬」になって出口無しになりそうです」、と。

【ファイブアイズの一角のニュージーランド政府の選択と日本という国の差異】
エドワード・スノーデン の日本への警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」が、ウェブ上で広がっています。自分自身が米軍横田基地内で日本の情報収集をしていた経験をもとに、「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はアメリカがデザインしたもの」「米国国家安全保障局(NSA)は日本の法律が政府による市民へのスパイ活動を認めていないことを理由に情報提供を拒み、逆に、米国と秘密を共有できるよう日本の法律の変更を促した」と。「米政府が日本政府を盗聴していたというのは、ショックな話でした。日本は米国の言うことはほとんどなんでも聞いてくれる、信じられないほど協力的な国。今では平和主義の憲法を書き換えてまで、戦闘に加わろうとしているでしょう? そこまでしてくれる相手を、どうして入念にスパイするのか? まったくバカげています」ともいいます。これは、ウィキリークスが暴露した「第一次安倍内閣時から内閣府、経済産業省、財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事の天然ガス部門、三井物産の石油部門などの計35回線の電話を盗聴していたことを記す内部文書」についての感想で、日本は、情報世界で米国に「信じられないほど協力的な国」なそうです。(略)このこと自体、日本の民主主義と言論の自由の重大な危機ですが、情報を共有することと、そこからそれぞれの国がどのように行動するかは、別の問題です。そこに、国家の自立性、民意を汲む民主主義の成熟度が現れます。

10月28日、国連総会で初めての核兵器禁止条約案が、123か国の賛成で
採択されました。来年から条約交渉が動き出します。アメリカはNATOなど同盟国に反対投票をよびかけ、米英ソ仏の核保有国のほかNATO諸国、オーストラリア、韓国など38か国が反対しました。中国・インド・パキスタンなど16か国は棄権しました。「唯一の戦争被爆国」を自認する日本は、かつてはアメリカに配慮し「棄権」にまわることもありましたが、国際法で核使用を禁止できる条約成立の決定的な時に、「反対」にまわり、世界を驚かせました被爆者が怒るのは当然です。ここで注目すべきは、NSAの「ファイブアイズ」の一角、ニュージーランド政府の選択です。30年の非核政策をバックに、情報共有大国アメリカの圧力をもはねのけて、「賛成」の先頭に立ちました。情報と政治と経済の関係は、それぞれの国の歴史的戦争体験(貫戦史 transwar history)や 制度の経路依存性(path-dependency)で異なります。けれども<日本政治「安定」の謎>だけは、いま、日本の若い研究者が解き明かさないと、「番犬」が「忠犬」になって、出口無しになりそうです。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.11.1

【山中人間話目次】
・辺見庸の『路地』(2016/10/30付日本経済新聞 朝刊)を読む
・辺見庸がほぼ2か月ぶりに「日録」を更新する。『1★9★3★7(イクミナ)』は文字どおりの辺見庸のライフワークとなった
・リベラル紙を自称する「リベラル21」という媒体の非リベラル体質
・豊島 耕一さん(佐賀大学名誉教授)のTPP報道批判。真っ当なメディア批判だ
・沖縄は軍事植民地 土人発言 日米の統治者意識の発露 -[平安名純代の想い風]沖縄タイムス
・米大統領選】トランプが最後の追い上げで大統領に? ヒラリーと1%差に迫る

キョウ こうちょうかい
安保法時の横浜公聴会

Blog「みずき」:
醍醐聰さんの問題提起に関連して豊島耕一さんは国会でのTPP採決の前提となる公聴会の問題性を以下のように喝破しています。「公聴会、その場で批判して問題点を明らかにする、という効果より、採決のお膳立ての意味が決定的に大きい。つまり野党は参加すべきではなかったし、市民は阻止する権利があると思う。大臣自身の口から出たように、強行採決が暗黙の前提となっているからだ。野党はそれを知りながら「気付かないふり」をするのは許されない。安保法の時の横浜公聴会は終わった後の道路占拠だったが、事前でないと阻止できない」、と。しかり。

【政党への忠誠はあっても、国民への忠誠というものは消えてしまう】
私はこれからの大事なキーワードは「地方」であり、地方が主体だと思いますが、
TPP協定による農業への打撃は地方を衰退させると思っています。農業はもちろん食料の供給源であり、TPPによって食料自給率がさらに低下し危機的になる恐れがありますが、農業が衰退するということは地方の人口減、農業関連産業も含めた産業の衰退による就業機会の減少などでさらに人口減に拍車をかけることも心配されます。それは地域の医療機関を成り立たなくさせて医療機関の統合などとなれば住民の医療機関へのアクセスが悪くなる。それがまた人口減につながり学校も廃れていってしまう。TPP協定では公共事業調達で地元調達をしようとすると内外無差別の原則に反するということですから、学校給食での地産地消も、韓米FTAの例を見ても明らかなように脅威にさらされてしまう懸念があります。医療や薬価の問題では、ガン治療薬のオプジーポなど良く効くけれども、非常に高額で患者負担も大変です。これをかりに高額療養費制度で負担を抑えたとしても、それは結局、保険財政に回っていくことになります。無くては困りますが、年間1人3000万円もかかってしまう。抜本的に薬価の決め方を変える必要がある状況に至っています。しかし、こうした医薬品は米国企業やその子会社のものです。これから外資が入ってくるというのではなく、すでに外資が上位を占めている。TPP交渉と並行して行われた日米並行協議では、外資が薬価決定にわれわれも参画させろといっている。薬価を引き下げるような決定をしようとすればISDS条項などを使って脅しがかけられる懸念もあります。日本の保険財政の立て直しに対して横やりが入ってくる可能性があるのです。

