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きょう ふづき165

Blog「みずき」:この朝日・東京VS読売・産経・毎日の紙面の対比はまさにジャーナリズムならぬ非ジャーナリズムでしかないいまのメディアの惨状を象徴しているでしょう。そういう意味で歴史的な紙面の比較になっている、と私も思います。しかし、そういうことを問う、問える人があまりに少ない。メディアの惨状はリベラル、左派の惨状でもあるということでしょう。

『2021年7月。日本の新聞とテレビ報道が死んだ月。今朝(7月28日)の新聞各紙朝刊。コロナ禍がどこまで拡がろうが、台風が来ようが、土石流が起きようが、炉心溶融事故が起きようが、「日本金メダル!」をトップ記事にするのだろうか。テレビニュースも五輪期間中、短縮されているし。NHKが特にヒドイ。マスメディアは、斉藤幸平さんのいう<コモンズ>であってほしいものだ。未来の世代のために本当にそう思う。こういう紙面編成をしたポンコツ・エディターたち、さよなら。朝日・東京VS読売・産経・毎日の対比が鮮明すぎて。』(金平茂紀FB 2021年7月28日)


【山中人閒話目次】
・日本の新聞とテレビ報道が死んだーーこの朝日・東京VS読売・産経・毎日の紙面の対比はいまのメディアの惨状をよく象徴している 金平茂紀FB
・五輪報道に狂奔している「本土」メディアが報じない在沖米軍基地内でのデルタ株感染の拡大と、検査さえ拒否し続ける米軍の実態隠ぺい アリの一言
・人権問題(この場合は「難民」問題)にあまりに無知な日本の行政の対応は目に余るものがあるーーウガンダ警察、日本で一時失踪の五輪選手を拘束 「詐欺」容疑 AFP=時事
・高林敏之さんの見方=状況分析に同意するーー「南北オンライン首脳会談も」..‘南北通信チャネル復元’報道の読み方 徐台教 Yahoo!ニュース
・きょうの東京の新規感染者数が、3000人を超え、過去最多となることが分かりましたーー【速報】東京都の新規感染者が3000人超 日テレNEWS
・あの「内山書店」が76年ぶりに中国に復活したーー高世仁さん(放送ジャーナリスト)の「「藤野先生」再読 」
きょう ふづき162

Blog「みずき」:『これほど感染が急拡大しているのに金メダルの数が各国中一番多いと騒いでいるいまの状況を、負け続けているのに日本は特別な国であり、最後は必ず神風が吹くと信じこんでいた太平洋戦争末期の状況とどうしても重ね合わせたくなる。』(原武史Twitter 2021年7月27日)

『スポンサーとなり、報道機関としての倫理を失っている新聞も、その五輪のアナウンス効果で主体的な役割を果たしていることを自覚してほしい。』(平野啓一郎Twitter 2021年7月28日)

『すくなくともNHKは、五輪中継中は例の青い帯で「緊急事態宣言発令中」と「感染者××××人」を流し続けるべきだと思うよ。』(藤原編集室Twitter 2021年7月27日)

菅義偉の強弁
『菅首相 東京五輪「人流減っている。中止しない。テレビ観戦を」 毎日新聞 2021年7月27日

https://mainichi.jp/articles/20210727/k00/00m/010/315000c

しかし、実態は以下のごとし。

【石川】金沢 どっと人出 観光客「五輪できるのなら」:北陸中日新聞 2021年7月24日

https://chunichi.co.jp/article/296835
4連休最終日も人出増 新宿・渋谷・新橋など JNN 2021年7月26日
https://news.yahoo.co.jp/articles/35713612a037e75fd9268eb091a1f7aad6d03d68
「五輪なのに我慢無理」 感染者最多更新で東京の街は 朝日新聞 2021年7月28日
https://www.asahi.com/articles/ASP7W737KP7WUTIL032.html

【山中人閒話目次】
・東京オリンピック「緊急事態宣言発令中」ーーしかし、「人流減っている。中止しない。テレビ観戦を」という菅義偉の強弁
・日本が難民鎖国という批判を浴びている理由――五輪があぶり出した「難民鎖国」 入管行政に透明性を 日本経済新聞
・こんな歴史修正主義を支持しているという立場を堂々と表明してしまう議員が副代表などという要職を務めている立憲民主党、これだから信用できない 山口智美Twitter
・盛田常夫さん(在ハンガリー、経済学者)の「広がる盗聴スキャンダル(ハンガリー)――切り抜けられるかオルバン政権」
・宮田 律さんの「オマル・ハイヤームの「ルバイヤート」に影響された「我が祖国」の作者ウディ・ガスリー」
・スタッフやシステム端末にかかる費用が計上されず、少ない人員で審査を始める結果、支給も遅れる 全労働大阪基準支部Twitterーー昨年度予算の繰越金、30兆円超の見通し…コロナ対応補正で過去最大に 読売新聞
・船員、海員、海員組合の元執行役員の皆さんらの機関紙「羅針盤」へ寄稿した宮古島の報告が転載されましたーー軍事要塞化に抗する宮古島の闘い 「土地規制法」廃止アクションのブログ
・とりわけ金平茂紀元TBS記者(現「報道特集」キャスター)のメディア批判は千金の値があったーー「テレビは 権力との癒着・忖度を突き破れ」シンポジウム youtube
きょう ふづき156

Blog「みずき」:まっとうな社説だ。同意する。「外国人技能実習生」という名の日本政府直轄の奴隷労働を許してはならない。

『人手不足を補うため海外から人材を受け入れるだけ受け入れ、劣悪な労働環境は放置というのでは無責任のそしりを免れない。外国人技能実習制度のことだ。

2020年末の外国人技能実習生の数は15年末の約2倍になった(写真は外国人技能実習生)
いっこうに改善がみられないこの制度はすでに行き詰まっている。速やかに廃止し、外国人材の受け入れ体制を立て直すべきだ。

会計検査院が、実習生の受け入れ企業に対する外国人技能実習機構の実地検査の状況を公表した。2019年4~9月に起きた実習生の失踪のうち2割にあたる755件で、同機構は20年3月末時点でも企業の労働環境などを調べる実地検査をしていなかった。

うち557件では、実地検査の基礎資料となる賃金台帳やタイムカードも入手していなかった。

技能実習制度の監督機関として17年に発足した同機構は、調査の人員不足が指摘されてきた。業務効率化などで実効性のある手を打たず、役割を十分に果たしてこなかった責任は重い。

実習生は年々増え、20年末はコロナ禍で前年末より減ったものの、15年末の約2倍の37万8千人を数える。

一方で違法な長時間労働や賃金不払いなども増え続け、19年はこうした労働関係法令違反が6796事業所でみつかっている。

国際貢献の名のもとに、実習生を安い労働力ととらえる建前と本音の使い分けは、もはや限界だ。世界からも技能実習制度は人権侵害の問題があるとして批判されている。廃止し、19年に新たな外国人材の受け皿として設けられた特定技能制度に一本化すべきだ。

問題の根源は、海外からの労働力の調達を優先し、外国人の働く環境の整備や生活支援を二の次にしてきた政府の姿勢にある。

政府は外国人材の生活支援策をまとめ、改訂を重ねている。日本語学習や子どもの就学の支援をはじめ多彩な項目からなるが、問題は実行のスピードの遅さだ。

支援策が掲げる「共生」への道のりは遠い。外国人を単に労働力とみる意識を除くことが先決だ。』(日本経済新聞 2021年7月25日)


【山中人閒話目次】
・まっとうな社説だ。「外国人技能実習生」という名の日本政府直轄の奴隷労働を許してはならない――[社説]技能実習は速やかに廃止を 日本経済新聞
・当たり前のことが「受け入れ困難」と「報道」されることがおかしい! 石田英敬Twitterーー黒い雨訴訟 「受け入れ困難」覆した内閣支持率低迷 国が上告断念 毎日新聞
・しかし、テレビはオリンピック一色。菅の言うとおりになっている――菅首相は20日、米紙の取材に「競技が始まり、国民がテレビで観戦すれば考えも変わる」と答えた
・候補者乱立・横浜市長選出馬表明者と大阪府知事「イソジン会見」との関係――山中竹春と吉村洋文はつながっていた。山中はとうてい「革新」の候補者とは言えない HUNTER(ハンター)
・世界自然遺産登録は、日本政府が進める琉球弧の軍事要塞化による自然破壊の「免罪符」ではない 芦部ゆきとTwitter――やんばるの森に残された米軍廃棄物 – QAB NEWS
・デルタ株で子供の死亡が急増している――後遺症に苦しむ子供たちも インドネシアで「小さな命」が次々と犠牲に クーリエ・ジャポン
・だが、こうした差別される者のなかから芸能が生まれてくる――木村剛久さんの「後醍醐・尊氏時代の混沌──網野善彦『日本社会の歴史』を読む(9)」
・言語的な限界を突破するには、水のように、風のように、脈々とながれゆくものとしての言語を感じること――姜信子さんの「「場」をめぐるメモ」
きょう ふづき152

