キョウ とうきょうとちじせん

Blog「みずき」:いうまでもなく澤藤統一郎さんによる平家物語のパロディ、石原慎太郎の巻。その石原慎太郎に老残の相あり。いささか哀れを催すも畢竟自業自得ということか。

【「閻魔より、慎太郎殿の御迎へに参りて候」と申す】
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる慎太郎も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂には亡びぬ、ひとへに風の前の豊洲の塵に同じ。近く歴代都知事をとぶらへば、先代
舛添要一、先々代猪瀬直樹、これらは皆、心ある人びとの諫めをも思ひ入れず、都政の乱れんことを悟らず、民間の愁ふるところを知らずして、あるいは都下の病院経営者から5000万円もの現金の提供を受け、あるいは私事に公費の混同目に余りしかば、久しからずして、都民に見捨てられて亡じにし者どもなり。しかれども、奢れる慎太郎にくらぶればその罪さしたることなしというべきならん。舛添、猪瀬の両名に先だつて、13年もの長きにわたって都庁を伏魔殿とし、その魔物巣窟の主として君臨せし石原慎太郎と申しし人の、おごれる心たけきことのありさま、伝え承るこそ、心も言葉も及ばれね。この慎太郎、人を人とも思わぬ傍若無人の振る舞いで知られてければ、部下にも記者にも、敬して遠ざけられておりしは、軽い御輿のありさまとぞ覚えけり。またこの人、常に手柄は我が物として記者会見では得意満面となりつれど、不祥事の責任はすべて部下になすりつける卑劣漢として音に聞こえけり。(略)

こうして慎太郎。「私はだまされた」の被害者面をしてみせたものの、なんじょう被害者などであるべきか。一転、盛り土案潰しの『真犯人』に擬せらるに至れり。さすれば慎太郎は一計案じて前言翻して、「シタ(=部下)から箱をつくると上げてきたので、それを会見で報告しただけ」「私は建築のイロハを知らないので、そんな工法思いつくはずがない。素人だから他人任せにしてきた」と居丈高に開き直り、最後は「東京都は伏魔殿だ」と捨てぜりふ。この伏魔殿の主の言に、聞く人一同笑いさざめけるは、既に慎太郎がかつての勢いなきしるしなり。かつて勢い盛んなるときなれば、誰もが慎太郎の暴言には目をつぶれり。しかれど、今は昔の彼ならず、シタ(=部下)も黙ってはおられない。黙っていれば悪役ともならんずらん。比留間英人なる人は、当時の都中央卸売市場長なりけるとぞ。メディアに向かって申し開きをこころみにけり。「『こんな案があるから検討してみてくれ』と知事から指示を受けました」と。慎太郎こそはウソをのたまひけれ。「下から上への地下室案」ではなく、「上から下への提案」とのことなりき。ウソ付きは閻魔の劫火に焼けてあれ。慎太郎の夢に見給ひけるこそおそろしけれ。田園調布の某所に、猛火おびたたしく燃えたる車を、門のうちへやり入れたりて、牛の面のようなる者、馬の面のようなる者の言うよう。「閻魔より、慎太郎殿の御迎へに参りて候」と申す。「さて、なんの迎えぞ」と問はせ給へば、「南閻浮提、都民の善男善女をたぶらかし、都政を混乱させ給へる罪によって、無間の底に落ち給ふべきよし、閻魔の庁に御さだめ候ふなり」とぞ申しける。夢さめてのち、これを人に語り給へば、聞く者、身の毛もよだちけり。(
澤藤統一郎の憲法日記 2016年9月16日

【山中人間話目次】
・【速報】辺野古裁判 沖縄県が敗訴
・アリの一言氏の「二枚舌の使い分けこそ翁長氏の一貫したやり方です」という批判
・平安名純代さんの「知事が工事そのものを容認しないというのであれば、米側にも明確に伝わるノーという意思表示が必要です」という翁長氏批判
・仲宗根勇さんの「予想通りの判決理由で敗訴した日」という翁長県政批判
・高林敏之さんのヤマトの国家機構、国民批判と私の「オール沖縄」批判
・金平茂紀さんの「司法が機能しない国は、早晩滅びる」という問題提起
キョウ とちじせん12

Blog「みずき」:政治学者の浅井基文さんは野党共闘のあり方を「戦術的共闘」と「戦略的共闘」という2つの次元に区別し、その上で「今回の東京都知事選挙における統一候補擁立は、参議院選挙における野党共闘をさらに進めるという野党4党の基本認識の一致だけが先行し、その上で4党が一致できる「勝てそうな」候補者を探すという、ドタバタの戦術的共闘」でしかなく、「戦術的共闘と戦略的共闘という二つの次元を明確に意識し、整理した上で「共闘」を組み立て」えなかったことが今回の鳥越陣営の都知事選惨敗の原因であった、と分析しています。ここで浅井さんのいう「戦略的共闘」とは、「21世紀の日本が取るべき進路・目標」のことで、「その進路・目標に関する各野党内部、野党間及び「市民勢力」の立場・考え・政策を付き合わせ、徹底して議論を闘わせ、その上で一致できる最大公約数に基づいて、主権者・国民に訴えていく共闘を組み立てるということです」。先日の「今日の言葉」での森川文人さん(弁護士)の問題提起と共通するところが多い問題提起です。革新者の問題提起は似通うというのが私の所感です。同じ方向をめざそうとしているわけですから当然といえば当然ということでしょう。

【日本政治を根本から主権者・国民の手に取り戻す道筋】
今回の東京都知事選挙における統一候補擁立は、参議院選挙における野党共闘をさらに進めるという野党4党の基本認識の一致だけが先行し、その上で4党が一致できる「勝てそうな」候補者を探すという、ドタバタの戦術的共闘でした。(略)各党の内部矛盾を無視してしゃにむに突っ走ったのですから、惨敗に終わったのはある意味必然だったと言えるでしょう。参議院選挙及び東京都知事選における最大の教訓は、戦略的目標を共有しない戦術的共闘の限界ということです。私が言う「戦略的目標」というのは、「21世紀の日本が取るべき進路・目標」ということです。そして、戦略的共闘というのは、その進路・目標に関する各野党内部、野党間及び「市民勢力」の立場・考え・政策を付き合わせ、徹底して議論を闘わせ、その上で一致できる最大公約数に基づいて、主権者・国民に訴えていく共闘を組み立てるということです。 野党内部における徹底した議論の必要性をも含める必要性は、民進党内の共産党との共闘をめぐる岡田代表と「右バネ」勢力との対立、あるいは、「鳥越擁立先にありきで、宇都宮氏に立候補断念を迫った共産党の強引な手法」について考えれば直ちに理解されるでしょう。

ちなみに、「徹底した議論を尽くす」ということはデモクラシーが生命力を持つ上での大前提であり、その命綱ですが、日本の政治土壌を考えるとき、実は極めて難しい課題です。自民党にしても民進党にしても、政権・権力の座につくことを至上課題とし、それだけを一致点とした様々なグループの寄合所帯です(思想信条は二の次、三の次)。ですから、民進党の寄合所帯的性格は「共産党との共闘」というテーマをめぐって直ちに露呈するのです。(略)徹底した議論を尽くすというデモクラシーの基本からいうと、公明党及び共産党についても別の問題があります。それは基本的に「上意下達」の組織であって、党内デモクラシーが欠落(言い過ぎ?)していることです。しかし、政党政治に代わる有効な仕組みが現れない限り、日本の各政党が以上の課題を克服することは、日本政治が真にデモクラシーを実現するための欠くべからざる前提条件です。(略)
参議院選挙では、安倍政治の暴走で危機に直面している日本の立憲主義を守るということが、野党共闘における柱だったし、そのことが野党共闘に求心力を持たせたことは間違いありません。その限りでは、戦略的共闘の要素が原初的に含まれていたことは否定できません。しかし、私が言う「戦略的目標に基づく戦略的共闘」というのは、憲法、内政、安保、外交のあらゆる分野で日本が直面する基本問題について、各政党内部及び各政党間で徹底した議論を闘わせ、その過程を通じて得られた最大公約数に基づいて、主権者・国民に訴える共闘体制を組み立てるものでなければなりません。そういう真摯な取り組みのみが、自公政治に最終的に引導を渡し、日本政治を根本から主権者・国民の手に取り戻すことができるのです。(浅井基文のページ 2016.08.04

【山中人間話目次】
・日本政府、ナショナリストを防衛相に任命-ルモンド 8月3日 Philippe Mesmer (東京特派員)
・美濃加茂市長事件控訴審で見えてきたもの 郷原信郎
・ヒューマンライツ・ナウの「タイの新憲法案及び国民投票の手続きについて重大な懸念を表明する」声明
キョウ とちじせん11