こうしたことについて何の議論もせず、
国民皆保険制度は交渉のテーブルに乗っていないから心配ありません、という言い方で批准しようとしている。国会審議を見ていると結局、政治の質が問われていると思います。これまで国会決議には与党も賛成してきました。もちろん選挙のときの公約もありました。それにも関わらず、ここに及んで与党のなかから何ら異論がまったくない。本当に一色に染まっている。これを見ていると、日本では自分が属している集団や組織への忠誠は強いが、自分たちの集団外や組織外、とくに今回の場合は国民への忠誠ということですが、それはまったくどこかに行ってしまうということが、今回如実に表れているのではないか。自分が属している政党への忠誠はあっても、国民への忠誠というものは消えてしまう。TPPに限らずいろいろな問題でこうした体質が表れてしまうと日本の民主主義というのが完全にマヒしてしまい、政治とはただ数による意思決定の場でしかなくなってしまう。審議など非常に無意味なものになっているのではないか、それを露骨に現しているのではないか。単なる多数決主義に民主主義が堕落してしまった姿を痛感します。非常に重大な問題です。(醍醐聰「農業協同組合新聞」2016.10.29

【山中人間話目次】
・アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(略称wam)に「朝日赤報隊」を名乗る者から爆破予告
・TPP問題のエキスパート岩月浩二さん(弁護士)31日午前9時から衆院TPP特別委員会で参考人として意見陳述検事、
・検察、FBIが動くとき。その社会変動は所詮警察国家の変動でしかない
・琉球新報安富歩(東大教授。『東大話法』の著者)発言への目取真俊さん、宮城康博さんらの違和感
キョウ すのーでん2

Blog「みずき」:小倉利丸さんは「今日の言葉」の末尾に出てくる「法律の縛り」について次のように解説します。この「『法律の縛り』を一挙に解くことになったのが特定秘密保護法の制定であり、スノーデンは、「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はアメリカがデザインしたものです」とすら断言している。この法律があることによって米国と日本の政府の間での情報共有の実態を合法的に隠蔽することが可能になるからだ。米国の諜報機関の日本国内での活動は、日本政府や日本の企業の協力なしには不可能な領域が多く存在する。にもかかわらず、その実態は闇に包まれたままだ。企業にとっては権力犯罪に加担して自らの顧客の権利を侵害する方が企業の利益になるのであれば、顧客のプライバシーは容易に見捨てられる。マーケティングのためとあれば、顧客の行動をとことん監視する。そのための技術が急速に普及し、これが軍事や治安管理に転用されてきた。政府にしてみても、自国の市民の権利を抑制した方が国益に叶うということであれば躊躇なく権利侵害の力を行使するだろう。いずれも市民たちが、こうした実態を知りえないことが大前提になる」、と。

【日本のマスメディアや市民運動の警戒心の欠如】
8月27日に、日本のジャーナリストとして初めて
エドワード・スノーデンにインタビューした小笠原みどりの講演会が東京で開催された。会場は立ち見の出る盛況となり、丁度共謀罪の再上程報道があったばかりということもあって、参加者の関心は非常に高いものがあった。小笠原のスノーデンへのインタビューについては既に、『サンデー毎日』に連載記事が掲載され、また、ネットでは『現代ビジネス』に「スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」が掲載され、インタビューの概要を知ることができる。27日の集会での小笠原の講演で強調された論点は、私なりの関心に引き寄せて端的にまとめれば、日本におけるネット上の情報通信が網羅的に米国の諜報機関によって監視可能な環境に置かれていること、そして、こうした環境について日本の市民がもっと深刻に捉えて対処すべきだ、ということだ。とりわけ日本の政府もIT企業も、日本に住む人びとのプライバシーを米国から保護するどころか、むしろ構造的に日本の市民のコミュニケーションを監視する体制に加担している可能性を否定できないということが、事の重大性の核心にある。日本に住む多くの市民が「自分は悪いことをしていないから監視されるということはないだろう」あるいは「いくらなんでも日本の政府や企業が意図的に米国の諜報機関と共謀してこの国の住民のプライバシーを売り渡すなどということは被害妄想の類いではないか」と高を括っていることへの厳しい警告だったといっていいだろう。スノーデンの告発やwikileaksによる機密文書の暴露がドイツ、ブラジルなど諸外国でも国連でも大問題になり、多くの市民が抗議の声を上げてきているのに対して、小笠原は、日本のマスメディアや市民運動の動きの低調さへの危惧を率直に語ったと思う。(略)

スノーデンは、小笠原のインタビューで、一般論として次のように述べている。「多くの場合、最大手の通信会社が最も密接に政府に協力しています。それがその企業が最大手に成長した理由であり、法的な規制を回避して許認可を得る手段でもあるわけです。つまり通信領域や事業を拡大したい企業側に
経済的インセンティブがはたらく。企業がNSAの目的を知らないはずはありません」(略)「もし、日本の企業が日本の諜報機関に協力していないとしたら驚きですね。というのは、世界中の諜報機関は同手法で得た情報を他国と交換する。まるで野球カードのように。手法は年々攻撃的になり、最初はテロ防止に限定されていたはずの目的も拡大している。交換されているのは、実は人々のいのちなのです」「僕が日本で得た印象は、米政府は日本政府にこうしたトレードに参加するよう圧力をかけていたし、日本の諜報機関も参加したがっていた。が、慎重だった。それは法律の縛りがあったからではないでしょうか。その後、日本の監視法制が拡大していることを、僕は本気で心配しています」(小倉利丸ブログ 2016年10月29日