Blog「みずき」:樋口英明元裁判長のこの言葉は「リベラル」(私の見るところその多数はいまどきリベラル≒脱原発派)への警鐘といってもいい言葉でしょう。いまどきリベラルには主観的なつくり話が多い。そして、それを「正義」と思い込んでいる。私の嫌悪するところだ。

高世仁さん(放送ジャーナリスト)の「樋口英明元裁判長のほんとうの勇気」

『きょうの刺さる言葉。

《脱原発派の多くの人は「多くの裁判長が原発の差止めを認めないのは、圧力に屈したかあるいは政権に忖度しているためだ」、「樋口裁判長が大飯原発を止めたのは圧力に屈しなかったからだ」と思っています。そして、私が自分の信念に従った勇気ある裁判をし、そのために名古屋家庭裁判所に左遷となったという話がまことしやかに語られています。話としてはとても面白いし、分かりやすいのですが、私は名古屋家庭裁判所への異動を左遷と思ったことはありませんし、結論に迷いはなかったので判決を出すことに勇気をふるう必要もなかったのです。これだけ危険な原発を止めないという蛮勇ともいうべきものを私はおよそ持ち合わせていません。》(下線部は原文傍点)

 元福井地裁裁判長の樋口英明氏の言葉だ。(樋口英明『私が原発を止めた理由』旬報社P134より)

 樋口氏は、2014年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差止めを命じる判決を下し、さらに15年4月14日、原発周辺地域の住民ら9人の申立てを認め、関西電力高浜原発3・4号機の再稼働差止めの仮処分決定を出した。

 この判決や決定については賛否あろうが、樋口氏という人間の器に感心させられる。

 権力に「忖度」すること自体意識にのぼらず「勇気」さえ不要だったという。こういう、まっすぐな人がこの世にいることを知ると勇気づけられる。

 自分もそうなりたいものだ。』(高世仁の「諸悪莫作」日記 2021年7月25日)


【山中人閒話目次】
・権力に「忖度」すること自体意識にのぼらず「勇気」さえ不要だったーー樋口英明元裁判長のほんとうの勇気 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
・当然の決定である。が、これ以上の支持率低下をなんとか免れようとする菅政権の姑息な策であろうーー菅首相 「黒い雨」裁判 上告見送りを表明 NHKニュース
・東京五輪開会式は1936年のベルリン五輪を繰り返す「二度目のみじめな笑劇」だーーkojitakenの日記の「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。」異聞
・日本という国の「後進国」への「没落」を招いている 石田英敬Twitterーー(社説)政治家の世襲 政党は制限の検討を 朝日新聞
・東京オリンピック強行開催の負のアナウンス効果はとほうもなく大きいーー【石川】金沢 どっと人出 観光客「五輪できるのなら」:北陸中日新聞Web
・貴族社会と武士政権がせめぎあうなかで、新たな思想や文化が登場するのが、この時代の特徴だーー木村剛久さんの「東国政権の成立──網野善彦『日本社会の歴史』を読む(7)」
・なにか亡霊の祝祭じみて、この世の終わりのような夜。空気が薄いーーなにか終わりのようなもの 辺見庸「日録」
きょう ふづき150

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」主宰)の日曜日記「山田洋次監督が語る「寅さん」と在日朝鮮人」 

『山田洋次監督(89)が月刊誌「イオ」(朝鮮新報社発行)8月号のインタビューで、自身の敗戦後の体験、「男はつらいよ」から最新作「キネマの神様」へ至る映画づくりの思いを語っている。

 中国・大連で敗戦を迎えた監督は、47年(16歳)、日本に引き揚げてきた。貧乏のどん底だった。

<お金がなくて生活のために、山口県の田舎町にある炭鉱でアルバイトをしました。炭鉱にはいろんな組が入っていたのですが、朝鮮人の親方のいる組は、日本人の組みよりはるかに(アルバイトの)待遇がよかったのです。うそを言わないのね。

 僕は朝鮮人の親方に可愛いがられました。今思うと、栄養失調気味でひょろひょろしていて可哀そうだと思われていたんです。炭鉱はかなりきつい仕事です。けれど親方は「部屋の掃除をしてろ」と楽な仕事を任せてくれてね。温かかった。

 その時に思いました。つい何年か前まで、日本人は、この人たちを人間以下に思っていた、ひどい差別をしていた。その人たちに、今こうして僕は世話になっている。そんなことで済まされるだろうかと…。>

 「キネマの神様」は、挫折した人を周りの人々が支え合う物語。

<辛い思いを知っている人だけが、本当に辛い人の気持ちがわかるのではないでしょうか。「この人は私の苦しみを分かってくれるんだな」ということが大事なんだと思う。「こうすれば解決するよ」という回答ではなくてね。「どうすればいいかよくわからないけど、あなたの辛さはわかるよ」と。

 寅さんの値打ちはそこにあるのね。彼は、明快な答えなど出せない、頭も悪い、お金も、地位も、名誉も何もないのだけれど。

 「この人はわかってくれるだろう」と思えた時に、辛い思いを抱えた人は気持ちが少しだけ救われるんじゃないかと思います。

 本当に辛い思いをしている人のことは、同じように辛い思いを共有できる人によって慰められる。だから、そういう意味では、僕が中国から引き揚げてきてから、貧乏をしていた時代に、僕を慰めてくれたのは、炭鉱で真っ黒になって働いていた朝鮮の人たちでした。そのことがずーっと尾を引っ張って、「寅さん」になっている。

 寅さんは、実は辛い思いをたくさんしている人間で、在日コリアンの同年配の友人が、たくさんいるんじゃないかな。寒い冬の夜に冷たい水で一生懸命牛の腸を洗って、「辛かった」とこぼすおばさん(山田監督が「学校」の制作を通じて知り合った大阪のオモニ―引用者)の苦労を「わかるよ」、と受け止められるのが寅さんじゃないかと思います。>

 大学1回生のとき、オールナイトで初めて「寅さん」を3本立てで観た。映画館を出て、ぼんやり明るい朝の冷気の中で、なんともいえない温かさに包まれた。以来、「寅さん」にどれだけ慰められただろう。どれだけ笑い、泣いただろう。

 寅さんは渥美清さん自身であり、そして山田洋次監督自身だった。あのやさしさの根底には、山田監督自身が受けた在日朝鮮人の人たちのやさしさがあった。

 そのやさしさに、「寅さん」を愛するどれだけの日本人が救われたことだろう。』(アリの一言 2021年7月25日)


【山中人閒話目次】
・あのやさしさの根底には山田監督自身が受けた在日朝鮮人の人たちのやさしさがあったーー鬼原悟さんの日曜日記「山田洋次監督が語る「寅さん」と在日朝鮮人」 アリの一言
・苦しんでる人たちにはどこまでも過酷な政府 平野啓一郎FBーー黒い雨訴訟、政府が広島県と市に上告要請 中国新聞
・オリンピックは要らない! 革命を望む!ーーこれは、1968年10月2日、旬日後にオリンピック開催が待ち受けるメキシコの首都で、学生たちが叫んだスローガンである 太田昌国FB
・昨夜の警察は、きっちり国民と非国民を路上で選別して差別的扱いを徹底していたーーオリンピック開会風景NEAR THE 国立競技場 森川文人FB
・法的根拠なく人民の移動の自由を抑圧するお巡りたちーー「平和の祭典」オリンピックは、こんな暴力装置の横暴によって支えられている 芦部ゆきとTwitter
・もはや日本が何のために五輪を開催しようとしているのか、海外からも疑問の声が聞こえてきているーー英紙が痛烈批判「東京五輪は菅首相のためだけに開催されている」 クーリエ・ジャポン
・敗戦後、最後に正式投降したのが小野田寛郎だーー第2次世界大戦の英雄と、日本の過去との向き合い方 BBCニュース
・とても面白い。討論らしい討論ーー「テレビは 権力との癒着・忖度を突き破れ」シンポジウム
・木村剛久さん(元共同通信記者・編集者、「海神日和」主宰)の「蒙古襲来と鎌倉幕府の崩壊──網野善彦『日本社会の歴史』を読む
きょう ふづき147