Blog「みずき」:以下は、政治学者の浅井基文さんの東京都知事選における鳥越陣営(リベラル・左派)の敗因の分析です。浅井さんはその敗因の要因を民進党、共産党、社民党、宇都宮陣営それぞれが抱え持つ「病理」に還元する形でそれらの問題性を論じています。「宇都宮擁立を強く推したのは社民党の福島副党首をはじめとするいわゆる市民団体であった」とする指摘は、福島氏のお連れ合いである弁護士の海渡雄一氏が「宇都宮健児 希望のまち東京をつくる会」の代表をしていたことなどからもさもありなんと思わせるものがあります。浅井さんのその指摘が真であれば(私は真だろうと思いますが)、社民党は、公式には鳥越氏を支持しながら、その裏側では宇都宮氏を推すという背理を犯していたことになります。「野党共闘」ははじめから崩れるべくして崩れていたのです。ここからはその背理の理路の必然として「野党共闘」とはそもそもなにか、という話に移らざるをえませんが、その本質論の話は浅井さんの「今日の言葉(2)」で語られることになります。

【野党共闘の「一枚岩」という前提の虚構性と脆さについて】
今回の都知事選挙での主要3候補の得票数は次のとおりでした。(略)参議院選挙東京選挙区での主要政党候補の得票数は次のとおりでした。(略)以上の数字から、直ちに以下の事実が分かります。第一に、小池及び増田両候補の得票合計数は参議院選挙での自公3候補の得票合計数を140万票以上上回っていること。第二に、鳥越候補の得票数は、同候補を支援した民進・共産・社民3党の候補が参議院選挙で得票した合計数を130万票以上下回っていること。以上の2点から分かることは、今回鳥越候補を支援した政党の参院選立候補者に投票したかなりの部分(130万票以上)が小池または増田候補に流れたと見られることです。そして、事前の各種世論調査結果及び様々な報道から判断するとき、その原因としては、以下の要素が働いたことが分かります。一番大きい要素としては、参議院選挙で190万票以上を獲得した民進党が、知事選挙期間中から、共産党との共闘の是非をめぐって深刻な内部対立が起こったことがメディアで広く報道されており、民進党支持者の中の「反共」層(連合を含む)が小池または増田候補に投票したと判断されることです。第二に、本来は比較的堅いはずの共産党支持層ですが、前の2回の都知事選挙で共産党が中心になって擁立した宇都宮健児氏が今回も立候補に最後まで意欲を持ち続け、最終的に断念したものの、鳥越候補に対する支持を明確にしなかったことが、参議院選挙で共産党候補に投票した人々の投票行動に影響を与えた可能性があることです。第三に、参議院選挙では9万4千票弱しか獲得しなかった社民党ですが、私がある会合で社民党の内部事情に詳しい人から直接聞いたところによると、宇都宮擁立を強く推したのは社民党の福島副党首をはじめとするいわゆる市民団体であったとのこと(私の情報源はこれだけですので間違っていたらお許し下さい)で、参議院選挙で社民党候補に投票した人々の投票行動にも影響があった可能性があります。

このように、鳥越支持の主要3党それぞれに複雑な内部事情が働いたのですから、同候補に勝ち目はなかったことは容易に理解できます。つまり、民進・共産・社民などが一枚岩になってはじめて自公と互角以上に戦えるというのが参議院選挙結果の示しているところですが、そういう前提が崩れた状況下では到底勝負にならなかったと言えるでしょう。(略)

さらにつけ加えるならば、民進党の岡田代表が投票日直前というおよそ考えられないタイミングで9月の党代表選への出馬断念を表明したことは、彼自身の政治家としての識見のなさ(政治家としての資質の問題)を露呈しただけでなく、彼の行動に呆れ、怒った少なくとも一部有権者の投票行動に影響を及ぼしたことも間違いないでしょう。また、宇都宮氏の態度も一部有権者の投票行動に影響を及ぼしたことは間違いないでしょう。宇都宮氏が鳥越氏の応援に登場しなかったことに関する本人の説明(略)によれば、いわゆる「女性問題」に関する宇都宮氏の質問に対する鳥越氏の回答内容が不十分であり、人権問題を一貫して重視してきた宇都宮氏としては納得がいかなかったからとされています。この報道が正しいとするのであれば、私としては宇都宮氏の行動には納得できません。そもそも、選挙の最中に週刊誌(しかも名うての「暴露もの」を手がける2つの週刊誌)がこういう問題を持ち出すことが政治的悪意によるものであったことは明らかです。宇都宮氏の行動は、そういう週刊誌の行動に客観的に加担し、正当性を与えてしまっています。また、宇都宮氏の行動は、少なからぬ有権者の投票行動に影響を及ぼす公人としての責任意識が伴っていなければならなかったはずですが、宇都宮氏の発言からはその意識を窺うことができません。(
浅井基文のページ 2016.08.04

【山中人間話目次】
・斉藤美奈子さんの「本音のコラム」(東京新聞 2016年8月3日)の急所の主張について私は全面的に反対です
・孫崎享という人はリベラルでも左派でもない。保守の別働隊にすぎない
・蓮舫という女性政治家は定見のない御身大事の人でしかないことを証明した8月4日の時事の記事
キョウ ストライキ

Blog「みずき」:ここで森川文人さん(弁護士)は今回の都知事選の評価に関して誰も言わないことを指摘しています。小池氏も鳥越氏も国防を必要とする自衛論者であるという点では変わりがない。それゆえ、今回の都民の政治選択は、いわば「五十歩百歩」の選択というものでしかなかった。その結果として共産党や民進党の支持層の票が小池氏に流れたという側面もあるのではないか、と。重要な視点であり、かつ、指摘だと思います。森川さんはさらにそこから進んで「日和見主義に見えるリベラルに変わる『立ち位置』を明確にした政治思想と実践の重要性」を説きます。それが今回の都知事選の敗北の反省を生かす、ということではないか、と。革新の立場からの今回の都知事選評価としてもっとも本質を突いた指摘、というのが私の評価です。


【小池氏と鳥越氏という「五十歩百歩」の選択が小池氏に流れた】
改憲を求める「日本会議」国会議員懇談会の元副会長で、元防衛相の小池百合子氏が59.73%と高い投票率の下、2912628票と都知事選を「圧勝」。そして、「無所属」で立候補した小池氏に「党派超えて得票」がされたということで、
民進党の支持層の28%、共産党の支持層19%も小池氏に投票したとのことです(略)日々の暮らしが厳しい中、政治的な関心よりも生活=経済に目を向けざるを得ず、強く、頼り甲斐のあるようなイメージやムードに惹かれる・・・。日本の「リベラル」の意味は今一つはっきりしません(略)が、今回の野党共闘がリベラルの結集であるなら、とりあえず「反安倍政権ならリベラル」というところでしょうか。「なんとなくリベラル」という話は以前も書きましたが、そもそも、民進党は改憲政党ですし、基本的に「個別的自衛権」は仕方ない、というのが「リベラル」の発想ということだと思います。そうでなければ共闘などできないでしょう。「日和見主義」とは、いわば情勢を見て長いものに巻かれよ、という発想ですが、今の日本のリベラルの状況は、ここでいう「日和見主義」に近いものがあると思います。

小池氏は、バリバリの国防論者ですが、鳥越氏も国防を必要とする自衛論者であることは変わりません。その他の点でも、本質的に異なる政策が明示できたのか疑問です。体制内で「まあまあこの辺りで」が「反安倍リベラル」の本質だったとすれば、いわば「五十歩百歩」の選択として「野党」の支持層も小池氏に流れたのではないでしょうか。この「日和見主義」については、昨今、各国でも顕著な排外主義的なナショナリズムとの「合流」が歴史的に危ぶまれています。「日和見主義と社会排外主義との経済的基礎は同一のものである。すなわち、労働者と小ブルジョアジーのごく少数の特権層の利益がそれであって、彼らは自分たちの特権的地位をまもり、また「自」国のブルジョアジーがあるいは他民族を略奪することにより、あるいはその大国としての有利な地位を利用することによって手に入れた利潤のおこぼれをもらう自分たちの「権利」をまもっているのである。」「日和見主義と社会排外主義との思想的=政治的内容は同一のものである。すなわち、階級闘争のかわりに階級協力、革命的闘争手段の放棄、「自国」政府の困難を革命のために利用するかわりに、困難な状態にある「自国」政府への援助、これがそうである。」(レーニン『
社会主義と戦争』)