【山中人間話目次】
・内海信彦さんの三笠宮崇仁評価。三笠宮の思考の本質を「自己防衛的」と喝破し、「皇族に「平和主義者」がいると考えることが、民主主義の格闘を経ていない甘い思考」と喝破する
・米津篤八さんの三笠宮崇仁評価。彼への高い評価も、近年の「リベラル」による権威主義的な明仁ヨイショ現象の一環のような気がする
・「日本におけるネット上の情報通信が網羅的に米国の諜報機関によって監視可能な環境に置かれている」という小倉利丸さんのアラーミング・ベル
・弁護士とはかくありなん。かくありたし――澤藤統一郎さんと森川文人さんの弁護士奮闘記
・「ボブ・ディラン氏、ついに沈黙破る」(AFP)の評価について
・「FB憲法九条の会」の管理者の松浦寛が管理者間の協議で解任されたという情報について
キョウ あべ6

Blog「みずき」:水島朝穂さん(早大教授・憲法学)の「今週の直言」からの久しぶりの引用。「今週の直言」のテーマは安倍首相の自民党総裁任期延長=内閣総理大臣任期延長問題。水島さん曰く「自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。その首相が自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家もいない。『恥ずかしい』『みっともない』のは誰か」。もちろん、安倍晋三その人です。その「恥ずかしい」「みっともない」政治家をさらに総理大臣を続けさせてよいのか。いまここで問われているのは「私は絶対に許さない」という私たち市民の「怒り」のありようの問題というべきでしょう。私たちの「怒り」は「社会変動の起爆剤」です(E.フロム『自由からの逃走』)。私は誰にも引けを取らないような「怒り」を露わにすることの大切さをいま思います。私は安倍首相の続投を許すことはできません。

【自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない】
10年前の「直言」(略)にこうある。「先週、9月20日午後、安倍自民党「総裁」が誕生した。任期は3年である。明日26日には内閣「総理」大臣に就任する予定である。「総理・総裁」という、他国では理解できない「・」でつながる不思議な言葉。一政党のトップがあたかも自動的に首相になるかの如き状況が、この国では普通に起きている(略)。…安倍政権発足の本質的な問題は、安倍が何をやるか、である。安倍晋三という人物の思想と行動が、一議員や一閣僚(官房長官)にとどまっていた段階とは異なり、いよいよ内閣総理大臣という最高ポストを得て、本格的に動きだす。その危なさは、交通法規〔憲法〕を確信犯的に無視するドライバーが、大型トラックの運転席に座り、道路に走り出したのに近い。このトラックは行く先々で、たくさんのトラブルを起こすだろう。ドライバーは、饒舌に語りながら、「お目々キラキラ、真っ直ぐに」トラックを走らせていくのだろう。この国の不幸は続く。…」(略)先週、『朝日新聞』10月20日付は一面トップで、「自民党総裁任期 延長決定 安倍首相 3選可能に」を伝えた。(略)この「総裁」任期延長によって、ついに「安倍総裁9年」が実現することになる。それは「総理・総裁」という言葉が存在する日本においては、内閣総理大臣の「任期延長」に連動してしまう。その結果、安倍首相の在任期間は3500日以上となり、大叔父・佐藤栄作の2798日を超え、内閣制度発足以来最長の桂太郎(1901年6月2日~1906年1月7日、1908年7月14日~1911年8月30日、1912年12月11日~1913年2月20日)の通算2886日をも上回ることになる。(略)

内閣総理大臣は絶大な権力をもっている。それが自民党の党則の改正により、同一人物が最大9年まで首相の地位を維持することができるというのは、これまでの日本政治史になかったケースである。そもそもそうした重要なルール変更が、とうの本人の任期延長を目的として行われるところがいかにも不純である。
河野洋平元衆院議長(「総理」になれなかった「総裁」の一人)は10月4日のBSフジの番組で、党総裁の任期延長が決まった場合、2018年9月に任期満了となる安倍晋三首相の後継総裁から適用すべきだとの考えを示した。「自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない」とも述べた(『朝日新聞』10月5日付)。まさに正論である。政治家ならば普通の感覚だったのに、いまではメディアまで腰がひけて、正面から「おかしい」といえなくなった。ドイツから帰って一番の違和感は、「恥」を知らない政治家の言動が、たいした批判も受けずに横行していることである。「総立ち拍手」しかり、農林水産大臣の「強行採決」発言しかり、そして「自分のための党則改正」しかり、である。(略)自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。安倍総裁は、1955年の結党以来続いた3選禁止規定を党則から除く。「自民党をぶち壊す」と叫んだ小泉純一郎氏ですら2期で辞めて安倍氏に後を譲ったのに、とうの安倍氏が、自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家がおらず、本会議での首相演説で総立ちになって拍手を送るなど、自民党は本当に壊れてしまった。「恥ずかしい」「みっともない」のは誰か。(水島朝穂「今週の直言」2016年10月24日

【山中人間話目次】
・「利敵行為論による妥協」が何十年たっても同じ間違いを繰り返しているということについて
・ドゥテルテ・フィリピン大統領をどう見るか――内海信彦さん(ビジュアル・アーティスト)の見方
・murata kojiさんの日本環境会議沖縄大会参加レポート(連続ツイート)を読んで改めて矢ヶ崎克馬さん(琉球大名誉教授。物理学)のデマゴーグ体質を思う
キョウ いなだあけみ3