Blog「みずき」:鄭玹汀さん(日本キリスト教史、木下尚江研究)の「オリンピック開催地における人権侵害の問題について」。

『1988年に開催されたソウルオリンピックのことが頭に浮かんでくる。当時大学生だった私は、オリンピック批判の本を探して読んだりしていた。

 その時、ソウルの貧民街、いわゆる「タルトンネ」(月の町=月に届くほど高い場所にある貧民街)は強制撤去という無慈悲な暴力によって徹底的に破壊された。生きる道を閉ざされた人々が路頭に迷うことになった。撤去現場で、1986年から1988年2月までに、14人が強制撤去のために死亡したと報道されている。その際、「オリンピックが人を殺す」という言葉まで出回るようになった。ソウルオリンピック競技場建設のために、72万人の住民が立ち退きを強いられた。

強制立ち退き・住居人権監視団体(Centre on Housing Rights and Evictions)の報告書によると、これまで五輪を開催した都市を対象に調査した結果、オリンピックは大規模な強制退去など貧困層の生活に深刻な影響を与え、貧困を増幅・拡大させる要因となったという。北京では、五輪開催を理由に北京市内に住む約125万人もの住人が強制的に立ち退きさせられた。同報告書によると、1988年以降、世界中で200万人以上の人々が五輪のために、住居を失うことになったという。こうしたオリンピックの暴力性は、決して看過できない問題である。

ソウルオリンピックの時、膨大な数の露天商の人々が市内から追い出された。オリンピックというお祭りのために、数限りない人々が住処を失い、露天商は生計を断たれ、絶望の淵に突き落とされた。2016年、オリンピックを目前にしたリオデジャネイロ市で、警官の過剰な武力の行使による殺人が激増したことからも、オリンピックは「平和の祭典」と大きくかけ離れているという事実を真剣に考えなければならない。
 一人ひとりの基本的人権をさらに尊重する社会のために、オリンピック廃止を強く願っている。』(鄭玹汀FB 2021年7月23日)

【山中人閒話目次】
・その時、「オリンピックが人を殺す」という言葉も生まれたーー鄭玹汀さんの「オリンピック開催地における人権侵害の問題について」鄭玹汀FB
・私も「漫画の吹き出しそのもののセンスのない国名プラカード」には呆れ果ててしまったーー2021東京オリンピック開会式 高林敏之さんと鄭剛憲さんの違和感
・「野次」とは没主体の安全地帯から発する無責任を言うのであり、安倍晋三を批判した人の勇気を「野次」と言うのは無礼です 内海信彦FB
・さまざまな思いが集まってデモすること自体はもちろん賛成ーー渋谷のど真ん中でオリンピック反対デモ♪ 森川文人FB
・この状況で国の代表になることは考えられなかったーー「血でぬれた旗の下では行進しない」五輪拒否、ミャンマー選手の決意 毎日新聞
・五輪という国家的な緊急事態宣言の「例外」を設けているのだから、当然こうなる 平野啓一郎Twitterーー緊急事態宣言下の4連休初日 空、鉄道の人出増 FNNプライムオンライン
・さもありなんーーバッハ会長“長過ぎスピーチ”で…テレビが映さなかった「たまらずゴロ寝」選手続々 Smart FLASH
・盛田常夫さん(在ハンガリー、経済学者)の「政府が野党指導者や記者をスパイ?――盗聴事件で揺れるハンガリー政界」
・内野光子さん(歌人、短歌評論家)の中根誠著『プレス・コードの影』書評――現代の言論統制への警鐘
きょう ふづき142
航空自衛隊の「ブルーインパルス」の飛行に歓声を上げる「国民」たち

Blog「みずき」:私もそう思った。「国民」「国民性」とはなにか。だが、そう問うことも虚しい……

『いともたやすく動員される「国民」たち』(芦部ゆきとTwitter 2021年7月23日)

『航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が23日、5色のスモークで空に五つの輪を描くのを一目見ようと、国立競技場周辺に大勢の観客が集まった。飛行が始まるとスマートフォンを構えて写真や動画を撮影、歓声が上がり、拍手も湧いた。』(共同通信・東京五輪ニュースTwitter 2021年7月23日)


【山中人閒話目次】
・いともたやすく動員される「国民」たち 芦部ゆきとTwitterーーブルーインパルスが5色のスモークで空に五つの輪を描くのを一目見ようと国立競技場周辺に大勢の観客が集まった。
・「五輪開催 俺らにいいことひとつもない」ーー きょうから横浜公園立ち入り禁止 路上生活支援団体「公共の場閉鎖 必要性ない」 東京新聞
・ジョン・コーツはなにさまのつもりだ。これがIOCの正体だというべきだろうーーコーツIOC副会長、女性の州首相に対する「マンスプレイニング」で批判 BBCニュース
・東京オリンピック開会の前日である。なにか禍々しいことが押し寄せて来そうな不気味な雰囲気ーー澤藤統一郎さんの「東京オリンピック開会前日のこの禍々しさ。」
・そもそも、この国にとってオリンピックとは何なのかーー吉見俊哉『五輪と戦後――上演としての東京オリンピック』刊行記念著者インタビュー Web河出
・姿が見えない者への怒りーー隔離 姿なき視線に晒す私生活 朝日新聞読者欄 2021年7月23日
・ベトナム人技能実習生・新生児「死体遺棄」事件ーー7月20日熊本地裁有罪判決に強く抗議する声明
・改善が見込めない以上、世界遺産委は軍艦島の世界遺産登録を取り消すべきだーー世界遺産委、日本に改善要求決議 軍艦島の展示めぐり 朝日新聞
・「野党第一党エゴ」をさらに助長させているのが「野党共闘第一主義」とでも言うべきものではないかーー「立憲との調整不調」ではない 郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
・日本はアメリカのシンクタンクにやりたいことを「予言」させているーー(耕論)「外圧」の正体 猿田佐世さん、中野剛志さん、斎藤美奈子さん 朝日新聞
・俺もそう思うね。これこそ「言語道断」 石田英敬Twitterーー小林氏は解任なのに…「ナチスに学べ」発言も続投の麻生大臣に再批判 女性自身
きょう ふづき137

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」主宰)の「東京五輪「小山田氏辞任は当然」に潜む危険な論調」

『作曲家の小山田圭吾氏が、障害者らに対する過去の暴行・虐待で東京オリ・パラ開会式のスタッフを「引責辞任」(19日)した問題。
 小山田氏の当時の行為、その後それを反省もなく2つの雑誌で語った(1994、95年)ことが言語道断であることは言うまでもありません。

 しかしそのこととは別に、小山田氏の辞任を当然とする論調の中には、賛同できない危険なものがあります。

 小山田氏への批判が収まらないとみた加藤勝信官房長官は、19日の記者会見で、「政府としては共生社会の実現に向けた取り組みを進めている」「組織委において適切に対応していただきたい」と“小山田切り”を求めました。東京五輪がこれ以上批判を浴びれば菅政権にとって致命傷になりかねないという政治的思惑です。

 一方、小山田氏の辞任は当然とする新聞の社説はこう述べています。

「人間の尊厳を重んじ、あらゆる差別の否定を掲げる五輪の式典に、こうした人物が関わることがふさわしいとは思えない」「まさかこんな悲惨な状況で迎えるとは予想もしなかった「平和の祭典」の幕開けである」(21日付朝日新聞社説)

「五輪憲章は、あらゆる差別を禁止している。東京大会は「多様性と調和」を理念に掲げ…小山田氏が担当者として不適任なのは明白だ」「組織委が、人権への配慮を欠く体質を根本的に改めなければ、五輪と国民の距離は広がるばかりだ」(21日付毎日新聞社説)