別に、だから、今すぐ革命だ!などというつもりはありません。ただ、あまりにも「階級」的な利害の対立が誤魔化され、もしくは、自ら目をそらし、曖昧なまま階級協力=労使協調=ニッポン頑張れ、に流れようとする今、日和見主義に見えるリベラルに変わる強烈な階級視点を押し出すことは改めて必要だと思います。「ヒトラーの日和見主義は、ストライキ戦術により、意のままにふるまわされている。ストライキ戦術により、都市や地方の経済生活はすべて麻痺させられ、有産階級−ヒトラーは彼らの中から支持者を獲得している−の利益も、その心臓部に打撃を加えられている。・・・ストライキ戦術こそが、ナチスの突撃隊の背後に加えられた致命的な打撃となっている。」(『
クーデターの技術』クルティオー・マラパルテ)マラパルテは、これを1931年、つまりナチスの政権獲得前に指摘していますが、この時点での「ストライキ戦術」の重要性・有効性が指摘されているのは示唆だと思います。現在の韓国やフランスのゼネスト状況は、まさに99%側の私たちの直接の声の表れです。今、日本の私たちにも必要なのは、議論を深め、曖昧な日和見主義を改め、「立ち位置」を明確にした政治思想と実践だと歴史は教えてくれている思います。(御苑のベンゴシ 森川文人のブログ 2016-08-02

【山中人間話目次】
・都知事選、小池氏に幅広い支持 朝日新聞出口調査:朝日新聞デジタル 
・kojitakenさんの都知事選総括(2)――左翼・左派・リベラルの理非曲直の問題
・猪野亨さん(弁護士)の「桜井誠氏が11万票を集めた意味」の分析
辺見庸9

Blog「みずき」:加藤哲郎さんの「今日の言葉」にリンクされている記事はそのどれも大変参考になります。是非、クリックしてご参照ください。なお、ここでは都知事選の問題に絞って加藤さんの記事を引用しています。その後に続く優生思想に凌辱される「戦後71年」の日本社会の変貌の指摘も見逃せません。

【優生学的言説が横行する「新たなる戦前」】
参議院選挙に続き、東京都知事選挙が終わりました。午後8時の投票締切と同時に当確が出る、小池百合子候補の圧勝でした。投票率59.73%は東京ではまずまずで、小池290万票、増田180万、鳥越135万。事前の予想通りとはいえ、無党派層の5割の支持で小池候補が勝ったのは、日本会議国会議員懇談会の副会長ですから、国政に与える影響も重大です。「初の女性都知事」といいますが、弱者の味方どころか、弱者切り捨ての都政に向かうでしょう。政権与党自民党・公明党の推薦した増田候補は、自民支持層の半分、公明支持層の4分の1が小池候補に流れて、組織戦になりませんでした。(略)保守分裂の中での4野党共闘で優位にあったはずの鳥越候補は、無党派層の20%しか得られず、民進党支持層の3割、共産支持層の2割が小池票にまわって、共闘効果は出せませんでした。9月民進党代表選への責任・路線問題、共産党支持層の流動化にもつながるでしょう。(略)21世紀の政治が情報戦であり、インターネット時代の選挙が劇場型ポピュリズムになりがちなことは、かねてから私の情報政治学の基本主張です。シンボルやイメージを駆使する小池新知事の登場も、この点では不思議ではありません。電通をバックにした安倍官邸の情報操作も巧妙で、小池知事との関係修復、たとえ小池新党になってもおおさか維新と同様に日本会議型改憲連合へ再吸収できると、織り込み済みでしょう。

メディア政治のなかで気になったのは、むしろ相模原障害者施設での19人刺殺・26人傷害事件の衝撃と、その反響。人間の尊厳と権利に直結した大量殺傷事件にも関わらず、日本の首相は、直前までゴルフ三昧で、政府としての哀悼声明・服喪もなく、
ISテロに悩むヨーロッパ諸国から見れば、異様です。その実行犯の衆院議長宛手紙に書かれ、施設内でも繰り返していたという動機と主張は、「 世界経済の活性化、本格的な第三次 世界大戦を未然に防ぐ」ために「全人類の為に必要不可欠である辛い決断」「日本国が大きな第一歩を踏み出す」ために必要な「障害者総勢470名を抹殺する」「安楽死」作戦で、「安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければ」と国家の支援を求め、実際に実行しました。ナチスのT4作戦を想起するのは当然で、優生学思想公 然と現れる土壌が、現代日本社会にあることを、示しています。東京都知事選挙では、外国人差別・ヘイトスピーチを公言する桜井誠候補が、11万票を獲得しました。つまり、優生学的差別・選別の思想を受け入れる土壌は、日本会議風ナショナリズムと結びついて、相当に広がり浸透しているのではないでしょうか。忍び寄るファシズムです。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.8.1

【山中人間話目次】
・宇都宮健児・希望のまち東京をつくる会は次の都知事選に向けて「これからも走りつづける」らしい
・アリの一言氏の宇都宮健児評価は私は買いません
・場合によっては共産党に入れそうな人もコイケに投票した
・<米軍ヘリパッド>米団体が非難決議審議へ 「恥ずべき差別的行為」-沖縄タイムス
キョウ こいけゆりこ3

【都知事選結果を見る視点7本】
・しかし、はっきりしていることがある。絶望は乗り越えられなければならない。
・もう長いあいだ、俺にとって選挙とは「絶望を確認する行為」であり続けている。(toriiyoshiki twitter)
・澤藤統一郎さん(弁護士)の視点 ――都知事選の敗北から何を教訓として酌み取るべきか
・猪野亨さん(弁護士)の視点 ――残念を超えた恐ろしい結果に 大同団結のための多くの教訓を残した
・『きまぐれな日々』の視点――東京都知事選『惨敗』でもっとも強く批判されるべきは宇都宮選対の指導者たちではないか
・醍醐聰さん(東大名誉教授)の視点 ――都知事選総括「敗因を外に求め、自省できない革新に未来はない」
・時事解説「ディストピア」氏の視点 ――今回の都知事選で目につくのは自民党に対して反感を抱いている人間がよりによって自民党よりも右向きの人間に票を入れてしまうという現象である









【山中人間話目次】
・「敗因を外に求め、自省できない革新」のひとつの典型しての五十嵐仁さんの論
・「敗因を外に求め、自省できない革新」のひとつの典型しての「赤旗」の記事
・極右・小池百合子の「爆勝」を報道する本日の新聞各紙
・内野光子さん(歌人)の痛烈な現代歌人批判
・鄭玹汀さんと米津篤八さんの象徴天皇制考
標題記事を含む私の本日付けのFacebook記事を掲げて「今日の言葉」とすることにします。

【明日31日(日)東京都知事選投票日】


【山中人間話目次】
・都議選に思う~なぜ、東京はオリンピックを中止できないのか 内野光子のブログ
・辺見庸が絶賛する『日中の120年―文芸・評論作品選』全5巻(岩波書店)
・toriiyoshikiさん(NHKディレクター・ハーフ・リタイア)の眼――NHK会長選に意欲を見せる板野裕爾前放送総局長
・石橋学(神奈川新聞記者)の「差別の思想を非難する」――桜井誠の思想と相模原事件容疑者の思想の類似点
・神保哲生の相模原障害者殺傷事件・日本社会の中に潜む事件の遠因を考える
・平安名純代さん(沖縄タイムス米国特約記者)の眼――北部訓練場の部分返還について
・控訴審で一層明白となった贈賄虚偽証言と藤井美濃加茂市長の無実 郷原信郎が斬る
・石川淳の久保田万太郎追悼――「わが万太郎」(『夷齋小識』)
キョウ とちじせん10  
Blog「みずき」:私は1967年の東京都知事選で美濃部都政が誕生したときの湧き立つような興奮を覚えています。京都府の蜷川府政、横浜市の飛鳥田市政という老舗の革新自治体は別格として、以後、1971年には黒田大阪府政、72年には屋良沖縄県政、畑埼玉県政、74年には武村滋賀県政、75年には長洲神奈川県政と革新自治体が次々と誕生していきました。いまは、かつてそういう時代があったということが夢のようです。いまという時代は1930年代にも比較される戦前回帰を予兆させる。そういう時代です。若者たちはかつてそういう時代があったということをもちろんリアルタイムの目では知りません。いまの若者たちにそのリアルタイムの肌感覚を体感してもらいたい。その体感はきっと自身が態度を決めかねているときの道標のようなものになるでしょう。そう思うのはかつて若者だった私のセンチメンタリズムにすぎないのでしょうか? 「人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ」とはかつて水平社宣言を発した若者たちの言葉です。その若者たちの言葉を私はいま、2016年東京都知事選挙の投票をしようとするすべての有権者のみなさんに贈りたいと思います。