Blog「みずき」:南スーダンへの自衛隊員派遣問題についてはこちら、稲田朋美の「国民は国のために血を流せ」などの暴言ビデオはこちらこちらを合わせてご参照ください。安倍晋三とともに「人殺し」政策(自衛隊「駆けつけ警護」班の南スーダン派遣計画・訓練)に猪突妄進する稲田朋美はあまりに危険すぎる人物です。

【こんなコズルイ感覚で「新たな英霊」を誕生させるなど断じて許されない】
“ウルトラ右翼”
稲田朋美防衛大臣から目を離すな。安倍首相の肝いり、当選4回で2度目の入閣、出世街道まっしぐら。新閣僚のうち保有資産はトップ。総資産1億8千万円。防衛関連企業の株も夫の弁護士・稲田龍示名義で、三菱重工・川崎重工・IHIなど1万7千株、三菱電機2千株、日立製作所3千株を保有する。15日にはアメリカで講演し、「南シナ海」では、日本の海上自衛隊と米海軍の共同巡航訓練を行い、ベトナムやフィリピンに軍事支援を強化すると述べた。「日本会議議連」の政策審議副会長を務め、これまでに憲法9条を変えて国防軍の創設を主張し、「国民は国のために血を流せ」と発言。「戦争法」が成立した昨年も、女性誌のインタビューで「男子も女子もみんな自衛隊に体験入隊すべき」と言い、今年5月には「(安保法は)愛する人を守るために必要です」と吹聴している。ところがカネには汚い。彼女の資金管理団体「ともみ組」の収支報告書を見るとよい。なんとそこに添付された領収書のうち、政治資金パーティーに支出した260枚・520万円分の領収書が偽造だった。白紙の領収書に、後から勝手に手書きで記載したという。これまで大量の缶ビールやアイス、カップラーメンなども「事務所費」として計上し、政治資金で賄っている。こんなコズルイ感覚で、南スーダンPKOに自衛隊員を派遣し、「新たな英霊」を誕生させるなど、断じて許されない。(Daily JCJ 2016年09月18日

【山中人間話目次】
・平安名純代記者(沖縄タイムス)の眼。鋭く、清澄な、沖縄の魂を感じる記事
・木村草太&神保哲生&宮台真司の辺野古裁判判決批判
・ラルフ・ネーダー(2000年米大統領選にグリーン・パーティから出馬)のサンダース批判
キョウ おりんぴっく

Blog「みずき」:加藤哲郎さんのオリンピック「国威発揚」論。加藤さんは小倉利丸さんの論を引用して「国威発揚」論を展開していますが、そのの中で小倉さんは「国威発揚」論以前のオリンピックという競技そのものに包含される問題性を次のように指摘しています。「『国威発揚』といった国益にスポーツを利用する露骨な政治家の発言を不謹慎だと諫める良識ある者たちの多くは、スポーツが政治から中立でありうるというこれまたありえない幻想を近代スポーツの理想として実現可能なものだとする過ちに陥っているように見える。(略)つつましやかなオリンピックなら(民主的なオリンピックなら、ということでもいいが)歓迎だ、ということになるのかどうか。むしろオリンピックに体現されている近代資本主義が生み出した資本の倫理と価値観を支える「身体」のありように対して根底的な批判の目を向けることが必要ではないか」、と。合わせて自問してみるべき問題提起だと思います。

【「国威発揚」は容易に「国体護持」に連なり、戦前の治安維持法の亡霊になる】
憂鬱な、日本の夏です。8月21日のNHKテレビ「おはよう日本」で、解説委員が、五輪開催の5つのメリットの第一に
「国威発揚」を挙げたそうです。ウェブ上には、小倉利丸さんの身体論からの本質的批判「資本主義的身体からの訣別のために—近代スポーツと身体搾取」が出ています。日中戦争期1940年の「皇国」紀元2600年祭に、万国博覧会、国際ペンクラブ大会と共に、目玉として組み込まれた「幻の東京オリンピック」を追いかけてきたものとして、理論的に共感するところ大です。ただし1936年のベルリン・オリンピックを持ち出すまでもなく、民族の祭典」の裏側に「国威発揚」があり、それが強力なナショナリズムの接着剤となり、異民族、弱者や少数者への排除圧力となることも痛感しました。日中戦争泥沼化で1938年7月に近衛内閣が東京オリンピック返上を決めた(IOCは次点のヘルシンキに変更)後でも、1939年の第二次世界大戦勃発(40年ヘルシンキ・オリンピックも中止)直前まで、当時のモダンな写真雑誌『グラフィック』では、「3度目のオリンピック制覇をめざす水泳日本軍」の「日本人此所にありのヒット」を夢見る特集を組んでいました。
 
「国威発揚」の戦争への動員力は、強力です。これも電通の演出でしょうか、リオ・オリンピックの閉会式に、スーパーマリオに扮して登場した
安倍首相のパフォーマンス、日経新聞世論調査では、内閣支持率を62%にまで押し上げました。国会前が燃えていた昨夏は30%台だったのに。安倍首相に4年後の東京五輪・パラリンピックまで首相を続けてほしいと思うかとの質問にも、59%が「続けてほしいと思う」と答えたとか。民進党代表選は質問項目にも入っていないのに。ギャンブルを始めた年金積立基金は累積10兆円の赤字、相模原障害者施設の大量殺人犯はナチス優生学的主張を検挙後も政府に訴え続け、沖縄・高江ヘリパット予定地では反対派ばかりでなく新聞記者まで機動隊の暴力で排除され拘束されているのに。