 また、社会学者の大澤真幸氏は、こう述べています。
「小山田氏は雑誌で(「いじめ」を)武勇伝のように語っていました。その人が五輪開会式という国家的祭典の作曲を担うことになり、人の痛みが分からない人が「勝ち組」になるのかと怒りを抱いた人もいたのではないでしょうか」(19日朝日新聞デジタル)

 こうした論調には共通性があります。小山田氏は五輪の理念(憲章)に照らしてふさわしくない、「平和の祭典」「国家的祭典」を担当するのは不適格だ、「五輪と国民の距離を広げる」ことになる、というものです。
 ここにあるのは、五輪の美化・神聖化、あるいはそうあってほしいという願望です。そこには、東京五輪を「国家的祭典」として強行しようとしている菅政権との危険な共通性があります。

 「あらゆる差別を否定」する「多様性と調和」の「平和の祭典」、などという五輪・東京五輪のスローガンが真っ赤なウソであることは、それが世界の紛争、貧困、格差、人権侵害を隠ぺいして行われる「先進諸国」主導の政治イベントであること、さらに、招致買収「疑惑」以降の東京大会をめぐる不祥事のヤマ、路上生活者の排除などを見れば明らかです。

 「国家的祭典」であることは否定しません。しかしその意味は、「国旗」「国歌」に包まれ、「国家」がメダルの争奪戦で「国威」の発揚と「国民」の結束を図るという意味での「国家的祭典」ということです。そこにあるのは偏狭ナショナリズムであり、「先進諸国」の「国家戦略」です。

 国家主義と大資本の商業主義、五輪ファミリーの利権にまみれた五輪はとうの昔に耐用年数を過ぎており、廃止すべきです。コロナ禍の東京五輪は、そのことを提起しているのではないでしょうか。

 小山田氏の問題は、そうした五輪のウミ、宿痾の表れの1つであり、小山田氏が辞任したからといって五輪の問題はなんら解決へ向かいません。開会式が強行されようとしているいま、考えねばならないのは、五輪の存廃そのものです。』(アリの一言 2021年7月22日)


【山中人閒話目次】
・ここにあるのは、五輪の美化・神聖化ですーー鬼原悟さんの「東京五輪「小山田氏辞任は当然」に潜む危険な論調」
・坂尻信義編集局長の社告は、先の「五輪中止」社説から大きく後退したーー金平茂紀さんと浅野健一さんの朝日新聞批判
・「神の国」の元首相が元組織トップで、「朝鮮人虐殺」を認めない知事が開催都市の五輪だからねえーー五輪開閉会式ディレクターの小林賢太郎氏を解任 組織委 朝日新聞
・それって、自民党に対する怒りから維新を支持するようになった大阪に多い人たちの心性と何も変わらないのでは?ーー「kojitakenの日記」の「町山智浩が小山田圭吾を擁護したツイートが見苦しい」
・オリンピック選手村で新たに選手ら4人の感染確認ーー米体操女子、ホテル泊に 感染懸念し選手村を回避 日本経済新聞
・ここまで無能で分別の利かない人間に政権をゆだねる市民の不幸を痛感する 醍醐聰Twitterーー菅首相「五輪やめるのは簡単、楽なこと。挑戦するのが役割」 毎日新聞
きょう ふづき133

Blog「みずき」:「1980年代以降の日本の文化・社会・政治が裁かれる日の到来」という見出し(タイトル)の認識に共感しますので、なぜそういう結論になるのか、を理解するために「kojitakenの日記」の2021年7月20日付の全文を引用します。

小山田圭吾が「五輪開会式楽曲担当」辞任に思う、1980年代以降の日本の文化・社会・政治が裁かれる日の到来

『東京五輪の開会式の音楽をめぐる小山田圭吾の旧悪が暴かれた一件については、小山田のいじめ体質が東京五輪開催を強行した菅政権や安倍前政権の体質とよく合っているから東京五輪にはむしろ似つかわしいくらいだと思っていたが、小山田と組織委員会に対する批判が怒濤の勢いにまで強まったため、小山田がついていた五輪開会式楽曲担当の役職を辞任し、小山田が作った音楽は演奏されないことになった。

 これまでにも何度か日記に書いたことがあるが、私は1980年代の日本の文化が当時から大嫌いで、ずっとそれに背を向け続けてきた。その嫡子である1990年代の文化に対しても同様だ。だから小山田も「渋谷系」とやらもその名前すら知らなかった。

 日本の文化において、1980年にほとんど不連続的ともいえる急激な変化が起きたと私は考えている。その象徴がツービートの「赤信号、みんなで渡れば怖くない」であって、私はこのフレーズが死ぬほど嫌いだった。その思いは今でも変わらない。現在、菅義偉の新型コロナ対策といえば、ワクチンの他には飲食店いじめしかないが、飲食店いじめの露骨さとか、あるいは安倍政権時代の公文書の隠蔽、改竄、廃棄など悪行のやりたい放題なども、全部この1980年以来の日本文化の悪しき流れに乗っかったものだといえるのではないか。

 そして、「渋谷系」の人間たち、ことに小山田圭吾や彼を持ち上げた雑誌の編集者たちは、弱者差別を売り物にさえしていたようだ。

 今回の件で、2006年に公開された電八郎氏の「孤立無援のブログ」の下記記事が再発掘され、小山田の極悪非道ぶりが広く知られることになった。

孤立無援のブログ
小山田圭吾における人間の研究
https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/20061115/p1

上記ブログ記事の冒頭部分を以下に引用する。


 ミュージシャンのコーネリアスこと、小山田圭吾ですけど。
 雑誌のインタービューによりますと、彼は、和光大学付属の小・中・高校時代に、いじめる側の生徒だったようです。
「ロッキンオン・ジャパン」(1994年1月号。編集長は山崎洋一郎)の小山田圭吾2万字インタビューによると、


「あとやっぱりうちはいじめがほんとすごかったなあ」
■でも、いじめた方だって言ったじゃん。
「うん。いじめてた。けっこう今考えるとほんとすっごいヒドイことしてたわ。この場を借りてお詫びします(笑)だって、けっこうほんとキツイことしてたよ」
■やっちゃいけないことを。
「うん。もう人の道に反してること。だってもうほんとに全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ。ウンコを食わしたりさ。ウンコ食わした上にバックドロップしたりさ」

 とのこと。
 このインタビューを読んだ村上清というライターが、その後、雑誌『クイック・ジャパン』vol. 3号(1995年8月・51-72頁)にて、「村上清のいじめ紀行」という記事を書きます。記事によれば、”いじめってエンターテイメント”ということらしく、


いじめた側の人がその後どんな大人になったか、
いじめられた側の人がその後どうやっていじめを切り抜けて生き残ったのか、

 という興味から、いじめた人と、いじめられた人との対談を企画します。しかしこの対談は実現せず、小山田圭吾への個人インタビューとなります。(後略)
出典:https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/20061115/p1

 上記記事は最初他のブログに掲載され、それがはてなダイアリー(当時)に引っ越したあとの2012年夏に一度発掘されたことがあったようだ。「はてなブックマーク」の人気ブクマの多くはこの時期につけられている。2012年夏といえば、第2次安倍内閣発足の数か月前だ。いくつか紹介する。

《私がこのインタビューをかつて読んで驚いたのはその語り口の上手さ。いじめ自体の問題は別にして一種の芸。2ch的なものの走りであり、94年にはまだそうしたネット匿名の巨大世界はなかったのである。》
kmiuraのブックマーク2012/07/23

 「2ch(現5ch)的なものの走りであ」るとともに、1980年にツービートが発した「赤信号」の嫡子でもあるよなあ。80年代・90年代文化の典型例じゃないかと思う。

《小山田がクズなのは全くその通りだがこの露悪と当時の音楽性はそのまま繋がってて裏切るものでもない。 90年代渋谷系の本質の一つは悪童達の露悪だったから。》
sgtnkのブックマーク2012/08/08

「悪童たちの露悪」というのもビートたけしと同じだ。たけしがテレビ朝日の「TVタックル」などで自民党の御用芸人というか電波芸者的な役割を長年果たしてきたことも忘れてはならないだろう。

《スクールカーストの上位にいる人間にとって、「いじめ」とは本当に娯楽・よい思い出なんだろうね。うんざり》
zetamattaのブックマーク2012/07/23

 階級の上位にある者が下位にある者をいじめることをよしとする、というのが1980年から40年間続いた日本社会の基本的なコンセプトだったのではないか。文化にも自民党政権の政治にも通底するその流れが(おそらくはコロナ禍を機に)今まさに問われようとしている。もしかしたらわれわれは今、数十年の一度の大きな転換期にいるのかもしれない。