【「人権・平和・憲法を守る」志のある者は、鳥越俊太郎候補支持に総結集を】
あと2日。
2016都知事選の選挙運動期間は、今日(7月29日)と明日しか残されていない。全力で鳥越候補を押し上げたいと思う。私は、鳥越という人物を個人的に知っているわけではない。その人格に過度の思い入れはない。その特別の能力や識見に期待しているわけでもない。しかし、いま、客観的に都知事候補鳥越俊太郎は、「ストップ・アベ暴走」の最前線にいる。さらに正確には、鳥越俊太郎を都知事候補に押し上げようという運動が、壊憲と護憲のせめぎあいの最前線にあるというべきである。野党4党が統一して、「人権・平和・憲法を守る東京を」と公約とする鳥越を推しているのだ。護憲のための野党共闘の効果についての試金石ともなっている。しかも、何度も繰り返すが、今回はこれまでとは違う。千載一遇のチャンスなのだ。これまでは幅広い野党共闘は望むべくもなかった。これまでの都知事選では、野党が割れ、与党側の圧勝を許した。07年の選挙では浅野史郎の惜敗率(当選者に対する得票率)は、60.23%、吉田万三22.39%であった。2011年選挙では、東国原64.36%、小池晃23.86%。野党が統一できていれば、善戦はできたのだ。だから、2012年都知事選では曲がりなりにも社共の共闘ができて、大いに期待した。しかし、宇都宮健児の惜敗率は22.33%という泡沫候補並みの惨敗だった。吉田万三、小池晃のレベルに達しなかったことは、共闘のあり方が厳しく問われなければならない。記憶に新しい2014年選挙でも、野党統一はならず、舛添の独走を許した。

今回選挙で、これまでにない幅の広い野党統一が実現している。そして、自公の与党勢力が割れているのだ。いまこそ、「人権・平和・憲法を守る」志のある者すべてが総結集してこの千載一遇のチャンスを生かさなければならない。鳥越候補の公約やスローガンは全面的に支持できる。彼の演説の内容も、首都のトップの姿勢として評価してしかるべきだ。彼が公約として掲げる「人権・平和・憲法を守る東京を」「憲法を生かした『平和都市』東京を実現します」というには全面的に共感する。「多様性を尊重する多文化共生社会をつくります。男女平等、
DV対策、LGBT施策、障害者差別禁止などの人権施策を推進します」「非核都市宣言を提案します」もだ。鳥越が、選挙演説で述べた、「1に平和 2に憲法 3に脱原発」のスローガンは、彼ならばこそのもの。「非核都市東京宣言」もよし。都政については、『住んでよし、働いてよし、学んでよし、環境によし』。そして、聞く耳を持っていることの自負が大切だ。上から目線の人でないことは確かではないか。あと2日。今後の野党共闘継続のためにも、そして何よりも憲法の命運のためにも、できるだけのことをしなければならない。(澤藤統一郎の憲法日記 2016年7月29日
 
【山中人間話目次】
・「お前らは不要だ、邪魔だ」という感覚を私たちは無自覚のうちにまだ共有しているのではないか――弁護士清水勉さんの問題提起
・「森川文人弁護士の反省と9・6集会に向けての決意
・集団リンチ事件の加害者とその隠蔽の問題の重要性が主水なる人間の救いようのなさによって低下するわけではない」という金光翔さんの問題提起
キョウ うつのみや

Blog「みずき」:宇都宮健児氏は鳥越俊太郎候補応援問題に関して本日付けのツイートでは次のように述べています。「鳥越さんの応援要請について、政策面に関しては誠実なご回答を頂きましたが、女性の人権にかかわる問題についての対応という点で、残念ながら一致にいたっていません。以上ご報告申し上げます。」 「女性の人権にかかわる問題についての対応」とは、すでに鳥越氏が「事実無根」であると明言し、週刊誌を名誉毀損と選挙妨害罪で刑事告訴している以上、後は記者会見を開いて同告訴問題を説明するかどうかという対応の問題でしょうが、そうした対応の問題が「極右都知事の誕生を許すかどうか」という現情勢下の喫緊の課題より優先する課題になりえるはずがありません。宇都宮氏は結局あれやこれやと言って鳥越氏の応援をするつもりはないことは明らかというべきでしょう。

【私の宇都宮健児批判】
宇都宮健児という人は終わりました。もう宇都宮健児になんらかの期待をしても無駄です。宇都宮は所詮、「俺が、俺が」の利己欲だけの男でしかなかったことが誰の目にも明らかになりました(これまでも少なくない人たちによる
宇都宮陣営の「同調圧力」批判はあったのですが)。「日本全体が右傾化しようとしているとき、(略)極右都知事が誕生しようとしているとき、それに優先する公約というものがあるのでしょうか」という猪野亨さんの問いは宇都宮氏への最後通牒のようなものです。また、永原純さんが「何だなんだ、初めから終わりまで毒百合子の独走か」と言っているのは、宇都宮氏の「初めから終わりまで」おのれの利己欲を優先したさまを強く非難しているのです。もし、鳥越氏が落選でもするものなら、宇都宮氏には自覚はないでしょうが、基礎票で保守票を上回る革新(今回の場合は野党4党)が都政を奪還する千載一遇のチャンスをおのれの利己心から潰した男という汚名を負って、これから先の生涯を終えなければならないことになるでしょう。また、「希望のまち東京をつくる会」という名の宇都宮支持団体は今後頼りにしていた共産党からも社民党からも一切見向きもされなくなるでしょう。目に見えていることです。それもこれも宇都宮氏及びいわゆる宇都宮陣営の自業自得というべきでしょう。私は、いまの段階ではっきりと宇都宮健児批判を述べておきます。(東本高志facebook 2016/07/28
 
永原 純さん
何だなんだ?? ウツケンがつき野党共闘がこねし都政餅一人喰らうは、と思っていたが、何だなんだ、初めから終わりまで毒百合子の独走か??

猪野 亨さん
宇都宮健児さん、是非、鳥越候補を応援してください。細部に渡る公約に拘りますか。今、大事なのは、野党側が極右知事の誕生を阻止し、東京から日本を変えていくことだと思います。宇都宮さんは、公約の違いについて「細部」ではないと言われるのかもしれません。しかし、日本全体が右傾化しようとしているとき、憲法が変えられようとしているとき、極右都知事が誕生しようとしているとき、それに優先する公約というものがあるのでしょうか。東京が、そして日本が右傾化してしまっては、それこそ宇都宮健児さんが最重点にしている貧困対策についても遠い彼方に追いやられてしまいます。まずは右傾化の阻止こそが大きな出発点です。野党統一候補とは、このような願いを託された候補者です。それが鳥越俊太郎候補です。決して、「自分が」という候補ではありません。それが極右の小池百合子氏との大きな違いであり、増田寛也氏も五十歩百歩です。鳥越俊太郎候補の公約は、野党4党による一致できる公約でもあります。その公約すべてが正しいわけでもなく不足もあったりすることも立場によれば当然にあることです。


【山中人間話目次】
・日本でついに起きたヘイトクライム大量殺人――高世仁さんと永原純さんの眼
・「民主代議員、ジレンマ クリントン氏指名」という朝日新聞記事と「緑の党」に関する海外報道
・都知事選 保立道久さん(歴史学者)の眼
・内野光子さん(歌人)の「歌会始」を通して考える短歌の世界
・平安名純代さんの高江ヘリパッドの強行着工に関する国連本部公開討論会報告
・国木田独歩の「山林に自由存す」
 キョウ とちじせん5キョウ とちじせん7キョウ とちじせん8キョウ とちじせん6

宇都宮健児さん、海渡雄一さん、鎌田慧さん、河合弘之さん。
希望のまち東京をつくる会、旧脱原発都知事を実現する会の有志のみなさん。

前回の都知事選挙で「希望のまち東京をつくる会」(代表:宇都宮健児、海渡雄一)と「脱原発都知事を実現する会」(代表世話人:鎌田慧、河合弘之)はそれぞれ宇都宮健児氏と細川護煕氏を擁立、推薦して同知事選を戦いました。猪瀬自民党都政ノーという点では目標は一致していましたから候補者の一本化が模索されましたが結局一本化はできないままに選挙戦に突入しました。それぞれが「革新」を標榜し、「真の革新は誰か」を有権者に問おうとする選挙ということにもなりました。

そうであれば、「希望のまち東京をつくる会」の代表及び有志のみなさんにも「脱原発都知事を実現する会」の代表及び有志のみなさんにも問わなければならないことがあります。