参院選での改憲可能議席獲得、高い内閣支持率回復、野党のふがいなさを背景に、いよいよ登場しそうなのが「
共謀罪」。「テロ等組織犯罪準備罪」と名前を変えて、これまで3度も廃案になっていたのに、「組織的犯罪集団」を600以上指定して、実行行為ではなく「複数の人が犯罪を行うことを話し合って合意(共謀)しただけで罪に問えるようにする」というのです。「国威発揚」は容易に「国体護持」に連なり、戦前の治安維持法の亡霊になります特定秘密保護法の運用実態大分別府署の労働組合監視カメラ設置防衛省概算要求の軍事研究助成予算18倍110億円を見ると、亡霊どころか、現実かもしれません。ウェブ上で誰かの意見に賛意を示したり、「イイネ!」をクリックしただけで、「共謀」にされかねませんから。すでに参院選では、「自民党ネット対策チーム」が「成果」をあげたといいます。「日本会議」や「J-NSC(自民党ネットサポートクラブ)」ばかりでなく、日本マイクロソフトなどITベンダー6社が加わっているとか。台風一過の残暑の後には、「物言えば唇寒し秋の風」が近づいています。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016年9月1日

【山中人間話目次】
・宇都宮擁立を強く推したのは社民党の福島副党首であったという指摘について
・ジャーナリストの田畑光永さんの正鵠を射た蓮舫評価
・崔勝久さんの山田廣成(立命館大学教授)批判――エセ共生主義者の「トンデモ」性について
・重信房子さんの獄中からのSEALD’s評
・仲宗根勇さんの「委員を任命した知事と任命に全員一致で同意した県議会議員らの責任も追及すべきだ」という指摘に禿同
キョウ あべまりお キョウ きょうぼうざい

【「共謀罪」が創設されれば限りなく恣意的に運用されかねない】
リオ五輪・閉幕の日、
土管から飛び出した「マリオ」ならぬ安倍晋三首相。この8分間のパフォーマンスに税金12億円を投入! ああ「もったいない」。それどころか安倍首相は「ゴジラ」さながらに、とつぜん鋭い歯をむき出し、カギ爪を上にあげ、私たちの前に立ちふさがり始めた。「共謀罪」の導入だ。改憲勢力3分の2をバックに、「共謀罪」創設法案を9月の臨時国会に提出する。10年以上も前、小泉政権が3度にわたって国会に提出したが、廃案となった法案を、4年後の東京五輪を視野に、テロ対策強化を名目にして復活させる。だが今でもテロ行為を未然に防ぐ法律はある。こじつけだ。もともと犯罪行為は、具体的な実行によって、被害や危険が生じた場合に罪が問われる。「心の中で思い、皆で話しあったこと」を理由に処罰はできない。ところが今回の「共謀罪」は、沖縄の新基地反対や脱原発などの市民団体が、「路上にシットインして警察車両を止めよう」と話し合い、何らかの準備をすれば、組織的威力業務妨害を適用し処罰されかねない。さらに警察は犯罪の相談や合意を証明するために、室内盗聴や監視カメラの設置など、日常的な監視を続けるだろう。このあいだの参院選で、大分県警・別府署が民進党選挙事務所の敷地に、隠しカメラを設置していた事件でも証明済み。「共謀罪」が創設されれば、対象犯罪は600以上、限りなく恣意的に運用されかねない。(Daily JCJ 2016年08月28日

【山中人間話目次】
・安倍内閣支持率が62%に上昇。この国の底知れない世論なるものの不毛を思う
・東村高江 地元紙記者強制排除問題。日本新聞労連も抗議声明
・沖縄県に「県公安委員会、県知事、県議会の政治的罪責について包括的に論じ」る声が高まる(高まらなければおかしい)ことを期待する
・山田廣成(立命館大学理工学部教授)という阿房列車の人のヘイトスピーチ的屁理屈にただ暗然とする
キョウ いとうりつ

Blog「みずき」:加藤哲郎さん(一橋大学名誉教授、早稲田大学客員教授)はここでの論でいま安倍政権が企んでいる憲法改正問題とゾルゲ事件731部隊シベリア抑留という「戦争の記憶」との密接な関連性を指摘しています。どういうことか。加藤さんは次のように言います。「歴史の記憶は、諸個人の体験・証言とともに、時々の情報戦で作られる。例えば敗戦直後に反戦・反ファシズムの物語とされていたゾルゲ事件は、東西冷戦の開始とともに「国際赤色スパイ団」の犯罪とされた。冷戦終焉で現れた、旧ソ連秘密文書やアメリカ国立公文書館資料で調べていくと、一見無関係なゾルゲ事件と関東軍731 部隊の細菌戦・人体実験、さらには日本人60万人のシベリア抑留、あるいは1956 年日ソ国交回復時の近衛文麿元首相長男・近衛文隆の抑留死に至るまで、虚実を取り混ぜた、日本、アメリカ、ロシア(旧ソ連)、中国等々から発信される国際情報戦が見えてくる」、と。情報戦の問題をインテリジェンスの概念と結びつけ、長年研究してきた加藤さんならではの視点というべきでしょう。示唆に富むものがあります。今日、『父・伊藤律 -ある家族の「戦後」-』(講談社)の出版記念シンポジウムが東京で開かれているようです。私にとっても興味津々のテーマですが参加することは適いません。後日の報告を俟ちたいと思います。