《小山田圭吾も無防備すぎるし、ヤな奴だとは思うけど、インタビュアーの品性が記事にはいちばん反映されるんだよね。で、おどろきはないよ。ロックやサブカルなんてこの程度なんですよ。そんだけの話。》
nesskoのブックマーク2012/07/24

「ロックやサブカルなんてこの程度」というのは、その前に「1980年代以降の日本における」という限定が必要なんじゃないか。例えば、私がロック雑誌の論客として直ちにその名を思い浮かべる故中村とうよう(2011年没)は、小山田や村上清とは対極にあるような(その実根っこは同じなのかもしれないが)教条的な左翼だったのだから。

 ところで昨日、本件からまず反ユダヤ主義者にして没後ナチスドイツに利用されまくったリヒャルト・ワーグナーを思い出した。彼の音楽は世界中の多くの人に愛好されているが、イスラエル・フィルがワーグナーを演奏するまでには何十年もの歳月を必要とした。

 また、そういえば殺人を犯した作曲家や画家がいたはずだよなあと思ってネット検索をかけ、作曲家カルロ・ジェズアルド(1566-1613)や画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)について書かれた記事を読んでいた。小山田圭吾は殺人こそ犯していないが、ジェズアルドやカラヴァッジョを連想させる人間であることは間違いないだろう。なぜなら、小山田のいじめを苦にして自殺に追い込まれる人が出た可能性だってあるのだから。

 もっともワーグナーはもちろんジェズアルドの音楽やカラヴァッジョの絵は現在でも評価されているが、小山田の「音楽」が後世に残るかどうかは知らない。そもそも私は彼の「音楽」など全く知らないのだから評価のしようがない。

 ただ、1980年代から90年代にかけての日本の文化、ひいては当時から現在に至る日本社会や自民党政権による政治のあり方が裁かれる日々がついに始まりつつあるのだなあと、そのことに対して深い感慨を覚える次第。』(kojitakenの日記 2021年7月20日)

【山中人閒話目次】
・小山田圭吾が「五輪開会式楽曲担当」辞任に思う、1980年代以降の日本の文化・社会・政治が裁かれる日の到来 kojitakenの日記 
・古市憲寿という「社会学者」の小山田圭吾擁護ーーなんでこういうこと言う連中が発言力もつのか? 西谷修FB
・呪われた呪われた東京五輪? いいえ、社会の劣化が見えるようになっただけ。  澤藤統一郎の憲法日記
・ミャンマー軍事政権、ロシアの援護が急拡大 長年の後ろ盾だった中国は軍事政権から距離を置く ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
・サウジアラビアによって殺害されたジャマル・カショギ記者に近い女性らの番号も含まれていたーー世界の記者の情報監視か イスラエルのスパイウエア 時事通信
きょう ふづき132

Blog「みずき」:高世仁さん(放送ジャーナリスト)の「自己肯定感が低い日本の若者」

『国際調査がおもしろい。客観化することで、気づかなかった自分=日本を発見できる。

 内閣府は、日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」を行なっている。気になるのは、日本の若者の自己肯定感が非常に低いことだ。
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/s0_1.html

 自己肯定感の低さは、うつや自殺願望などにもつながる。

 最近、若者の自殺が増えているとの記事を見かけるようになった。

 コロナ禍が非正規職の人々の暮らしを直撃したことも影響して、若者や女性の自殺が増加しているという。小中高生についてみると、去年自殺した人は、前年から25%増えて過去最高になった。ほんとうに痛ましいことだ。

 この記事によれば、文科省の有識者会議は、SNSでの相談体制の充実や子どもの気持ちの変化をとらえるアプリの開発などを提言する。こういうのも大事だとは思う。
 また、坂口恭平さんのやっている「いのっちの電話」など、自殺直前に思いとどまらせる相談窓口も公的なお金で拡充すべきだと思う。

 しかし、これらの方策は、あくまで応急措置である。

 自己肯定感が低いままでは「解決」にならないだろう。一人ひとりの「ものの見方」のところを何とかしないといけない。

 どうすればいいのか。』(高世仁の「諸悪莫作」日記 2021年7月20日)

【山中人閒話目次】
・自己肯定感が低いままでは「解決」にならないだろう。一人ひとりの若者の「ものの見方」のところを何とかしないといけないーー高世仁さんの「自己肯定感が低い日本の若者」
・バッハによる異民族支配のリスクが、さらに顕在化しつつあるのだーー澤藤統一郎さんの「バッハという「異民族支配者」の忌まわしさ」
・企業イメージの低下につながると判断した可能性があるーートヨタ、五輪CM放映せず 社長らの開会式出席も見送り 朝日新聞
・米有力紙USAトゥデー論評ーー「悪夢が現実に」と米紙論評 五輪、海外選手感染で 共同通信
・英国の封鎖解除とオリンピック開催強行が持つ意味について解き明かすーー英の封鎖解除・オリンピック〜変異株の競争 小野昌弘 - 個人 - Yahoo!ニュース
・たしかにこの30年、この国は通俗政治(ポピュリズム政治)に翻弄されてきたーー兵庫県に「維新知事」が誕生した遠因は4年前の知事選での勝谷誠彦出馬だったとの説 kojitakenの日記
・中国、ウイグル族収容疑惑の「レベル4施設」に迫った 観光客でにぎわう自治区の街を出て記者が見たものとは 47NEWS
・「なぜ船は沈んだのか」情報公開をこれ以上劣化させないためにも国(運輸安全委員会)を提訴します|スローニュース 高田昌幸Twitter
・ペドロ・カスティジョさんはどういうペルー改革の旗(政策)を掲げるのか?ーーフジモリ氏が敗北 ペルー大統領選、カスティジョ氏当選 朝日新聞
・漱石は怒りをぶちまけている。いわゆる「自粛」の空気が広がることに対する怒りである。しかしこれよりももっと大規模な「自粛」が、76年後の昭和天皇の重体の際には広がった
きょう ふづき126

Blog「みずき」:しかし、「権力嫌い」を日本人の悪い価値観と決めつけることは必ずしも適当ではないだろう。もちろん「権力嫌い」と「反権力」は似て非なるものであるが、「反権力」はいつの時代もその時代をよきにつけ悪しきにつけ変化させる原動力の役割をも果たしてきた。その肯定面を見逃してはならないだろう。

『1カ月前、このブログで、万が一のとき自国のために戦うかとの質問に、日本人は「はい」と答えた人がわずか13.2%と世界でダントツの最下位であることを紹介した。

 調査対象77か国のうち、世界全体では「はい」が64.4%で、最高がベトナムの96.4%。平和国家のイメージがある北欧、ノルウェーで「はい」が87.6%、スウェーデンで80.5%とかなり高く、ほとんどの国で国民の過半数が「戦う」と答えている。

 「世界価値観調査」(WVS)という、世界人口の90%の国々・地域を網羅した価値観に関する国際調査だが、この調査は日本人がいかに特殊な価値観を持っているかを浮き彫りにして、私自身、ちょっとショックを受けている。

 質問項目の一つにこんなのもある。
 近い将来、私たちの生活に起きる可能性のあるさまざまな変化のうち、「権威や権力がより尊重される(Greater respect for authority)」ことをどう思うか。この質問に、「良いこと」「気にしない」「悪いこと」「わからない」の選択肢から選ぶ。

 日本は「良い」が1.8%しかなく、「悪い」が80.6%と、調査対象国・地域79のなかでとびぬけた拒否反応を見せている。

 日本に次いで「良い」が少ない韓国でも「気にしない」を含めれば過半数になる。日本は「気にしない」を入れても18.5%にしかならない。世界で突出している。
 社会におけるauthority(権威・権力)といえば、まずは国家の権威・権力を意味する。

 新型コロナの感染拡大のなか、ロックダウンや違反者への制裁などの強力な措置をとらず(とれず)、国民への自粛のお願いだけをひたすら繰り返す日本は、権威主義とは真逆のように思えるが、それでも日本人のほとんどは、国家の権威・権力がより強くなることを認めたくないのだ。