産経新聞と毎日新聞は今回の都知事選の世論調査の結果を以下のような記事にしています。
 
「民進、共産両党の支持層は、両党と社民、生活4党が推薦するジャーナリストの鳥越俊太郎氏に投票するとの回答が、それぞれ6割近くに上った。野党統一候補として4党の支持基盤を着実に固めている。ただ、民進党支持層の約2割、共産党支持層の約3割が小池氏を支持していた」(産経新聞 2016年7月18日)

「今回は告示前日に出馬断念した元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏や元首相の細川護熙氏に投票した人の4割強は、政策面で共通点の多い鳥越氏を推すが、2~3割は小池氏に投票すると回答した」(毎日新聞 2016年7月25日)

どちらの記事とも「革新」「リベラル」を標榜する政党の「2~3割は小池氏に投票すると回答した」としています。毎日新聞の記事はこの点についてさらに具体的に「元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏や元首相の細川護熙氏に投票した人の(略)2~3割は小池氏に投票すると回答した」としています。しかし、「核ミサイル配備」や「軍法会議設置」を主張する極右の政治家の小池百合子が「革新」、あるいは「リベラル」と言えますか? ふつうの「革新」「リベラル」であれば「小池百合子は革新でもリベラルでもない。右翼的思想の持ち主である」と答えると思います。それを毎日の記事によれば、前回の都知事選で「宇都宮健児氏や元首相の細川護熙氏に投票した人の2~3割は小池氏に投票すると回答した」というのです。宇都宮選対、あるいは細川選対とはなんだったのでしょうか? 「革新」「リベラル」を標榜する選対ではなかったのでしょうか? その選対活動家の「2~3割は小池氏に投票すると回答した」というのですから、それぞれの選対の代表及び有志のみなさんは自らの所属した「革新」「リベラル」の選対のありようを問い直す必要があるでしょう。「自分たちの所属していた選対は決して『革新』でも『リベラル』でもなかったのだ」、と。そして、「革新」「リベラル」でないものを「革新」「リベラル」と吹聴したことについて責任をとる必要があるでしょう。
 
責任のとりかたは「希望のまち東京をつくる会」、または「脱原発都知事を実現する会」の名前で先の都知事選の選対参加者に対して「小池百合子は決して『革新』でも『リベラル』でもない。その真の正体は『核ミサイル配備』や『軍法会議設置』を主張する極右の政治家でしかない。そういう候補者に決して投票してはいけない」と呼びかけることではないでしょうか? それが「革新」「リベラル」を標榜してきた者の責任のとり方だろうと私は思います。

宇都宮健児さん、海渡雄一さん、鎌田慧さん、河合弘之さん。有志のみなさん。そうではありませんか?

いま、東京都政を極右政治家の小池百合子が乗っ取ろうとしています。そういうときだからこその呼びかけのお願いでもあります。
キョウ とりごえ3

【岩上氏にはセクハラ対策に関する知識が決定的に欠けている】

岩上安身氏の軽薄な鳥越俊太郎候補に対する
「贔屓の引き倒し」記事の負の影響は到るところで出ています。『興味深いのは“リベラル”のみなさんの考え方。大義(小池に勝たせない)のため、犠牲(女子大生)はやむを得ないみたいな意見が少なくないことに驚く。それって、大日本帝國だよ』(原田浩司twitter)。『これは、鳥越さんへの批判ではなくて、週刊文春記事への一部の反応への批判です。なんらかの根拠や思いがあって週刊文春記事を批判すること自体はもちろん構わないと思いますが、「その批判のしかたはどうなの」と感じることがあります。一言でいって、週刊文春記事を批判したいばかりに、性暴力を軽んじた言葉が目立ちます。』(太田啓子facebook)。

しかし、さらに残念なのは、その岩上安身氏の軽薄な記事を批判する視点を持ちえず、同氏の論を無批判に拡散するリベラルが多いことです。
五十嵐仁さん(法大名誉教授)の下記の論などその典型といってよいでしょう。岩上安身氏の論のセクシュアル・ハラスメントへの無理解とその思想の浅薄性がまったくわかっていません。また、これではリベラルの票が逃げるばかりだということもまったくわかっていないようです。五十嵐仁さんは岩上安身氏の論を推奨して次のように言います。『ここで岩上さんは、2つの疑問を指摘されています。一つは、「学生とはいえ、20歳の成人。条例違反の「淫行」に相当するのか」というものです。「淫行」とは、「18歳未満の青少年が性行為の対象となったときに使われる言葉」ですから、20歳の大学生相手に「淫行」というタイトルは真っ赤な嘘です。もう一つは「サブタイトルの語尾が『という』となっていること」で、「女性本人の証言ではなく伝聞」なのです。「その女性の、当時の恋人で、その後結婚し、夫となった男性の証言で記事が構成されている」もので、「文春は当事者の女性の証言を得ていない」ことになります。ということで、岩上さんは次のように指摘されています。「そもそもその女性の誕生日パーティーのために、2人だけで別荘に行った事実はあるのか。仮に別荘に行ったのが事実であり、キスをし、それ以上の性行為には至らなかったのも事実だと仮定して、何が問題になるのか。ある弁護士は匿名で『その記事の通りだとしたら、犯罪性はない』と語った」そうです』(五十嵐仁の転生仁語 2016年7月21日)、と。

こうした論について高林敏之さんは以下のように批判してしています。『「暴行や脅迫を用いていなければ強制わいせつにあたらない」という異論もあり得る。《ある弁護士は匿名で「その記事の通りだとしたら、犯罪性はない」と語った》というのは、そういう理解なのだろう。しかし刑法上の罪に該当しなかったとしても、本人の合意なく、年長で社会的地位の高い男性が女子大生に対し、密室で二人きりの状況でキスを迫れば、それは「権力関係を利用したセクシュアル・ハラスメント」に該当する。たとえ加害者側に「合意」という認識があったとしても、被害者側が恐怖感から断るに断れない状況だと感じていたなら、それはセクハラに該当するというのが一般的な理解なのである(被害者側の認識を重視するのがセクハラ対処の鉄則)。それは不充分と言われる文科省のセクハラに関するガイドラインにさえ記されていることだ(私はかつての勤務校でセクハラ関係の人権委員を務めたこともあるので、以上のことはセクハラの基本理解であると断定できる)。岩上氏には、かかるセクハラ対策に関する知識が決定的に欠けていることが、この文章を読むと分かる。とある弁護士が「問題は不倫」とか言ったらしいが、事が事実であれば、それは不倫などという道徳問題ではないのである。』(
高林敏之facebook)まったくそのとおりだと私も思います。(東本高志 2016年7月22日

【山中人間話目次】
・全国平均の10代投票率と世田谷区の10代投票率のその圧倒的な差について
・沖縄北部のヘリパッド着工、住民と機動隊衝突と沖縄県議会のヘリパッド建設の中止を求める意見書の可決
・国が普天間基地移設計画を巡り沖縄県を再び提訴と「和解は果たして沖縄に利する選択だったのか」という平安名純代さんの指摘
キョウ とりごえ

【背後に政治と金の力の匂いのする記事】
鳥越俊太郎候補に対する「週刊文春報道」問題に関して、
こちらの高林敏之さんの指摘は最後の一節を除いてとても重要な指摘だと思います。高林さんも指摘されているように「かかる報道がなされた以上は、事実そのものがはっきり存在しないことを立証するか、事実があったならきっぱりと謝罪するか、いずれかしか道は」ありません。この点についてはすでに鳥越さんは「事実無根だ」と明確に述べており、鳥越さんの弁護団も公職選挙法違反と名誉毀損の疑いで東京地検に刑事告訴しています。これがこの問題についてのベストの闘い方であろうと私も思います。私も週刊文春の記事を読んでみましたが、同記事はうわさと伝聞によって成り立っており、それ以上の根拠はまったくありません。裁判になれば選挙妨害罪と名誉毀損罪で確実に罰せられるでしょう。週刊文春側もそういうことはわかっているはずですが、それでもあえて記事にしたところを見ると背後に政治と金の力(さる筋から「金のことは心配するな。全部面倒をみる」とでも言われたのでしょう)が働いていることは明らかです。

騒ぎ立てるほど敵の術中にはまってしまうだけです。この問題については鳥越側としては全面否定と告訴という現段階でできうる最良の手段をすでに講じているわけですからこれ以上騒がないことが第一だと思います。後は粛々と選挙戦を戦うのがベストです。なお、高林さんの文章の最後の一節に問題があるというのは、高林さんの「宇都宮降ろし」という表現によく表われているのですが、高林さんは今回の都知事選の候補者選考に関して野党4党は不当に宇都宮さんを「降ろし」たかのように見ているからです。しかし、事実としての問題点は、「今回の都知事選にあたって、野党統一というより、市民共同を願う立場からすると、宇都宮氏がまたも、都政の刷新を望む政党、市民団体、個人の協議を待たず、立候補の意向を表明した」(
醍醐聰のブログ 2016年7月13日)ことにあります。不当に「宇都宮降ろし」をする以前の問題として、宇都宮さんは野党の統一候補でもなんでもなく、野党間の協議も待たず、単に候補者として勝手に手を挙げただけの人にすぎません。それが問題だった、と醍醐さんも指摘しているのです。共同行動にとって手前勝手な行動は団結を乱す行為というほかないものです。その団結を乱す行為を宇都宮さんは手前勝手にやってしまったのです。それをさも不当なことでもあるかのようにみなされるのは私は誤りだと思います。(東本高志 2016/07/21