【日本の民主主義は去って行ってしまったかもしれない】
参議院選挙が終わりました。危惧していた通りの安倍自民党・公明党の大勝で、大阪維新の会等を加えた「改憲勢力」は、憲法改正発議の要件となる3分の2の議席を、衆議院と共に確保しました。(略)海外の報道は、率直です。「安倍政権の経済政策と平和憲法改正に対する懸念にもかかわらず、与党が地滑り的勝利」「軍国主義の記憶を色濃く残している中国との緊張が増すだろう」(
ロイター)、「安倍首相が目指す憲法改正を加速」(人民日報)、「『改憲まで七合目』安倍・右翼60年の野望」(朝鮮日報)、「次のステップは平和主義の憲法を改正するかどうかの国民投票」(BBC)。合澤清さんの紹介するドイツ紙Die Zeitは強烈。「日本の民主主義は去って行ってしまったかもしれない」という解説記事で、安倍首相を「超保守主義者Ultrakonservative」とし、その理由を、「第一は、安倍がこの数年来、第二次大戦中の日本軍の忌まわしい振る舞いをひたすら緩和して、特別目くじら立てることではないかのように努力していたこと、第二に戦犯を合祀している靖国神社への国会議員の参詣を、彼が取りなしてきたこと、第三に、航空自衛隊の学校で、その教材用機械のボディにNo.731と大書して、それを写真に撮っている。これはヨーロッパでSS(Schutzstaffelナチス親衛隊)という文字がもたらすのと同様に、アジアでは極めて挑発的で嫌われている数字である。第四は、安倍が憲法の改訂を公然主張することで、中国や韓国(朝鮮半島)との緊張が一気に高まる気配がある」と。この第3の論点は、私がここ数年の講演で、731部隊の人体実験・細菌戦がらみで警告してきた「戦争の記憶」の問題そのものです。つまり、憲法改正問題は、この国では、歴史認識の問題とワンセットなのです。もっとも海外では、イギリスのEU 離脱国民投票に伴う首相交代・新政権、アメリカ大統領選挙の民主党ヒラリー・クリントン共和党トランプの対決構図確定、ハーグの仲裁裁判所が南シナ海での主権に関する中国の主張を退ける国際法上の判決、等々不安定と「危機」の要因山積、無論、アベノミクス経済も、もくろみ通りには進まないでしょう。もう明日ですが、7月16日(土)午後1-5時、明治大学リバティタワー12階1125教室で、伊藤淳さんの『父・伊藤律 -ある家族の「戦後」-』(講談社)出版記念シンポジウムが開かれます。私も 『ゾルゲ事件ーー覆された神話』(平凡社新書)などで伊藤律「革命を売る男」説の誤りをただす松本清張『日本の黒い霧』改訂に関わった関係で、著者・伊藤淳さん、評論家・保阪正康さんと共に、「ゾルゲ事件と伊藤律ーー歴史としての占領期共産党」について報告します。すでに「ちきゅう座」には、私の報告レジメ・資料が掲載されているようです。ちょうど日本共産党の公式「創立記念日」の翌日。冷戦史・社会運動史やインテリジェンスに関心のある方は、ぜひどうぞ。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.7.15

【山中人間話目次】
トルコのクーデターをどのように見るか-内藤正典 Twitter
サンダースは民主党、共和党以外の第三党をつくる道に踏み出すべきではなかったか
即刻明らかにせよ【増田寛也】東京電力との本当の関係 
田中利幸さん(歴史学者)の永六輔論
<社説>辺野古工事再開へ 法律をも踏みにじるのか - 琉球新報
平安名純代さんの「今、翁長知事が足を運ぶべき場所は高江です。馬毛島ではありません」
キョウ いとうしん
伊藤真弁護士

Blog「みずき」:昨日の浅井基文さんの論とほぼ同様のことを指摘する伊藤真さん(弁護士)の論。伊藤さんも浅井さんと同様に次のように言います。「安倍晋三首相に批判的な勢力や、改憲反対の市民運動に取り組む人たちは「3分の2を改憲勢力に取られた」として憂慮したり、落胆したりする必要はない。むしろ今後、国会の憲法審査会で改憲論議が進んでいくときに、国民がもっと具体的な改憲を意識した議論をしっかりする。つまり、一種のピンチをチャンスに変える認識を持つことが重要だと思う」。しかり、と私も思います。昨日の浅井さんの言葉をもう一度繰り返しておきます。「私たち主権者には、2/3のカベを再び突きつける可能性を確実に有していることに確信を持つべきである」。
 
【いまは次の総選挙で憲法を意識した投票行動に出るための始まり】
改憲勢力が3分の2を超えたことには何の意味もない。憲法改正の国会発議は、具体的にどの条文をどう変えるかという点について、3分の2の賛成が得られて初めて行われるからだ。例えば今の憲法9条を変え、国防軍を創設する自民党の改憲案に公明党は賛成するだろうか。おおさか維新の会が改憲で教育無償化や憲法裁判所の設置を目指すとしているが、自民党の改憲草案にはいずれも入っていない。憲法裁判所には賛否両論があり、自民党は賛成するだろうか。安倍晋三首相に批判的な勢力や、改憲反対の市民運動に取り組む人たちは「3分の2を改憲勢力に取られた」として憂慮したり、落胆したりする必要はない。むしろ今後、国会の憲法審査会で改憲論議が進んでいくときに、国民がもっと具体的な改憲を意識した議論をしっかりする。つまり、一種のピンチをチャンスに変える認識を持つことが重要だと思う。