 私も日本で生まれ育ってきたので、自国のために戦うかの問いも含め、この「空気」を共有していて、よく理解できる。私たちは「権力」というと、もう反射的に「悪」と思ってしまうようだ。

 同じ日本人の私が、大所高所からこの「空気」を批判する資格はないが、かといって「これでいいのだ」と開き直ることもはばかられる。というより、このままじゃまずいだろ、という思いが強い。

 自分が「あたりまえ」と思っていることが、他の文化圏と比較されてはじめて「あたりまえ」ではないことに気づかされる。国際比較から学ばされることは多い。』(高世仁の「諸悪莫作」日記 2021年7月19日)

【山中人閒話目次】
・万が一のとき自国のために戦うかとの質問で日本人は世界でダントツの最下位ーー極端に権力を嫌う日本人 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
・田畑光永さん(ジャーナリスト)の「新疆ウイグル族自治区をどう説明するか――中国共産党100年にあたって(4)」
・ロシア・プーチン政権の暴政はとうとう法律で言論の自由を根こそぎ簒奪するところまで来たーーナチス同一視禁止 ロシアは歴史を歪めるな 産経新聞
・とうとう兵庫も極右・維新政治の軍門に堕ちてしまったーー兵庫県知事選 自民・維新推薦の新人 斎藤元彦氏が初当選 NHKニュース
・米紙ワシントン・ポストは当初の五輪への熱気は敵意にすら変わっていると報じたーー米紙、東京五輪「完全な失敗」 熱気から敵意に 共同通信
・各紙メディアの世論調査でも「過去最低」が続出しているーー菅内閣支持率、過去最低の31%に 朝日世論調査
・バイデン大統領とかジョンソン首相に対しては決してこういう下卑た言動は弄さないだろう 鄭剛憲FBーー駐韓総括公使、韓日外交に「性的表現」の暴言 hankyoreh japan
・私たちの日常生活の思わぬ場面が企業や政府に監視されるようになっているーースパイウェアに狙われるジャーナリスト 不都合な真実の消去に協力する企業 朝日新聞GLOBE+
きょう ふづき122
中央最低賃金審議会の小委員会=13日午後、東京都中野区

Blog「みずき」:「生産性を上げねば最低賃金上げも続かぬ」のではない。最低賃金を上げなければ生産性も上がらない(ポール・クルーグマン)。というよりも、そもそも最低賃金は生産性のためにあるのではない。「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たす」(労働基準法第1条)ためにあるのだ。日本経済新聞の社説の問いの立て方はまったく逆だ。

問いの立て方がまったく逆なのは朝日新聞も産経新聞もまったく同様だ。編集者や記者自身が資本の論理に絡めとられ、労働問題のなんたるかをまったく理解していないし、理解しようともしていないのだ。この国の社会の右傾化はとめどない。

[社説]生産性を上げねば最低賃金上げも続かぬ(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK144TM0U1A710C2000000/?fbclid=IwAR3W3lx37tXvn2HShtNb0oph7RvAPMEDySHpsYlhncSdQWrgL-_If8cBhcM
「なぜ、今なのか」 最低賃金引き上げ決定に中小企業の不満噴出 雇用圧迫の懸念も(産経新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2efb330387a7050fdb848363c6aebc5624add0ad?fbclid=IwAR2WY8HWemMTjdQGFt8-eDdgJOSn3_HgbBvy3NNRI6kXFPO6xXVsE3KsXt8
中小企業3団体、最賃引き上げに猛反発「決め方に疑問」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbed4ed61432a7c8d877c58b08ac29c92662ee16?fbclid=IwAR2KwSE2EYUIzk2yUYFRrGfFc9l01x3koh5atBYG1DOL9K2HIcHaZc6WZW8


【山中人閒話目次】
・最低賃金は「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たす」(労基法1条)ためにあるのだーー[社説]生産性を上げねば最低賃金上げも続かぬ(日本経済新聞)
・コロナ感染爆発のインドネシアから逃れようとする邦人が、オリンピック対策のために帰国できないでいるーー高世仁さんの「オリンピックに殺される!」
・こんなグダグダな対応で俺たちは守られるのかーー「ちゃんと開催しようという努力が感じられない」海外メディアが東京五輪に“大憤慨” 文春オンライン
・これは酷い。酷すぎる。「集会の自由」も「言論の自由」もあったもんじゃない!ーー【バッハ直訴アクション~ホテルオークラに「五輪中止」の嘆願書を届けよう】直後、警察の本性があらわに
・ウィシュマさんのメモには入管の異常な対応が記されていたーーウィシュマさん残したメモ 遺族が入管庁長官に提示 神奈川新聞
きょう ふづき119

Blog「みずき」:「表現の不自由展かんさい」を巡り、会場の利用を認めた大阪地裁の決定を不服とし、高裁に抗告、さらには最高裁に特別抗告していたが、最高裁はこれを棄却したということだ。この一連の特別抗告は事実上大阪府であり、クソな知事吉村の「茶番」は幕を閉じた。』(菅原龍憲FB 2021年7月17日)

附: 表現の自由を侵害する、権力と右翼との暗黙のチームプレイの構造。 澤藤統一郎(弁護士、東京)
http://article9.jp/wordpress/?p=17221

『本日から、「表現の不自由展かんさい」が始まった。なるほど、この社会の「表現の不自由」をよく示す企画展になった。この国の「法治」が危ういことも教えている。そして、何よりも、この企画を通して表現の自由を守るには覚悟と努力が必要なことを学ばねばならない。

 いつの世にも、表現の自由を巡ってのせめぎ合いが絶えることはない。一方に自由な表現を希求する表現者が必ずあり、他方にその表現を不都合とする権力が必ずある。表現の自由を嫌うのは、権力というものの宿命と思うべきであろう。

 いま、この表現者対権力という古典的な構造は必ずしも、露骨に目に見える形にはなっていない。権力は、表現の自由尊重の体裁をとらざるを得ないからだ。権力者は表現の自由尊重のポーズをとりつつも、理由あってやむなく表現の自由を制約せざるを得ない、と言い訳しながら表現の自由を圧殺する。

 表現の自由に対する敵対者はいくつかに役割を分担し分業しているのだ。脅迫文を郵送したり街宣車で恫喝したりの直接的な妨害行為に出る役割の者、世論を装って電話やファックスでのクレームを繰り返す者、そしての妨害行為やクレームを口実に表現の自由を圧殺する権力本体。この三者の暗黙のチームプレイ。今や常套手段となった権力のこの手口にごまかされてはならない。

 「表現の不自由展かんさい」の会場は、大阪府所有の施設「エル・おおさか」。なんの問題もなく、会場を借りることができた。ところが、展覧会に対する抗議の電話や右翼の街宣活動が相次いだことを受けて、指定管理者(公的施設の管理を受託している民間業者)が6月25日、「安全確保が困難だ」として会場利用承認を取り消した。この問題で指定管理者が独自の判断をできるはずはない。大阪府の判断と受けとめるべきが当然である。この段階から、大阪府知事吉村洋文の姿勢が問われ続けている。

 吉村には二つの選択肢があった。一つは、職員を配置し、警察を動員してでも、断乎たる姿勢で『表現の自由の妨害を許さない』とすること。おそらく、そうすれば、彼の評価は変わっていただろう。しかし、彼はそうしなかった。吉村が選択したのはもう一つの選択肢、つまり、「表現の自由尊重のポーズをとりつつも、抗議の電話や右翼の街宣を口実に、やむなく表現の自由を制約せざるを得ないと言い訳しながら表現の自由を圧殺する」ことであった。

 不自由展の実行委員会は、6月30日やむなく大阪地裁に、「会場利用承認取り消し処分」の取消を求めて提訴し、同時に執行停止(民事訴訟の仮処分に相当する)を申し立てた。結果は目に見えていた。7月9日、大阪地裁は執行停止を申立を認める決定をした。「警察の適切な警備などによっても混乱を防止することができない特別な事情があるとは言えない」との理由で、「不自由展」の会場利用を認めたのだ。この日吉村は記者団に「最終判断は(施設の)指定管理者になるが、内容に不服があるので抗告することになる」と自らの意思を語っている。

 この決定を不服として、7月12日事実上大阪府が、大阪高裁への即時抗告を申し立てた。名古屋市で開催された展覧会で会場の施設に届いた郵便物が破裂し、臨時休館となったことを挙げて「警備を強化して対応できるレベルを超えた実力行使により負傷者が出る具体的な危険がある」などと主張したという。名古屋の右翼の妨害行為も吉村の主張を援護することになるのだ。