【山中人間話目次】
・鳥越俊太郎候補に対する「週刊文春報道」問題 ――高林敏之さんの問題提起に関して
・阿部治平さんの「参議院選挙、私の感想」への私の違和
・改めて「藤野保史共産党政策委員長更迭問題」に関して
・天木直人氏らが宇都宮陣営に与えている影響 ――kojitakenの日記
・内田樹が三宅洋平の支持表明をして反省している図
・井伏鱒二の高適「田家春望」の名訳
キョウ こいけゆりこ2

Blog「みずき」:いろいろ肩書きはあるけれど、ひとことで言ってエンターテインメント評論家の川西玲子さん。小池百合子批判が見事です。さすがです。川西さんの予想によれば、「彼女はこの後、ここぞというところで泣くはずだ。必ず泣く。絶対に泣く。カレーパンを賭けてもいい」。しかし、川西さん。私はカレーパンは賭けません。負けると思うから。

【あんな自己陶酔感に寄った顔が都知事としてテレビに出てくるのは耐えられない】
川西玲子さん(エンターテインメント評論家)の
小池百合子批判(1) マスコミは参院選より面白い小池劇場に乗っている。夕方のニュースは出馬表明一色か。()すごいね、この人。初日から鉢巻き姿で。こういう凛々しさの演出や自己陶酔能力も、一つの才能かもしれん。ある意味、目が離せない。彼女に投票するのは、同世代の女性ではないだろうか。テレビ東京で地味にキャスターをしていた頃には、こんな野心家には見えなかったが、選挙に出たら、いきなり色っぽくなって驚いた。見られることで磨かれる、女子力の持ち主だったのだ。以後は化け続けである。辞任時のアイシャルリターン発言にせよ、先日の外国特派員協会におけるリンカーンの言葉の引用にせよ、何かもう凄いのよ。だが同性としてひここと言わせてもらうと、この年齢であまり凄みが出ると、極道っぽくなるから要注意だ。()何と、孤軍奮闘で天晴れ!というイメージで、小池百合子がトップを走っているらしいではないか。あんな自己陶酔感に寄った顔が、都知事としてテレビに出てくるのは耐えられない。彼女はこの後、ここぞというところで泣くはずだ。必ず泣く。絶対に泣く。カレーパンを賭けてもいい。防衛大臣を辞任した時のことを思い出してもらいたい。天性の女優なのだ。()過半数の有権者は小池百合子の思想傾向も知らないし、政策にも無関心。「か弱い女性が大組織を向こうに回し、孤軍奮闘している」としか見ていない。初日から鉢巻きをしているのも、テレビ映りを考えた作戦だ。鳥越陣営はこの点を侮った。(川西玲子facebook 2016年7月6日~19日

【山中人間話目次】
・川西玲子さんの見事な小池百合子批判
・宇都宮氏を支持していた人たちが小池百合子支持に遷移していく過程――香山リカさんのツイートを参考にして
・山頭火が風よけになって一晩中枕元に座っていてくれたという話
キョウ こいけゆりこ

Blog「みずき」:kojitakenさん。私はkojitakenさんの目は「共産党」や「左派」なるものに対してまだまだ甘すぎると思いますよ。「共産党支持層の約3割が小池氏を支持していた」と産経とFNNの合同世論調査に出てくる約3割の共産党支持層は「左翼」ではもちろんなく、括弧付き「左翼」でもありえるはずがありません。右翼団体「日本会議」の国会議員懇談会副会長をしている小池百合子を「右翼」と認定できないような人がどうして「左翼」であるはずがあるでしょう?あえて名づけるとすればカッコつき「右翼」とでも呼ぶべき人たちにすぎません。そうではありませんか? いまや共産党は、入党わずか一年半で市議会議員に選出されたり(かばさわ洋平千葉市議会議員の場合)、「入党してから数年間、日刊紙があることを知らなかった」議員がいたりする(大分県日田市議会議員の場合)時代ですから「共産党支持層の約3割が小池氏支持」を表明したとしてもそう驚くような事態ではないのです。

【「共産党支持層の約3割が小池氏を支持」(産経)】
共同通信に毎日・TBS、フジサンケイの2つのグループが協力した
世論調査によると、民進支持層の6割近くが「元ジャーナリスト」に投票すると答えているものの、約2割が「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票すると答えている。だが、もともと新自由主義への志向が強い人たちをも抱える民進支持層の場合は驚くに当たらない。驚くべきは、共産支持層でも「元ジャーナリスト」に投票すると答えたのは6割近くで、3割近くが「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票すると答えていたことだ。後者の支持層全体に占める比率は、なんと民進支持層を上回る。(略)当該の「共産支持層の3割近く」は、「(笑劇としてかもしれないが)繰り返される(負の)歴史」の愚挙に加担しようとしていると言っても過言ではない。まさしく括弧付きの「左翼」だ。「元ジャーナリスト」や「民進と手を組んだ支持政党の行動」が気に食わないなら、棄権するなり白票を投じるなり泡沫候補に投票するなりの選択肢がいくらでもあるはずだ。それがよりにもよって「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票したいとはいったい何事か。都知事選は今のところ、「リベラル」と「左翼」のアシストを得て、「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」が首位を走っているといった状況ではないか。(kojitakenの日記 2016-07-19

【山中人間話目次】
・猪野亨さん(弁護士)の「共産党支持層の約3割が小池氏を支持していた」ことへの驚きとその「3割支持」の一環として立ち現れているのではないかと危惧される宇都宮陣営、宇都宮健児支持者批判
・保立道久さんの「安丸良夫と丸山真男」論
・『父・伊藤律~ある家族の「戦後」』出版さる - 高世仁の「諸悪莫作」日記
きょう さわふじ

【「知名度頼み、政策不在の候補者選び」という批判にもどう応えるか】
澤藤統一郎さん。「都知事は、憲法の精神を都政に活かす基本姿勢さえしっかりしておればよい。その基本姿勢さえあれば、細かい政策は、ブレーンなりスタッフなりが補ってくれる」という点については、私も、澤藤さんと認識を同じくします。

こうした認識は特別な専門的知識など必要なく、床屋談義的にでも10年、20年単位の政治ウォッチングを続けていて、かつ、ごくふつうの政治感覚さえ持ち合わせていれば誰でもすぐに到達する認識というべきですが、誰か確かな人(知識人、専門家)の理論的分析がなければ納得できないという人のために、すでに何度か紹介しているものですが、『チョムスキーとの対話 政治・思想・言語』(大修館書店、1980年)から次の一節を
引用しておきます。 「イデオロギーの分析の場合、視野の広さと知力とがいささかあり、それに健全なシニシズムがあればたくさんだ。(略)社会科学一般、とりわけ現代の事件の分析は、これに十分関心をもとうとする者ならだれにでも完全に手が届く。(略)門外漢にわからないような特殊な知など、これっぽっちも必要ではない。たとえ『深奥』を究めるためでもだ。だいいちそんなものは存在しない」。

しかし、澤藤さん。「告示日が迫る中、大詰めの段階で鳥越氏が野党統一候補者となったことも理解できる。しかし、それで、胸をなでおろし、あとは鳥越氏勝利のために頑張ろう、では都民不在である。それでは、判官びいきではなく、『知名度頼み、政策不在の候補者選び』という宇都宮氏の批判に一理がある。(略)こうした都民に向ける政策、公約が告示日の前日になっても不在のまま、4党の合意で候補者だけが決まるというのは異常である」という
醍醐聰さん(東大名誉教授)の指摘も私は同様に重要な問題提起だろうと思います。「4党の合意で候補者だけが決まるというのは異常である」という醍醐さんの指摘は本来の野党共闘はどうあるべきかという根底的な問題提起です。この重要な問題提起をスルーして「4野党が責任もって推薦しているのだ」というだけではこれもいかにも「もの足りない」弁明というべきです。醍醐さんの指摘に本格的に応じてみよう、という気はありませんか?(東本高志 2016/07/15
 