自民党は4年前に発表した改憲案で、「国を豊かに、強くする」というゴールを明確に示し、それに向かって一歩一歩着実に進んでいる。今回の参院選で「憲法改正が争点にならなかった」といわれるが、自民党としては、わざわざ一つ一つの選挙で「改憲でこれを実現しますよ」と公約に掲げるまでもない。過去の国政選挙でも特定秘密保護法や安全保障関連法を争点にしなかったのに、選挙後に成立を強行した、と批判されるが、いずれも自民党が改憲案9条で示した法律を作っただけのこと。驚く必要は全くない。自民党は国民に示したとおりのことを「誠実」に進めている。国民やメディアがそれに対して鈍感なだけだ。アベノミクスも同じ。自民党の改憲案前文に「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」と書いてある。要するに、国家の国内総生産(GDP)を成長させることが重要なのであって、労働者の実質賃金が減少しようが関係ない。一人一人の個人よりも、国家を尊重する国をつくりたいと考えているのは明らかだ。

安倍首相は参院選の結果を受けて「自民党の方向性が支持された」として政策を進めていくだろう。少なくとも民主主義の国ならば、そのように評価されてもやむを得ない。ただ、自民党が提唱する、より強くて豊かな国づくりと、今の憲法が理念とする一人一人の個人を尊重する国づくりでは、目指すところが正反対だ。こうしたなか、国民はどのような国で生活するのが幸せを感じられるのか、自分たちのこととして考える時期にある。公明党の支持者で、これまで抽象的に「自公は連立だから」といって自民党の候補者に投票してきた人たちも、自民党改憲案の本質を理解し、自民党が目指す国家像を本当に支持していいのか考えていく機会だ。改憲問題はこの参院選で終わりではない。市民が今こそ憲法を学び、力を培い、その力をもって次の総選挙で憲法を意識した投票行動に出るための始まりと位置付ければよいと思う。(
伊藤真「毎日新聞」2016年7月12日
 
【山中人間話目次】
宇都宮さんはおよそ40年ぶりの野党共闘の実現に背いて彼自身の出馬に固執するか?
弁護士サイドの眼から見た宇都宮健児氏批判- 弁護士 猪野 亨のブログ
増田寛也氏「ファーストクラス使いながら、他人の使用は批判」
辺見庸の憂鬱
イギリスのEU脱退とイギリス憲法(全2回) – 中村民雄早大法学学術院教授
また、小手先でごまかそうとする。石原進と籾井勝人
キョウ さんいんせん3

Blog「みずき」:水島朝穂さんは「今週の直言」の《付記》の前に「いずこにおいても、哲学をもつ政治家がいなくなって久しい。それどころか、日本の場合、「虚栄心」と「自己陶酔」(祖父の悲願〔憲法改正〕達成)、距離感の喪失(Distanzlosigkeit)など、政治家の致命的欠陥をパーフェクトに備えた首相とその側近たちによって政治が決まっていく。秋には米国で、冒頭の写真にある大統領候補が当選するという悪夢の連打が待っているのか。政治家だけでなく、憲法研究者も含めて、変身と転進が始まる可能性もある。これからは、市民にも、「それにもかかわらず!」という覚悟が求められる時代が続く」と述べた上でマックス・ヴェーバーの『職業としての政治』から次のような言葉を引用しています。「政治とは、情熱と判断力〔見通す力〕を同時に用いながら、堅い板に力をこめて、じっくり時間をかけて穴をあけていくことである。もしこの世の中で不可能なことを目指して再三再四食い込もうとしないなら、およそ可能なことも達成されないということは、まったく正しく、かつ歴史上の経験がそれを確認している」(マックス・ヴェーバー職業としての政治』S.66)。

【付記】
第24回参議院選挙の結果が出た。投票率54.7%という戦後4番目に低い数字になった。与党と維新を合わせて「改憲勢力が3分の2に到達」という結果をどうみるか。まだ確定的な数字や割合などのデータが出ていないので、今回は詳しくは立ち入らない。ただ、ドイツの
第1放送(ARD)tagesschau(7月10日13時51分〔日本時間20時51分〕)が一番早い報道で、「参議院選挙で与党が多数を占めることが確実となった」「日本はこれにより第二次世界大戦後の時代から続く基本法〔憲法〕に別れを告げ、軍にさらに重きを置いていくだろう」と伝えた。選挙当日の『南ドイツ新聞』東京特派員の評論は、「安倍は彼の党を、戦後のどの首相もなし得なかったほどに強制的均質化した(gleichgeschaltet)」という学者のコメントを紹介しつつ、TPPや原発、憲法改正などの論争的なテーマを選挙の争点から外したことを問題にして、「日本の民主主義はしばしば…演出(Inszenierung)である」と結んでいる(Süddeutsche Zeitung vom 9/10.7.2016, S.10)。

ここで注目したいのは、ドイツでgleichschalenという言葉を使えば、与える印象はかなり強烈だということである。
Gleichschaltungは、ナチスが国家・社会を均質化しようとした政策や思想を指す。1933年3月の授権法(全権委任法)の1週間後に制定された「ラントとライヒの均質化(Gleichschaltung)に関する暫定法律」とその1週間後の「ラントとライヒの均質化に関する第二法律」によって、ラント(州)の権限は国家や党に移され、最終的に中央集権国家となった。日本の場合、自民党だけではなく、NHKをはじめ、各種メディアもまた「均質化」されていった。選挙報道は抑制させられ、「選挙隠し」ともいえる状況が生まれた。これは「つくられた低投票率」ではないか。(水島朝穂「今週の直言」付記 2016年7月11日