 また、吉村は、「施設所有者として管理権があり、裁量がある。施設には保育所もあり、労働相談も受けている。施設利用者を守っていく役割がある。管理権として利用停止を判断する権限はある」と主張。「地裁では認められなかったので、高裁に判断を求めていきたい」とも言っている。「卑劣な表現の自由への妨害者をけっして許さない」「あらゆる手立てを尽くして表現の自由を守る」とは言わないのだ。

 それでも、昨日(7月15日)大阪高裁が即時抗告を棄却した。吉村はこれに従わざるをえないとしながらも、なお、最高裁に特別抗告をするという。

 なお吉村は、2019年開催の「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の際に、同様の展示を「反日プロパガンダ」と酷評していた。そして今なお、「僕自身の評価は変わりません」と言っている。

 その彼の見解は、下記の彼の発言によく表れている。

「僕自身は愛知で行われている時に否定的な意見も言っている。だからといって、施設利用は認めないのはあってはならないし、表現の中身に踏み込むつもりはない。でも、かなり不快に思う人はたくさんいる。その人たちにも理由があって、そこでぶつかることもありえる。表現の不自由展をやってる方が自分たちが正義だと思っているのは分かるが、そうじゃない人の正義もある」

 彼は、この問題を、「表現の不自由展をやってる方の正義」と「表現の不自由展を不快に思うたくさんの人の正義」との衝突という図式でとらえているようである。が、問題は「誰の正義が真の正義か」ではない。誰にも表現の自由は保障されている。一方には、妨害を受けることなく表現の不自由展企画し実行するする自由が、そして他方にはこの展覧会を批判する表現の自由が保障されなければならない。そして言うまでもなく、互いに実力で相手の表現を妨害することは決して許されない。表現の不自由展を企画し実行する自由が制約される理屈は成り立たない。

 吉村のコメントは、「表現の自由を不快に思う」人々の気持を肯定しこれに肩入れする立場から、展覧会の開催の自由を何とか制約したいとする心情に溢れている。「かなり不快に思う人はたくさんいる。その人たちにも理由があって、そこでぶつかることもありえる」という表現で、展覧会の開催の妨害にも首肯すべき理由があり、会場使用承認取消にも十分な理由があるとの判断の伏線となつている。そのような心情と論理で、実行委が提起した取消訴訟の提起にも、執行停止の申し立てにも対応している。

 結局は、公権力が右翼の実力による展覧会妨害行為に理解を示しつつ、右翼の妨害行為の及ぼす危険を根拠に、会場使用承認の取消を合理化しようとしているのだ。この点、右翼との連携による暗黙のチームプレイの構造を見抜かねばならない。』(澤藤統一郎の憲法日記 2021年7月16日)

【山中人閒話目次】
・「表現の不自由展かんさい」を巡り地裁、高裁、最高裁は施設側の申し立てをすべて棄却したーークソな知事吉村の「茶番」は幕を閉じた 菅原龍憲FB
・「表現の不自由展かんさい」会場、右翼街宣車も真面目にご出勤ーー会場近くの天満橋駅前にも、「表現の不自由展は日本人へのヘイト」だと主張する方々がご出勤されてました 姜信子FB
・バッハ訪問・「ヒロシマ」の政治利用は許されないーー政治家(その同類)が政治的思惑をもって、「平和ポーズ」に利用することは許されない アリの一言
・現代社会での警察(治安・公安)の位置や役割について啓発的な具体例 西谷修FBーー安倍首相に「増税反対」と叫んだら警察官が…「道警ヤジ排除」から2年 HBCニュース
・大阪や北海道とくに兵庫が多いのは、4月5月の感染爆発で医療が崩壊したことに起因する 宮城健FBーー【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移
・裏街や安酒場が好きなのはいまも同じだーーおそらく若い日に耽溺したドストエフスキー、あるいは焼け跡・闇市派の影響が大きい
きょう ふづき116

Blog「みずき」:日本共産党委員長の志位和夫は「私たちが日本国民との関係で大きな誤りをせず」と言うが、「天皇制との共存を謳い、安保条約ともども「将来の国民の総意」に委ねるに至った共産党」(醍醐聰Twitter 2021年7月12日)の現況は「大きな誤り」そのものだろう。いまの共産党には「誤り」を「誤り」と認識するコミュニストとしての目=認識力すらないと言わざるをえない。

『共産党が創立してから15日で99年を迎えた。志位和夫委員長は同日の会見で「99年間党名を変えずに活動したのは共産党だけ。私たちが日本国民との関係で大きな誤りをせず、国民の利益、平和、人権、民主主義に即した活動を行ってきた結果だ」と誇った。』(朝日新聞 2021年7月15日)
https://www.asahi.com/articles/ASP7H6QSWP7HUTFK011.html?fbclid=IwAR097DWl532mlkkZOwRqK70FZBOE_Gf16XwxhLr3AiwoSgW2F-FgHLgaDnw

附:明仁天皇の生前退位時前後の天皇制の行方~リベラル派、護憲派の天皇制への傾斜(内野光子のブログから)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/07/post-6ae792.html?fbclid=IwAR0fG9GVf3b05tO3AaIIyJCqkPfJpJRLwda8m60-UZr6zelKrputDtgct04

『リベラルな人たちの天皇制への傾斜、たとえば・・・・

矢部宏治(1960~):「初回訪問時の約束通り、長い年月をかけて心を寄せ続けた沖縄は、象徴天皇という時代の「天皇のかたち」を探し求める明仁天皇の原点となっていったのです」(『戦争をしない国―明仁天皇メッセージ』小学館 2015年)。著書に『日本は、なぜ基地や原発を止められないのか』(集英社インターナショナル 2014年)。

金子兜太(1919年~2018年):俳人。 金子兜太選「老陛下平和を願い幾旅路」(伊藤貴代美 七四才 東京都)選評、「天皇ご夫妻には頭が下がる。戦争責任を御身をもって償おうとして、南方の激戦地への訪問を繰り返しておられる。好戦派、恥を知れ」(「平和の俳句」『東京新聞』2016年4月29日)。「アベ政治を許さない」のプラカード揮毫者。

金子勝(1952~):マルクス経済学者。「【沖縄に寄り添う】天皇陛下は記者会見で、沖縄のくだりで声を震わせて「沖縄は、先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました」「沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません」と語る。アベは聞いているのか?」(2018年12月23日ツイート✔ @masaru_kaneko)。

白井聡(1977~):「今上天皇はお言葉の中でも強調していたように、「象徴としての役割」を果たすことに全力を尽くしてきたと思います。ここで言う象徴とは、「国民統合の象徴」を意味します。天皇は何度も沖縄を訪問していますが、それは沖縄が国民統合が最も脆弱化している場所であり、永続敗戦レジームによる国民統合の矛盾を押しつけられた場所だからでしょう。天皇はこうした状況全般に対する強い危機感を抱き、この危機を乗り越えるべく闘ってきた。そうした姿に共感と敬意を私は覚えます。天皇が人間として立派なことをやり、考え抜かれた言葉を投げ掛けた。1人の人間がこれだけ頑張っているのに、誰もそれに応えないというのではあまりにも気の毒です。」という主旨のことを述べています。(「天皇のお言葉に秘められた<烈しさ>を読む 東洋経済新報オンライン 2018年8月2日、国分功一郎との対談)。『永続敗戦論―戦後日本の核心』(太田出版 2013年)の著者。

内田樹(1950~):「天皇の第一義的な役割が祖霊の祭祀と国民の安寧と幸福を祈願すること、天皇は祈ってさえいればよい、という形でその本義を語りました。これは古代から変りません。陛下はその伝統に則った上でさらに一歩を進め、象徴天皇の本務は死者たちの鎮魂と苦しむ者の慰藉であるという「新解釈」を付け加えられた。これを明言したのは天皇制史上初めてのことです。現代における天皇制の本義をこれほどはっきりと示した言葉はないと思います。(「私の天皇論」『月刊日本』2019年1月) 永田和宏(1947~):歌人、歌会始選者。「戦争の苛烈な記憶から、初めは天皇家に対して複雑な思いを抱いていた沖縄の人々でしたが、両陛下の沖縄への変わらぬ、そして真摯な思いは、沖縄の人々の心を確実に変えていったように思えます。両陛下のご訪問は、いつまでも自分たちの個々の悲劇を忘れないで、それを国民に示してくださる大きなと希望になっているのではないでしょうか」(『宮中歌会始全歌集』東京書籍 2019年)。安保法制の反対、学術会議の会員任命問題でも異議を唱えている。