【山中人間話目次】
高世仁さんの宇都宮健児論への違和
「良い先生が素晴らしい学生をつくりますね」という鄭玹汀さんの感想について
「(耕論)天皇と退位 半藤一利さん、原武史さん、御厨貴さん」という朝日新聞記事の堕落について toriiyoshikiさん(元NHKディレクター、ハーフ・リタイア)の「天皇陛下の生前退位情報」の読み方
森川文人弁護士の「憲法上の天皇システム 差別と曖昧化の「象徴」として」という論
都知事選立候補者問題に関して、猪野亨弁護士ならではの着眼点による自民党批判
キョウ だいごさとし

Blog「みずき」:醍醐聰さん(東大名誉教授)は言う。「前回の都知事選にあたって私は宇都宮健児氏の立候補表明、同氏の行政人としての力量と資質、過去の宇都宮選対の非民主的体質などをこのブログで厳しく批判した。その指摘に対し、今日まで宇都宮氏本人からも宇都宮選対の幹部(政党、個人)からも誠意ある応答は直接にも間接にも全くなかった。そうである以上、私の宇都宮氏とその選対幹部に対する評価は今も変わらない」、と。私は醍醐さんの意見にまったく同意するものです。しかし、醍醐さんは次のようにも言う。「首都東京といえで(ど)も、一地方自治体である。辺野古移設を強行しようとする政府の姿勢を沖縄の自治権侵害と訴える野党が、東京都の知事選となると、東京都の自治権を無視するかのように党中央が候補者選考の前面に出るのはどういうことなのか?」、と。正論と言うべきですが、疑問もあります。野党の共同候補選考の過程で中央執行部の意図と意志を無視して共同候補としてまとまるはずもない右翼的な人物を候補者として次々に名前をあげるなど独断専行的に暴走してきたのは民進党都連側ではなかったか。地方の自治権を無視するのはもちろん問題ですが、党中央の意図と意志(組織論的には組織総体の意図と意志とみなせる)を無視して独断専行的に暴走してきた都連側の行為もまた問題というべきです。その点についての醍醐さんの考察はありません。この問題についてはもう少し大所高所からの見方も必要というべきではないか。民主主義の意思決定は本来構成員全員の合意によって成立するはずですが、「中央」も「地方」もそれぞれ構成員の一端でしかないのです。それらを総合したものの見方。それが民主主義の見方というものではないか。

【政策、公約が不在のまま4党の合意で候補者だけが決まるというのも異常】
前回の都知事選にあたって私は
宇都宮健児氏の立候補表明、同氏の行政人としての力量と資質、過去の宇都宮選対の非民主的体質などをこのブログで厳しく批判した。その指摘に対し、今日まで宇都宮氏本人からも宇都宮選対の幹部(政党、個人)からも誠意ある応答は直接にも間接にも全くなかった。そうである以上、私の宇都宮氏とその選対幹部に対する評価は今も変わらない。今回の都知事選にあたって、野党統一というより、市民共同を願う立場からすると、宇都宮氏がまたも、都政の刷新を望む政党、市民団体、個人の協議を待たず、立候補の意向を表明したことに賛同できない。共同候補を検討する協議を困難にし、市民団体に分断を引き起こす要因を生んだことは否めないからだ。(略)

では、野党各党や市民団体は、この間、政治・行政面で信頼に足る力量と資質を備え、なおかつ、「勝てる可能性」を十分に持った共同候補を模索する努力をどれほど尽くしてきたのかとなると、きわめて不透明で怠慢である。
鳥越俊太郎氏のジャーナリストとしての経験と力量は私も十分に評価している。告示日が迫る中、大詰めの段階で鳥越氏が野党統一候補者となったことも理解できる。しかし、それで、胸をなでおろし、あとは鳥越氏勝利のために頑張ろう、では都民不在である。それでは、判官びいきではなく、「知名度頼み、政策不在の候補者選び」という宇都宮氏の批判に一理がある。(略)こうした都民に向ける政策、公約が告示日の前日になっても不在のまま、4党の合意で候補者だけが決まるというのは異常である。(略)遅きに失したとはいえ、私は鳥越俊太郎氏が野党と市民団体の共同候補にふさわしい、都民に信を問うに足る、充実した政策を一日も早く練り上げ、都民に示すことを強く要望する。(醍醐聰のブログ 2016年7月13日

【山中人間話目次】
・今日から都知事選が始まる。中道であれ、なんであれ、自民党保守政治の続行を許すわけにはいかない。私たちがいま立っている場所はここだ。ここから始める以外ない
・今回の天皇の「生前退位」報道は安倍官邸方面からのスピンコントロール(情報操作)というのがどうやら実相である
・改めて「リベラル」なるものの人を見る目のなさを思う-ベストセラー『日本会議の研究』の著者、菅野完(noiehoie)の性的「暴行」事件について
キョウ いしだじゅんいち

Blog「みずき」:昨日の
石田純一さんの都知事選出馬に関しての記者会見の模様を私も録画で観てみました。率直で爽やかな印象です。民進党の岡田代表も共産党の志位委員長も野党の統一候補が必要だとする石田氏の発言について「素晴らしい方」「全く同じ気持ち」だとして評価しています。そうであれば石田さんは野党統一候補として最適の人材というべきではないか。石田さんについて政治家、あるいは行政マンとしての「実務経験がない」などと否定的に見る声がありますが、政治家として出発するについて一番大切な資質は市民としての目線と市民感覚です。政治的、行政的なことについては周囲にはその道のプロがたくさんいるわけですからその人たちからアドバイスを受ければよいだけのことです。この点について金光翔さんのブログからチョムスキーの言葉を引用しておきます。チョムスキーは次のように言っています。「現代の事件の分析は、これに十分関心をもとうとする者ならだれにでも完全に手が届く。こうした問題の「深奥」とか「抽象性」とかいったことは、イデオロギーの取締り機構が撒き散らす幻想に属するもので、そのねらいは、こうしたテーマから人々を遠ざけることにある。人々に、自分たち自身の問題を組織したり、後見人の仲介なしに社会の現実を理解したりする力がない、と思いこませることによって、だ」。ただし、相変わらずの単に有名人志向のリベラルがあまりに多すぎます。この人たちの声に惑わされないことです。そうでなければ確実にポピュリズム政治に堕してしまうでしょう。

【12年選挙・14年選挙の、二の舞・三の舞という事態はもう見たくない】
参院選(7月10日)直後に、都知事選告示(7月14日)が迫っている。「出たい人より出したい人」は選挙に通有の名言だが、「出たい人」「出たがり屋」と「出したい人」「出てもらいたい人」とのマッチングがなかなかに難しい。今回都知事選の「出したい人」は、条件が明確になっている。「4野党共闘の枠組みでの統一候補たりうる人」である。この枠組みははやばやとできあがった。しかし、その枠組みでの人選の進捗が見えてこない。(略)そんな中で、「出たい人」のまたまたのフライング宣言があったようだ。「またまたの」という根拠は、「東京をプロデュース」の下記URL「
2014年都知事選総括」をよくお読みいただきたい。フライング宣言は、都知事選における4野党共闘枠組み無視宣言でもある。共闘の枠組みを無視して単独で出馬宣言をしておいて、「ついてくる者だけこの指止まれ」という独善的なやり方。野党共闘枠組みができていないときにはあり得る方式だろうが、「今、それを言っちゃあ、おしまいよ」ということになる。

そんな重苦しい空気の中で、石田純一の「場合によっては立候補」記者会見は清々しい印象ではないか。各紙の報道はほとんど齟齬がない。代表的なのは以下のようなもの。「俳優の石田純一さんが8日、東京都内で会見を開き、『野党の統一候補であるならば、ぜひ出させていただきたい』と野党の統一候補となることを条件に都知事選(14日告示、31日投開票)に立候補する意向を示した。『野党が統一候補を立てずに分散するというなら、私は降りて(出馬しないで)市民の側に寄り添いたい。自分は「出たい」というよりも「野党統一候補が必要」という考え。万が一、野党統一候補が決まるなら、それがいい』と話し、それぞれ候補者の調整に動いている野党各党に呼びかけた。」(毎日)また、「石田は、『自分が統一候補じゃなきゃ嫌だというわけではありません』と説明したうえで、『現状、野党がバラバラでは(与党に)勝てない。思いを力に変換できない。少しでも力を結集したい』と話した。」「現状、政党からの出馬要請は『ないです』とした。」「自身が統一候補になれなかった場合や、別の人物が統一候補となった場合は『喜んで応援する』とした」とも報道されている。