【山中人間話目次】
・メディアはどの社も「改憲勢力3分の2を確保」の大見出しを打っているが、「野党共闘」4党も実質「改憲」(新9条論)の主張をしており、疾うに「改憲勢力3分の2」の状況ではあった
・1人区で共闘している民進・共産・社民・生活の野党4党は「改憲」には反対していません。五十嵐仁さん、ウソを言ってはいけません。
・安倍首相と会食し、原発再稼働を鼓吹してきた石原進氏がNHKの監督機関の長でよいのか-醍醐聰のブログ 2016年7月9日
・『しばき隊のNo.1は野間易通、No.2は竹内真、No.3は木下ちがや、フェローは五野井郁夫。シニアフェローは中野晃一、エグゼクティブフェローは小熊英二。
・「バーニー・サンダースのバチカン倫理経済学会演説全訳」2016年7月5日
キョウ せいちょうのいえ
「生長の家」のデモ

Blog「みずき」:宗教法人「生長の家」の今夏の参議院選挙では「与党とその候補者を支持しない」という声明は画期的なものです。同声明の市井と庶民への浸透の深さによっては自民党の屋台骨さえ揺るがしかねません。この今回の「生長の家」の声明の本気度がどれほどにほんものか。どのような事情で声明発表にまで到ったのか。底辺の信者への浸透度はどれほどのものか。いまの段階では不明なことが多すぎますが、同声明が発表されたこと自体に大きな意味があります。さまざまな疑問はひとまずはカッコにくくっておくことにしてその「信仰の力」を素直に受けとめておきたいと思います。しかし、ここで気になるのは『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という著書が必要以上に声明の中で評価されていることです。同著の著者の菅野完氏は先日、自らのツイッター上の名誉毀損発言に損害賠償を命ずる判決(確定)が出て、ツイッター社からも同氏のツイッターアカウントが凍結されている野間易通が主催するしばき隊の重要なメンバーのひとりであった(または、現にある)人です。それらのことどもの反省のないままに同氏が評価されるとするならば、また別の次元の問題が生じることになってしまうでしょう。私はそこに一抹以上の懸念を覚えます。

【今夏の参議院選挙に対する「生長の家」の方針】
来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。(略)最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「
日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。

当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。(略)私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。(
宗教法人「生長の家」 2016年6月9日
キョウ ますぞえ

Blog「みずき」:上記のフォトは実に風刺の利いたポンチ絵です。いわずと知れた左はあの人。右もあの人です。 舛添都知事批判について、「だったら石原都政時代はどうだったのか?」「舛添の次の都知事もどうせロクなやつは出て来やあしない。舛添はましな方」などの反批判がありますが、いずれも敗北主義の声というべきでしょう。次に誰が知事になるか。また、過去の石原都政の評価の問題は別の問題です。別の問題を持ち出して現実にいま露呈している問題についての「不正」批判を抑え込もうとする。そのような論は現状肯定、すなわち敗北主義の論になるほかありません。

【長らく続いた保守・反動政権の「賄賂政治」というツケのツケ】
舛添都知事による高額出張旅費問題、そして箱根への別荘に行くのに公用車を使った問題、家族の食事の領収書を経費計上していた問題、ここまでカネに汚くなれるのかという典型的な政治家像を、舛添氏は見せつけてくれました。自分のカネだったらできないことを人(税金)だからできること、本当に汚いものです。自分の懐が痛まなければ何でもできてしまう、というのはその人の人格なのでしょう。舛添都知事に対する都民の批判が大きくなってきたから、都議会自民党は距離を置いていますが、自民党が推薦した知事であることの責任はまるで自覚がありません。所詮、同じ穴の狢ですから、厳しい姿勢など取ろうはずもありません。舛添都知事に比べれば、ちょっとだけましだった猪瀬前都知事も、裏では5000万円の政治資金をもらっていたというのですから、五十歩百歩です。この猪瀬前都知事のときも同じでした。自民党、公明党には最後まで猪瀬前都知事を追求するという姿勢はありませんでした。

東京五輪招致では、招致委員会が2億2000万円をコンサル料名目で支払っていたことが
明るみに出ました。「2020年東京五輪・パラリンピック招致委員会(現在は解散)は13日、国際陸上競技連盟前会長の息子が深く関わったシンガポールの会社に13年、約280万シンガポールドル(約2億2300万円)を支払ったことを認める声明を出した。コンサルタント業務への対価だとして、正当性を主張した。」当初、否定していたにも関わらず、一転、認めたのは単に否定し切れなくなったからですが、誰がどう見ても賄賂性があったからと認めているようなものです。限りなく黒に近いグレーとなりました。これだって、自分のカネではないから巨額のカネをつぎ込めているのです。オリンピック自体に巨額の費用をつぎ込めるのも同じことであり、税金だからです。税金の垂れ流しです。日本では長らく保守・反動政権が続き、一時的に民主党鳩山政権の誕生のようなこともありましたが、基本はすべて保守・反動政権です。その中で莫大な額のやり取りをするような贈収賄事件が起きたり、政治家が莫大な資産を隠していたり、ひどいものです。

財界、自民党、公共事業というサイクルの中で出来上がった腐敗構造です。政治献金も結局、莫大な利益を得た財界が、自らの支配を維持するための資金ですから、カネによって全てが支配されているということです。先般、
パナマ文書が明るみに出たことにより、カネ持ちによる税金逃れが露呈しましたが、これも薄汚い税金の私物化の一態様です。納めるべきものを納めないでポケットに入れているわけですから。こういうものに対して、保守・反動政権は、極めて寛容です。その根っこにあるのは、財界によるカネによる支配。あるところにはあるカネによって日本全体、いや世界全体が支配されているということです。この金権支配が続く限り、私たちの将来は愚か、地球上のすべての人々、動植物にとっても最悪の未来となります。(弁護士 猪野 亨のブログ 2016/05/14