望月衣塑子(1975~):東京新聞記者。。コロナの時こそ、天皇や皇后のメッセージが欲しいと天皇・皇后へ賛美と期待を示す(作家の島田雅彦との対談、「皇后陛下が立ち上がる時」(『波』新潮社2020年5月)。

落合恵子(1945~):新天皇の大嘗祭での「おことば」を「お二人に願うことは、お言葉で繰り返された平和を、ずっと希求される<象徴>であって」(「両陛下へ」『沖縄タイムズ』2019年11月12日)

 美智子皇后との交流を重ねて語る石牟礼道子、安保法制に反対を表明した憲法学者の長谷部恭男は天皇制は憲法の「番外地」といい、木村草太は天皇の人権の重要性を説く。政治学者の加藤陽子は、半藤たちとご進講を務める。著書『それでも、日本人は『戦争』を選んだ』(朝日出版社 2009年)、半藤・保阪との共著『太平洋戦争への道1931-1941』NHK出版 2021年)
 リベラル、革新政党の天皇制への傾斜と同時に、安保法制反対、学術会議任命問題に異議を表明する歴史家や歌人たちが親天皇制を表明し、天皇夫妻の言動や短歌を高く評価する傾向が顕著になった。中堅、若手の歌人たちも「歌会始」への抵抗感も薄れている。こうした状況の中で、民主主義の根幹である「平等」に相反する天皇制を廃するにはどうしたらよいのか、現在の憲法のもとでできることは何か。
 私としては、天皇制廃止への志は忘れずにいたい。現制度の下で、できること、願うことといえば、天皇夫妻はじめ、皇族たちには、ひそかに、しずかに、質素に暮らしてもらうしかないのではないか。なるべく、国民の前に現れないように、そして、メディアも追いかけることはしないでほしい。天皇たちの人権を言うならば、天皇制が、さまざまな差別や格差の助長の根源であったことを思い返してほしい。一人の人間が、国民の「象徴」であること自体、「統合」であるとする「擬制」自体が、基本的人権に反するのではないか、といった趣旨で、締めくくった。

下記のような感想や指紋が出された。
・反戦主義者と思っていた半藤一利さんが意外であった。
・まず、男女平等の観点から「皇室典範」で女性天皇を認めるべきではないか。
・日本人には、古くから、短歌という文学形式が深く身についているから、短歌による発信が浸透するのではないか。
・宮中祭祀における、いわゆる「秘儀」に皇后たちは、苦悩したに違いない。その実態が明らかになっていないのが問題ではないか。
・黙っていて、というのは、天皇夫妻にも表現の自由があるのだから、酷ではないか。
・退位後、ネット上の美智子皇后へのバッシングがひどいのは、どうしたわけか。
・落合恵子さんは共和制を主張している人だが、天皇制を支持するとは、信じられなにのだが。

短歌が、国民に根付いた文学形式といっても、文学史上、多くの国民が短歌による発信ができるようになるのは、たかだか、近代以降で、それ以前の「和歌」は、一部の国民の発信ツールに過ぎなかったのではないか。美智子皇后へのネット上のバッシングというのは、私は詳しく知らないが、昭和・平成期にも潜在的にあったし、それを煽るようなメディアもあったと思う。「宮中」に入るからには、美智子皇后、雅子皇后にしても、当然覚悟していたことだと思う。いじめやバッシングは、法的な措置も辞さず、それによって、宮中内の実態も明らかになってゆくだろう。
また、いわゆるリベラル派による天皇夫妻への敬意や積極的にも思える天皇制維持の発言は、これからも、噴出、拡大していくのではないか。それは、革新政党の、ウイングを広げようとして「寛大さ」や「柔軟性」を掲げ、民主主義の根幹を忘れるという退廃と、その一方での若年層の、天皇や天皇制への無関心が相俟って、この国の進む方向には、不安は募るばかりである。
 質疑も含めて二時間弱、オンラインに慣れない私は、もうぐったりしてしまった。対面での研究会や集会が待たれるのであった。』(内野光子のブログ 2021年7月15日)


【山中人閒話目次】
・「天皇制との共存を謳い、安保条約ともども「将来の国民の総意」に委ねるに至った共産党」の現況は「大きな誤り」そのものだろうーー共産が創立99年 志位氏「党名変更は誤り犯したとき」 朝日新聞
・内野光子さん(歌人、短歌評論家)の「5)明仁天皇の生前退位時前後の天皇制の行方~リベラル派、護憲派の天皇制への傾斜」 内野光子のブログ
・「リベラルな人たちの天皇制への傾斜」(内野光子さん)の一例と言っていいでしょうーー奥田牧師の天皇への「御進講」について オクロス
・はっきりしていることは決して脅迫や暴力に屈してはならないということーー「表現の不自由展かんさい」予定通り7月16日から開催へ 施設側の即時抗告を大阪高裁が棄却 MBSニュース
・だれも観客がいない炎天下で、一生懸命スポーツをするというSF的世界 谷津憲郎Twitterーー東京感染「4週間後2406人」 第3波のピーク上回る 朝日新聞
・「倒木更新」ということーー樹木が生まれ変わり循環するのは自然の理とはいえ、なにか切ないものがあります 菅原龍憲FB
・パレスチナにおける家屋破壊が拡大しているーーネタニヤフ政権以前から、トランプ政権以前から、この家屋破壊政策に象徴される民族浄化は進行していた 早尾貴紀FB
・「自粛」の空気が広がることに対する漱石の怒りーーしかしこれよりももっと大規模な「自粛」が、76年後の昭和天皇の重体の際には広がった 原武史
きょう ふづき114

Blog「みずき」:医師は「消化管に関しては異常がなかった。胃カメラの結果、点滴・入院は必須ではないという判断をした」というが、胃カメラだけでどうして「点滴、入院」の必要性の有無が判断できるのだろう? 現に生命の存続すら危ぶまれる衰弱しきった患者が医師の目の前に横たわっていたのだ。信じがたい医師の判断だ。この時点で金平さんのいう「マトモな医師」が診察していればウィシュマ・サンダマリさんは死なないで済んだだろう。入管の担当者もウィシュマさんを診察した医師も「未必の故意」の殺人罪が問われるべきではないか。

『忘れてはいけないこと。法務省はビデオ映像を開示しなければならない。それにもまして、医師にもいろいろな人がいると思う。マトモな医師も、非道な医師も。それは、記者だって、弁護士だって同じ。』(金平茂紀FB 2021年7月14日)

【山中人閒話目次】
・「マトモな医師」が診察していればウィシュマ・サンダマリさんは死なないで済んだだろうーー入管死女性の診察医「点滴・入院、必須でないと判断」 遺族と面会 毎日新聞
・マルクス晩期の思想の中に環境危機への予言、脱生産力至上主義などの克服を見出した意味は小さくないーー阿部治平さんの「斎藤幸平著『人新世の「資本論」』を読んで」
・澤藤統一郎さん(弁護士、東京)の「開示されたNHK経営委員会議事録 ー 森下俊三は「もはや辞任は当然」」 澤藤統一郎の憲法日記
・ここまで準備の整った大会はない」というバッハ氏の言葉を読み、愕然としている 谷津憲郎Twitterーー「ここまで準備整った大会ない」バッハ会長が組織委訪問 朝日新聞
・水谷保孝さんの「21年版防衛白書の表紙に「天皇の忠臣・楠木正成像」を掲げた意図は何か‼ その侵略性と好戦性を弾劾する‼」
・日本政府がいかに国際的常識・良識からかけ離れているかを示すものーー鬼原悟さん(「アリの一言」主宰)の「世界遺産で日本政府の国際的ウソが暴かれた」
・ジャーナリストの浅野健一さんのご意見ですーー弾劾裁判及び分限裁判の記録 岡口基一
・一人の人間に、主権者が「統合される」とはどういう意味なのかとーー天皇の「象徴」の意味以上に、国民「統合」の意味を疑がってかかる必要がある 醍醐聰Twitter