石田は野党共闘の枠組みでの進展がないことに業を煮やして一石を投じたのだ。しかも、相当の覚悟をもってのこと。野党共闘の枠組みを大切にし、姿のぼやけてきた共闘の再構築をうながそうとの真摯さがよく見てとれる。好感の持てる姿勢ではないか。それにしても、分からないのが民進都連だ。自分が共闘の中心に位置して、人選は自分が先行してよいと思っている様子なのが解せない。都議の数では共産党の後塵を拝している民進ではないか。その民進が、どうして長島昭久や松沢成文など、4野党共同で推せるはずもない候補者の人選をするのか。そして、共産党のダンマリも解せない。今は、4野党責任者の協議の進行が喫緊の課題だ。このままでは、参院選の野党共闘の雰囲気にまで翳りを落としかねない。(略)12年選挙・14年選挙の、二の舞・三の舞という事態はもう見たくない。(
澤藤統一郎の憲法日記 2016年7月8日

【山中人間話目次】
石田純一記者会見―生中継の意外な展開にミヤネの顔が歪む。自公陣営の忠実な代理人であること示すものだ
【金平茂紀の新・ワジワジー通信(16)】「県民大会」と報じない訳 問われるメディアの自律
英国のEU離脱:資料として(9)―英国在住の免疫学者・医師の小野昌弘さんの論
英国のEU離脱:資料として(8)―TUPの坂野正明さんの英国のEU離脱論
とどまるにあたいせぬ此岸。一瞬という語にあたいする、かそけき刹那(辺見庸「日録」2016/07/07)
キョウ ますぞえ2

Blog「みずき」:藤原新也さんの舛添問題と不況問題との相関関係の考察については私はあまり説得力は感じませんが、人々の舛添批判が批判モードからイジメモードに変わっていくうちに舛添都知事の人相の悪さが人々の人相にも伝染してゆき、さらにその人相の悪さは日本人全体を被うモードになりつつあるという考察については現代ニッポンの世相批判として正鵠、さすがと思わせるところがあります。「今日の言葉」とさせていただくゆえんです。「タレントや評論家は舛添ロス症候群の中にある」のかどうかについては私はテレビを見ませんので判断できません。

【不況と不倫と人相の相関関係】
経済学者の間では洋の東西を問わず不況と不倫が相関関係にあるとの定説がある。つまり不況時においては就労者にそのしわ寄せが生じストレスが蓄積し、そのストレスが家庭内に持ち込まれ、夫婦の不仲が生じる。不倫はその二重のストレスのガス抜きとして機能するがゆえに不況時には不倫がはやるという論法である。ということは昨今の芸能界での不倫があとをたたないということは、社会的象徴であり、その水面下で一般の人々の間にも不倫行為が増大しているとも推測される。確かに消費税引き上げ据置きがあらわすように
アベノミクスの失敗はすでに不況の域に達しており、特に中層以下の人々は清貧を強いられている現状がある。だが不況であるにも関わらず企業の内部留保(つまり私服肥やし)は343兆円という天文学的数字に達している。アベノミクスが失敗であったにもかかわらず政権の大企業優遇によって内閣発足した直後から今日まで企業の内部留保は約69兆円の急激増加を示しているわけだ。国民の困窮と大企業の私服肥やしの関係を見ると富める者はますます富み、堕ちる者はますます堕ちるという、まるで社会はトランプの大貧民ゲームの渦中にあるようである。そしてさらに追い打ちをかけるようにそれらの内部留保がタックスヘイブンシステムによって合法的に課税を回避し、そのしわ寄せをまた国民が負うというさらなる大貧民状況。

舛添問題はこういった社会状況の中で起こった。当初、この問題が飛行機のファーストクラス、ホテルのスイートルームといった豪華な海外出張に端を発し、国民の怒りが爆発したことは、今の社会の大貧民構造の中における国民のメンタリティが如実にあらわれたと言える。私個人は一国の首都の長が飛行機のファーストクラスに乗り、ホテルのスイートルームに泊まることに対しまるで犯罪者扱いでもするかのような大騒ぎするというのは違和感を感じていた。というよりこの一件が好況時、あるいはバブル時であったなら、大した問題にもならなかっただろうと思うのである。そういう意味では舛添はある意味で運が悪かったと言える。有り体に言えば国民は不倫に走るかわりに舛添と寝たのだ(略)。そして悪いことに(あるいは好都合にも)叩けば叩くほどこの男からは埃(ほこり)が舞い上がり、日本人の国民性である100%辻褄が合わないと納得しない病と相まって舛添は”時代のサンドバッグ”としての役割を果たしたわけだ。そしてそのサンドバッグがとつぜん目の前から消えて、いま国民および口角泡を飛ばしてきたタレントや評論家は舛添ロス症候群の中にある。

余談だが、つい先日人相に関しての新聞の取材ののちに以下のメールを送った。「舛添問題関連だが、舛添都知事の人相の悪さは言うまでもないが、それを批判するタレントや評論家の人相も日増しに悪くなって来ていると感じる。それは時間が経過し、舛添の表情や声が憔悴して行く中で人々の人相が批判モードからイジメモードに変わりつつあるからだね。かりにこの傾向がタレントや評論家にとどまらず日本人全体を被うモードになりつつあるとするなら舛添問題を契機に日本人全体の人相が悪くなりつつあるということであり、決して無視できない問題だ。要するに人相は関わる人間に伝染するということ。それを心して気おつけなければならないということだ」つまりこの舛添問題の期間中、それにのめり込む多くの人が舛添の人相と似てきたということである。まあ、寝たのだからしょうがないわな。(
藤原新也「Shinya talk」2016/06/16
キョウ ゆあさまこと
湯浅誠さん


Blog「みずき」:私の記憶では伊田広行さん(ジェンダー研究者)はかつて
湯浅誠さんを大変評価していて大阪で湯浅さんと一緒に広い意味での社会運動のグループを創って活動していました。この頃は湯浅さんも大阪を拠点にしてニッポンを変えていくみたいなことを言っていました。何回か前の東京都知事選で湯浅さんの都知事選出馬への期待が非常に高まっていたときのことです。結局、湯浅さんは都知事選には出馬せず、大阪へ活動の拠点を移しました。その頃と比べると伊田さんは明らかに湯浅批判論者に変容しています。これは伊田さんが節操がないのではなく、湯浅さん自身が節操がなかった結果による伊田さんの見る目の変化といってよいものです。伊田さんはいまは湯浅さんの思想的な欠陥を明確に見抜いているはずです。その眼の現れが以下の文章といえるでしょう。ともあれ、私は伊田さんの以下の文章の論旨に賛成するものです。くしくも東京都知事選のリターン・マッチがいままさに政治の日程に上ろうとしています。

【湯浅さんの論は安倍政権を間接的に擁護してしまっている】
以下のような記事 「
安倍政権は「リベラル」なのか」 があった。そこでは自民党議員を含め4人に聞いている。いろいろな意見があるという意味でバランスをとっているんだろうが、私から見れば「口先に騙されるにもほどがある」という思いだ。とはいうものの、表題に「馬鹿じゃないのか」と書いたが、しかし、実際は、この程度に騙される人が多いのは事実だと思う。そもそも、戦争が近づけば、取引して「リベララルが要求していた」ような「おこぼれがもらえる」事実はある。しかしそれは政権がリベラルなの(では)なく、戦争に協力するおこぼれなのだ。湯浅さんのスタンスには、プラグマティズムがあって、半分、それはリアルだと思うが、民進党の人が言うような政治の土俵も大事な時に、やはり政権に事実上協力的になってしまう危険性があると思う。その点は忘れないことが大事だと思う。また湯浅さんの「安倍政権の経済政策のバックボーンは新自由主義ですが、それは市場の中で有能ならば、女性でも若者でも障害者でも外国人でもかまわない、中高年男性の「既得権益」を剥がしていくという考え方です。」というのは、間違いだと思う。非常に抽象的かつ単純に「新自由主義」をとらえている。現実は、新自由主義とは、他の様々な要素と一体となって存在する。純粋な一般資本主義などないように、もっと多様なタイプの実態としてとらえるべきで、ハイブリッドに様々な要素が合体して今のシステムはある。安倍政権が女性や障碍者の人権を守るといってしまうのは、思想的にも現実的にも間違っており、安倍政権を間接的に擁護してしまっています。(伊田広行「ソウルヨガ」2016-06-14
キョウ サクラ

【メディアも私たちも「言葉」を橋下に乗っ取られてしまった】
「彼が政治家になった7年半で、ずいぶん荒っぽい言葉が社会に蔓延するようになった。それまではネットの中にとどまっていた攻撃的で排他的、汚い言葉遣いで誰かを罵るような人が増えた。彼の悪影響は大きいと思います」彼とは、
橋下徹・前大阪市長。大阪のテレビ局で行政を取材してきたベテラン記者の感想である。